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Posted by ブクログ
現在の日本が抱える社会問題に切り込んだ内容で、とても興味深く読みました。
特に印象に残ったのは、「ひきこもり」という、実は意外と身近にある問題です。最近では「知人の家族がひきこもっている」といった話を耳にすることもあり、決して遠い世界の話ではないのだと感じます。
この作品では、ひきこもる本人が抱える葛藤だけでなく、その家族が何を考え、どう向き合っていくのかという苦悩も、とてもリアルに描かれていました。読んでいると、著者がこのテーマについてかなり丁寧に取材を重ねたのではないか、と感じる場面も多くありました。
そして、ひきこもった人たちがどのように社会とのつながりを取り戻していくのか、そもそも「社会に戻る」とはどういうことなのか。そんなことについても考えさせられる作品でした。
終盤はテンポよく物語が進み、私はAudibleで聴きましたが、最後まで一気に楽しむことができました。
純粋にミステリーや小説としての面白さだけを求めるのであれば、ほかにも選択肢はあるかもしれません。
でも、この作品の魅力はそこだけではなく、「ひきこもり」という現代日本の社会問題を、小説を通して私たちに考えさせてくれるところにあると思います。
社会問題を扱った作品に興味がある方には、ぜひおすすめしたい一冊です。
Posted by ブクログ
社会問題となっている引きこもりを、ブラック支援企業の存在を通して描いた物語。
ブラック支援企業により、監獄のような施設に軟禁された引きこもり5人。作中では、引きこもり自身だけでなく、引きこもりを抱える家族其々の心の有り様やその心理を巧みに利用した企業の悪どいビジネス商法が描かれる。
暗くて救いのない内容に時折心が折れそうになるが、染井さんお得意の疾走感と、個性豊かな登場人物達のおかげで、一気読みするほど夢中になった。
偶然に生じた事件により、5人の間に絆が芽生え始め徐々に引きこもりを克服したかのように見えたのはよかったが、そう簡単にはいかないのが人間の難しさ。
物語の鍵となる隊長が、自ら断食を続けたなかで辿り着いた心境が、胸に刺さる。
一方で、ブラック支援企業が、純粋な支援事業から、なぜ変貌してしまったのか。
その理由には人間の弱さと愚かさを感じた。
終盤の先の見えない展開のなかで希望を感じられるラストだったのは大きな救い。
ただ、引きこもりに限らず、人間の心の闇は根深い。
作品の面白さもだが、他人事ではないと読者に問題提起を感じさせる点でも大成功の作品だと思う。
余談だが、突如始まったカタカナニックネームが面白過ぎた。染井さんの緩急のセンスが光っていた。
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