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長年ひきこもっていた19歳の僚太と44歳の大知。双方の家族が縋ったのは、新宿にある自立支援センター。強引に自宅から引き出された二人は、ほかの三人とともに、元警察官が営む熊本の研修施設で囚人のような生活を強いられる。施設長は巨体の大女だ。悪魔のような彼女に監視され、辛い日々が続く中、監獄のような扱いに抗い五人は施設長を殺めてしまう。必死にもがき、社会に怯えるように生きてきた彼らの終わりが始まる――。
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Posted by ブクログ
現在の日本が抱える社会問題に切り込んだ内容で、とても興味深く読みました。 特に印象に残ったのは、「ひきこもり」という、実は意外と身近にある問題です。最近では「知人の家族がひきこもっている」といった話を耳にすることもあり、決して遠い世界の話ではないのだと感じます。 この作品では、ひきこもる本人が抱...続きを読むえる葛藤だけでなく、その家族が何を考え、どう向き合っていくのかという苦悩も、とてもリアルに描かれていました。読んでいると、著者がこのテーマについてかなり丁寧に取材を重ねたのではないか、と感じる場面も多くありました。 そして、ひきこもった人たちがどのように社会とのつながりを取り戻していくのか、そもそも「社会に戻る」とはどういうことなのか。そんなことについても考えさせられる作品でした。 終盤はテンポよく物語が進み、私はAudibleで聴きましたが、最後まで一気に楽しむことができました。 純粋にミステリーや小説としての面白さだけを求めるのであれば、ほかにも選択肢はあるかもしれません。 でも、この作品の魅力はそこだけではなく、「ひきこもり」という現代日本の社会問題を、小説を通して私たちに考えさせてくれるところにあると思います。 社会問題を扱った作品に興味がある方には、ぜひおすすめしたい一冊です。
多様性の社会。あらゆる人達が幸せに暮らせる世の中になってもらいたい。 さて、ひきこもり事情を知りたく本書を拝読。 ひきこもりの人も当人にしかわかり得ない複雑な想いが有るんだと、改めて深い胸中が少しわかった気がした。
ひきこもり支援センターを舞台にした現代版フランクルの『夜と霧』。かと思いきや中盤から息をつかさぬサスペンス的展開。情景描写もわかりやすく、小説として非常に面白くて完成度が高い。様々な理由でひきこもりになる人物が登場し、それぞれ前に進もうともがいている。怠惰で他責的で流される心も持っている。人生を満足...続きを読むに生きようと思うなら、心の負債を清算する必要がある。そして清々しい自由な心で生きようとする姿勢を受け入れてくれる環境も必要である。終わり方もよかった。人はいつでもやり直せるのだ。
おもしろかった!今年一番かも?後半は怒涛の展開で一気に読み進めた。大知の母と僚太の目線で物語は進み、キーパーソンの大知(隊長)の目線は描かれていないところがまた良い。映画になったら面白いと思う!
染井さん特有のひっちゃかめっちゃかになる感じ、最高に面白かった。 殺人がきっかけで仲良くなったとしても、5人が楽しそうにしている様が嬉しくなる
希望に満ちたラスト。素晴らしかった。5人に起きた大惨事。これが変わるきっかけだったことは間違いないだろう。 この5人は変われたけれど…それまでの被害者は、忘れ去られていく。でも、忘れ去られていくことは、どんな人間も変わらない。 ひきこもりでも、毎日を生きていることに変わりはない。『今日も無為に1日が...続きを読む過ぎた、と君は言うけれど、君は生き切ったではないか。』確かラ・ロシュフコーの言葉だったと思うけれど、この言葉を思い出した。 5人の絆に、感動!
安定の染井為人さん。 人は周りの人次第で、強くも弱くも、良くも悪くもなってしまうと感じた。 後半の怒涛の展開は手に汗を握り、応援をしてしまうような。そして結末に、なんだかホッとしてしまう。 一人一人の良いところを引き出して、それが集まり強くなる家族のようなチーム。自分の生活や仕事でも、そんなチームを...続きを読む作りたいし、一員になりたいと思える。
染井さんらしい、視点の転換、スピード感、怒涛の展開が詰まった作品でした。 善意が悪意に変わる瞬間にはドキッとさせられました。 決して他人事ではないなと感じながら読むことが出来る作品です。
自分自身にも起き得ることだし、自分の子どもに起き得る話。家の外の世界はあまりに冷淡で忙しくて、大変なことに満ちているけどその中に楽しいことや嬉しいこともいっぱいあるということを確認していくことが大切なのかもしれません
実際に起こっても、いや、実際に起こっているかもしれない内容であり、とても胸が痛んだ。 この問題はとても難しいのだが、それを食い物にするビジネスや人間は、排除してほしいと願った。 人間は誰しもひきこもりや社会にうまく溶け込めない、適合できない、そんな風になる可能性がある。 やはり最後は思いやりの心を忘...続きを読むれずに接することが大事なのだろうと、ありきたりではあるが、そんな感想を抱いた。
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