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僕の狂ったフェミ彼女
韓国でドラマ化・映画化決定! 初恋の人がフェミニストになった!? 「愛」も「権利」もゆずれない、2人の戦争のような恋愛が始まる。 主人公「僕」の視点で描かれる、フェミニストの彼女の姿。 そこには、今を生きる私たちの「現実」が詰まっている――。 本国では「『猟奇的な彼女』のフェミニストバージョン」といわれ、台湾版刊行時には「キム・ジヨンが結婚前にこの小説を読んでいたら人生が変わっていたかも」とキャッチコピーがつけられた、今をいきる、あなたのための物語。 <あらすじ> 就活を前に不安な僕を癒してくれた、愛らしい僕の彼女。毎日のようにベッタリで、付き合って1周年を迎えた。そんなとき僕は、1年間の海外インターンシップに行くことに。遠距離は不安だけど、彼女なら安心だ、待っていてくれるはず――。しかし、出国当日。空港にいたのは、涙ぐむ彼女を抱きしめる僕ではなく、別れのメールをもらってメンタルが崩壊した僕だった。 そんな初恋を引きずりながら 大企業に就職し3年目を迎えた「僕」ことスンジュン。周囲はほとんど結婚して、「まだ独身なの?」とからかわれることも多い。結婚する女性を選ぶだけなのに、なかなか結婚への意欲がわかない。そんなある日、初恋の彼女と出くわした! 心がまた動き出す……ところが、彼女はこともあろうにフェミニストになっていた! 【目次】 プロローグ 1 偶然出会った君 2 いっそ現れないでほしかった 3 どうせ現れたなら 4 メガルの道理と百万ウォン 5 スタートはしたけれど 6 彼女は本当におかしい 7 週末のデート 8 家族のイベント 9 意外な事件 10 彼女の決断 11 僕のチャンス 12 計画通りに進んでる 13 結婚式場で 14 再び、光化門で エピローグ 著者あとがき 日本の読者の皆さんへ 訳者あとがき -
ユ・ウォン
『アーモンド』を生んだ「チャンビ青少年文学賞」受賞作品! ――私を苦しめたのは、善意。 マンション火災事故の「奇跡の生存者」ユ・ウォン。 ユ・ウォンの姉は、幼い妹を布団で巻いて11階から投げ落とした後、帰らぬ人となった。 地上で彼女を受け止めたおじさんは、足に重い障害を負った。ユ・ウォンは奇跡の象徴として、おじさんは英雄として、一躍、時の人となった。 あれから12年。いまだに世間は「あの事件の子」という眼差しで彼女を見る。姉は神格化され、「英雄」のおじさんは家をたびたび訪ねてきてはお金を無心していく。 そんななか、ユ・ウォンは同じ高校に通うスヒョンと知り合う。自分とは正反対のスヒョンに影響され、初めて他人に心を開いていくが……。 誰にも言えない、生き残ったことの罪悪感、自己嫌悪、葛藤、矛盾―― 数々の痛みを乗り越え、自らの力で人生を取り戻そうとする少女の成長を、瑞々しく描いた感動作! -
言の葉の森――日本の恋の歌
何かを偶然共有するというよりも、手を繫ぐようにして、私たちは同じものを持つ。 言葉が違っても、国が違っても。――最果タヒ 太宰治や宮沢賢治、茨木のり子、最果タヒ、崔実などの作品を手がける韓国の人気翻訳家が「日本の恋の歌」をめぐって綴る情感ゆたかなエッセイ。 小野小町、紫式部、清少納言、伊勢、和泉式部……が詠んだ熱烈で芳潤な65首をモチーフに、二つの言語の間を行き来しながら日々の生活や仕事について描く。 君がため 春の野にいでて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ 그대 위하여 봄 들판으로 나가 어린 순 뜯네 나의 옷소매에는 눈송이 흩날리고 〈百人一首や古今和歌集の三十一文字の世界を日本語と韓国語の両言語で併記〉 千年の時と国境を超え、〈恋の歌〉が今もなお瑞々しく響く。 韓国の人気翻訳家による65首の和歌をめぐる情感ゆたかなエッセイ。 【目次】 ■序文 二つの言語を行き来する旅 ■一章 言の葉の森で ■二章 翻訳家の仕事場 ■三章 孤独を応援します ■四章 悲しみではなく、愛 ■日本の読者の皆さんへ ■訳者あとがき -
かけがえのない心
お母さん、聞こえますか? 私はこうして生きています。 幼少期、海外養子縁組に出されたナナは、フランスで役者兼劇作家として暮らす。 そんな彼女に突然、人生を変える2つの知らせが届く。 別れた恋人との間に子どもを妊娠したことと、韓国から来た、自分の人生を追ったドキュメンタリー映画への出演依頼と。 生みの親を知らないナナは、生まれてくる子どものためにも自分が“誰なのか”を見つけようとソウルへ向かう。そして、思いもしなかった人たちとの出会いから、35年前、駅に捨てられた暗い記憶の糸が少しずつほぐれていき……。 海外へ養子に出された子どもたち、米軍の基地村で生きた女性たち……。 現代韓国の歴史の中でなきものとされてきた人たちに、ひと筋の光を差し込む秀作長編小説。 第27回大山文学賞受賞作 韓国系国際養子のルーツ探しというこの小説の「特殊な」主題が、日本の読者の方々に「普遍的な」ものとして届くようにと、そして誰かがこの作品を読んでいるとき、生命への尊重や人と人との絆への信頼という明かりが灯ってくれたらと願っています。(「日本の読者のみなさまへ」より) -
声をあげます
地球の滅亡、感染症、種の絶滅、大量消費…… 《 解決の鍵はいつだって未来にある! 》 身に覚えのないことで突然、収容所に監禁された英語教師のスンギュン。16名もの教え子が殺人者になっているという。 そして、その原因が自分の“ 声” にあるというのだが……(「声をあげます」) 『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』の人気作家が放つ初めてのSF短編集。 文明社会の行きづまりを軽やかに描き出し、今を生きる女性たちにエールを贈る、シリアスでポップな8つの物語。 二十三世紀の人たちを怒らせるのではないかと思うと私は恐ろしい。 この正常ではない、腹立たしい豊かさは最悪の結果に終わってしまうだろうと思う。 未来の人々に軽蔑されずにすむ方向へ軌道修正できたらいいのに。(「あとがき」より) -
小さな心の同好会
——私たちは、なぜ分かりあえなかったんだろう? 2019年、韓国文壇最高峰「李箱文学賞」を受賞したユン・イヒョン、待望の最新作品集。 社会から軽んじられてきた主婦たち、いつのまにか生じた溝にゆれるLGBTカップル、社内での性暴力を告発した女性……。 すこしの誤解やすれ違いから愛する人や大切な仲間を一瞬にして失う痛み……私たちは、なぜ分かりあえなかったんだろう? やり場のない怒りや悲しみにひとすじの温かな眼差しを向け、〈共にあること〉を模索した十一の物語。 私に似た誰かが、あなたに似た誰かといつか出会う想像をする。 異なる、よく知らないという理由で彼らがお互いを憎み、永遠に背を向けることがないようにと願う気持ちから、私が過ごしてきたある時間を束ねた。 この壊れて粉々になった言葉、まだ答えを知らない問いかけが対話のはじまりになってくれたらうれしい。——著者「あとがき」より 【目次】 ■ 小さな心の同好会 ■ スンヘとミオ ■ 四十三 ■ ピクルス ■ 善き隣人 ■ 疑うドラゴン——ハジュラフ1 ■ ドラゴンナイトの資格——ハジュラフ2 ■ ニンフたち ■ これが私たちの愛なんだってば ■ スア ■ 歴史 ■ あとがき ■ 訳者あとがき -
大都会の愛し方
彼を抱きしめると、俺はこの世のすべてを手に入れたような気がした。 光と影が渦巻く大都市ソウル。 最低賃金のバイトをしながら、くずみたいな文章を書きなぐって暮らす〈俺〉は、どれだけ派手に遊んでも、消せない孤独を抱えている。 そんな日々のなか、梨泰院(イテウォン)のクラブでバーテンダーとして働くギュホと出会い、愛を分かちあう。 しかし〈俺〉には、人に言えない〝秘密〟がある……。(「大都会の愛し方」) 喧騒と寂しさにあふれる大都会で繰り広げられる多様な愛の形。 さまざまに交差する出会いと別れを切なく軽快に描く。 韓国で新時代の文学として大きな話題を呼んだベストセラー連作小説。 【もくじ】 ・ジェヒ ・メバル一切れ宇宙の味 ・大都会の愛し方 ・遅い雨季のバカンス ・あとがき ・訳者あとがき -
ディディの傘
死と破壊、そして革命。 人々は今日をどのように記憶するのか。 「セウォル号沈没事故」「キャンドル革命」という韓国で起きた社会的激変を背景に、人が人として生きることの意味を問う最新作。 多くの人命を奪った「セウォル号沈没事故」、現職大統領を罷免に追い込んだ「キャンドル革命」という社会的激変を背景にした連作小説。 孤立し、閉塞感が強まる日常の中で、人はいかに連帯し、突破していくのか? 行く先に真の〈革命〉はもたらされるのか? 私たちが望む未来とは? ——人は誰もが唯一無二の存在という事実をあらためて突きつけていく。 デビューから15年。たくさんの読者を獲得すると同時に、文壇の確固たる支持を受け、名実ともに韓国を代表する作家となったファン・ジョンウンが放つ、衝撃の最新作。「d」と「何も言う必要がない」の2作品を収録。 2019年〈小説家50人が選ぶ“今年の小説”〉第1位に選出。 5・18文学賞、第34回萬海文学賞受賞作。 【目次】 ・d ・何も言う必要がない ・あとがき ・日本の読者のみなさんへ ・訳者解説 -
わたしに無害なひと
2018年〈小説家50人が選ぶ“今年の小説”〉に選出、第51回韓国日報文学賞受賞作! 十六の夏に出会ったイギョンとスイ。 はじまりは小さなアクシデントからだった。 ふたりで過ごす時間のすべてが幸せだった。 でも、そう言葉にすると上辺だけ取り繕った噓のように……。 (「あの夏」) 二度と会えなくなった友人、傷つき傷つけた恋人との別れ、 弱きものにむけられた暴力……。 誰も傷つけたりしないと信じていた。 苦痛を与える人になりたくなかった。 ……だけど、あの頃の私は、まだ何も分かっていなかった。 あのとき言葉にできなかった想いがさまざまにあふれ出る。 もし時間を戻せるなら、あの瞬間に……。 韓国文学の〈新しい魅力〉チェ・ウニョン、待望の最新短編集。 第8回若い作家賞受賞作「あの夏」を含む、珠玉の7作品を収録。 【目次】 ・日本の読者のみなさんへ ・あの夏 ・六〇一、六〇二 ・過ぎゆく夜 ・砂の家 ・告白 ・差しのべる手 ・アーチディにて ・あとがき ・訳者あとがき -
ちいさなカフカ
歴史の不条理や官僚制を告発する、きわめて深刻・まじめなカフカ――この定番のカフカ像を手放すと、どんな新しいカフカが立ち現れるか? そのみごとな見本がこの「ちいさなカフカ」である。これは数多あるこちたき作家論の類ではない。著者は、散歩のようにゆったりとカフカの周辺を巡りながら、しかし肝心のところは看過せず、その等身大の姿を紹介してゆく。道すがらふと摘みとった作品や伝記の断片から、カフカの〈生のスタイル〉が透けて見えてくる仕組みである。「ほんのちょっとしたこと、ちいさな手がかりからカフカに入ってみた。そのつど考えたり、気づいたり、連想したことを書きとめた。動いていると風景が変わり、目の位置が変化すると別の景色があらわれるように、いろいろなカフカが見えてきた」女性たちに送った夥しい手紙の数奇な運命、大の映画好きであったカフカと『審判』の関係をはじめ、賢治のクラムボンとオドラデク、『ライ麦畑でつかまえて』と『アメリカ』、さらに多羅尾伴内・長谷川四郎・クンデラに通底するカフカなど。われらの隣人カフカを知るための格好の道案内。 -
カフカふかふか:とっておきの名場面集
わからない魅力に引き込まれる 今年はドイツ語作家フランツ・カフカ100年にあたります。生前はほとんど知られていない作家ですが、一世紀後の現在では著名な小説家のひとりとして、その作品は多くの言語に翻訳され、読まれています。 そんなカフカ作品に魅了された著者たちが、その面白さを本書で縦横無尽に語りかけます。 朝目覚めると虫に変わっていた主人公は有名ですが、糸巻状の「何か」という不思議な存在が出てきたり、そうかと思えばまったく姿を現さなかったり、よくわからない登場人物たちにわたしたちは翻弄されます。 繰り返される断食のシーンからはヴェジタリアンで風変わりな健康体操を人に勧める作家の別の素顔が垣間見られます。 そのほか、出だしや結びの一文に驚愕したり、絶句したりすることしきり。カフカの作品はうかうかできません。いつまで経っても辿り着かないぐるぐるまわる物語にめまいすら覚えます。 カフカフカフカ この終わりのない魅力をあれでもか、これでもか、この一冊に収めました。全54の選りすぐりの場面を通して、カフカの世界を全身で体感できます。巻末には40年間の作家の年譜と、読書案内を完備。 [目次] はじめに i こんなはじまり、あんなはじまり 冒頭の一文に引き込まれる ii こんなキャラ、あんなキャラ 作品の登場人物たちに翻弄される iii こんな世界、あんな世界 物語の設定に目がまわる iv こんなカフカ、あんなカフカ 作家の素顔に驚愕する v こんな終わり、あんな終わり 結びの一文に絶句する 年譜/読書案内/あとがき -
サミュエル・ジョンソンが怒っている
「小さな黒いノート」に記録された実生活の断片 『分解する』『ほとんど記憶のない女』につづく、「アメリカ文学の静かな巨人」の3作目の短編集。内容もジャンルも形式も長さも何もかもが多様なまま自在に紡がれることばたちは、軽やかに、鋭敏に「小説」の結構を越えていく。作家が触れた本から生まれたミニマルな表題作「サミュエル・ジョンソンが怒っている」をはじめ、肌身離さず作家が持ち歩くという「小さな黒いノート」から立ち現れたとおぼしき作品など、鋭くも愛おしい56篇を収録。 「それらはいわば、彼女という人の「自分観察日誌」だ。[…]結晶となった言葉は硬く乾いてひんやりとして、元の感情からは慎重に隔てられているように見えて、目を凝らしてみると、行間から血のしたたるような感情が、生の痕跡が、透けて見える」(「訳者あとがき」より)。強靭な知性に支えられた作家の本領を味わえる1冊。 -
話の終わり
書くことをめぐる無二の長編 「翻訳の仕事をしていると、たまに「自分が今までに訳したものの中で一冊だけ自分が書いたことにできるなら何か」と質問されることがある。そんなとき、私はいつだって「『話の終わり』!」と即答してきた。それくらい私にとっては愛着の深い作品だ」(本書「訳者あとがき」より) 語り手の〈私〉は12歳年下の恋人と別れて何年も経ってから、交際していた数か月間の出来事を記憶の中から掘り起こし、かつての恋愛の一部始終を再現しようと試みる。だが記憶はそこここでぼやけ、歪み、欠落し、捏造される。正確に記そうとすればするほど事実は指先からこぼれ落ち、物語に嵌めこまれるのを拒む――「アメリカ文学の静かな巨人」デイヴィスの、代表作との呼び声高い長編。 -
グッバイ、コロンバス
デビュー作で全米図書賞受賞! アメリカを代表する作家、フィリップ・ロスの伝説の青春小説が待望の新訳で瑞々しく甦る。 真夏のプールで運命的な出会いを果たしたニールとブレンダ。二人はたちまち引かれ合い、結婚を意識し始める。若い男女の恋には危うさがつきまとい、季節の移ろいとともに、輝かしい日々は過ぎ去っていく。はかなくほろ苦い青春期の恋を瑞々しい文体で描いた永遠の名作。 「今から60年以上も前、1958年にフィリップ・ロスが発表し、1965年に佐伯彰一さんの名訳で日本に紹介された「さようなら コロンバス」をぼくが読んだのは、1969年、はたちになったばかりの時だった。その時に激しく心を揺さぶられ、この小説は一生忘れることのできない、ぼくにとって最もお気に入りのアメリカ文学の一つとなった。 その作品を新たに翻訳するという素晴らしい機会を与えられ、作業を進めながら、改めて強く思ったのは、本作がまったく過去のものにはなっていないということだった。主人公二人の不安や苦悩、葛藤、そして失敗は、具体的な状況やかたちこそ違え、今の若者たちにリアルに伝わるはずだ。「グッバイ、コロンバス」は1950年代後半のアメリカ社会のノスタルジックな青春小説、恋愛小説にとどまることなく、完璧に描かれた若者たちのみずみずしさとおろかさ、純粋と放縦、優しさとわがままゆえ、2020年代の今をも照らす永遠の輝きを放っている。」――訳者より -
殺したい子
“あの日”何があったの? 死んだあの子と“私”に…… 校舎裏で殺された女子生徒、容疑者は“親友”とされる一人の少女。 食い違う18の証言、やがて浮かび上がる戦慄の真実。 主人公は高校一年生の女の子、ジュヨン。ある日校舎の裏で親友のソウン が死体となって発見され、警察から容疑者として取り調べを受けることに なる。昨日の放課後、ソウンと大げんかをしたのは確かだが、記憶は途中 からすっぽりと抜け落ち、殺人の記憶はない。 裕福な家庭で何不自由なく育ち、誰からも羨まれるジュヨン。一方、貧し い家庭で育ち、学校ではあまり目立たなかったソウン。性格も周囲の評価 も正反対だが、他の誰も間に入り込めないような親友だった。物語は、勾 留されたジュヨンの心の声と、周囲の人たちの証言を交互に綴っていく。 当初バラバラに見えた「真実」をめぐる証言は、ある方向に集約していく のだが……。 -
Lの運動靴
1987年6月、韓国の民主抗争の最中、警察の発砲した催涙弾によって命を失った20歳の青年、大学生の「L」。28年後、彼のものだとされるボロボロの片方だけの運動靴が、修復家の元へ持ち込まれる。 「L」とは誰なのか? 運動靴の「欠けら」を修復する行為にどのような意味があるのか? 個人の「消せない記憶」とは? 人が生き、死して残す「物体」に、そしてその「修復」に、果たしてどのような意味があるのか? 主人公の美術修復家の視点を通して、静謐な時間の中で語られる「物質」と「記憶」をめぐる物語。現代アート作品の修復に関するエピソードが挿入され、修復室を訪れる寡黙な人々の人生が断片的に語られ、読者は静謐な美術修復室で繊細な思考を主人公とともに体験する。【モチーフ】 モチーフとなっているのは、以下のような事実。「L」こと李韓烈の運動靴の復元を知った作者が緻密な取材をへて創作した物語である。《李韓烈(イ・ハンニョル)は、1987年6月9日、延世大学で開かれた「6.10大会のための決意大会」のデモの最中、警官が発射した催涙弾に頭を打たれ、1カ月間死境をさまよい、7月5日、20歳で亡くなった。 彼の犠牲は、大統領直接選挙制の実現を目指す6月民主抗争の導火線となり、民主化運動の犠牲の象徴として広く国民の関心を集め、国民葬で行われた葬式には150万人が集まった。当時、彼が履いていた27.0センチの白い「タイガー運動靴」は、右側の片方だけが残されており、2015年、彼の28周忌を前に、美術品復元専門家のキム・ギョム博士の元に復元作業の依頼が寄せられた。キム博士はさまざまな葛藤を抱えながら、最新の美術品復元の技術をもってその運動靴を3カ月かけて復元した。現在、運動靴はイ・ハンヨル記念館に展示されている。彼が登場する映画作品にカン・ドンウォン監督「1987、ある闘いの真実」(2017)がある》 -
資治通鑑
『資治通鑑』は11世紀なかば、北宋の皇帝英宗の詔により編纂された編年体の歴史書である。中国の戦国時代から北宋建国前年に至るまで1362年間にわたる歴代君臣の事績をまとめた本書は、「治を資(たす)く」という書名の示す通り統治者が参照すべき書として、『貞観政要』と並び政治家や学者の読むべきものとされた。294巻にのぼるこの膨大な『通鑑』のなかから、本文庫では後漢の「党錮の禁」、南北朝時代に勃発した「侯景の乱」、そして大唐帝国を揺るがした「安史(安禄山)の乱」を綴った巻を収録。権力者たちのたくらみが交錯するドラマが流麗な訳文で蘇る。 -
インフェルノ(角川文庫 上中下合本版)
「地獄」。そこは“影”――生と死の狭間にとらわれた肉体なき魂――が集まる世界。目覚めたラングドン教授は、自分がフィレンツェの病院の一室にいることを知り、愕然とした。ここ数日の記憶がない。動揺するラングドン、そこに何者かによる銃撃が。誰かが自分を殺そうとしている? 医師シエナ・ブルックスの手を借り、病院から逃げ出したラングドンは、ダンテの『神曲』の〈地獄篇〉に事件の手がかりがあると気付く。 一方、大富豪のゾブリストは、「人類は滅亡の危機に瀕している」と主張し、人口問題の過激な解決案を繰り広げ、WHO〈世界保健機関〉と対立していた。ダンテのデスマスクに仕込まれた暗号に隠された恐ろしい野望。ラングドンは世界を破滅から救うことができるのか? ※本電子書籍は角川文庫「インフェルノ(上)」「インフェルノ(中)」「インフェルノ(下)」を1冊にまとめた合本です。 -
仏日対訳 白衣の婦人
19世紀フランス・オペラの頂点、ついに新訳で登場。 ウジェーヌ・スクリーブとボワエルデューによる傑作オペラ・コミック『白衣の婦人』の仏日対訳。本作は、ウォルター・スコットの歴史小説『修道院』と『ガイ・マナリング』を見事に融合させ、霧深いスコットランドの古城を舞台にしたミステリアスな物語です。 正体不明の幽霊「白衣の婦人」の伝説、没落した名家の世継ぎを巡る陰謀、そしてオペラ史上稀に見る「城の競売」シーンの緊迫感。ジャン=クロード・ヨン氏が「劇作術の革命」と評したスクリーブの卓越した構成を、詳細な解題とともに再現します。 【English】 A Masterpiece of 19th-Century French Opera Comique, Now in a New Bilingual Edition. This French-Japanese bilingual edition presents "La Dame Blanche," the crowning achievement of librettist Eugène Scribe and composer François-Adrien Boieldieu. Based on Sir Walter Scott's "The Monastery" and "Guy Mannering," this work weaves a ghostly tale set in a mist-shrouded Scottish castle. Experience the legend of the "White Lady," the mystery of a lost heir, and the thrilling auction scene—a rarity in operatic history. Featuring extensive commentary on the literary connections and Scribe's dramatic genius as praised by scholar Jean-Claude Yon, this volume is an essential addition to any opera lover's library. 【Français】 Le chef-d'œuvre de l'Opéra-Comique du XIXe siècle, enfin disponible en édition bilingue. Découvrez « La Dame Blanche », fruit de la collaboration entre le célèbre librettiste Eugène Scribe et le compositeur François-Adrien Boieldieu. S'inspirant des romans de Walter Scott, « Le Monastère » et « Guy Mannering », cette œuvre transporte le lecteur dans l'atmosphère mystérieuse de l'Écosse. Entre la légende de la Dame blanche, les secrets de la famille d'Avenel et la scène spectaculaire de l'enchère, ce livret incarne la « révolution dramaturgique » saluée par Jean-Claude Yon. Cette édition bilingue franco-japonaise, enrichie de commentaires approfondis, rend hommage au génie de Scribe. -
BTS 世界のスター伝記絵本
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 すべてのARMYへ――。 活動休止から4年。 ついに再始動 7人はどのように選ばれたのか。 新たなステージへ歩みだすBTS結成の秘話がすてきな絵本に! パク・ヘソン氏の感性とピクサーのアートディレクターとしての世界最高峰の技術を融合させた美しいイラストで描かれた絵本です。 RM、ジン、シュガ、J-HOPE、ジミン、V、ジョングクの7人が、どのようにして世界的スターとなったのか、その道のりを丁寧に描いています。 一部屋で共同生活していたデビュー初期から、世界中のスタジアムを満員にするアーティストになるまでの成功と成長としていく姿を収めた、夢を追うすべての人におすすめの一冊。 世界中の数百万人ものファンに愛される韓国のK-POPグループBTSを、この「世界の伝記スター絵本」で知ろう! ジャン・アン:文 ニュージャージー州在住の児童書作家。BTSを聴きながら馬に乗るのが好きで、しばしば両方を同時に楽しむ。 パク・ヘソン:絵 ピクサーのアートディレクター、パク・ヘソン氏は、世界最高峰の技術と韓国人としての感性を融合させるクリエイターです。自身の父をモデルにした映画監督作や、教育プラットフォーム『Coloso』での後進育成を通じ、常に韓国の表現力を世界へ発信し続けてきました。今回、BTSの伝記絵本のイラストを担うことは、韓国が生んだ二つのトップ才能による象徴的な共演と言えます。彼はこの作品を通じ、自身のルーツである韓国の物語を、温かな色彩で世界の子供たちへと繋いでいきます。 やまぐちまいか:訳 ヨーク大学政治学部卒。翻訳作品に『書くことのメディア史』(古屋美登里共訳・亜紀書房)、『Scream! 絶叫コレクション 不気味な叫び』所収トーニャ・ハーリー「ショーウィンドウの女の子」、『Scream! 絶叫コレクション 消えない叫び』所収リサ・モートン「サメがいた夏」(共に三辺律子監訳・理論社)。 二見書房 翻訳書刊行85周年記念出版 -
もう一度世界を信じるための365の言葉 子どもの本が大人に教えてくれること
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 世界を嫌いになりかけた大人たちへ… 自分を取り戻す1日1語。 誰もが知っているあの絵本から、 知られざる名作まで。 児童書から名言、名ゼリフを厳選! ベストセラー『ワンダー』著者 R.J.パラシオ序文! やさしさ、勇気、悲しみ、家族、選択… テーマ別に心揺さぶる言葉がいっぱい。 “ほんとうに信じる者すべてに鐘は鳴る。 今もわたしに鐘は鳴っている” (『急行「北極号」』より) “あなたはわたしを助けてくれた あたえたものは、必ず返ってくるものだ。 わたしたちは、おたがいに助けあうために生きている” (『ピノキオの冒険』より) “おうちがいちばん” (『オズの魔法使い』より) “声をあげるべきときに黙っているのなら、 何のために声があるの?” (『ザ・ヘイト・ユー・ギヴ』より) クリスマス、年末年始に読みたい! プレゼントにも最適な本です。 【目次】 第1章 この世界で優しくいられる方法 優しさ/受け入れる/勇気/自信/許す 第2章 この世界で楽しくすごす方法 喜び/本と物語/食べて、飲んで、愉快にすごす/気ままに/冒険と想像力/意味のあること、意味のないこと/歌とダンス 第3章 この世界で強くいられる方法 悲しみ/恐れ/反抗/人は複雑なもの/個性 第4章 この世界でくつろぐ方法 家族/友情/つながり/動物/自然 第5章 この世界を信じる方法 楽天主義/愛/忍耐/本当の自分になる/選択/変化/ -
ヘルプ・ミー・シスター
わたしたち、「サイバープロレタリア」なの!? 韓国で反響を巻き起こした「ハイパーリアリズム小説」、待望の邦訳 スギョンは30代、わけあって失業中。同居の家族は「個人投資家」の夫と、スギョンの父と母、さらに甥っ子が2人(高校生と小学生)。6人家族で、金を稼いでくる大人が1人もいないなんて。 プラットフォーム労働、ギグワーク……。仕事用のアプリをインストールした携帯電話が一日中手放せない。ソウルの古くて狭い2DKのマンションに六人で暮らす家族の「お仕事」をテーマにした群像劇。思わず出てしまうため息と「サイバープロレタリア」としての問題提起を、リアルに、ユーモラスに描ききった話題作。韓国では「ハイパーリアリズム小説の傑作!」と賞賛されました。お隣の国で起きていることは、世界中で起きていること。共感必至の一冊です。 -
〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学
物語の中の〈弱さ〉が、読む人の心に火を灯す どの作品も、〈弱さ〉を正面から描いているから――。著者が数々の作品の翻訳を手掛けるなかで、「なぜ韓国現代文学に魅せられるのか」を自らに問い、深く考えてたどり着いたのが、この答えでした。〈弱さ〉とは、自らの意志とは関係なく選択肢を奪われた状態のこと。その視点で、『82年生まれ、キム・ジヨン』をはじめとする多彩な13の作品を読み解きながら、そのメッセージを探り、魅力を掘り下げます。一つひとつの物語を丁寧にたどっていくと、この暴力的な現代社会を生きるための道が照らし出されるはずです。 2023年1月~3月にNHKラジオ第1「カルチャーラジオ 文学の時間」で放送された同名の講座の待望の書籍化! -
私の彼女と女友達
どこにいても、必ず自分を守って。 それが私たちを守ることになるから。 クィア・労働・女性問題など、今を生きる女性たちをときにリアルに、ときにさわやかな余韻で描き出すチョ・ウリ初の短編集。 表題作「私の彼女と女友達」など八編を収録。初邦訳。 <あらすじ> 「私の彼女と女友達」 五年間同棲している私の彼女、ジョンユンには四人の大親友がいる。ミンジ、ジヘ、ジヨン、スジン。「ジョンユンの彼女なら、私たちの友達も同然でしょ」彼女たちはみんな私に会いたがるけど、私はその誰にも会ったことがない。ジョンユンに誘われても、誰の結婚式にも行かない。 ついにジョンユンの親友たちに会ってみることを決めた日、かつて私が憧れを抱くも苦い決別を迎えたひとりの女性から手紙が届く。 「非婚式にご招待します」 【目次】 【もくじ】 私たちがハンドルをつかむとき 11番出口 ミッション 私の彼女と女友達 ねじ 物々交換 ブラック・ゼロ 犬五匹の夜 著者あとがき 訳者あとがき 【著者】 チョ・ウリ 2011年、短編小説「犬五匹の夜」で大山大学文学賞を受賞し作家デビュー。 女性、クィア、労働に関心を寄せて執筆している。 著書に短編集『リレー』『チームプレイ』、 長編『ラスト・ラブ』などがある。 カン・バンファ 岡山県倉敷市生まれ。岡山商科大学法律学科、梨花女子大学通訳翻訳大学院卒、高麗大学文芸創作科博士課程修了。梨花女子大学通訳翻訳大学院、漢陽女子大学日本語通翻訳科、韓国文学翻訳院翻訳アカデミー日本語科、同院アトリエ日本語科などで教える。韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。訳書にペク・スリン『夏のヴィラ』、チョン・ユジョン『七年の夜』、ピョン・ヘヨン『ホール』、ハ・ジウン『氷の木の森』など。韓訳書に柳美里『JR上野駅公園口』、児童書多数。著書に『일본어 번역 스킬(日本語翻訳スキル)』がある。 -
小さな町
過去をすべて消しても生きていけるだろうか? 私だけが知らなかった、私のもう一つの物語 幼い頃の記憶。火事に見舞われた小さな町で、亡くなった悲しみに犬を飼う人々。死んだ兄。森の中に隠れて暮らす女性。いなくなった父。母の秘密。夫のスクラップブックと、消えた女優。現在と過去が交錯し、思わぬ真実が立ち上がってくる。 <あらすじ> 病床の母から繰り返し聞かされた、幼少期をすごしたあの小さな町の記憶。そこでは火事で多くの人が亡くなり、私の兄もそのとき死んだのだという。ある日、家出してたどり着いた森の中の家には、女性が隠れ住んでいた。それを機に母と親しくしはじめた彼女が起こした騒動をきっかけに、私の家族は壊れてしまう。 最期まで語られなかった母の秘密。記憶をたどる中、父との再会で告げられた思いもよらない真実とは……。 【目次】 一 反作用 二 至上命令 三 無神論者 四 交換 五 また別の女 六 ステキなしきもの 七 僕たちは失敗したんだ 八 死人に口なし 訳者あとがき 【著者】 ソン・ボミ 1980年生まれ。2009年に21世紀文学新人賞を受賞、2011年に東亜日報の新春文藝に短編小説「毛布」が当選する。短編集に『彼らにリンディ・ホップを』『優雅な夜と猫たち』『愛の夢』、長編小説に『ディア・ラルフ・ローレン』『小さな町』『消えた森の子どもたち』などがある。若い作家賞、大山文学賞、李箱文学賞などを受賞。 橋本智保 1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。 訳書に、鄭智我(チョンジア)『歳月』(新幹社)、キム・ヨンス『夜は歌う』『ぼくは幽霊作家です』(新泉社)、チョン・イヒョン『きみは知らない』(同)、ソン・ホンギュ『イスラーム精肉店』(同)、ウン・ヒギョン『鳥のおくりもの』(段々社)、クォン・ヨソン『レモン』(河出書房新社)『春の宵』(書肆侃侃房)、チェ・ウンミ『第九の波』(同)、ハン・ジョンウォン『詩と散策』(同)など多数。 -
TUBE(チューブ)
2020年本屋大賞翻訳小説部門第1位『アーモンド』の著者が贈る、 すべての人の人生を応援する、心温まる物語。 失敗しても、また始めればいい。 つかんだ藁が浮き輪(チューブ)になって水面に浮かぶまで。 仕事なし、家族なし、運もなし、ないない尽くしの中年男の、人生改造プロジェクト! 一人の力じゃ難しいなら、他の人に応援してもらったらどう? どこにでもいる平凡な中年男、キム・ソンゴン。 仕事にも家族にも運にも見放され、彼はついにこの世に別れを告げる決意をする……が、 それさえもあえなく失敗してしまう。 この世に舞い戻ったソンゴンが見つけたのは、とある一枚の写真―― そこには若かりし頃の彼が家族とともに写っていた。 何もかも今の自分とは違いすぎることに愕然とした彼は、写真の中の自分を真似てみようと、 まずは姿勢矯正から始めることに。そんな取るに足りない小さなチャレンジが、 やがてソンゴンの人生を大きく変えていく――。 -
ロシア文学の怪物たち
『青い脂』(ソローキン)や『穴持たずども』(マムレーエフ)など“怪作”を翻訳してきた著者による「悪」のロシア文学入門。 虚無的な現実を覆う皮膜の下で蠢く怪物たちの饗宴。間違いない、本書は毒にも劇薬にもなりうる。━━━━━木澤佐登志 ロシア文学は現実の不確かさを読者に突きつけ、世界の裂け目に開いた深淵を露わにする。 『青い脂』(ソローキン)や『穴持たずども』(マムレーエフ)など“怪作”を翻訳してきた著者による「悪」のロシア文学入門。 誤解を恐れずに書くが、ロシア文学は危険だ。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻によって現実に世界秩序が大きく揺れ動いている今日、それは劇薬ですらあるかもしれない。(「はじめに」より) 【目次】 はじめに プロローグ 悪との遭遇 第1章 ペテルブルグの幽霊 ゴーゴリ『外套』 第2章 怠惰と実存 ゴンチャロフ『オブローモフ』 第3章 病める地下室男の独白 ドストエフスキー『地下室の手記』 第4章 もはや死はない トルストイ『イワン・イリイチの死』 第5章 世界がひずむ音 チェーホフ『六号室』 第6章 「われら」と「彼ら」のはざまで ザミャーチン『われら』 第7章 不可能性の怪物 マムレーエフ『穴持たずども』 第8章 空虚への解脱 ソローキン『マリーナの三十番目の恋』 第9章 もう一つの九〇年代 ペレーヴィン『ジェネレーション〈P〉』 第10章 回帰する亡霊 エリザーロフ『図書館大戦争』 第11章 可能性としての女性文学 ナールビコワ『ざわめきのささやき』/トルスタヤ『クィシ』/スタロビネツ『むずかしい年ごろ』 おわりに あとがき ブックガイド 【著者】 松下隆志 1984年、大阪府生まれ。専門は現代ロシア文学・文化。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、岩手大学准教授。著書に『ナショナルな欲望のゆくえ ソ連後のロシア文学を読み解く』(日本ロシア文学会賞受賞)、訳書にソローキン『吹雪』『親衛隊士の日』、『青い脂』(共訳)、ザミャーチン『われら』、マムレーエフ『穴持たずども』など。 -
29歳、今日から私が家長です。
【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 韓国読者が選ぶ2023年 若い作家1位! 2024年 韓国でドラマ化 決定! 凛々しい娘、美しいおじさん、珍妙なおばさん。韓国で注目の気鋭作家が、家父長制の先の家族を描いた”これから”のホームコメディ! この小説は家父長でも家母長でもない娘が家長(家女長)で主人公。厳しい祖父が統治する家で生まれた女の子・スラがすくすく育って家庭を統治する。作文を家業に家を興した娘が、一家の経済権と主権を握る。?家父長の家では決してありえないような美しくて痛快な革命が続くかと思ったら、家父長が犯したミスを家女長も踏襲したりする。家女長が家の勢力を握ってから、家族メンバー1に転落した元家父長は、自ら権威を手放すことで可愛くて面白い中年男性として存在感を表す。スラはどの家父長よりも合理的で立派な家長になりたいと思っているが、スラの家女長革命は果たして皆を幸せにすることができるだろうか。 著・文・その他:イ・スラ 1992 年、ソウル生まれ。有料メールマガジン「日刊イ・スラ」の発行人。ヘオム出版社代表。大学在学中からヌードモデル、文章教室の講師として働き、雑誌ライターなどを経て2013 年に短編小説「商人たち」で作家としてデビュー。著書にエッセイ集『日刊イ・スラ』(原田里美、宮里綾羽訳、朝日出版社)、『私は泣くたびにママの顔になる』、『心身鍛錬』、『まめまめしい愛』、『とにかく、歌』、『すばらしき人生』、インタビュー集『まじりけのない尊敬』、『新しい心で』、『創作と冗談』、書評集『君は生まれ変わろうと待っている』、共著に書簡集『私たちの間には誤解がある』(以上すべて未邦訳)などがある。インスタグラム: @sullalee 翻訳:清水知佐子 和歌山生まれ。大阪外国語大学朝鮮語学科卒業。読売新聞記者などを経て、翻訳に携わる。訳書に、キム・ハナ、ファン・ソヌ『女ふたり、暮らしています。』、キム・ハナ『話すことを話す』『アイデアがあふれ出す不思議な12の対話』(以上、CCCメディアハウス)、朴景利『完全版 土地』、イ・ギホ『原州通信』(以上、クオン)、タブロ『BLONOTE』(世界文化社)などがある。 -
クリスティーヌ
【フランス2021年 メディシス賞受賞、ゴングール賞ノミネート作品】 実父による近親姦に苦しみ続けた少女は、どのように1人の女性として自己確立していったのか、その人生を描いた物語。 本書は、フランスの作家、劇作家で脚本家でもあるクリスティーヌ・アンゴの二十四作目の小説『Le Voyage dans l'Est』2021年刊の全訳である。 物語は十三歳になったクリスティーヌが初めて実の父親に会う日から始まる。憧れの父親にようやく娘として認知され、これからは普通の親子としての生活が始まると有頂天になるが、現実は想像とは全く別のものだった。自分の身に何が起きているのかを伝え、救い出してほしい気持ちとは裏腹に、母親にすら話すことができない。そして誰にも打ち明けられないまま、少女時代は過ぎていった……。 著者が綴るのは、クリスティーヌが苦しみ、トラウマを抱えて人生に絶望しながらも、どのように一人の女性として自己確立をしていったのか、その命がけの人生そのものである。 著者のアンゴも実父による近親姦からのサバイバーであり、デビュー作から一貫して女性に対する性的虐待をテーマに書き続けてきた。ただ、作中の「クリスティーヌ・アンゴ」は作者自身ではなく、本書はアンゴの自伝ではない。しかし、彼女の作風はあまりにも実体験と近接しており、作者と語り手を分離しにくいかもしれない。一つだけ強調しておきたいのは、アンゴにとって「近親姦の被害者」という「立場」と「実体験」は文学作品を生み出すための出発点に過ぎないということだ。 サバイバーのアンゴは「文学作品を書くこと」という手段で戦う。戦う相手は家族関係を破壊し、隷属の関係を強要する性的虐待者だけではない。それを見ないふりをし、セカンドレイプをする「社会」全体である。 -
アウシュヴィッツを泳いだ男
アウシュヴィッツ強制収容所を生き抜いたアルジェリア系フランス人の水泳選手、アルフレッド・ナカッシュの伝記物語。 主人公のアルフレッドは、トップアスリートとして素晴らしい成績を残し、さらにはアウシュヴィッツに収容される壮絶な経験をしたあとにも世界新記録を出すという偉業を成し遂げているが、フランスにおいても現在の人々の記憶にしっかりと残っているわけではなかった。本作はそんなアル フレッドに光を当てた作品となっている。 極限状態にあっても、他者を思いやり分かち合おうとするアルフレッドの姿は、打ちのめされた人たちの気持ちを救い勇気を与え、自身も、そうすることによって癒され慰められていく。 「泳ぐこと」を生きる希望として収容所を生き抜いたアルフレッド・ナカッシュ。 この物語が描いているのは、ナチズムの闇に埋もれた知られざる英雄の真の姿である。 -
変身物語
古代ローマの詩人オウィディウス(前43-後17/18年)が残した唯一の叙事詩、待望されて久しい文庫版での新訳! 内乱が続いた紀元前1世紀の古代ローマは、その一方で「黄金時代」と呼ばれる詩や文学の最盛期でもあった。その初期を代表する詩人がウェルギリウス(前70-前19年)なら、後期を代表するのがオウィディウスであり、そのオウィディウスの代表作が本書『変身物語』にほかならない。 愛する男女の往復書簡という体裁をとる『名高き女たちの手紙』、恋愛詩人としての本領を発揮した『恋の歌』といった初期作品で知られるオウィディウスは、愛を成就させるための技法を性的なものまで含めて赤裸々に指南する『愛の技術』を書いたことが一因となって、のちに流刑の憂き目に遭った。このあと後期の円熟を遂げるオウィディウスが、ローマの祝日や祭礼の縁起を説く『祭暦』(未完)とともに着手したのが、本書『変身物語』である。 ウェルギリウスの『アエネイス』と並んでローマ文学における最高峰をなす本書は、オウィディウスが手がけた唯一の叙事詩であり、全15巻から成る大作となっている。その背景にあるのは「万物は流転する。すべての形あるものは生成しつつ、移ろう」(本書第15巻178行)と表現される世界観、宇宙観であり、事実、本書は原初の混沌から秩序としての世界の創造を歌う「序詞」から始まり、「金・銀・銅・鉄」の四時代、イアソンやテセウス、ヘラクレス、オルペウスといった英雄たちの時代、そしてトロイア戦争を経て初期の王の時代に至る壮大な世界史を描き出す。 その質においても量においても他を圧倒する本書が後世に与えた影響ははかりしれない。その代表が、シェイクスピアやミルトン、モンテーニュであり、ルーベンスやブリューゲル、ダリである。にもかかわらず、文庫版で手にできる現代にふさわしい日本語訳は長らく存在していなかった。数々の名訳で知られる訳者が自身のライフワークとして手がけたこの新訳は、今後のスタンダードとして長く読み継がれていくことを確信するものである。 「上」には第1巻から第8巻を収録。上下巻それぞれに「人名・神名索引」と「地名・民族名索引」を掲載した。 -
ルネ・ヴィヴィアン詩集 菫の花の片隅で
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 同性愛者として知られ、フランス象徴派詩人のマドンナともいうべきルネ・ヴィヴィアン(1877-1909)の遺稿詩集本邦初訳!「ボードレールの娘」の異名を持ち、32歳の若さで夭折した、「菫の詩女神」の死と孤独を見つめた格調高く、耽美的な世界。 【目次】 緒言 はじめに 菫の加護のもとに 恋 霊感 マリアの七つの百合 わが楽園 追憶 月への祈り 妖精たちの約束 存在 よみがえり 夜の中の鳥 私たちの時間 陽の光に驚いて 慰めの月 不在 愛すべき敵に 本質的なこと 嘘の恐ろしさ アジアの神殿 折れた翼 病める額におかれた手 わが心のために かの百合のために 驚嘆 とるに足らぬ恋 恋よ、お前は盗人 幸せな宵のまどい 菫への祈り 訳者あとがき ルネ・ヴィヴィアン年譜 -
15の夏を抱きしめて
15歳で死んだトーマス.元恋人のオルフェー,母親,衰弱した祖父には,まだ彼の姿が見える.一方,トーマスも,思い出にしばられるオルフェーや,崩壊しそうな家族のようすを,静かに見守っている.人は大切な人を失ったとき,どのように立ち直ってゆくのか,「生」の喜びとは何かを描く. -
永遠の家
推理小説?シリアス?ユーモア? 虚構に潜む陰の真実。独特の語り口が読むものを霧の彼方へと誘いこむ。 芸術の破壊と再創造をめざすスペイン文学の奇才が綴る〈虚空への新たな跳躍〉を試みる腹話術師の悲しくも可笑しい幻想的連作短編集。 【目次】 ぼくには敵がいた 別の怪物 お払い箱 底流 古い連れ合い ぼくが願っている死に方 カルメン 展望台の塔 お話の効果 師のもとを訪れる 下着のままの逃走 永遠の家 解説 【著者】 エンリーケ・ビラ=マタス 1948年バルセロナ生まれ。1985年『ポータブル文学小史』がヨーロッパ諸国で翻訳され、2000年『バートルビーと仲間たち』、次いで2003年『パリに終わりはこない』で世界的に評価される。 木村榮一 1943 年、大阪市生まれ。神戸市外国語大学名誉教授。著書に『ラテンアメリカ十大小説』ほか、訳書にバルガス= リョサ『緑の家』、コルタサル『遊戯の終わり』、リャマサーレス『黄色い雨』ほか。 野村竜仁 1967 年、群馬県生まれ。現在、神戸市外国語大学イスパニア学科教授。おもな訳書に、ビオイ=カサーレス『 パウリーナの思い出に』(共訳)、セルバンテス『戯曲集』(共訳)がある。 -
ファットガールをめぐる13の物語
人が自分の体を生きることの居心地のわるさを描き出した、注目の作家モナ・アワドのデビュー作。 宇宙はわたしたちに冷たい。理由はわかっている。 インディーズ音楽とファッションをこよなく愛す主人公のエリザベス。特別な人生は望んでおらず、ただ普通にしあわせになりたいだけ。けれど高校でも大学でも、バイトをしても派遣社員となっても、結婚しても離婚しても、太っていても痩せていても、体のサイズへの意識が途絶えることはない。自分と同じ失敗をさせまいとする母親、友だちのメル、音楽を介してつながったトム、職場の女性たち……。彼らとの関係のなかで、傷つけ、傷つけられ、他者と自分を愛する方法を探してもがく。 【目次】 宇宙にさからう時 最大のファン 全身写真 そんなことなら わたしの嫌いなあの子 それって欲張り 母にとってのセクシーな人 Fit4U あの子はなんでもしてくれる フォン・ファステンバーグとわたし カリビアン・セラピー アディション・エル 海のむこう 謝辞 訳者解説 【著者】 モナ・アワド 1978年カナダのモントリオール生まれ、ボストン在住。ブラウン大学、エディンバラ大学、デンヴァー大学で創作と英文学を学ぶ。現在はシラキューズ大学で創作を教えている。デビュー作品集『ファットガールをめぐる13の物語』に続くポップでキュートな怪作Bunny(2019年、未邦訳)は、The Ladies of Horror Fictionベスト作品賞受賞。2021年8月に第3作All's Well が刊行予定。 加藤有佳織 慶應義塾大学文学部准教授。アメリカやカナダの文学、世界各地のカッパ(的な存在)に関心がある。共著に『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』(書肆侃侃房、2020年)、翻訳にトミー・オレンジ『ゼアゼア』(五月書房新社、2020年)。 日野原慶 大東文化大学にてアメリカ文学を教えている。「身体」「自然」「環境」「廃棄」「排泄」などに関心があり、それらにつながる現代のアメリカ小説や、ノンフィクション作品(とくに自然や環境をテーマにしたネイチャーライティングや、病や体をテーマにしたエッセイなど)を研究している。共著に『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』(書肆侃侃房、2020年)。 -
キングコング・セオリー
「私はケイト・モスというより、キングコングみたいな女だ。誰も妻にしたり、一緒に子どもをつくったりしないタイプの女。常に自分自身でありすぎる女。そういう立場から私は話している」 ■概要 #MeToo運動をきっかけに再注目され、フランスで20万部のベストセラーとなったフェミニズムの名著がついに邦訳! 人気女性作家が17歳の時に経験したレイプ被害と、その後の個人売春の経験をもとに、性暴力、セックスワーク、ポルノグラフィについての独自の理論を展開するフェミニズム・エッセイ。自分自身を、男性でも女性でもないカオスな存在としての「キングコング」にかさね、ジェンダー規範にとらわれない女性の在り方を、力強く、小気味いい文体で模索していく。 -
誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ
必死で 情けなくて まぬけな 愛すべき「私たち」 ネット古書店でエゴサをしていたら、サイン入り自作が売りに出されていることに気づいた作家「イ・ギホ」。しかも他の作家の本より格安、酷評のコメン付きだった。悶々として眠れぬ作家は、出品者に直接会おうとはるばるでかけるのだが……。(「チェ・ミジンはどこへ」) 夫殺害の嫌疑をかけられながら逮捕されなかった女が、十数年後、時効を3か月後に控えて自首した。一体なぜなのか。(「ずっと前に、キム・スッキは」) 「あるべき正しい姿」と「現実の自分」のはざまで揺れながら生きる「ふつうの人々」を、ユーモアと限りない愛情とともに描き出す。——韓国文学の旗手による傑作短編集 【もくじ】 チェ・ミジンはどこへ ナ・ジョンマン氏のちょっぴり下に曲がったブーム クォン・スンチャンと善良な人々 私を嫌悪することになるパク・チャンスへ ずっと前にキム・スッキは 誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ ハン・ジョンヒと僕 あとがき 訳者解説 -
史書編【3冊 合本版】 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典『春秋左氏伝』『史記』『十八史略』
『春秋左氏伝』 『三国志』の名将関羽が愛読、西郷隆盛、福沢諭吉も絶賛した漢学の基本書! 古代魯国史『春秋』の注釈書ながら、巧みな文章で人々を魅了し続けてきた『左氏伝』。「力のみで人を治めることはできない」「一端発した言葉に責任を持つ」など、生き方の指南本としても読める! 『史記』 司馬遷が書いた全一三〇巻におよぶ中国最初の正史が一冊でわかる入門書。「鴻門の会」「四面楚歌」で有名な項羽と劉邦の戦いや、悲劇的な英雄の生涯など、強烈な個性をもった人物たちの名場面を精選して収録 『十八史略』 中国の太古から南宋末までを簡潔に記した歴史書から、注目の人間ドラマをピックアップ。伝説あり、暴君あり、国を揺るがす美女の登場あり。日本人が好んで読んできた中国史の大筋が、わかった気になる入門書! ※本電子書籍はビギナーズ・クラシックス 中国の古典「春秋左氏伝」「史記」「十八史略」1冊にまとめた合本版です。 -
アリスはどこへ行った?
ブロードウェイミュージカル原作『ウィキッド』の著者が贈る、もうひとつの『不思議の国のアリス』。私たちがよく知るあの物語の裏では、いったい何が起きていたのか?生きることとは。大切な人を失うこととは。想像力とは。著者が物語に込めたのは、とても奇妙で、でも大切なメッセージ。 ある夏の日、アリスが消えた。どこへ行ったのかと、後を追いかける友人。妹がいなくなっても、無関心な姉。妻を亡くした悲しみから立ち直れず、娘がいなくなったことさえ知らない父親。1860年代オックスフォードを舞台に、それぞれにとっての長い長い一日が、いま幕を開ける――。 -
「その他の外国文学」の翻訳者
「その他」の側から世界を見る 翻訳大国日本。多くの外国文学が翻訳され、読まれている。その中には日本では学習者が少なく、「その他」とくくられる言語によるものも含まれる。 しかし、「その他」だといって存在感が小さいわけではない。インディペンデントな文学賞として知られる「日本翻訳大賞」の第1回大賞の2作品は、韓国語とチェコ語による作品だった。いずれも「その他」に分類される作品が、読者からも、翻訳者からも多くの評価を得たこと自体が、このカテゴリーの奥深さのあらわれではないだろうか。 では、「その他」を生み出しているのはどのような翻訳者たちなのか? 日本では馴染みの薄い言語による文学を、熱意をもって紹介してきた九人の翻訳者が、その言語との出会いや学習方法、翻訳の工夫、そして文学観を語るインタビュー集。 序文・斎藤真理子 鴨志田聡子(ヘブライ語) 星泉(チベット語) 丹羽京子(ベンガル語) 吉田栄人(マヤ語) 青木順子(ノルウェー語) 金子奈美(バスク語) 福冨渉(タイ語) 木下眞穂(ポルトガル語) 阿部賢一(チェコ語) -
武漢病毒襲来
妻子の待つ武漢へ、新型肺炎が蔓延し封鎖された中国をゆく男の決死行。 中国からの亡命を余儀なくされた作家が放つ渾身のコロナ文学。 本書は2通りの読み方ができます。まず、新型コロナ発生源となった中国で何が起きていたかを描くものとして―― 反骨の亡命文学者が、コロナ禍下の民衆の悲劇と、それを隠蔽する国家の罪を暴く告発の書として。そしてまた、 いち早くコロナ禍に正面から挑んだ現代小説として――封鎖された大地を旅する艾丁を通じて、現在の「中国」が、 スリリングに、ときに大らかに描かれてゆきます。病毒の街・武漢で、艾丁を待ちうける運命とは……。 -
チェリー
主演・トム・ホランド(『スパイダーマン』)&監督・ルッソ兄弟(『アベンジャーズ』)で映画化決定! ニューヨーク・タイムズが2018年の必読書に選出。ワシントンポストなど各紙絶賛! 「ニコ・ウォーカーは服役中の銀行強盗だ。そして必読の作家でもあることを本書で証明した」――ワシントン・ポスト 「会話は音楽的でリアルで、すぐそばから聞こえてくるようだ」――ニューヨーク・タイムズ 戦争から帰った青年はなぜ連続強盗犯になったのか。痛々しい青春小説と荒々しい犯罪小説を交錯させて獄中作家が綴ったベストセラー。 この小説では、人生の転落の軌跡が生々しい言葉で語られる。大学時代の恋人との日々、兵役についてイラクの戦地で目にした凄惨な体験。 PTSDを癒やすためのドラッグ――それが彼を追い詰めてゆく。この世界の底の底へ。 スタッカートする荒い文体と会話――戦争とドラッグと犯罪。破滅するしかなかった青年を痛ましく描き出す。 デニス・ジョンソン『ジーザス・サン』とクエンティン・タランティーノの融合と評され、 アメリカ文学界をワイルドに揺るがしたデビュー作。 著者紹介 ニコ・ウォーカー アメリカ・クリーヴランド生まれ。2005年から2006年にかけて衛生兵としてイラクに派遣され、7つの勲章を受ける。 しかし復員後にPTSDに苦しみ、やがて2011年に銀行強盗で逮捕され、複数の強盗罪で懲役刑に。デビュー作である本書は獄中で書かれた。2020年11月に出所する予定である。 -
マビノギオン ――中世ウェールズ幻想物語集
英雄たちの闘い アーサー王が活躍する物語など計11編を収録。 詳細な注を付したウェールズ語原典からの完訳 アーサー王(アルスル)が活躍する物語など、古来カムリ人たちが語り紡いできた数々の伝承を収録。詳細な訳注を付したウェールズ語原典からの完訳。 === カムリ人と呼ばれるケルト系の人々がウェールズの地で古来語り紡いできたさまざまな伝承や神話。それらを11世紀以降に修道士たちが収集しまとめあげたとされるのが、散文物語集『マビノギオン』である。その内容は、神話の影響を色濃く受けた不思議話から宮廷文学風のロマンスまで多岐にわたり、『マビノギオン』という書名の由来となった「マビノーギの四つの物語」のほか、アーサー王(アルスル)が活躍する話や、聖杯探索で知られるパーシヴァル卿の原型となった人物であるペレドゥルの冒険譚などが収録されている。詳細な訳注と解説を付した、ウェールズ語原典からの完訳。 【目次】 日本語版の刊行によせて/『マビノギオン』への長い旅 マビノーギの四つの物語 ダヴェドの大公プイス スィールの娘ブランウェン スィールの息子マナウィダン マソヌウイの息子マース カムリに伝わる四つの物語 マクセン・ウレディクの夢 スィッズとスェヴェリスの物語 キルッフとオルウェン ロナブイの夢 アルスルの宮廷の三つのロマンス ウリエンの息子オウァインの物語、あるいは泉の貴婦人 エヴラウクの息子ペレドゥルの物語 エルビンの息子ゲライントの物語 訳注/解説/『マビノギオン』の物語を追って/参考文献/地名一覧/人名一覧 -
もっと、わたしらしく(アリシア・キーズ自伝)
★グラミー賞15冠、CDセールス6500万枚、楽曲再生65億回ーー世界的歌姫が自らの半生を赤裸々に語り尽くした著者史上最高傑作! ★米国Amazon2,600件以上で「星4.8」の超人気ベストセラー、初の邦訳! ★「自分の本当の価値を見つけ出す」ためのパワフルなメッセージに勇気づけられる人が続出! 世界で最も称賛されるミュージシャンの一人であるアリシア・キーズは、 その魂のこもった歌詞、驚異的な音域、そして心揺さぶられるピアノによって世界を魅了してきた。 しかし、華やかな人生を歩む一方で、人知れず個人的な苦しみを抱えていた―― 厄介で複雑な父親との関係、人を喜ばせたいという性格が高じて自らを追い詰めてしまった葛藤、恋愛におけるプライバシーのなさ、そして「完璧な女性であるべきだ」という期待からの重圧。 有名になるにつれ、アリシアの「表向きの個性」が奥深くにある「本当の個性」を覆い隠してしまい、彼女は何年ものあいだ、自分の本当の価値に気づくことすらできなかった。 こうして長いあいだ自らを抑え込む日々を送った末に、 彼女はついに、ある「問い」への答えを求めはじめるーー 「わたしは、本当は誰なの?」 本書を通じて、アリシアは真実を求めようとする自分自身の姿を初めてさらけ出してみせた。 自分自身について、自分の過去について、 そして、自分の気持ちを犠牲にすることをやめ、自らを大切にしようとする確固たる思いについて。 彼女が内側から変化していく姿を通して、 ぜひ、読む人一人ひとりが「本当の自分らしさ」を見つけ出すヒントにしてほしい。 -
ウィルヘルム・マイスターの修業時代
ウィルヘルムは、一芸に秀でたマイスターになろうとする。生まれつきミューズの恵みを受けた彼は、その天与の能力を育成することを自分の使命にする。タイトルは、中世ドイツの職人組合の慣行だった修業時代にちなんで名付けられているが、教養小説と呼ばれるように、広く人生の修業時代を描いている。ヘッセやトーマス・マンらが範としたドイツ教養小説の代表作である。ウィルヘルムは裕福な商人の家に生まれ、演劇に強く魅了されて舞台の世界に飛び込む。しかし次第に自身の生き方を模索するようになる。その過程には多くの人々との交流がある。俳優一座の仲間たち、恋愛関係に発展する多くの女性たち、神秘的な「塔の結社」の人々などは、成長の過程でそれぞれが重要な役割を果たす。第三巻で彼は軽業師一団に出くわし、座長から薄幸な少女ミニヨンを引き取る。ミニヨンはウィルヘルムに忠実に仕え、父親のように慕い、恋人のような切ない気持ちを抱くまでになるが……第三巻冒頭には有名な「ミニヨンの歌」がある。ミニヨン亡きあと、ウィルヘルムはミニヨンのふるさとへ、あこがれの南の国さして旅だつ。 -
ライン川の愛の冒険
アレクサンドル・デュマは本書『ライン川の愛の冒険』(原題は『愛の冒険』)を1859年10月から1860年1月にかけて、『モンテ・クリスト』紙に連載した。1857年8月末にハンガリー系オーストリア人の舞台女優リラ・フォン・ブリュオフスキーがデュマを訪問、その後彼女とベルギーからライン川旅行をする途中で、女性と友情を交わすというドン・ファンのデュマにとっては至難の苦行を堪える顛末を、いつものように虚々実々面白おかしく語るのである。その中にはかつてイタリアで一緒に旅をした歌姫との恋をベッドで寝物語のように語るという回想録とも旅行記を兼ねた二重の入れ子構造になっている。さて、この歌姫とはいったいだれであろうか、それが本書の解題の種明かしの楽しみである。 Une facette méconnue du grand Alexandre Dumas : humour, voyage et confidences amoureuses au fil du Rhin. Si le monde entier connaît l'auteur des Trois Mousquetaires et du Comte de Monte-Cristopour ses romans de cape et d'épée, Une aventure d'amour (publié initialement dans son journal Le Monte-Cristo entre 1859 et 1860) dévoile un Dumas plus intime, spirituel et délicieusement ironique. 【Résumé】 Tout commence en 1857, lorsque la jeune actrice austro-hongroise Lilla von Bulyovsky rend visite à l'écrivain. S'ensuit un voyage à travers la Belgique et le long du Rhin. Mais pour un séducteur impénitent comme Dumas, le plus grand défi de ce périple s'avère être une épreuve de force quasi herculéenne : maintenir une relation de pure amitié avec sa charmante compagne. Au fil de l'eau, pour tromper l'attente, l'auteur se livre à des confidences et raconte, comme une confidence sur l'oreiller, ses amours passées en Italie avec une mystérieuse cantatrice. Mêlant habilement le récit de voyage et les mémoires amoureux dans une structure en abyme captivante, cette œuvre balance constamment entre réalité et fiction. Qui est donc cette célèbre cantatrice ? C'est tout le plaisir de la clé de voûte de ce récit que le lecteur est invité à découvrir. Une redécouverte indispensable pour tous les amoureux de la littérature française du XIXe siècle. A hidden gem by the master Alexandre Dumas: A witty blend of travelogue, romance, and literary mystery along the Rhine. Alexandre Dumas, the legendary creator of The Three Musketeers and The Count of Monte Cristo, showcases his exceptional wit and humor in this lesser-known masterpiece, <i>Une aventure d'amour</i> (originally serialized in his journal Le Monte-Cristo from 1859 to 1860). 【About the Book】 The story begins in August 1857, when Lilla von Bulyovsky, a Hungarian-Austrian stage actress, visits Dumas. This encounter leads to a journey together through Belgium and along the scenic Rhine. However, for a notorious Don Juan like Dumas, this trip presents an excruciatingly difficult penance: maintaining a strictly platonic friendship with a beautiful woman. To endure this trial, Dumas weaves a captivating tale within a tale, recounting his past passionate romance in Italy with a certain opera diva, shared like an intimate bedtime story. Blending travelogue and memoir into a brilliant double-layered narrative, Dumas masterfully blurs the lines between truth and fiction. But who is this mysterious diva? Unraveling her identity is part of the delightful literary puzzle waiting to be solved in the commentary of this edition. A sophisticated and entertaining read for fans of classical literature, 19th-century European romance, and those wishing to discover a delightfully human side of a literary giant. -
「なむ」の来歴
日本、韓国、沖縄、どこへ行っても本は木(なむ)で出来ていた。 ●概要 「三十代初めまでは身近に詩があった。だからこの本にもちょくちょく自分の書いた詩が顔を出す」。著者がこれまで生きてきた日本、韓国、沖縄で感じたこと、言葉にしたこと、詩で表現したこと。三点測量するように書いてきたエッセイを集大成。 ●本文より 韓国に来る前に持っている本を全部売った。古本屋のおじいさんが部屋まで来てくれて十年間私が引越しのたびにひきずって歩いた活字の群れをそっくり引き取ってくれた。さよなら 私の本たち。それはたいそう重かった。 「本って、本当に重いですよね」私が言うと おじいさんが答えた。「さようでございますもともと木でございますからね」(第一章「プラタナス」より) 三十代初めまでは身近に詩があった。だからこの本にもちょくちょく自分の書いた詩が顔を出す。日本語でも一冊詩集を出し、ソウルにいるときには朝鮮語で書き、それらが一九九三年に韓国の民音社から『入国』として出版された。外国人がハングルで書いた珍しい本ということで、当時かなり話題になった。それはちょうど、韓国でいくつかの詩集が驚異的なセールスを記録していた時期と重なる。特に、崔泳美(チェ・ヨンミ)という詩人の『三十、宴は終わった』(日本語版はハン・ソンレ訳、書肆青樹社)が一九九四年に刊行され、その年だけで五十万部以上を売り上げるという空前のベストセラーとなった。私の詩集が読まれ、すぐに重版がかかったのも、こうした流れの中のできごとだ。民主化からあまり時間が経っていなかった九〇年代初頭の韓国人たちは好奇心に満ち、新しいもの、変わったものに対して寛容だった。(「あとがき」より) ●著者プロフィール 1960年、新潟市生まれ。翻訳者。著書に『増補新版 韓国文学の中心にあるもの』『本の栞にぶら下がる』『隣の国の人々と出会う――韓国語と日本語のあいだ』。訳書にチョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』、ハン・ガン『ギリシャ語の時間』、チョン・セラン『フィフティ・ピープル』、チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』、ファン・ジョンウン『ディディの傘』、李箱『翼――李箱作品集』、パク・ソルメ『未来散歩練習』などがある。2015年、共訳書パク・ミンギュ『カステラ』が第一回日本翻訳大賞受賞。2020年、訳書チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』で第18回韓国文学翻訳大賞(韓国文学翻訳院主催)受賞。2025年、ハン・ガン『別れを告げない』で第76回読売文学賞(研究・翻訳部門)を受賞。 【目次】 「なむ」の来歴もくじ 一章 「なむ」の来歴 二章 沖縄で考えたこと 三章 言葉と言葉の間で 四章 コラムの日々 五章 日常と本と 六章 詩、夢、訳 あとがき -
みえないもの
「最初に『何かすごい』と思い、それがずーーーーーっと止まらず、一冊全部がそうだった。」 ――斎藤真理子(翻訳家) デビュー作『優しい地獄』で読書界に衝撃を与えた、ルーマニア出身の文化人類学者イリナ・グリゴレ、最新作。 娘たちと過ごす青森の日々。ふとよみがえる故郷ルーマニアの記憶。そして、語られてこなかった女たちの物語――。 「彼女の人生をスクリーンのようなものでイメージとして見せられたら、彼女の語らなかったことが見えて、あの夜ニュースを見た人たちも彼女を理解できたかもしれない」(本書より) 虚実を超えて、新たな地平を切り開く渾身のエッセイ。 今までに書かれたどんな日本語よりも、鮮烈なことばをあなたに。
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