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『嵐が丘』は、相続制度と法律知識を駆使した「不動産小説」だった?
アトウッドの『侍女の物語』は現代アメリカがモデル?
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これからのポストヒューマン時代に必読の作家、カズオ・イシグロー
当代一の翻訳家・文芸評論家である著者が、誰もが知る名著を全く新しい切り口で解説し、小説のあじわい方を指南する大人向けブックガイド。
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※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
「海外文学の名作を読み解く」と始まり手にとった。小難しいジャンルだから考察本のようにかいつばみ、まぁ知ったと気になろうと思った。が、読んでびっくりする内容。
現代は全ての積み重なった本の上に立っているのに、当たり前に受け入れその足元を見ていなかったと思うような衝撃。
どれもが、これまでの人間の姿であり、自分であり、未来を示唆していた。
この著者が女性の翻訳者であるからより女性の自立を戦う姿を読み解く場面が多く、
これを新時代の女性のアイデンティティ=フェミニズムとも言える。
現代の私達はまだ一人で立つ事を受け入れられている途中であると感じているけれど、それでもこの海外文学の名作から読み解くに、なんて素晴らしい女性達のおかげで今の私達がやっと一人でいられる世界になったんだと握手をしたい。
もちろん物語なので、実際の話ではないけれどこうしたアイデンティティを書き示された後にここまで新しい時代に邁進できているのだと感じる。
また未来のディストピアとして「1984年」などから読み解くのは現代の社会の全てをまさかこの時代と同じような仕組みになっているのではないかと思う気づきがある。
文字を読み、読書をかさね、芸術を知る事は
思想の範囲を拡げる事。
これを制限されてあるいは短絡的にする幼稚化は、民を操れる支配方法のパンとサーカスのような手法、
現代のタイパとコスパ、AIと重なる。
便利というだけでチャットGPTに頼りそれを真に受ける、もしくは難しい事も要約させ理解した気でいる。お金や技術を費やす時間を設けずにものの数分で描きたい絵や映像を作成させる。またショート動画など短い映像をループさせ思考をぼんやりさせる。時間がないからと3倍速で映像を見るなど
これは完全に人間の脳の中を完全に衰退させている。
この「1984年」の世界と、現代は全くの一致ともいえる。恐ろしいくらい。
この著者は、ただ単に文章を文字通り訳しているのではなく内容を理解し咀嚼し繫げる聡明さも合わせもつ女性で、
この1ページから最終ページまでの段階は
タイトルのギンガムチェックと塩漬けライムの意味を説明する所からジャブを打ち、だんだんとここまでついてこれるか?理解できるか?とパンチをだんだん多く打って5章の頃には対戦ばりのパンチラインで挑んでくるので
ぜひ、最後まで読み切って欲しい。
私も受けて立って読み切れた先にある、
『私は「わからない」は一生の宝だと思っています。』
の一言が完全にノックアウトだった、ここまで書かれては敵わない。
この中から読みたい名作で特筆すべきは
「侍女の物語」からの「誓願」
「最後のひと葉」
ぜひ読んで私なりの読み解き方をしたい。
Posted by ブクログ
翻訳家の鴻巣友季子さんによる海外小説のブックガイド。いっとき、何も意識せず読みたい本を選んでいたら鴻巣さんの翻訳が続いていたことがあり、それまで翻訳家の方を意識したことがなかったが以来気になっていた方。
読んだことのある作品もまだ知らぬ作品もあり、ページを進める時のドキドキした気持ちや、人間の悍ましさに直面した時のような恐ろしい気持ちが一気に呼び起こされた。海外文学への憧れがぎっしり詰まっていて、自分が何故こうも海外の小説に惹かれてしまうのかもよく分かった。同時に、翻訳家の偉大さを改めて知る。
このあと、紹介されていた『灯台へ』、『ねじの回転』、『若草物語』を読んだ。『ジェイン・エア』、『一九八四年』も買ってあり読むのが楽しみ。
Posted by ブクログ
まずタイトルにそそられた。子供の頃、エニドブライトンのおちゃめな双子やはりきりダレルを読み、美味しいに違いない未知の食べ物を頬張る少女たちの描写にワクワクした私。赤毛のアンを読んで、素敵に違いない未知の生地のお洋服の描写にうっとりした私。あの頃読んだ外国の本は、よくわからないけど素敵そうなもので溢れていた。その感覚を思い起こさせるようなタイトル。ギンガムチェックと塩漬けライム…!
どうやら同じような子供時代を過ごしていたらしい著者は、翻訳家で文学評論家。本書では彼女が子供の頃や若い時分から読んできた外国文学の解説が載っていて、外国文学への良い入り口になると思う。堅苦しくなく親しみが持てる語り口で、あしながおじさんから若草物語からレベッカからアッシャー家の崩壊からハックルベリー・フィンの冒険からクララとおひさままから…とにかく様々な外国の物語の楽しみ方を魅せてくれる。
さすが文芸評論家、時代背景や、文学史上の作品の意義の解説もあり、読むうえでの新しい視点も紹介してくれる。また、翻訳家ならではの、原文の解説や翻訳の工夫についてを垣間見られるのも目新しい。著者ならではだと思う。女性だからか、女流作家たちの取り上げ方も結構好きな感じだった。
なんだかんだ、有名どころだけど読んだことがない作品というのもいくつもあり、大分大人になってしまったけどやっぱり読んでおこうかな、と思ういくつものタイトルとの再会もあった。
各章の冒頭にある3行ばかりの簡単な作者プロフィールでその作者の生きた年月を読んでは、こんなに短い生涯でこの時代にこの作品を残したんだ…どんな人生だったんだろう、という読み方もした。
読みやすいのに幾重のも楽しみ方ができて、かなり好きな本だった。
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