「夜ふけに読みたい数奇なアイルランドのおとぎ話」の続編。
フィンの物語とおとぎ話でアイルランドの伝説と昔話を楽しもう。
巻頭詩 猫のパングル・バーン
第1部 クウァルの子フィンの物語 第二夜、全3話。
第2部 パングルのおはなしぶくろ、全3話。
第3部 クウァルの子フィンの物語 第三夜、全3話。
モ
...続きを読むノクロのアーサー・ラッカムな挿絵が良い。
物語のふるさとの地図、底本、参考文献有り。
「夜ふけに読みたい数奇なアイルランドのおとぎ話」の続編で、
今回も、猫のパングル・バーンと写字生アイドが、収集した昔話と
伝説を紹介するという内容になっています。
読み聞かせのランクも付加・・・実際は難しいんだけど。
フィンの話に挟まれたおとぎ話は、お姫さま、邪眼、魔女。
聞き手は、ちょっぴり怖いけどドキドキしながら話に没頭し、
語りの終わりに、ほっと息をつく・・・そんな情景が浮かんできます。
フィンの話は騎士道物語的な要素もあり、謎めいた美女、修道士、
対峙する騎士、手助けする妖精、対する妖精王、魔女、
復讐心は忘れない配下であり仲間、忠誠心は素晴らしいけど
フィンに振り回されるフィアナ騎士団の面々。
そして異世界でのハラハラする冒険の数々。
キリスト教へのちょっとの皮肉があったり、
不条理だったりするけど、男性は愚かしいが勇猛であり、女性は強い。
なんとも大らかな神話、おとぎ話を楽しんでしまいました。
また、サトクリフの『黄金の騎士フィン・マックール』も
読んでみたいとも、思いました。