作品一覧

  • ドン・イシドロ・パロディ 六つの難事件
    3.0
    1巻1,782円 (税込)
    世界は謎に満ちている。獄中探偵の事件簿 黄道十二宮を用いたイスラム教の加入儀礼の最中に宗派の導師が殺され、容疑をかけられた新聞記者。急行列車内で起きたロシア皇女のダイヤをめぐる犯罪に巻き込まれた舞台俳優。パンパの大草原を望むテラスで雄牛の行進を眺めつつ刺殺された農場主。下町の安ホテルに集う人々に新来の田舎者がもたらした波紋とその結末。雲南奥地の至聖所から盗まれた宝石を追ってブエノスアイレスへやって来た中国人魔術師の探索行……。身に覚えのない殺人の罪で投獄され、服役中の元理髪店主イシドロ・パロディが、面会人が持ち込む数々の難事件を対話と純粋な推理のみで解き明かしていく。熱心な探偵小説ファンでもあるボルヘスとその盟友ビオイ=カサーレスがH・ブストス=ドメック名義で合作。二十世紀文学の最前衛に位置する二人の作家のもうひとつの貌を教えてくれる、奇想と逆説と諧謔に満ちた探偵小説連作集。 [目次]  H・ブストス=ドメック  序文 世界を支える十二宮 ゴリアドキンの夜 雄牛の神 サンジャコモの先見 タデオ・リマルドの犠牲 タイ・アンの長期にわたる探索  訳者解説
  • 物語の作り方 ガルシア=マルケスのシナリオ教室
    -
    1巻2,079円 (税込)
    おもしろい物語はどのようにして作るのか? いったい何がきっかけで物語は成長し,新たに生まれ変わるのか? ガルシア=マルケスとプロのシナリオライターの仲間たちがキューバに集結.視聴者に訴えかけるストーリーづくりの秘法を語り合う.稀代のストーリーテラー,ガルシア=マルケスによる,実践的〈物語の作り方〉道場!

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  • ガブリエル・ガルシア=マルケス ある人生
    -
    長編『百年の孤独』などの作品でラテンアメリカ文学の名を一層高らしめた巨人,ガルシア=マルケス.若き日の貧苦,ジャーナリストとしての日々,政治的セレブリティたちとの交流,恋愛,名声とその対価,ノーベル賞受賞の裏話など,読むほどに圧倒されるマルケスの生涯に迫る決定版伝記,いよいよ登場.

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  • リャマサーレス短篇集
    3.0
    1巻3,190円 (税込)
    何カ月も、何年も過ぎていったが、明日という日はやってこなかった――。スペイン語圏文学の名作『黄色い雨』の著者による集大成となる自選短篇集。 都市で、田舎で、辺境で、刻一刻と奪われ、それでも生きて、滅びてゆく人々の詩情―― 世界の片隅への愛と共感が魂を震わせる珠玉の21篇。
  • 永遠の家
    -
    1巻1,870円 (税込)
    推理小説?シリアス?ユーモア? 虚構に潜む陰の真実。独特の語り口が読むものを霧の彼方へと誘いこむ。 芸術の破壊と再創造をめざすスペイン文学の奇才が綴る〈虚空への新たな跳躍〉を試みる腹話術師の悲しくも可笑しい幻想的連作短編集。 【目次】 ぼくには敵がいた 別の怪物 お払い箱 底流 古い連れ合い ぼくが願っている死に方 カルメン 展望台の塔 お話の効果 師のもとを訪れる 下着のままの逃走 永遠の家 解説 【著者】 エンリーケ・ビラ=マタス 1948年バルセロナ生まれ。1985年『ポータブル文学小史』がヨーロッパ諸国で翻訳され、2000年『バートルビーと仲間たち』、次いで2003年『パリに終わりはこない』で世界的に評価される。 木村榮一 1943 年、大阪市生まれ。神戸市外国語大学名誉教授。著書に『ラテンアメリカ十大小説』ほか、訳書にバルガス= リョサ『緑の家』、コルタサル『遊戯の終わり』、リャマサーレス『黄色い雨』ほか。 野村竜仁 1967 年、群馬県生まれ。現在、神戸市外国語大学イスパニア学科教授。おもな訳書に、ビオイ=カサーレス『 パウリーナの思い出に』(共訳)、セルバンテス『戯曲集』(共訳)がある。
  • 語るボルヘス 書物・不死性・時間ほか
    3.8
    1978年6月に,ブエノスアイレスのベルグラーノ大学で行われた連続講演の記録.ボルヘスが選んだテーマは,「書物」「不死性」「エマヌエル・スヴェーデンボリ」「探偵小説」,そして「時間」.――「この五つのテーマはわたしの内面と深くかかわっていて,これまで自分が思念を凝らしてきたものなのです」(ボルヘス).

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  • 超分子の化学
    -
    1巻2,640円 (税込)
    ※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型は文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 超分子化学の基礎となる「分子間力」の原理を懇切丁寧に解説しながら、超分子の概念とその驚異的な構造、およびそれぞれの超分子の物性と機能とその用途、さらには最新の話題である生体機能の本質の理解に役立つ超分子までを、豊富な具体例を元に概観した。この分野の入門的参考書としてうってつけの快著。
  • 黄色い雨
    4.4
    1巻968円 (税込)
    比類なき崩壊の詩情、奇蹟の幻想譚。スペイン山奥の廃村で朽ちゆく男を描く、圧倒的死の予感に満ちた表題作に加え、傑作短篇「遮断機のない踏切」「不滅の小説」の二篇を収録。
  • 謎ときガルシア=マルケス
    4.0
    1巻1,815円 (税込)
    生まれ育ったカリブ海の日常生活に潜む底抜けなユーモアのセンスを手がかりに、ラテンアメリカ文学の魅力を『ドン・キホーテ』のスペイン語文学、さらにはコロンブスの“冒険心”まで溯って縦横無尽に解読。数々のマルケス作品を翻訳した著者が、ありきたりの作家論・作品論にとどまらず、世界的文豪の発想力の原点を解き明かす。※新潮選書に掲載の写真は、電子版には収録しておりません。

ユーザーレビュー

  • 黄色い雨

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    たったひとりで、過疎化した村の終わりを見届けた男の話だった。孤独に死に向き合う語りが胸を打つ。
    主人公は死ぬまでの果てしなく思える年月を過ごしたあと、死んでからの真に果てしない時をも過ごしている。荒廃した村に流れる時間が、まるで止まっているような錯覚を引き起こし、不思議な体験ができた。
    主人公の生まれ育った土地であるし、戦争から息子が帰ってくる、娘の墓があると思えば移住が選択肢に入ってこないのもやむを得ない。生活があったかつての村の姿を知るだけに孤独感は増すと想像できる。サビーナの自死、雌犬の最期は特に深い悲しみが襲ってきた。
    現在と過去と未来のすべてが主人公の記憶の中で一体となり、最後はただ

    0
    2025年10月30日
  • 黄色い雨

    Posted by ブクログ

    ①文体★★★★★
    ②読後余韻★★★★★

     こちらは廃墟、廃村が主な舞台となっている小説で、一人の男の死を村の消滅にかさねて描かれています。
     語り手はその男による死者の視点。これが不思議な設定で、彼の回想や死に行く過程が語られています。その孤独のなかで生と死の境界が淡くなり、昼と夜の境が無くなっていくのが読んでいて感じます。季節の移り変わりとともに朽ち果てていく家や村、はなれていく人、死に行く人。ポプラの枯葉とともに降りしきる黄色い雨。深い沈黙の中に消えていく記憶。
     この何とも退廃的な状況を詩人である著者の透明感溢れる文章で綴られているのがとても印象的でした。そこには死が漂っているのにもか

    0
    2022年10月29日
  • 黄色い雨

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・文体の美しさ。
    ・簡素な舞台と、奥深さ。
    ・不吉さ。
    ・幽霊。
    ・雌犬の存在。
    ・悲しくも優しいまなざし。
    ・異文化。
    出会えてよかった本。



    以上は、2012年、ヴィレッジブックス単行本初読時の、きれぎれの感想。
    以下は、10年経って2022年5月、河出文庫で再読しての感想。
    文庫版では短編をふたつ(「遮断機のない踏切」「不滅の小説」)収録。

    まずは、初読後10年、本書を思い出すたびに脳裏に描かれていた、カバーイラストの美しさについて。
    ニコラ・ド・スタール(露: Сталь, Никола де、仏: Nicolas de Staël、1914年1月5日 - 1955年3月16日

    0
    2022年05月23日
  • 謎ときガルシア=マルケス

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    「百年の孤独」で有名なガルシア=マルケスの生涯、作品の紹介とラテンアメリカ文学、歴史を含めて論じたエッセイ。ガルシア=マルケスはノーベル文学賞を授与された作家で、ラテンアメリカの人々を描いた作品は、緻密でオリジナリティーがあり大変人気がある。
    若い頃から苦難の連続だったが、チャンスを捉える能力もあった。 コロンビアは、政治の堕落が激しくて、日本人の感覚では耐えられないような世界だ。著者は、明治維新の頃の日本を例えながら、ガルシアマルケスの置かれた状況を説明する。 彼が生み出した作品群の執筆経緯、時代背景、物語のモチーフとなった事件など様々な考察がされていて、この本を読むとガルシア=マルケスの作

    0
    2022年01月01日
  • 黄色い雨

    Posted by ブクログ

    寂れゆく村に一人取り残される老人。
    圧倒的な孤独と寂寥感が漂う、散文詩のような幻想譚。
    木村榮一の訳が素晴らしく、硬質で乾いた文章と絵画的な世界観に魅了された。

    0
    2021年08月09日

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