黄色い雨

黄色い雨

小説・文芸
968円 (税込)

4pt

比類なき崩壊の詩情、奇蹟の幻想譚。スペイン山奥の廃村で朽ちゆく男を描く、圧倒的死の予感に満ちた表題作に加え、傑作短篇「遮断機のない踏切」「不滅の小説」の二篇を収録。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外文学
  • 出版社
    :
    河出書房新社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    河出文庫
  • タイトル
    :
    黄色い雨
  • タイトルID
    :
    429338
  • ページ数
    :
    216ページ
  • 電子版発売日
    :
    2017年03月10日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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黄色い雨 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    フリオ・リャマサーレスの文章が私にとって特別なのは、寂寥が極限まで磨かれて美しさとして立ち上がることに心が震え、それがたまらなく嬉しいから。

    0
    2026年04月20日

    Posted by ブクログ

     物語を語っているのは何者なのか?
     生きた者なのかそれとも死んだ者の記憶が語っているのだろうか?
     
     物語はピレネーの山にある小さな廃村の話だ。

     しかし、はじめのうちは何が書かれているのかを手探りのように読み進めていくことになる。
     必然的にじっくりと辛抱強く読むことになるのだが、やがてその内に少しずつその背景が、全貌が明らかになってくる。
     村からは人々が消え去り、自らの子どもや妻さえも。そこで、老人はただひとり、唯一の友である雌犬とともに記憶と時間の中をさまよいながら過ごすのだ。

     圧倒的な哀しみのテンションで書き綴られ、ラテン文学の特徴なのか、時間が行ったり来たりして迷宮をさまよっているような感覚にもなる。

     冬には雪が果てしなく降り積もり、秋にはポプラの雨が降り注ぐ。常に死の予感とともに。

     強さと弱さ、深い愛情が自ずと感じ取れる、哀しくも美しい物語だった。
     

    0
    2026年02月15日

    Posted by ブクログ

    スペインに実在し、廃村となった消滅集落に1人最後まで残り、崩壊していく村、去っていく人や死んでいく人や家族、自分の死を回想し、詩情溢れる文章で綴られた小説。黄色い雨は、秋の落ち葉の色であり、時間の経過であり、村の淀んだ空気の色でもある。救いのない暗い話だが、美しい詩的な文章が際立っていて憂鬱な気分にはならない。現実の問題だけに考えさせられる小説である。

    0
    2026年01月01日

    購入済み

    哀愁ある作品

    淡々と進んでいく。故郷の村も自分も死へと近づいていく。読んでいくうちに時間の感覚がなくなる。この歩みに委ねて、本を楽しんだ

    #切ない #シュール

    0
    2025年12月29日

    Posted by ブクログ

    ①文体★★★★★
    ②読後余韻★★★★★

     こちらは廃墟、廃村が主な舞台となっている小説で、一人の男の死を村の消滅にかさねて描かれています。
     語り手はその男による死者の視点。これが不思議な設定で、彼の回想や死に行く過程が語られています。その孤独のなかで生と死の境界が淡くなり、昼と夜の境が無くなっていくのが読んでいて感じます。季節の移り変わりとともに朽ち果てていく家や村、はなれていく人、死に行く人。ポプラの枯葉とともに降りしきる黄色い雨。深い沈黙の中に消えていく記憶。
     この何とも退廃的な状況を詩人である著者の透明感溢れる文章で綴られているのがとても印象的でした。そこには死が漂っているのにもかかわらず、なぜか美しさを感じます。

    0
    2022年10月29日

    Posted by ブクログ

    寂れゆく村に一人取り残される老人。
    圧倒的な孤独と寂寥感が漂う、散文詩のような幻想譚。
    木村榮一の訳が素晴らしく、硬質で乾いた文章と絵画的な世界観に魅了された。

    0
    2021年08月09日

    Posted by ブクログ

    すとん、と、心が落ちていきます。
    周囲にひたひたと、孤独が満ちていきます。
    黒い闇のようで、でもそれは黄色い雨です。
    スペインの山奥の棄てられつつある村で、最後の男はどこから、この世のものでは無くなったのかわかりません。
    自分の最期も、こんな風にひとりで、じわじわと彼方側との境がわからなくなるのかな。
    とてつもない空気でした。孤独と哀しみは、近いようでそうではない気がします。
    後編ふたつの狂気も好きでした。列車の通らなくなった線路で、踏切に遮断機をおろし続ける男。創作に没頭して妄執にかられる男。

    小説だけど詩のようでした。
    これからも読んでいきたい作家さんです。

    0
    2020年05月12日

    Posted by ブクログ

    何と美しい退廃であろうか、と、読後に本を閉じたまま、暫し呆然としてしまった。

    まるで叙情詩のような手触りだったと思う。文章の流麗さということがまず一つ、その要因として挙げられるだろう。
    それから、語り手が自らの心象風景を一人称で独白する文体である、ということも効果的だと感じた。読み返して気付いたのだけれど、会話文のカギカッコが一つもない。語り手以外の人物のセリフというものがそもそも一つしかないのだけれど、それも語り手の内言語にいつしかすり替わって、その独白の一部になってしまう。つまり外言語を排除することで語り手の内面に焦点が向くように仕掛けられているのかもしれない。
    「彼ら」という言葉の暗喩的な響きや、次第に明かされていく「私」の正体、そして象徴的に繰り返される「黄色い雨」というフレーズが幻想さを強めている。それから段落ごとに一行空けて文頭を一文字上げるという独特なスタイルも、この文字列がただの小説ではないことを物語っているように見える。

    また、読中にアンナ・カヴァンの『氷』を思い浮かべた。あれを、私は「ヘロイン中毒患者の死際の幻覚」と解釈したのだけれど、それに似たものがあったように感じる。
    語り手である「私」が既に死んでいることは文中で次第に明らかにされるが、実際のところ「私」はまだ死の直後か、あるいはまさに死ぬその瞬間か、彼岸と此岸の境目のところを漂っている状態なのではないだろうか。
    死ぬ間際に見る幻覚、もしくは死の直後の意識、彼岸と此岸の境目で見る景色というのはこのようなものなのかもしれない。

    0
    2017年06月04日

    Posted by ブクログ

    スペインの廃村でただ一人、最期を待つ男の独白。村が朽ち、すべてが秋の枯葉のような黄色に染まる圧倒的な孤独。

    黄色い雨という死のメタファーの中、狂気と正気を揺れ動きながら土地に縛られ続けている。見方によっては陰鬱だし辛気臭いかもしれないけれど、それがイイ。

    後半以降、本格的に死者へと向かっていくいく語りにページをめくる手が止まらなくなる。滅びへの抗いと受容が交錯する痛切な叫びもまた、散文詩のようで美しいものでした。

    0
    2026年07月10日

    Posted by ブクログ

    表題作を読み進めると季節的に今がぴったりだなと思いながら読んでいた。孤独や過去、亡霊と向き合い、側にいる雌犬と黄色い雨が降るこの村で死を待つお話。一人語りが続き、声帯を震わせた言葉は出てこない。静まり返り、朽ちていく村で言葉を発したところで誰かに(読んでいる自分のところにも)届くわけではないのだから。というような感じでずっと地の文が続きます。
    終盤では私(父)が語り手だと思っていたのに、急に息子のアンドレスが語り手かのようにふるまう所でかなり混乱した(妻はサビーナってまだ言っているし)。語り手の私の命が尽きようとして全てが混沌としていく中で色んな境界が曖昧になっていき、このような語り口になったのかななんて考えてみたり。あとは訳者あとがきで驚いたのは舞台となるアイニェーリェ村は実在していたこと(すでに廃村)。他に短編が2つあるのだけどどちらも面白かった。

    0
    2025年12月29日

黄色い雨 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外文学
  • 出版社
    :
    河出書房新社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    河出文庫
  • タイトル
    :
    黄色い雨
  • タイトルID
    :
    429338
  • ページ数
    :
    216ページ
  • 電子版発売日
    :
    2017年03月10日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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