小説・文芸 - 集英社作品一覧

  • 孔雀狂想曲
    4.0
    東京は下北沢の片隅にある骨董品屋・雅蘭堂。店主の腰名集治は実は相当の目利きなのだが、商売はそれほど上手くない。おかげでいつも開店休業状態。それでも、ひとたび人々の記憶や思いのこもった骨董品をめぐって事件が起きると、抜群の鑑定眼と推理力で謎に挑む。ベトナム・ジッポー、鉱物標本の孔雀石、江戸切子――様々なモノと謎が今日も雅蘭堂を訪れる……。傑作ミステリ連作集。
  • クジラは歌をうたう
    4.0
    結婚を半年後に控えた30歳の拓海には、密かな日課があった。高校の時に好きだった女の子・睦月のブログを見ることだ。ある日、拓海はブログが更新されたのに気づき、驚く。なぜなら、睦月は12年前に死んでいるのだから…。拓海はブログを誰が更新したのか知るため、没交渉だった高校の同級生たちに会いに行くが―。東京と沖縄、18歳と30歳。時間と場所を超えて綴られる、彼女と僕の物語。
  • 鯨人
    3.8
    インドネシア東ヌサテンガラ州に属するレンバタ島のラマレラ村は、銛一本で鯨を仕留める伝統捕鯨で知られている。写真家である著者は約19年にわたりこの村の様子を取材。世界最大の生物に挑む誇り高き鯨人達の姿と、村の営みに深く根ざす捕鯨文化の詳細を記録し、ついには捕鯨の水中撮影を敢行する。だが、この村にもまた、グローバリゼーションの波は押し寄せていた……。岐路に立つラマレラ村とその捕鯨文化を雄渾に活写する、比類なきネイチャー・ドキュメンタリー。【目次】プロローグ/第一章 鯨の島へ/第二章 鯨漁に挑戦/第三章 再挑戦/第四章 鯨漁撮影/第五章 陸の物語/第六章 鯨の眼/エピローグ
  • 九代目長兵衛口入稼業
    3.0
    1~5巻649~792円 (税込)
    江戸で人材派遣業を営む口入屋の九代目を継いだばかりの長兵衛。江戸に集まってくる人々に職を斡旋して面倒見がいいと評判だった先代のような店主を目指している。ある日、長兵衛の店で中間の世話をした友蔵が、旗本の中間部屋で賭場を開き、荒稼ぎしていると噂を耳にする。その賭場の博打で負けたと三次が店にやってきて新しい奉公先を見つけたいというが……。中間部屋を渡り歩く友蔵の裏になにかあると睨んだ長兵衛は探索に乗り出す。粋でいなせな口入屋長兵衛の活躍。文庫書き下ろし時代小説の新シリーズ。
  • くちぬい
    3.7
    夫の定年退職を機に、東京から高知の山奥の白縫集落に移り住んだ夫婦。美術教師だった夫の竣亮は趣味の陶芸に専念したい、妻の麻由子は放射能汚染の不安のある東京から逃れたいと思っていた。老人ばかりの村で、若くみられた二人は歓迎されるが、「くちぬいさま」と呼ばれる神を祀る神社に続く道の上に竣亮が陶芸の窯を作ったことから、村人達との関係に亀裂が生じ、陰湿な苛めが始まる――。
  • くちぶえサンドイッチ 松浦弥太郎随筆集
    4.0
    バークレーの街歩き。ブルックリンハイツのレモネード。吉田健一、庄司薫、モーム、啄木。ボタンダウンとギター、ラスクに1ドルコーヒー…。「この本のなかに(略)あるのはすがすがしい肯定。それはつまるところ、世界への肯定である」(解説より)。中目黒の古書店店主にして、『暮しの手帖』編集長の著者が、「僕の旅の日々、その歩き方、愛し方」をつづったとびきり爽快な一冊。
  • 朽ちゆく庭
    3.5
    かつてのセレブタウンに引っ越してきた山岸家。中学生の真佐也は、転校前に部活をやめ、以来、学校をサボり、部屋にこもるようになる。けれど、その部屋には小学校からの友人・純二がこっそりと遊びに来ている。心配する母親・裕実子と対照的に、父親・陽一は不在がちであまり関心を示さない。真佐也はある日、家の向かいの公園でうずくまっている少女・あかりを見かける。その少女には怪しげな噂がつきまとっていた。一方、陽一は急に在宅勤務だと言って会社に行かなくなり、裕実子は勤務先の税理士事務所の上司と“残業”という名の密会を続けていて……壊れゆく家庭を描く“危険”なサスペンス長編。
  • 靴の話 大岡昇平戦争小説集
    3.4
    太平洋戦争中、フィリピンの山中でアメリカ兵を目前にした私が「射たなかった」のはなぜだったのか。自らの体験を精緻で徹底的な自己検証で追う『捉まるまで』。死んだ戦友の靴をはかざるをえない事実を見すえる表題作『靴の話』など6編を収録。戦争の中での個人とは何か。戦場における人間の可能性を問う戦争小説集。
  • 国木田独歩『武蔵野』を読む(文芸漫談コレクション)
    -
    「一冊を通して、日本語の変遷ドキュメントになっているという指摘は、間違いありません。…それが『武蔵野』の最大の魅力と言っていいかもしれません。」(奥泉)。今回は、本全体に日本語の歴史が横溢している国木田独歩の『武蔵野』を読む。芥川賞作家と希代の仕掛人が捨て身でおくる“漫談スタイル”の超文学実践講座。本電子書籍は、文芸誌「すばる」2010年5月号に掲載された作品の電子版シングルカットです。
  • 国盗り合戦 〈一〉
    -
    時は慶安二年、将軍家光の治世。逼迫する財政に業を煮やした奥平藩藩主・宇佐美安綱は、なんと他藩の領地を奪い取ろうと画策、狙われたのは肥沃な領土を持つ隣の椿山藩だった。そんな事態に陥っているとは露も知らぬ椿山藩藩主の本郷宗政は、大事なことは重臣任せで「うつけ」と見られている男。だが、侵略による被害が徐々に宗政の性根を変えてゆき……。野心に燃える譜代大名vs.民に慕われる外様大名――泰平の世に起きた謀略戦、その行方は!?
  • 雲の果て おいしいコーヒーのいれ方 Second Season V
    3.7
    すべての現実から顔をそむけ、自分を責め続けて膝を抱えているのは、ある意味いちばん楽なことだ。でも、人は生きている限り、永遠に立ち止まっているわけにはいかない─。勝利が逃げるようにオーストラリアに来て、半年がたった。秀人の仕事の手伝いにも、生活にも慣れてきたが、かれんから送られてくる手紙を読むことは、まだできないでいた。そんな勝利のもとに、かれんの弟・丈からの手紙が届く。
  • 曇る眼鏡を拭きながら
    4.5
    ひとりでも拭けるけど、ふたりで拭けば、もっと、ずっと、視界がひろがる。 ノーベル文学賞受賞作家、J・M・クッツェーの訳者として名高いのぞみさん。 パク・ミンギュ『カステラ』以降、韓国文学ブームの立役者である真理子さん。 「ことば」に身をひたしてきた翻訳家どうしが交わす、知性と想像力にみちた往復書簡集。 生まれ育った地に降りつもる雪、息もたえだえの子育て期、藤本和子との出会い、出版界の女性たちの連帯、コロナ禍とウクライナ侵攻の混迷……丹念に紡がれた、記憶と記録のパッチワーク!
  • 海月館水葬夜話
    3.7
    遠田湊には「秘密」がある――。美しい海月の姿をした海神信仰の根付く穏やかな港町で、湊は司書として働いている。と同時に、幼なじみの凪と暮らす海月館で、家業を手伝ってもいる。死者たちの後悔を紐解き、海に還すのだ。今宵もまた、さまよえる魂がひとり――。それはやがて、静かな町で起きた凄惨な通り魔事件の暗部に繋がり!? 哀しくも優しい葬送のミステリー!
  • 寺暮らし
    3.0
    たまたま見つけた引っ越し先はお寺の境内に建つ小さなマンションだった――。都心部なのに日当たり風通しともに良好、周りはお墓だから静かで緑も多くて環境抜群。こうして始まった著者と子ども三人の「寺暮らし」。東京の古い寺町の四季折々の風景、そしてそこに暮らす人々との出会いとさりげない交流。無駄なく無理なく日々を大切に生きていく。そのことの豊かさを感じさせる傑作エッセイ集。
  • 倉橋由美子『スミヤキストQの冒険』を読む(文芸漫談コレクション)
    -
    成長もなし。教訓もなし。変化もなし。空虚小説。チャレンジングな作品ですよ。つまり、これは倉橋由美子の冒険だと思います。(いとう)。今回は、倉橋由美子『スミヤキストQの冒険』を読む。芥川賞作家と希代の仕掛人が捨て身でおくる“漫談スタイル”の超文学実践講座。本電子書籍は、文芸誌「すばる」2014年8月号に掲載された作品の電子版シングルカットです。
  • くらもち花伝 メガネさんのひとりごと
    4.2
    1972年「メガネちゃんのひとりごと」でデビュー以降、「おしゃべり階段」「いつもポケットにショパン」「天然コケッコー」「花に染む」など、常に一級の少女まんがを描き続けてきたくらもちふさこ初の自伝&秘伝の書。これまであまり語られることのなかったデビュー当時の別冊マーガレット編集部の様子や壮絶な制作秘話、まんがの意外な裏設定など、知られざるエピソードが満載。まんがを描く人にも読む人にも、必ず響くこと間違いなし! 読めば、もう一度「くらもちワールド」にダイブしたくなる、ファン必携の一冊。※NHK連続テレビ小説『半分、青い。』の劇中まんがの原作者。
  • 暗闇・キッス・それだけで Only the Darkness or Her Kiss
    3.7
    本職・探偵、副業・ライター。飄々と生きる頸城悦夫。IT長者ウィリアム・ベックを取材するため、富豪の別荘を訪れたその日に、敷地内で射殺事件が起きる。被害者はベックの主治医。生前の彼と最後に話したのは、こともあろうが頸城だった!? 富豪の妻、息子、息子の恋人に使用人たち。一癖二癖ある人々の話を聞き、頸城は事件解決を試みるが、第二の殺人が起き……。瀟洒でビターなミステリィ。(解説/和希沙也)
  • 暗闇・キッス・それだけで Only the Darkness or Her Kiss
    3.5
    大学在籍中にコンピュータのインタプリタを作製、休学してソフトウェア会社を創業、1980年代にコンピュータ業界で不動の地位を築いた、IT史上の伝説的存在ウィリアム・ベック。会長職を譲り、第一線から退いたウィリアムは現在、財団による慈善事業に専念している。探偵兼ライタの頸城悦夫は、葉山書房の編集者兼女優の水谷優衣から、ウィリアムの自伝を書く仕事を依頼され、日本の避暑地にある彼の豪華な別荘に一週間、滞在することになった。そこにはウィリアムだけでなく、その家族や知人、従業員などが滞在していた。ところが、頸城が別荘に着いた後、思いもかけない事件が発生する。警察による捜査が始まるが、なかなか手がかりをつかむことができない。そんな中、さらなる悲劇が……。取材のために訪れた頸城は、ウィリアムの自伝執筆の傍ら、この不可思議な殺人事件にも関わることになる。果たして、事件は解決できるのか。忘れ得ぬ苦しい記憶を背負った探偵が、事件の謎・愛の影を探求・逍遥する、至高の長編小説。待望の書き下ろし長編ミステリー。
  • 掃除屋 プロレス始末伝
    3.0
    依頼を受け、相手をリング上で制裁する「掃除屋」。ベテランレスラーのピューマ藤戸はそんな裏の顔を持つ。様々な事情を抱える依頼人から高額な報酬をせしめる背景には、リング禍で今なお意識が戻らない親友の存在があった。身体に爆弾を抱えた藤戸が、最後の対戦相手に選ぶのは──。プロレスファンなら感涙必至、そうでなくとも胸が熱くなる哀愁ただよう男の美学の物語。本当の強さが、ここにある。
  • くるみ割り人形 白鳥の湖 バレエ名作物語
    -
    クリスマス・イヴのパーティで、名づけ親のドロッセルマイヤーさんから、くるみ割り人形を送られた少女クララは、その夜、不思議な体験をする…「くるみ割り人形」。悪魔に呪いをかけられ、白鳥の姿に変えられてしまったオデット姫。夜の湖で出会ったジークフリート王子と恋に落ちるが…「白鳥の湖」。世界中で上演されている、チャイコフスキーの人気バレエ2作品が、ロマンチックなファンタジー小説に!【もくじ】はじめに/くるみ割り人形/白鳥の湖/解説 少女の夢のつまった世界(深沢美潮)
  • 「黒い雨」訴訟
    -
    【第66回JCJ賞受賞!】なぜ、被爆者たちは切り捨てられたのか――。 広島の原爆投下から70年以上を経て、ようやく語られ始めた真実の数々。 「黒い雨」による被ばく問題を記録した、初めてのノンフィクション。 ---------- 原爆投下直後、広島に降った「黒い雨」。 多くの人がその放射線を帯びた雨による深刻な健康被害に苦しめられていながら、「被爆者」と認めて救済する制度はなかった。 雨を浴びた住民らは国に援護を求めて訴訟提起したが、解決までの道のりは長く険しいものだった。 なぜ、国は黒い雨被爆者を切り捨てたのか――。 本書は当事者の歩みをたどるとともに、米軍の被害軽視に追従した国の怠慢、非科学的な態度をあぶり出していく。 戦後70年以上を経て、ようやく語られ始めた真実の数々。 「黒い雨」による被ばく問題、その訴訟の全容を記録した初めてのノンフィクション。 ---------- なぜ、黒い雨被爆者は戦後七五年余りもの間、置き去りにされてきたのか。 そこには、被ばくの影響を訴える声を「切り捨てる」論理があった。 これに疑義を唱え、被ばくを巡る救済のあり方を問うたのが、「黒い雨」訴訟だった。 黒い雨被爆者がなぜ、どのように切り捨てられ、そして何を訴えて援護を勝ち得たのか。 本書は、黒い雨被爆者が「切り捨てられてきた」戦後を記録した、初めてのノンフィクションである。 その記録は長崎で、福島で、そして世界中で今も置き去りにされている放射線による被害者を救う道しるべになると確信している。 (「序章 終わらない戦後」より)
  • 黒い船渠
    -
    超大型タンカーの建造計画がユニオン社から発表され、造船界は争奪戦の火蓋を切った。受注のカギをにぎる造船工学の権威、的野博士が突然謎の死をとげ、設計図が紛失する。企業の存続を賭けた暗闘は、幻の産業スパイ“香港グループ”の介入にまで発展し……。複雑に絡みあった造船界の謎を、鬼才・梶山季之がつぎつぎと暴く傑作サスペンス。
  • 黒塚 KUROZUKA
    3.9
    十二世紀末。鎌倉に追われる九郎坊と大和坊は、奥州の山中で妖麗な女が独居する藁屋に一夜の宿を請う。黒蜜と名乗る女は奥の間を覗かぬことを条件に逗留を許す。十九世紀、奥州山中の荒屋(あばらや)に宿を請うた男は、生首となって生きる九郎坊を奥の間に見る。さらに時代は流れ……九郎坊は高層ビルから廃墟と化した都市を見下ろしていた。永遠の命を生きる異形の者の、時空を超えて展開する愛憎と闘い。
  • クロねこ七不思議部!!
    -
    八日伊(ようかい)小学校の七不思議は、やたらにいれかわっている!? ナツとユーキ部長は、たったふたりの「七不思議部」。七不思議のナゾを研究する弱小クラブを、一発逆転なんとかもりあげようと、裏山で埋蔵金を掘ることに! だけど、でてきたのは……真っ黒なまねきねこだった! 「今日からきみは、七不思議部の守り神だ!」と、ナツがビシっと指さした瞬間、「――そんニャのごめんだニャ!!」と、声がして!? 怖カワ☆七不思議コメディ!
  • 黒のコスモス少女団 薄紅雪華紋様
    3.6
    これは、この世のことならず――。直木賞作家の浪漫あふれる大正怪異事件帖。大正時代の東京。画家を志す槇島風波は裕福な家を出て、風変わりな友人・穂村江雪華と同じ下宿に暮らしていた。天才的な画力を持つ雪華は、さまよう魂を絵で成仏させる不思議な力の持ち主でもある。巷では、何者かが一人歩きの婦女子を縄で縛り上げ、金品を奪う「鬼蜘蛛事件」が起きていた。妹の友達の護衛を引き受けた風波は、雪華とともに事件に巻き込まれ……(「鬼蜘蛛の讃美歌」)。「黒のコスモス団」と名乗る不良少女団に呼び出された風波。兵役忌避で故郷を飛び出した女ボスの幼馴染が、雪華に瓜二つだというのだが……(「黒のコスモス少女団」)。画業で結果を残さなければ家に戻ると、父親と約束してしまった風波。友人である鬼才の画家・平河惣多も、恋から身を持ち崩していた。そんな時、巨大な災害が日本列島を襲い……(「白い薔薇と飛行船」)。変わりゆく帝都で、友と交わり夢を追い怪に惑う青年たち。彼岸と此岸をつなぐ大正怪異事件帖、第二弾。【目次】第一段 鬼蜘蛛の讃美歌/第二段 汝、深淵をのぞくとき/第三段 黒のコスモス少女団/第四段 幽鬼喰らい/第五段 銀座狼々/第六段 白い薔薇と飛行船
  • ぐうたら社会学
    3.8
    敬虔なクリスチャンにして、『沈黙』ほか、文学史に残る数々の名作を遺した遠藤周作。そのもうひとつの顔は、大仏の掌で「アア、コリャコリャ」と踊る酔っ払いに親愛の情を感じ、「お前にはマメ狸が憑いとる」と占い師のご託宣を受けて落ち込み、庭のアヒルとにらみあう、かわいらしくも可笑しい「狐狸庵先生」であった。含羞とエスプリがにじむ、極上のユーモアに満ちた狐狸庵のエッセイの真骨頂。
  • 愚者の階梯
    4.0
    「勧進帳は不敬である!」 昭和十年、東京。満州国皇帝溥儀が来日し、亀鶴興行は奉迎式典で歌舞伎の名作「勧進帳」を上演。 無事成功するが、台詞が不敬にあたると国粋主義者が糾弾。 脅迫状が殺到した直後、亀鶴興行関係者が舞台装置に首を吊った姿で発見――。 江戸歌舞伎狂言作者の末裔、桜木治郎が大いなる謎に挑む、驚嘆の“劇場×時代ミステリー”! あの戦争へ、日本が最後の舵を切った時代を彫刻する渾身作。 『壺中の回廊』、渡辺淳一文学賞受賞『芙蓉の干城』に続く、昭和三部作完結!
  • 愚者の街
    -
    「社長が殺されたってのは、俺が殺されたってことでもある」村岡は雇い主の高成を殺した男を追う。数億の金をめぐって、ナイフが、匕首が、銃弾が飛びかう。武器は己の肉体。――敵と味方が交錯し、過去のある男と女が愚者の街を走る。老いぼれ犬・高樹がつぶやいた。「けものは勝手に走って死んでゆく」。
  • Good old boys
    4.1
    一番弱いのに、一番楽しくサッカーをやれる「牧原スワンズ」の四年生チーム。公式戦では一勝はおろか、まだ一点も取ったことがない市内屈指の弱さを誇っている。今年最後の公式戦となる市大会に挑む子どもたち。しかし、チームの活動を手伝う父親たちは、それぞれに悩みを抱えていた。八組の家族のありようとその成長を描き、すべての頑張るお父さんと子どもたちへあたたかなエールを贈る物語。
  • グラニテ
    4.0
    “女”になるあなたが許せない。カフェの経営者・市ノ瀬万里は42歳。10年前に夫を亡くし、17歳の一人娘・唯香と暮らしている。年下の新進映画監督の凌駕とは密かに恋愛関係にあった。一方で、凌駕の新作に主演女優として起用された唯香も次第に彼に惹かれていく。女として美しくなる娘に嫉妬する万里。いつまでも女であろうとする母に苛立つ唯香。一人の男を巡る母親と娘の三角関係の終幕とは……?
  • グラビアの夜
    3.3
    編集者・高橋は苛立っていた。一流出版社で文芸書を作るはずだった自分が、今夜もスタジオで水着の女の子を眺めながら青年コミック誌のグラビア撮影を仕切っている。俺はこんな場所にいるはずじゃないんだ……。彼は密かに、挫折した夢を取り戻そうと決意する。夜のスタジオを舞台に、グラビア撮影現場のスタッフたちは自分の居場所を見出そうとしてあがく。彼らの思惑と葛藤を描き出す連作短編集。
  • グリーンライン
    3.6
    公園で襲われた不幸な夜から7年。そのショックで眠り続けた秋川裕果は突然めざめた。長い眠りからさめたとき、常に安全ゾーンを歩くようにしつけられていた女子高生は25歳になっていた。病院のベッドで、ただ茫然とする彼女の前に現れた刑事の話を聞くうちに、あの夜の記憶が甦ってきた。やがて不審な出来事が起こり始める。時効直前、忘れられていた犯罪が再び目をさます…。
  • グレイ
    3.8
    1983年東京。波田は、アルバイトで生活費を稼ぐ20歳の大学生。金欠で飢えている日、高給の街頭調査のバイトを見つける。アンケートを取り意識調査を行う研究所は羽振りがよく、予想外の大金を手にした。優秀さを買われ契約社員となった彼は、所長が正義のためという怪しい仕事に……。バブル前夜、罠にはめられた青年が、正義も悪も踏み台にして孤独な闘いに挑む姿をリアルに描く。ピカレスク・ロマン。
  • 紅蓮の雪
    NEW
    -
    伊吹の最愛の双子の姉・朱里は20歳の誕生日を迎えた日、なんの前触れもなく自殺した。朱里の遺品の中から大衆演劇「鉢木座」の半券が見つかり、それが死ぬ前の最後の足取りであることを知った伊吹は、少しでも真相に迫るべく一座の公演に行った。公演後、座長に詰め寄る伊吹の姿を見た若座長の慈丹は、その容姿を見初め、入団を強く進めた。伊吹は何か手がかりが掴めるのではないかと入団を決意し、以降、訓練と舞台に追われる。そんなある日、ひょんなことから両親と鉢木座との繋がりが露見。それは鉢木座の過去に秘められた禁断の事実だった……。血脈に刻まれた因縁、人間の最果てと再生を描いた問題作。
  • 軍歌「戦友」
    -
    今は定年退職を迎える年齢に達した戦争体験者の、かつての戦場のひとコマを淡々と描いた表題作。素朴な庶民の生活をユーモアを交えて描く「多甚古村」「丑寅爺さん」、戦場から帰還した元中尉の異常な言動を描いて戦時思想を痛烈に批判する「遙拝隊長」の四作を収録した滋味あふれる傑作集。
  • 軍艦ポルカ
    -
    パチンコが好きなのではない、軍国主義者では決してない。私が「軍艦マーチ」にこだわるのは、ただそれが何ものにもかえがたい青春の苦悩と歓喜そのものだからなのだ……。若い海軍士官時代を回想したユーモアあふれる表題作ほか、温かい善意に裏打ちされたエスプリが光る軽快な作品集。
  • 群青ロードショー
    4.0
    朝宮陽は、引っ越しや進学で三年周期で友達が入れ替わってきた。そんな陽を支えていたのは、映画。高校に入ってからは、映画好きの生徒四人で集まって、映画を観てばかりいる。進級して三年生になった陽は、卒業して友人三人との縁が切れてしまわないように、自分たちの映画を撮ろうと言いだして? 性格も趣味もバラバラの少女たちの、疾走する青春グラフィティ!
  • 慶應義塾文学科教授 永井荷風
    3.0
    『あめりか物語』や『ふらんす物語』『ぼく東綺譚』などの著者にして、稀代の好色文学者としても知られる永井荷風。その荷風は、明治末期から大正初期にかけて慶應義塾の文学科教授として後進の指導に当たり、大学の機関誌「三田文學」を創刊。それらを通じて久保田万太郎、水上瀧太郎、佐藤春夫、堀口大學ら門下生を文学者として世に送り出した優れた教育者でもあった。だが、大学教授・永井荷風についてきちんと光が当てられたことはこれまで一度もなかった。「性」と「反骨」の文学者・永井荷風の教育者としての実像と、慶應義塾、ひいては日本の文学界に与えた功績と影響を、初めて詳らかにした渾身の評論。【目次】はじめに/第一章 「黒い服」を着た紳士がもたらしたもの/第二章 真正モダニスト永井荷風の誕生/第三章 孤立する新帰朝文学者/第四章 森鴎外と上田敏の推輓で文学科教授に就任/第五章 三田山上に現出した「文学的自由空間」/第六章 「三田文學」創刊──反自然主義文学の旗手として/第七章 「三田文學」から飛び立った荷風門下生(1)/第八章 「三田文學」から飛び立った荷風門下生(2)/第九章 荷風教授、三田山上を去る/終章 永井荷風が百年後の慶應に遺したもの/おわりに/「永井荷風と慶應義塾」関連年譜/主要参考文献
  • 慶応四年のハラキリ
    4.0
    慶応四年。堺。日の本の地を土足で汚した夷人にますらおの武士が発砲した。代償は籤引きで選ばれた4人の切腹だった。しかし、あの籤は怪しい。そもそも、命令された通りに発砲しただけではないか。釈然としない4人に、切腹の朝が迫る。日本一のみっともない死にざまの表題作など、ギャグとパロディとスラップスティックが冴える異色作品集。
  • 忘れない男 ~警視庁特殊能力係~
    4.2
    警察学校を卒業したばかりの麻生瞬。憧れの捜査一課に配属されたが、そこは「特殊能力係」という部署。どうして自分が? 戸惑う瞬だったが、上司の徳永に言われて気がついた。一度見た顔は忘れない、というのはどうやら普通ではないらしい…? 瞬はその記憶力で早速成果をあげはじめるが、なぜか命を狙われるように――。15年前の代議士死亡事故との関係とは!?
  • 刑事
    -
    ダーティな刑事、エスケープするヤクザ、思いまどう女たち……。麻薬、賭博、傷害と組織暴力の捜査に愚直に突進する刑事と、ひと度は足を洗おうと思うヤクザたちの世界。下積みの鬱屈と悲哀を表裏のうちにとらえて悲劇的に、同心円を重ね合わせるように、ひとつひとつの事件に、正義と皮肉な結末をもたらす連作短編集。
  • 百匹の踊る猫 刑事課・亜坂誠 事件ファイル001
    -
    1~2巻572~638円 (税込)
    5歳の少女が誘拐された。目的は、少女の家族が経営する化学企業が引き起こした水質汚染の告発。新聞社に届いた声明文には汚染事実を報道せよという要求と、符牒として「百匹の踊る猫は告げていた」という一文が記されていた。幼い娘と二人で暮らすK署の若手刑事亜坂は、本庁のベテラン刑事土橋と組み、不可解な事件の真相を追う――日本推理作家協会賞受賞作家が新境地を拓く、初の警察小説。
  • 桂太の桂馬 ぼくらの戦国将棋バトル
    -
    将棋が大好きな小学6年生・桂太。プロ棋士を目指して小学生将棋大会に参加した桂太だが、緊張で実力を発揮できず2回戦で敗退してしまう。すっかり落ち込む桂太だが、将棋ゲームでミツという少年と対局していると突然光に包まれてタイムスリップすることに!! 大坂城に徳川家康って――ここは戦国時代!?
  • 競馬の終わり
    3.0
    【第10回日本SF新人賞受賞作】22世紀。ロシアの占領下にある近未来の日本では競走馬のサイボーグ化が決定。ロシア高官イリッチは、生身の馬体で行われる最後のダービーを勝つために零細牧場主・笹田の最高傑作“ポグロム”を購入。立ちはだかるのは最大手牧場が禁断の交配により生み出した“エピメテウス”。勝つのは「悪魔的な強さ」か、「病的な速さ」か。時代が埋もれることを許さなかった問題作。
  • 穢れの森の魔女 赤の王女の初恋
    3.0
    北方の王国、レイトリンの女王の第一子でありながら、父が農夫だったため、祖母のもと森の中でのびのびと自由に育った少女ミア。だが16歳の誕生日目前、「氷の女王」の異名を持つ母カイラに呼び出しを受け、祝福と呪いを同時に贈られる。その先に待ち受けていたのはきらびやかな王宮生活と初めての恋……。だが「愛する人を愛せない」という呪いに対峙することになり、さらに国を追われ投獄されてしまうミア。激しい試練に次々と襲われながらも明日を諦めずに立ち向かう! 炎のような少女の怒濤のロマンティック・ファンタジー!
  • 消されゆくチベット
    3.8
    2008年の騒乱以降、チベットの文化や伝統を消し去ろうとする圧力はより一層強められている。宗教活動の制限、チベット語教育への介入、天然資源の無秩序な採掘、厳しい言論統制など、中国による政治的、文化的弾圧は年々深刻化している。だが、チベット問題は、今、世界を覆うグローバル経済の面からも見る必要がある。そして、伝統や文化の継承は風前の灯のように見えるが、厳しい状況下でも懸命に文化や伝統を守り抜こうとするチベット人たちが多く存在するのだ。長きにわたって現地を取材してきた著者が、独自のルートでチベットの現況を詳細にルポルタージュする。【目次】はじめに/地図/第一章 ドンを探しに/第二章 変容する食文化/第三章 ダワのお葬式/第四章 子供の情景/第五章 伝統工芸の行く末/第六章 「言葉を入れておく瓶はない」/第七章 近代化の波/あとがき
  • 化粧
    -
    さびれた芝居小屋の淋しい楽屋に、一人の女が座っている……。女の名前は五月洋子。大衆演劇「五月座」の女座長である。やがて客入れの始まる音が聞こえ、いよいよ初日幕開きの時刻が近づいてくる。洋子が舞台化粧を始めたその楽屋に、かつて彼女が捨てた息子だという人物が現れた――。捨てたのではない、ああするより他に仕方なかったのだ。わかっておくれ……。洋子の語る物語に、観客は幻惑されていく。井上ひさし初の一人芝居にして、一人芝居というジャンルの中でも最高峰と讃えられる傑作中の傑作戯曲。併せて松尾芭蕉の生涯を描く、歌仙仕立ての名作『芭蕉通夜舟』も収録。モノローグの至芸を味わえる戯曲集。
  • 化身 上巻
    3.3
    1~2巻825~880円 (税込)
    人気の文芸評論家である秋葉大三郎は、妻子と別れ、史子という女性とつき合っていた。ある日、銀座のクラブで働く、遥かに若い霧子と運命の出逢いをする。鯖の味噌煮が好きだという初心な霧子が秘めた女としての蕾に心惹かれ、和の食や風物を教え、ともに旅をし、理想の女性として変貌させようとひたすら愛を注ぐ。そして彼女は大いに成熟していくのであった。華麗なる絵巻物のような男女小説の傑作。
  • 結願(鶴見京介弁護士シリーズ)
    3.0
    鶴見は、河原真二を刺殺した容疑で逮捕された大峰の弁護人となる。大峰は、河原と交際していた妹が自殺したことで恨んでいた。だが、大峰は犯行を否認。アリバイが証明出来ず息詰まるなか、河原が恋人を毒殺した容疑の裁判で無罪になっていた過去が明らかになる。裁判記録を読みこんだ鶴見は当時の関係者を探し出し……。真実を解き明かす為、四国お遍路へ向かう若き弁護士! 書き下ろしミステリー電子書籍版。
  • 結婚
    4.0
    古屋倫子、二十八歳。旅行会社勤務。独身、彼氏なし。最近気になって仕方ないのは、卵子は老化するという事実。その時限爆弾を解除する方法は、結婚以外にない──でも、結婚ってなに? 倫子は周囲の既婚者を見渡すも、結婚というものがますますわからなくなる。そんな中、同僚の花蓮の結婚が決まり……。悩めるアラサー女性を主人公に、時代と共に変化する結婚観を冴えた筆致で描いた傑作長編。
  • 結婚は人生の墓場か?
    3.7
    小早川正人。大手出版社に勤務し、年収は1000万円以上。二人の娘は有名お嬢様学校に通い、可憐な妻はステキな我が家でレースを編む。一見幸せな結婚生活だが、実態は多額のローンに追われ、仕事に追われ、散歩すらままならず――。みんなに祝福されてゴールインしたはずなのに、どこで間違ってしまったのだろう? シニカルで斬新な結婚論が炸裂する、強烈な夫婦小説。
  • 決定版 評伝 渡辺淳一
    3.0
    札幌医科大学で学び、心臓移植問題を機に、整形外科医から文学の道へ進み、昭和・平成の時代、第一線の作家として活躍した渡辺淳一。谷崎・川端も書けなかった人間の《生》と《性》の本質を、自らの体験を冷徹に描くことで、文学の高みに到達した――。編集者として直木賞受賞の布石となる『花埋み』を書かせ、後に評論家として数々の名著を刊行する著者が、渡辺文学の全てを網羅する評伝決定版。
  • 血縁
    3.7
    コンビニの店員が男にナイフを突きつけられるなか、電話の音が響いた。【でていいか】店長が差し出したメモを見ても、男はなぜか何も答えなかった──(「文字盤」)。自首という言葉を聞くと、あの出来事が芹沢の頭をよぎる。刑務官が押さなければならない3つのボタン──(「ラストストロー」)。など全7編。家族とは、いったい何か? 短編ミステリーの名手が放つ、情感豊かな犯罪小説集。
  • けものたちの祝宴
    -
    肉感的な悪女大道寺明子は、製薬会社社長村上をパトロンにして、銀座で高級クラブを開店。フィリピンの権力者ロドリゲスに近づく。一方、村上の秘書矢崎は、明子たちの動きに金の匂いを嗅ぎつけ、分け前を狙って探り始める。そんな折、矢崎の愛人がフィリピンで殺され、復讐を誓って現地へ。色と欲にまみれた悪党たちの妖しい祭典を目撃した彼は、罠を仕掛けるが……。スリリングな異色ミステリー。
  • 蹴る群れ
    -
    エディンは戦争の子だよ――。現在イングランドプレミアリーグのマンチェスターシティで活躍するジェコについて父はそう語った。当時6歳だった彼は、サラエボ包囲戦下で狙撃の脅威に晒されながらサッカーを学んだという。戦争や天災など、様々な困難に直面しながら、人々はなぜボールを蹴るのか。選手や指導者として世界中でサッカーに携わる19人の声に耳を傾けた魂のノンフィクション。ボスニア・ヘルツェゴビナ代表選手・ジェコのインタビューを収録。
  • 健康ちょっといい話
    -
    年に一度は検診を、血圧の高い人の健康法、ネアカは虫歯が少ない、トイレは和式か洋式か、上手なアルコールの飲み方、男性の更年期症状、味覚に異常を感じたら、等など何げない、さりげない、でも知りたい、健康ちょっといい話。ほかに働き盛りのサラリーマンの健康法。家庭円満が妙薬。昇進がアダ。うつ状態。糖尿病。心不全。幸福な日常生活をおくるための、ためになる話がいっぱい。
  • 賢治と妖精琥珀
    3.8
    1巻737円 (税込)
    大正12年、奇妙な石を持った男が宮澤賢治のもとを訪れる。ふたつに割れた琥珀の片割れで、封じ込められているのは妖精なのだとか。半信半疑で石を手に樺太への旅に出た賢治に、以前からこの石を追っているという男女が接近してくる。彼らの話では、もう片方の琥珀の力で不死となった祈祷僧ラスプーチンが奪取を狙っているという――。偶然その片割れを手に入れた宮澤賢治は争奪戦に巻き込まれ……。人智を超える力を帯びた琥珀をめぐる暗闘を描く大正ロマンファンタジー。
  • 建築学科のけしからん先生、天明屋空将の事件簿
    3.0
    建築学科的ストーカー騒動、愛する『彼女』誘拐事件、【閲覧注意】隙間女の怪、パクリ疑惑――。天才的建築家ながら大学講師として緩々暮らす天明屋空将が、迷助手の女子大生・月島小梅と共にキャンパスで起こる珍事件を謎解く……! 神保町を舞台に、変わり者だらけ!? 個性豊かな建築学科の面々が織り成す青春×建築ミステリー!!「……、エスキスしてみようか」
  • 剣風の結衣
    4.3
    戦国期、激化する一向一揆衆弾圧のため、信長軍が越前に攻め入る。信仰の名のもと、戦に駆り出される罪なき民と、蹂躙される村々。十六歳の結衣が暮らす長閑な村も、侍に襲われる。村人が逃げ惑う中、平凡な少女だったはずの結衣は、次々と敵を斬り殺していく。圧倒的な強さを秘めた彼女には、封印されたおぞましい過去があった――。波乱の時代を駆け抜けた少女の過酷な運命を描く、傑作歴史長編。
  • 絢爛たる鷺
    3.0
    その肉体には個性がある――胡蝶蘭に囲まれた鏡台の手前、そこには素肌にローブを纏った名優の姿があった。『ぼく』は初めて坂東玉三郎の楽屋を訪ねる。多忙な日々を過ごしつつも、迷いの真っただ中にあった作家は、この運命的な出会いを契機に、歌舞岐脚本への挑戦を企てる。そして、復活。迷いの中から、書くことによって抜け出していく足かけ7年間の「私」語り。オリジナル台本「三国伝来玄象譚」を収録。
  • 芸術家たちの秘めた恋―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代
    4.0
    19世紀後半、ロマン主義全盛の時代を生きた作曲家メンデルスゾーンと作家アンデルセン。生まれも容貌もまるで正反対の二人を結びつけたのは、奇跡の声を持つ歌姫だった。三者三様の想いを胸に秘め、創作活動に没頭する彼らを待ち受ける過酷な運命とは……。『結婚行進曲』や『醜いあひるの子』など、不朽の名作を生み出した芸術家たちの知られざる一面に、『怖い絵』シリーズの著者が迫る。
  • 激越!! プロ野球県聞録
    -
    そこが道かと思えば道ではない。ただならぬ事態にようやく気がつく。どこで道を踏み外したのだったか、路上は路上でも鉄道線路上なのだ。東京都内某所、高架線。しかも自分はあるプロ野球チームのユニフォームを着てそこにいる。もちろん追われる身なのである。だから逃げる、だから走る。そう簡単にアウトにされてたまるものか――。(本文第3章より)。純文学×プロ野球×都道府県!? かつてそこにあった危機「球界再編問題」の、数々の名場面と派生的諸問題及び周辺的事件の裏に潜む真実とは――。激越せよ、激越せよと呼ぶ声あり。それはいつ果てるともない、終わりなき旅の記録なのだ。
  • 劇場版 呪術廻戦 0 ノベライズ みらい文庫版
    2.5
    高校生の乙骨憂太は、「呪い」に苦しんでいた。子供のころに交通事故で死んでしまった、幼なじみ・祈本里香に取り憑かれていたのだ。そこに、“東京都立呪術高等専門学校”の教師であり、最強の呪術師・五条悟があらわれる。呪術高専とは「呪い」を祓うために「呪い」を学ぶ学校のこと。憂太はそこで里香の「呪い」を解くことを決意する。そして、同級生の禪院真希・狗巻棘・パンダとともに呪術師として歩みだすのだった!
  • 劇場版 ONE PIECE STAMPEDE ノベライズ みらい文庫版
    -
    海賊の、海賊による、海賊のための、世界一の祭典、海賊万博!! 万博の主催者・ブエナからの招待状を手にしたルフィたち麦わらの一味。会場に着くと、そこには勢ぞろいした「最悪の世代」の姿も。全員の目的はただ一つ、万博の目玉「海賊王(ロジャー)の遺した宝物探し」! 宝を手に入れ、名をあげたい海賊たちによるお宝争奪戦の火ぶたが切られる!! しかし、その裏では……!? お宝争奪戦と海賊万博は、予測不能の大混乱へとおちいっていく――!!
  • 激戦地
    -
    太平洋の海に空に島々に、日夜勇戦奮闘した幾多の無名の兵士たち。肉弾相撃つ地獄の戦場で繰り広げられた日米の凄絶な戦いの日々を、壮大なスケールで綴る「中隊長、仇はとりました」「海軍特別年少兵」をはじめ、若くして前線に去って行く兵士に、身体を捧げた女性の純粋と、年を経てからの幻滅を描いた「海軍下宿の女」など、戦記小説の力作八篇。
  • 激走! 日本アルプス大縦断 TJAR2022 挑戦は連鎖する
    -
    2022年8月に開催された日本一過酷な山岳レース 「トランスジャパンアルプスレース(TJAR)」。 台風直撃! 進むか、リタイアか!? そして自分の限界を超えられるか? 極限の人間ドラマが満載の熱走ノンフィクション! NHK BS1で放送(2022年11月5日「不撓不屈の男たち」 および11月12日「挑戦の意味」)。 書籍化シリーズ第3弾! ●「トランスジャパンアルプスレース」とは?  ・行程/富山湾→(北・中央・南)アルプス縦断→駿河湾  ・距離/415キロ  ・制限時間/8日間以内  ・累積標高差/2万7000メートル(富士山登山7回分)  ・宿泊先/山小屋は不可。露営(テント、ツェルトなど)のみ  ・山小屋での飲食、食料購入は不可。   (山中で食べる食料は、地上から背負っていく)  ・幻覚、幻聴/ほとんどの選手が体験  ・参加選手/30名  ・賞金、賞品/一切なし ●「トランスジャパンアルプスレース2022」参加選手たち(年齢は大会時)   大阪のレスキュー隊長、新記録を狙う最強の挑戦者/土井陵(40歳)   静岡の山岳救助隊副隊長、4連覇達成の絶対王者/望月将悟(44歳)   名門大学陸上部で挫折……誇れるものを持ちたいと奮起/石尾和貴(33歳)   海自特殊部隊から内勤に。燻る思いを完全燃焼させたい/西田敦洋(37歳)   選考会で3連続落選。それでも黙々と練習を重ね初出場/稲崎謙一郎(54歳)   メガバンク勤務。会社に行きたくない日々を経て……/坪井伸一(54歳)   「医者から見ても健康にいいわけがない」と語る整形外科医/井嶋健一(59歳)   ……ほか、元DJ、ホルン吹き、刑務官、石工職人、太鼓部顧問ら計30名。
  • 激走! 日本アルプス大縦断 ~2018 終わりなき戦い~
    4.5
    2018年8月に開催された日本一過酷な山岳レース「トランスジャパンアルプスレース」に、NHK取材班が完全密着。(2018年10月27日、NHK BSプレミアムにて放送)番組では放送されなかった未公開エピソードやレースの舞台裏を満載した、疾走ノンフィクション! 4連覇中の絶対王者、望月将悟選手が挑んだ新たなチャレンジとは? 王座を狙うルーキーたちの勝利戦略は? 襲いかかる疲労の中、リタイア寸前で見せた底力。標高3,000メートルの山中で繰り広げられる、選手30人の熱き人間ドラマ。
  • 激走! 日本アルプス大縦断 密着、トランスジャパンアルプスレース 富山~静岡415km
    4.5
    NHKスペシャルで大反響! 2012年8月に開催された、日本一過酷な山岳レース「トランスジャパンアルプスレース」に密着。富山湾から3千m級の日本アルプスを縦断し駿河湾までを8日以内に走る。標高差は実に富士登山7回分! 賞金・賞品は一切なし。テレビでは見られなかった秘蔵エピソードや追加取材を加えた、驚愕ノンフィクション!
  • 撃沈 太平洋海戦記
    4.0
    日本帝国海軍かく戦えり! 南太平洋の荒浪のただ中、史上最強の米機動部隊に熾烈な海戦を挑むこと数度、太平洋海戦中もっとも長期にわたって勇戦奮闘した「栄光の空母・瑞鶴」。不沈艦の名をほしいままに、シブヤン海で激闘九時間。ついに海のもくずと消えた世界最大の巨艦の最期を描く「戦艦武蔵自沈す」など、連合艦隊の華麗な日々とその苛酷な運命をたどる海のドラマ集。
  • 撃墜 太平洋航空戦記
    4.0
    空中戦! 華麗にして峻烈、ダイナミックなこの修羅場の極限。紺碧の空を血に染めて、日米両軍の戦闘機が激突した南太平洋を舞台に、青春のすべてを一瞬の戦いに燃焼させた零戦乗りたちの生と死を、迫真のタッチで描く「空の剣」。他に、ラバウル上空やミッドウェー海戦、ソロモン沖海戦などで散っていった、空の男たちへの鎮魂歌七篇を収録した航空戦記傑作集。
  • 月下冥宮の祈り 冥王はわたしの守護者
    -
    ミランが目覚めると、そこは見知らぬ花畑。名前以外の記憶を失っており、高校の制服以外、素性のわかるような物も持っていない。ここはどこなのか、自分は何者なのか…。手がかりを求めてさまようミランは、なんとか辿り着いた『お屋敷』で銀髪の美青年リヒトと出会い、ここが死者の魂を浄化する冥界で、彼は冥王だと聞かされる。リヒトによれば、ミランは死んでおらず、魂だけが冥界に来ているらしい。ミランは記憶を取り戻して現世へ帰るため、亡者を冥界に送るリヒトの仕事を手伝うことに。厳しくもやさしいリヒトにどこか懐かしさを覚えるミランは、次第にこのまま冥界へ残りたいと思うようになり…。
  • 月冠の使者 転生者、革命家と出逢う
    3.0
    女神カルギリアスに創造されたとされる島、灰の国(パイオン)。そこで稀に生まれる不思議な力を持つ者は『祝福持ち』と呼ばれ、中でも特に強大な力の者は女神の使者として教会に丁重に庇護される。その見返りに、祝福の力を行使して国を豊かにするのが習わしだった。しかし、二十年前に起きた内乱が女神の怒りを買い、島は『壁』によって二つに分断された。黒の国(マヴロ)で肉体労働をして暮らす青年レ・ジーンは祝福の力が使えたが、つましくも自由な暮らしを送っていた。だが壁の向こうの白の国(アスプロ)からやって来た青年ルーシャと出会ったことで、彼の運命は国を、世界をも巻き込み動き出す――。
  • げっし~ず ~みんなちがうけど、みんななかよし~
    -
    食いしんぼうの「はむすたー」や、怖がりの「ねずみ」などゆかいな仲間たちがのんびり暮らしているげっし~ずの森に、ある日、謎の妖精(?)があらわれました! 気配はあるけど、誰も姿をみたことがありません。おばけ? 妖精? みんなでその正体を探しに冒険の旅へ!
  • 月世界紳士録
    3.3
    宇宙技術振興推進株式会社――通称STeP。待宵澄雄の異動先は「竹取班」と呼ばれ、月にまつわる民話や伝承などを扱う部署だ。同僚は桂靖久という青年ひとり。その日、竹取班を訪れた宗像という男は、ある蒐集家から寄贈された保管中の古い洋燈(ランプ)『朧月夜』を譲ってくれと言った。『朧月夜』には、ウソをつくと火が消える、という謂われがあり? 月に憑かれた者たちの幻想譚。
  • 月曜日の水玉模様
    3.8
    いつもと同じ時間に来る電車、その同じ車両、同じつり革につかまり、一週間が始まるはずだった――。丸の内に勤めるOL・片桐陶子は、通勤電車の中でリサーチ会社調査員・萩と知り合う。やがて二人は、身近に起こる不思議な事件を解明する〈名探偵と助手〉というもう一つの顔を持つように……。謎解きを通して、ほろ苦くも愛しい「普通」の毎日の輝きを描く連作短編ミステリー。
  • 幻花 上
    -
    応仁の乱の胎動が聞こえる8代将軍義政の治世。政治の混乱をよそ目に、遊興に身を委ねる義政をめぐって、愛妾・今参局と正室・日野富子は妖しく命がけの色と欲の葛藤をくりひろげている。中世の末期的な猥雑をきわめた世相を背景に、御所にうずまく謀殺の企てをとおし、運命の糸に操られて生きる人間の姿を生き生きと描く長篇歴史ロマン。序章。
  • 限界風俗嬢
    3.8
    性暴力の記憶、毒親、貧困、セックスレス――それぞれの「限界」を抱えて、身体を売る女性たち。過去の傷を薄めるため……。「してくれる」相手が欲しい……。そこには、お金だけではない何かを求める思いがある。ノンフィクションライター・小野一光が聞いた、彼女たちの事情とは。著者が20年以上にわたる風俗取材で出会った風俗嬢たちのライフヒストリーを通して、現代社会で女性たちが抱えている「生と性」の現実を浮き彫りにするノンフィクション。
  • 現金強奪計画 ─ダービーを狙え─
    2.0
    冒険こそ若さのしるしだ。物わかりのいい世代と呼ばれることを拒否した7人の若者が、たったひとつ若さという共通項に結ばれてハードな冒険に挑む。狙いは東京競馬場のダービーの売上げ金20億円。用意周到な計画のもと、厳重な警備陣の裏をかき、まんまと計画を成功させるが…。痛快冒険物語。
  • 原稿零枚日記
    3.9
    作家の“私”はなかなか思うように執筆がはかどらない。小説の取材で、宇宙線研究所や盆栽フェスティバルなど、様々な地を訪れる“私”だったが、いつも知らず知らずのうちに不思議な世界へと迷い込んでしまう。苔料理を出す料亭、海に繋がる大浴場、ひとが消えてゆくアートの祭典。これは果たして現実なのか。幻と現(うつつ)の狭間で、作家は日々の出来事を綴り続ける──。日記形式で紡がれる長編小説。
  • 原子の力を解放せよ 戦争に翻弄された核物理学者たち
    -
    心震わす3人の若者の感動の青春群像。『映画 太陽の子』の背景となった事実に迫る! 太平洋戦争開戦直後、アメリカ軍の上層部にはある疑問があった。それは日本の“原爆開発”。終戦後、その実態を明らかにするため、アメリカは調査団を派遣し、大戦中の日本の核開発の実態を調べた。しかし、その調査結果は機密扱いとなり、長い間、すべてが謎に包まれてきた。NHK取材班は、当時の関係者や歴史家の取材を通じ、アメリカに没収され、戦後埋もれていた歴史的資料を発掘し検証した。そこから、激化する戦争の波に巻き込まれていった核物理学者たちの姿が見えてきた。本書では、知られざる京都帝国大学による原爆研究の真相に迫り、科学研究の「原罪」について考える。
  • 源氏に愛された女たち
    3.8
    永遠の憧れの人「藤壷」、男を容易に受け入れる「夕顔」、プライド高い「葵の上」、嫉妬に苦しむ「六条御息所」、慎ましく控えめな「明石の君」、理想の女に育てられる「紫の上」等、不朽の名作「源氏物語」に登場するヒロインたちの愛のありよう。光源氏と彼をめぐる女たちの「愛する理由」「愛される理由」を、恋愛小説の大家が説く。千年の時を超えて現代によみがえる、男と女の愛の指南書。
  • 源氏物語を反体制文学として読んでみる
    3.0
    紫式部が『源氏物語』を書いた平安時代は、摂関政治(天皇に嫁いだ娘が男児を産むことで外戚として権力を得る)の全盛期にあった。しかし『源氏物語』は天皇親政の時代を舞台とし、「源」という元皇族が活躍するストーリーだ。摂関政治をあえて否定するという、いわばその時代の「反体制文学」として『源氏物語』は大ベストセラーとなり、多くの読者の支持を得た。なぜ紫式部はそのような果敢な挑戦をしたのか。紫式部が時代をどう感じ、またどのようなモチベーションで物語を綴ったのか。独自の視点で鮮やかに描く、新しい『源氏物語』論。 【目次】まえがき――『源氏物語』の謎/第一章 紫式部と『源氏物語』/第二章 源氏一族の悲劇/第三章 摂関家の権威と専横/第四章 紫式部の出自と青春時代/第五章 紫式部の恋と野望/第六章 摂関政治の終焉/あとがき/主な参考文献
  • 幻想と死の信越本線(十津川警部シリーズ)
    4.0
    旅行作家・川内が発表したエッセイに書かれているのは私の姉だ、殺されたに違いない、犯人を捜してほしいと一人の女性が十津川警部を訪ねてきた。しかし川内は上野発“特急あさま3号”の車中で殺されてしまう。この事件を追う十津川警部の手で、11年前に信州で起きた放火殺人事件までが明らかにされてゆく。この表題作他、「阿蘇で死んだ刑事」「北の果ての殺意」「南紀 夏の終わりの殺人」のいずれも十津川警部が活躍する3編を収録。
  • 現代短歌 そのこころみ
    4.3
    一九五三年、斎藤茂吉と釈迢空という日本短歌界の二大巨星が墜ちた。翌年、一人の短歌雑誌編集者が発想した企画によって新しい才能が発見される。編集者の名は中井英夫。見いだされた新人は中城ふみ子と寺山修司。その時から現代短歌のこころみの歴史がはじまった――。戦後の日本語表現中で異彩を放つ短歌という文芸ジャンル、その半世紀にわたる挑戦と歌人群像を斬新な視点から描く。
  • 原爆 広島を復興させた人びと
    4.5
    1945年8月6日午前8時15分、B29から投下された一発の原子爆弾が、広島を死の町に変えた。残留放射能に満ちた市内に通い、原爆症になりながら、その悲劇を記録して後世に残そうとする人物がいた。のちに広島平和記念資料館の初代館長となる長岡省吾である。被爆直後の広島には、彼をはじめとして“原爆市長”浜井信三、世界的建築家・丹下健三など、様々な人たちが集まり、「75年は草木も生えぬ」と囁かれた廃墟の町を、命を懸けて平和都市へと蘇らせた。世界平和を願い、広島に奇跡の復興をもたらした歴史に迫る、感動の群像ノンフィクション。
  • 原発クライシス
    3.5
    日本海のある海岸に、最先端技術を結集して建設された次世代型、世界最大の原子力発電所が謎のテロリスト集団に占拠された!? 同志たちの解放を要求し、汚染ガス放出を予告。原爆をはるかに凌ぐ放射能汚染。チェルノブイリ事故の何万倍もの被害が想定される空前の危機が日本を襲う。攻守それぞれの正義が交差するなか、愛する人、愛する国を守りぬけ! 災害サスペンスの旗手が放つ衝撃の問題作。
  • 原発再稼働 葬られた過酷事故の教訓
    4.5
    電力不足キャンペーンでなし崩し的に原発再稼働支持が広がる現状に異議あり! ――政治家・役人を徹底的な調査報道で追及する!―― 悲劇に学ばない日本の現実 ◆内容紹介◆ 2011年3月、福島第一原発事故で日本の原発は終焉を迎えたかに見えた。大津波の襲来という知見が事前にあったにも関わらず、規制当局は運転継続を黙認して過酷事故が発生。安全神話に依存していたため防災体制はないに等しく、住民避難は混乱を極めた。そして国内の原発はすべて停止し、「原子力ムラ」は沈黙した。国民は学んだはずだった。 だが、「懺悔の時間」はあっという間に終わった。あれから一〇年以上が経ち、ハリボテの安全規制と避難計画を看板に進む原発再稼働の実態を、丹念な調査報道で告発。著者の政治家、役人に対する鬼気迫る追及は必読。 ◆主なトピック◆ 第一部 安全規制編 第一章 密儀の中身 第二章 規制委がアピールする「透明性」の虚構 第三章 規制は生まれ変わったのか? 第二部 避難計画編 第四章 不透明な策定プロセス 第五章 避難所は本当に確保できているのか 第六章 隠蔽と杜撰のジレンマ 第七章 「絵に描いた餅」 第八章 避難計画とヨウ素剤 補遺 広瀬弘忠氏インタビュー――フクシマ後も変わらない原発行政全般の虚構
  • 原発サイバートラップ
    4.0
    韓国の原発がハッキングされ、放射性廃棄物をつり下げたドローン制御の気球が100基、空に浮かんだ。犯人の要求は「竹島の独立」。日本海沿岸の原発が破壊されれば日本が最大の被害を受けるが、韓国国内の事件には手出しできず、要求内容から日本の関与も疑われている。与えられた猶予は、48時間。疑心暗鬼の日韓にアメリカ軍需企業の思惑も交差する事件のゆくえは!? 現代を描くサスペンス!
  • 源平姫 ―飛花の章― 平時子/巴御前ほか
    -
    平安時代末期。覇権を争い、戦いに身を投じる平氏と源氏の男たちの裏で、妻や恋人、娘たちは懸命に生きていた。平清盛の妻・時子、源義経の母・常盤御前、後白河法皇の妻・滋子、華麗に戦った女武者・巴御前、源頼朝の長女で悲恋に泣いた大姫、五人の姫君の生涯。
  • さもしい浪人が行く 元禄八犬伝 一
    5.0
    1~5巻693~858円 (税込)
    網乾左母二郎は金のためなら手段はいとわぬ小悪党。流れついた大坂で、悪党仲間の怪盗・鴎尻の並四郎、妖婦・船虫の二人としがない日々を送っている。そんな折、犬公方・綱吉に集められた「八犬士」が、失踪した綱吉の娘・伏姫探索のため大坂に。なぜか協力することになった左母二郎たちだが、矢数俳諧と通し矢を巡る大陰謀に巻き込まれ──悪党が巨悪に立ち向かう痛快伝奇時代小説、ここに開幕!
  • ゲーテ『若きウェルテルの悩み』を読む(文芸漫談コレクション)
    -
    「ウェルテルは自分の才能を文学に使っておけばよかった。その文学性を映画化するなら、「ザ・ストーカー」というタイトルしかない。彼が荒れると世界が荒れる。殺人事件が起き、村は洪水(いとう)」。今回は、ゲーテ『若きウェルテルの悩み』を読む。芥川賞作家と希代の仕掛人が捨て身でおくる“漫談スタイル”の超文学実践講座。本電子書籍は、文芸誌「すばる」2016年1月号に掲載された作品の電子版シングルカットです。
  • 恋衣神社で待ちあわせ
    3.4
    小さな謎にはいつだって、誰かの恋心が絡んでる――あったか謎解きご近所物語! 世間知らずな自分を変えたくて、神社で巫女さんバイトを始めようとしたお嬢さま女子高生すず。しかし手違いで巫女カフェでバイトをする破目に。そこである事件に巻き込まれたすずは、一見軽そうな神主・波留斗に助けられ、波留斗が神主を務める神楽坂の「恋衣神社」でやっと本物の巫女さんバイトができるようになるのだが、新たな謎と試練がすずを待ち受けていて!?
  • 恋七夜
    4.5
    戦国の余燼さめやらぬ天正期。豊臣秀吉は天下人としての威勢を示さんと北野天満宮にて空前の大茶湯を企図する。その参道の由緒ある花街・上七軒を代表する北野太夫富子は、結師・源四郎と出逢う。女には出生の秘密が、男には背負い続けた過去があった。運命の恋の行方やいかに!? 大茶湯に仕組まれた秀吉暗殺の陰謀やいかに!? 知られざる日本史の真相を、恋物語を糸に紡ぎあげた歴史小説の新機軸。
  • 恋して進化論
    -
    なぜ男と女は恋愛し、セックスし、結婚し、子供を育て、そして浮気をするのだろう? 大学で動物生態学を専攻した著者が、このナゾを解明すべく、新進の学者たちに取材。結局、男と女はオスとメス、ということは精子と卵子、せんじつめればDNA……と。不可解きわまる男と女の関係を、進化論からひもとき、生態学から考察し、最新の遺伝子科学から解明する異色のダーウィン進化論=愛の生態学。
  • 恋する歌音 こころに効く恋愛短歌50
    4.3
    うぬぼれていいよ わたしが踵までやわらかいのは あなたのためと――恋する女心をまっすぐに表現して人気の若手歌人・佐藤真由美。待望の初エッセイ集では、古今の名歌50首をひもといて恋愛短歌の世界へ誘う。万葉集から現代まで、あの有名歌もヴィヴィッドに響いてくる鑑賞と、女の本音爆発、ピリリと辛い恋愛指南。そして切なくリアルな新作短歌とともに味わう、50の恋、100の歌。
  • 恋する世界文学
    3.7
    奔放な女性はなぜモテるのか。男の嘘と女の嘘は、種類が違う? 『ティファニーで朝食を』『赤と黒』『アンナ・カレーニナ』など世界の名作15編の恋模様を、現代の恋愛エピソードにからめてリアルに軽やかに紹介。ときめき、切なさ、情熱、嫉妬…場所や時代は違っても、恋する気持ちは変わらない。恋愛短歌の名手が複雑な女心と悩める男心に迫る、甘くてスパイシーな文学案内。
  • 恋するソマリア
    4.2
    内戦が続き無政府状態のソマリア。だがそこには、現代のテクノロジーと伝統的な氏族社会が融合した摩訶不思議な世界が広がっていた。ベテランジャーナリスト・ワイヤッブや22歳にして南部ソマリアの首都で支局長を務める剛腕美女ハムディらに導かれて、著者はソマリ世界に深く足を踏み入れていく――。世界で最も危険なエリアの真実見たり! “片想い”炸裂の過激ノンフィクション。
  • 恋する短歌
    3.5
    ほんの少し勝ってほんの少し負けて 恋はいつでも少し悲しい――揺れうごく女性の気持ちを描き、共感をあつめる新鋭歌人・佐藤真由美が贈る、短歌+ショートストーリー集。初めてのデート、切なくて眠れない夜、見送る朝の光のまぶしさ…。恋が始まり、そして終わるまでの一瞬一瞬を鮮やかに切りとった、22篇の物語。
  • 恋する図書室 放課後、あこがれの先輩と
    5.0
    中1のるなは図書委員。ある日、本のあいだに、星座が書かれた紙がはさまっているのに気づく。「それ見ちゃった?」と忘れ物をとりにきたのは、人気者の日向先輩で……!? 話をするうちに、チャラいとウワサの先輩の意外な一面と、ある「ヒミツ」を知ることに! 図書室からはじまる、小さな恋の物語。
  • 恋する四字熟語
    3.9
    会いたいのに会いたくない「二律背反」、好きな男のメールを裏読みする「一言一句」、噂と高感度の謎に迫る「悪事千里」、三角関係の結末は「漁夫之利」、「完全無欠」の愛はあるのか……。恋愛短歌の名手が、恋と人生の不条理を122語の四字熟語にからめ軽やかに描く、前代未聞の恋愛四字熟語エッセイ。せつなく甘く、ちょっぴり辛口。

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