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Posted by ブクログ
『〝クジラ〟強調月間始めました!』5
第5回は、持地祐季子さんの『クジラは歌をうたう』です。
結婚を控える30歳の主人公・拓海には、高校時代の忘れられない女の子(今は亡き)睦月がいるのでした。
密かに見る睦月のブログが、12年の時を経て更新されているのに気付き、物語が動き出します。表題の『クジラは歌をうたう』は、睦月のブログのタイトル名です。
いや〜、これまた青春ですねー。ときめく方が多いこと請け合いです。
現在と高校時代が交互に描かれながら、なぜ・誰がブログを更新したのかという謎解きの側面があり、スラスラ読み進められます。
旧友・父・婚約者に対する意固地な態度、青春時代特有の反発、自暴自棄、無愛想といった態度を今も引きずる拓海が上手く描かれ、同時に、沖縄の青く眩しい海など、背景も目の前に立ち上がるように感じられます。
なぜ沖縄か、なぜクジラに惹かれたのか、その睦月の想いや拓海の心の解放を見届ける終末、涙する読者の方も少なからずいるのでは、と思える恋愛小説だと思いました。
ちょっと『君の膵臓をたべたい』に似てるかな?
Posted by ブクログ
初見の作家さんの作品。脚本家ということで映像的でとても読みやすい本でした。
過去に引っ張られ、内面では大人になり切れていない青年拓海が、もうこの世にはいない少女睦月の幻影を追い続ける話です。
周りの人々がひたすらいい人なので、主人公の中二病っぷりが際立ちます。再婚した父も、その後妻も何も悪くない。疎遠になった友人たちも悪くない。現在の恋人なんて最高。
それなのにひたすら亡くなった少女との思い出を胸の傷に垂らし続け、忘れる事を拒否している。そんな時に、睦月のブログが突然更新されます。誰がそんないたずらを・・・。もしかして睦月??
鬱屈した幼児性を持った主人公というのは、物語を回すのにとっても適した存在でしょう。アムロレイ、カミーユビダン、碇シンジ、そして拓海。全然物語の特性が違いますが、思い浮かんだのはこの三人でした。
読んで行くほどに拓海への感情が冷めていくのと反比例して、周りをちゃんと見ろ!お前ひとりで生きていると思うな!と叱咤の声を心で叫んでいました。これは登場人物たちと同じ感情ではないかと思います。すなわち物語の中に入っているという事でしょう。
これは完全に術中にはまりましたね。しっかりと物語にからめとられたという感じです。
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