愚者の階梯

愚者の階梯

2,090円 (税込)

10pt

4.0

「勧進帳は不敬である!」
昭和十年、東京。満州国皇帝溥儀が来日し、亀鶴興行は奉迎式典で歌舞伎の名作「勧進帳」を上演。
無事成功するが、台詞が不敬にあたると国粋主義者が糾弾。
脅迫状が殺到した直後、亀鶴興行関係者が舞台装置に首を吊った姿で発見――。
江戸歌舞伎狂言作者の末裔、桜木治郎が大いなる謎に挑む、驚嘆の“劇場×時代ミステリー”!
あの戦争へ、日本が最後の舵を切った時代を彫刻する渾身作。
『壺中の回廊』、渡辺淳一文学賞受賞『芙蓉の干城』に続く、昭和三部作完結!

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愚者の階梯 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年03月02日

    松井さんの昭和初期歌舞伎座3部作の最新の1冊。歌舞伎「勧進帳」のセリフにケチをつけた国粋主義者の言動がきっかけで、老舗の劇場で不幸な事件が起こる。さらに、明確な意図のないまま、第二第三の事件が起こる。タイトルにある愚者の階梯は、ちょっとしたことで悪に手を染めたものが、どんどん深みにハマる状況をよく描...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年10月12日

    昭和10年の頃の出来事、第ニ次世界大戦前の日本はこんな時代だったろう。映画は無声からトーキーへ関東大震災があり、特高がバッコし住みにくい時代だった。殺人事件を追う刑事と歌舞伎役者、そしてかけだしの映画俳優の絡むミステリーだった。

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    Posted by ブクログ 2022年09月08日

    散りばめられた謎に引き込まれ、読むのを止められず。
    作品の時代の空気が、現代と重なる部分が多く見られ、恐ろしくも興味深かった。
    作中、いくつもの階梯を見た。感じた。
    とりわけ心に残ったのは、内在する光源によって照らされた階梯。
    それを昇るべきか否かを見極める力、勇気が、真に生きるためにいかに大切か。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年12月17日

    戦争の足音の聞こえる昭和10年、劇場を舞台に亀鶴興業の専務が自殺する。その死をめぐって桜木治郎は探偵もどきに謎に迫っていく。舞台裏の様子、特に仕掛けなど大道具の扱い、劇場の運営の大変さなど興味深く、警察や右翼に染まっていく民衆の雰囲気など不気味な背景が迫ってきた。

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    Posted by ブクログ 2022年11月28日

    事件の顛末と時代の空気感をリンクさせて表現した伝統芸能ミステリー。使われる言葉や文章表現からして時代感を表現できているのはすごい。あまりにも文章が巧みなのでどんどん読み進めてしまう。それぞれの人生模様が面白い。ただし、正直ミステリーとして読むには説得力が足りないように感じたし、首謀者不在の時代犯罪に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年10月31日

    昭和初期の演劇界の雰囲気がプンプンする。

    序盤はとても惹きつけられたが、中盤からテンポが落ちた感じがする。
    昭和初期の雰囲気をじっくり味わうにはそうあるべきかもしれないが。

    ちょっとした行き違いから雰囲気と忖度に流されて思わぬ結末を迎えるというのは、今にも通じる。古今東西共通か。

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2024年02月17日

    忘備録。輝ける人間ってを慕って意に沿おうとした結果、敬愛する恩師の命を奪うことになった人間が害虫呼ばわりされてしまおのは気の毒すぎる。自らの輝きで人を惹きつけて大いに稼ぐ人間はしっかり守られても、片や職務に忠実で従順な凡人が虫けらのように扱われてしまうというのではいいわけがない。本文から

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