Posted by ブクログ
2014年04月15日
夜の公園で暴行を受けて以来眠り続けていた少女が
時効間近の7年の時を経て目覚める物語。
赤川次郎さんは
あたしがX文庫(昭和のライトノベル)から
いわゆる普通の小説と呼ばれる文庫本に移行する
きっかけとなってくださった作家さんで
今でももちろん尊敬する方の一人として名前を挙げます。
ただ、33歳に...続きを読むなった今じっくり読むと
主人公があまりにも強くて清くて真っ当で
リアリティはほぼゼロに等しく感じましたねえ。
7年といっても
目覚めたばかりの彼女にとって事件はまだまだ鮮明という設定なのに
恐怖や絶望や拒絶の過程がまるで描かれておらず
ちゃんと向き合って受け容れていく様子が
同じ女性としてなんとも言い難く。
でもきっと
それが赤川さんの描く世界の良さでもあるんですよね。
伝えたいメッセージは、うん、伝わってきました。
非常に読みやすいです。
ミステリーとしても起承転結がしっかりしています。
さらーっと最後まで読み進めて
エンディングでちょっと意表を突かれて
読後に一抹の清々しさを感じたい方にはオススメです。