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Posted by ブクログ
買ったはいいものの長いこと部屋の中に埋もれていた小説。
表紙の華やかさと対照的に、非常にフラットなトーンで書かれた小説。
決して一流とはいえない水着グラビアの現場で働く、
編集者、スタイリスト、カメラマン、マネージャー、グラビアアイドル。
それぞれがそれぞれの思惑を持って、仕事をこなす様子がモノローグの形をとって一章ごとに語られていく。
中でも異彩をはなつキャラクターがタイトル『グラビアの夜』を冠した短編の主人公である、新人編集者の高橋である。
彼だけが、この短編集の中で満足していない。
自分が今いる場所は自分に相応しくないと思い、野心を捨てられないまま投げやりな仕事をしている。
他の登場人物たちはみな、「一流ではないにしろ、自分らしい仕事のやり方があり、やりがいがある」と、自分の人生と折り合いをつけているのに、この高橋の青臭さは非常にカンに触る。
大体がして、「就職試験に挫折した時に人生で初めて嫉妬で胸を痛め、戸惑った」というキャラクター設定からして、そうなるよう仕向けられている。
高橋は自分がさまざまなものを得て当然だと思っている。
その若さと思い上がりは暴力的であり、凶悪だと思う。
さてその高橋くんの物語が最初に読者の胸を刺し、身の程を知るキャラクターたちに安堵した読者の眼前に、最後にまた突きつけられる。
ここの展開が、どう表現しようか、陳腐という以外の言葉が見つからない。
こういうことがしたかったなら高橋くんの描写にもっと時間をかけるべきだった。
物語の都合のためにこんなことになったんじゃあさすがの高橋くんでも可哀相だ。
最後に。
ここまで林真理子を何作か読んで、これはあくまでも個人的な意見なのだけれど、林真理子は女というものを憎んでいるんじゃないだろうか。
それくらい彼女による女の描写には容赦がない。
彼女の描く女の若さや美しさというものには常にはかなさと虚飾のイメージがつきまとい、むしろその先にある破滅をこそ思わせる。
ここまで徹底的に余韻を排除してしまうなら、もう「小説」である必要性がないんじゃないのか。
現実の女の肌の質感や醜さなんて、外に出ればいくらだって見れるんだから。
と、思ってしまいます。
合わないんだろうなあ。
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小説・文芸
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