海外文学作品一覧
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-妖精・怪奇・幻想三部作のひとつ。「変身譚」「愛」「嫉妬」「試練」「不思議な動物」「妖精」「プシュケ神話」の7章からなる。フランス民話はペローの童話で有名だが、炉辺で語られる民話は民衆のしたたかな想像力の裾野の広さを示す。
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-ネロとパトラッシュの愛と感動のお話。ベルギーのフランダースという片田舎。画家のルーベンスに憧れるネロ。しかし貧しいネロはお金を払って絵を観ることができません。唯一の希望はクリスマスに自分の絵が選ばれること。しかし……涙とともに、心が洗われるような美しいお話。
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3.5天才シナリオライターによる奇想天外な放送劇と、「僕」と叔母の恋。やがてライターの精神は変調を来し、虚実は混淆する……ノーベル文学賞作家の半自伝的スラップスティック青春コメディ。解説=斉藤壮馬
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4.0妻子の待つ武漢へ、新型肺炎が蔓延し封鎖された中国をゆく男の決死行。 中国からの亡命を余儀なくされた作家が放つ渾身のコロナ文学。 本書は2通りの読み方ができます。まず、新型コロナ発生源となった中国で何が起きていたかを描くものとして―― 反骨の亡命文学者が、コロナ禍下の民衆の悲劇と、それを隠蔽する国家の罪を暴く告発の書として。そしてまた、 いち早くコロナ禍に正面から挑んだ現代小説として――封鎖された大地を旅する艾丁を通じて、現在の「中国」が、 スリリングに、ときに大らかに描かれてゆきます。病毒の街・武漢で、艾丁を待ちうける運命とは……。
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5.0第一次世界大戦の一進一退がつづく北イタリア戦線に志願し、傷病兵運搬の任務にあたるアメリカの青年フレデリックは、戦場で働く看護婦キャサリンと恋におちる。二人はスイスへの逃避行を試みるが…。死と生の世界を「乾いた」文体で描いて発表と同時に各国でベストセラーとなった20世紀文学の記念碑的作品。
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3.5最高の悟りを得たブッダは、一切の生命への「慈しみ」を繰り返し説かれました。この本は、そんなブッダの教えの精髄と呼べるパーリ語の経典『慈経(Metta Sutta)』を、スマナサーラ長老が詳細な解説とともに紹介する画期的な仏教入門書。2500年語り継がれてきた教え、「全ての生命は幸福であって欲しい」という願いがこの経典に溢れています。収録されている『慈悲の瞑想』の言葉を唱えて、心穏やかな毎日を過ごしてください。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ブラジル発見500年、記念出版! 世界的名声を博するマシャード・デ・アシス、ジョルジュ・デ・アマードを始め、多彩な顔を持つブラジル文学の魅力を紹介する本邦初の書。500年にわたる文学事象を文化、社会、政治等の視座から通観。 【目次】 ブラジル文学への誘い──序にかえて── 1.ブラジルの文学的風土 2.ブラジル文学と社会・哲学思想 3.ブラジル文学の時代区分をめぐって 4.本書の構成 第1章 ブラジル文学の起源(1500~1601) 1.時代の概観 2.1500年代のブラジル 3.1500年代のブラジルを代表するイエズス会の作者 4.植民地文学の概要 第2章 バロック主義(1601~1768) 1.時代の概観 2.ブラジルのバロック主義 3.ブラジル・バロック主義の作家 4.バロック主義文学の概要 第3章 アルカデイズム(1768~1836) 1.時代の概観 2.ブラジルのアルヵディズム 3.ブラジル・アルカディズムの作家 4.アルカディズム文学の概要 第4章 ロマン主義(1836~1881) 1.時代の概観 2.ブラジル・ロマン主義 3.ブラジル・ロマン主義作家 4.ロマン主義文学の概要 第5章 写実主義・自然主義・高踏主義(1881~1902) 1.時代の概観 2.ブラジルの写実主義・自然主義・高踏主義 3.ブラジル写実主義・自然主義の作家 4.写実主義・自然主義・高踏主義文学の概要 第6章 象徴主義(1893~1902) 1.時代の概観 2.ブラジルの象徴主義 3.ブラジルの象徴主義の作家 4.象徴主義文学の概要 第7章 前近代主義(1902~1922) 1.時代の概観 2.ブラジルの前近代主義 3.ブラジルの前近代主義作家 4.前近代主義文学の概要 第8章 近代主義(1922~現在) 1.時代の概観 2.ブラジルの近代主義 3.ブラジル近代主義の作家 4.50年/60年代のブラジル文学 5.70年/80年代のブラジル文学 6.近代主義文学の概要 7.ブラジルの日系コロニア文学──歴史を通して観たその存在意義── ブラジル文学史年表 ブラジル文学の主要作品概要と登場人物 ブラジル文学主要邦訳作品案内 ブラジル文学史に関する主要文献 【主要書名索引】 【主要人名索引】 編著者あとがき 奥付
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-富豪の家に生まれ、容姿端麗、頭脳明晰で怖いものなしの幼少時代から青年時代、禁じられた恋に身を焦がす日々―親友キンカス・ボルバの究極の哲学、人間性本質論(ウマニティズモ)に感銘を受け、闘いの日々を送った晩年。死ぬ時には300コントという莫大な財産を残した、何不自由のなかったはずの人生。 あと必要なのは魂を救済する軟膏-ブラス・クーバス軟膏だけだ! 墓の中で、すべてから解放された死者、ブラス・クーバスによる回想録。
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4.2死んでから作家となった書き手がつづる、とんでもなくもおかしい、かなしくも心いやされる物語。カバにさらわれ、始原の世紀へとさかのぼった書き手がそこで見たものは……。ありふれた「不倫話」のなかに、読者をたぶらかすさまざまな仕掛けが施される。斬新で型破り、スーザン・ソンタグやハロルド・ブルームなどの高名な批評家も高く評価する、ブラジル文学の頂点に座す作家の最高傑作。
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-連続レイプ殺人事件の容疑者を射殺した刑事ボッシュは、その妻から夫は無実と告訴される。そんななか、新たな殺人が発生する。 人気の本格ハードボイルドシリーズ第3弾。 ※このコンテンツは「ブラック・ハート(上)」「ブラック・ハート(下)」の合本版になります。
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-「人生のやりなおしがあり得ないぶん、自分のなかに出来上がっている枠組みは不動で、内なるレンズはすでに透明度を失っている。どれほど対象が新しかろうと、自分に備わった尺度で風景を切り取り、意味を与えがちである。…日常のなかにいるかぎり、それが繰り返される。日常の外に出るとき、わずかではあっても、自分の認識が揺さぶりをかけられる瞬間がある。立ち止まってレンズの曇りを払い、歪みの理由を探ろうとする。空間の旅が時間の旅へと転化し、外側の風景が内なる風景を照らすに至るのは、そのようなときである。カンヴァスを前に非日常の風景が必要なのは、自分の内側をより効果的に映し出すためではないだろうか」(夕映えの旅景)休暇を待ち切れぬようにしてトルコとクレタ島へ出かけ、ネパール旅行に加わり、ふた夏をイギリスのケンブリッジで過ごす。旅行の影の同行者はブルームズベリー・グループの人々、わけてもE・M・フォースター、ケインズ夫妻、ヴァネッサ・ベル…しかし旅とはついに自分自身との対話である。カトマンズであれクノッソスであれチャールストンであれ、旅先での出会いや出来事はおのずと自身の過去につながり、ときに思いがけない記憶が蘇る。この過去と重なる現在のなかで、著者は他ではあり得なかった自分を再確認する。まずは軽快に、そしてときに辛辣ときにユーモアを交えて、三つの旅はその意味を深めつつ転調してゆく。旅に重ね合わせて、軽妙にしかし力強く語られた個人史…本書はまぎれもなく第一級の文学的紀行=エッセーである。
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-STEMガールズの科学エンタメ小説。 【Science(科学)】、【Technology(IT技術)】、【Engineering(工学)】、【Mathematics(数学)】が得意な4人の女の子が、 知力とひらめきで不可解な事件のなぞを解き明かす、痛快エンタメストーリー! 主人公マリーは何でも分解して仕組みを知りたがる12歳の女の子。 夢は、車いすで生活するママが快適に暮らせる家をプレゼントすること。 毎日、裏庭にある小さな発明小屋で、機械の分解と組立にあけくれている。 そんなある日、世界的大企業のサイエンスキャンプに特別に招待され、 ロボットのプログラミングコンテストに参加することになった。 気の合う仲間もでき、最新設備のそろったキャンプで、夢のような時間を過ごすマリーだが、周囲で不可解な出来事が次々と起こっていることに気づき、事件の渦に巻きこまれていく・・・・・。
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3.5言葉と自在に戯れる、小説の可能性 「アメリカ文学の静かな巨人」のデビュー短編集。言葉と自在に戯れるデイヴィスの作風はすでに顕在。小説、伝記、詩、寓話、回想録、エッセイ……長さもスタイルも雰囲気も多様、つねに意識的で批評的な全34編。 ある女との短命に終わった情事を、男が費用対効果という観点から総括しようとする表題作「分解する」。救いのない不動産に全財産をつぎ込んだ男が、理想の家屋の設計の幻想を若い猟師と共有していくさまを描いて不思議に美しい「設計図」。語学講座のテキストの裏で不穏な自体が進行していく「フランス語講座その1――Le Meutre」。人生で何ひとつ成しえない男のオブローモフ的生活を描く「ワシーリィの生涯のためのスケッチ」。〈夫〉の喉にひっかかった小骨をめぐるどこかほのぼのとした「骨」や、長編『話の終わり』の原型とおぼしきファン必読の短編も。
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4.8技巧(クラフト)が芸術(アート)を可能にする 『ゲド戦記』『闇の左手』のアーシュラ・K・ル=グウィンによる小説家のための手引き書 「芸術には運もある。それから資質もある。それは自分の手では得られない。ただし技術なら学べるし、身につけられる。学べば自分の資質に合う技術が身につけられる。」(本書「はじめに」より) ハイファンタジーの傑作『ゲド戦記』や両性具有の世界を描いたフェミニズムSF『闇の左手』などの名作を生み出し、文学史にその名を刻んだアーシュラ・K・ル=グウィン。 本書は、ル=グウィンが「自作の執筆に励んでいる人たち」に向けて、小説執筆の技巧(クラフト)を簡潔にまとめた手引書である。 音、リズム、文法、構文、品詞(特に動詞、副詞、形容詞)、視点など、ライティングの基本的なトピックを全10 章で分かりやすく解説。各章には、ジェイン・オースティンやヴァージニア・ウルフ、マーク・トウェイン、チャールズ・ディケンズなど偉大な作家が生み出した名文が〈実例〉として収録され、ル=グウィン自身がウィットに富んだ〈解説〉を加えている。また章末に収録されている〈練習問題〉を活用することで、物語のコツと様式について、自らの認識をはっきりと強固にすることが可能になる。 小説の執筆は、技芸(アート)であり、技巧(クラフト)でもあり、物作りでもある。執筆の楽しみを満喫することができる一冊。
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-キューバ革命、ペルー大統領選、ドミニカの独裁政治、シャルリ・エブドのテロなど、ノーベル賞作家が自らの足跡も交えて政治・暴力と文学の密接な関係を語り尽くす、刺激に満ちた講義録。
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4.520世紀文学の最高峰と言われる、プルースト『失われた時を求めて』。この大作に挑戦するには、まばゆい日差しのもと、ゆったりとした時間が流れる夏休みが最適だ――。本書は、現代フランスを代表するプルースト研究者、作家などが、それぞれの視点から『失われた時を求めて』の魅力をわかりやすく語った、プルースト入門の決定版である。ローラ・エル・マキ編、アントワーヌ・コンパニョン、ジュリア・クリステヴァ他。
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4.0ここからはじめる『失われた時を求めて』 2021年で生誕150年を迎えるマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』は、多くの人にとって「いつかは読んでみたい」「途中で挫折したけれど、もう一度挑戦したい」小説のひとつでしょう。3000ページからなり、500人の登場人物がいるこの作品を、プルースト自身は大聖堂に喩えています。圧倒的な大きさ、この上なく精緻な細部に、躊躇したり、読む気をなくしたりするのは無理もないことかもしれません。 この本の目的はただひとつ、そうした先入観を払拭することにあります。著者は斬新でわかりやすい3段階のアプローチで『失われた時を求めて』への扉を開いてくれます。まず、プルーストとはどういう人物だったのかを確認します。そして、厳選した引用をちりばめて基本的な登場人物たちを紹介しながら、なぜプルーストを読むのかということについて、12の理由から考えていきます。最後に「花咲く乙女たちのかげに」の断章の分析を試みることで、プルーストの書き方の特徴にふれます。巻末には訳者による固有名詞索引や関連年表をつけました。 そっと背中を押すように、この本はきっとあなたを『失われた時を求めて』の世界へと連れていってくれることでしょう。
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-北欧神話の主神オーディンは神ではなく、アジアにあるアーサヘイムの首都アースガルの支配者で、東方から北進して北欧に至り、スウェーデンで病死する―ユングリンガサガ―に続いて、ハルヴダン黒髪王のサガ、ハラルド美髪王のサガ、ハーコン善王のサガなど。原典古典アイスランド語。
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-〈戦時の記録〉全3冊は、ミュンヘン協定(1938)の直後にはじまり、第二次大戦勃発後のサン=テグジュペリの最後の日々をたどる。その第1巻である本書は、33-2飛行大隊の一員として任務に赴いたのち、パリ占拠とヴィシー政府の樹立、独仏休戦を経て、動員解除を受けてアメリカへ渡り、かの地で合衆国参戦を迎えるまでを収める。ニューヨークのフランス人社会のなかで、ドゴール派とヴィシー派の抗争に巻き込まれながら、サン=テグジュペリはつねに、政治や党派を超えて「尖塔をそびえ立たせた大聖堂の一つ一つの石材となるべき」人間と、その人間の肉体と精神をはぐくむ母胎としての文明の運命に思いを寄せた。のこされた覚え書や手紙、また、レオン・ヴェルトやアン・モロウ・リンドバーグをはじめ、彼をめぐる人々による証言が、当時のサン=テグジュペリの面影を生彩豊かに伝える。
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-世紀末閉塞社会の女性心理を描いた近代リアリズム演劇の白眉!あるいは、『人形の家』のパロディか!?詳細な注釈をつけて新たに訳されたイプセンの傑作。
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-ジオノ最大の関心事であった、羊と羊飼いを扱う 『蛇座 Le serpent d'étoiles』、 そして彼が生まれ育った町について愛着をこめて書いた 『高原の町マノスク Manosque-des-Plateaux』を収める。 見習いの羊飼い、そして羊飼いたちを率いた親方。 羊飼いたちは年に一度、マルフガス高原に集まり、演劇のようなものを 上演する。海や山や河や風などに扮した羊飼いが壮大なドラマを演じる のである。題名『蛇座』は松明で煌々と照らされた広場で行われる夜を 上空から見守っている星座「美しくねじれた蛇座」から取られている。 モンドールの丘、デュランス河、ヴァランソル高原、アッス渓谷、 地元の人々…。ラルグ川で溺れそうになった娘との会話や村の公証人宅 での食事風景など、自然や人間についての描写がせまる。 その想像力を奔放に発揮したジオノが、空想の「マノスク」を語る のである。創作の準備倉庫とでも形容できる地元マノスクの内と外が 入念に紹介されるのが『高原の町マノスク』だ。 作家ジオノの懐をうかがうように読み進めることができる作品である。
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-日本のヘミングウェイ研究者の第一人者が、著作や残された膨大な手紙、メモ、証言から作品と人となりを読み解く。ヘミングウェイは、生涯4回の結婚をし、多くの恋愛の逸話も残している。いまだにキー・ウエストの邸宅には、彼自身が飼っていた猫たちの子孫が数多く住んでいるということからも分かるように、愛猫家でもあった。「猫」「女たち」をキーワードに、時代と場所を手掛かりに本質に迫っていく。傑作と言われる「雨の中の猫」や長編「誰がために鐘は鳴る」「武器よさらば」などの作品を解剖する。研究書ではあるが、丹念な取材と紀行文としての趣きが読み物として、尽きない興味をそそる。
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4.0
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-ゴーチェの作品はエキゾチック情緒にあふれたものが多いが、本集には特にそうしたものが集められている。作家の注目すべき点のひとつを挙げれば「足」へのこだわり。美しいヒロインたちは子どものような小さなくるぶしの持ち主であった。
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4.3編集者ロベール・デュボワが週末に原稿の束を抱えて帰ることはもうない。持ち帰るのは何本もの原稿の入ったタブレットのみだ。紙の本は消えてしまうのか? 読者は何を求めているのか? なじみのレストランでの、ワインと料理に舌鼓を打ちながらの著者との打合せも、もうなくなるのだ。今や、ワインよりビール、コーラとハンバーガーの若者たちが中心となり……彼らの提案の新鮮さに驚かされもする。おまけに行きつけの昔ながらのビストロはスシ・レストランに身売り! 紙に埋もれて生きてきた昔ながらの編集者デュボワが直面する時代の変化の嵐。当惑そして諦め……しかし軽やかに飄々とそれらを超越する彼。変わりつつある出版界と読書人たちに捧げる、小品でありながらも風格ある一冊。
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3.6
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-「ある朝のこと、落ちつけぬまどろみの夢からさめたとき、グレゴール・ザムザは寝床のなかで一匹のばかでかい毒虫に変わった自分に気がついた。かたい甲羅(こうら)のせなかを下にした寝姿だった。ちょっと頭をもたげてみると、せりあがったアーチ型の腹部が見えた。鳶(とび)色の、固い環節(かんせつ)でいく重にも仕切られている。そのお腹(なか)のてっぺんには、掛けた布団がいまにもずり落ちそうなかっこうで、やっとこふみとどまっているしまつ」……セールスマン、グレゴール・ザムザのへんてこりんな「変身」を通じて家族に引き起こされる悲喜劇。奇才カフカの面目躍如たる短編。
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-古代ローマの詩人オウィディウス(前43-後17/18年)が残した唯一の叙事詩、待望されて久しい文庫版での新訳! 内乱が続いた紀元前1世紀の古代ローマは、その一方で「黄金時代」と呼ばれる詩や文学の最盛期でもあった。その初期を代表する詩人がウェルギリウス(前70-前19年)なら、後期を代表するのがオウィディウスであり、そのオウィディウスの代表作が本書『変身物語』にほかならない。 愛する男女の往復書簡という体裁をとる『名高き女たちの手紙』、恋愛詩人としての本領を発揮した『恋の歌』といった初期作品で知られるオウィディウスは、愛を成就させるための技法を性的なものまで含めて赤裸々に指南する『愛の技術』を書いたことが一因となって、のちに流刑の憂き目に遭った。このあと後期の円熟を遂げるオウィディウスが、ローマの祝日や祭礼の縁起を説く『祭暦』(未完)とともに着手したのが、本書『変身物語』である。 ウェルギリウスの『アエネイス』と並んでローマ文学における最高峰をなす本書は、オウィディウスが手がけた唯一の叙事詩であり、全15巻から成る大作となっている。その背景にあるのは「万物は流転する。すべての形あるものは生成しつつ、移ろう」(本書第15巻178行)と表現される世界観、宇宙観であり、事実、本書は原初の混沌から秩序としての世界の創造を歌う「序詞」から始まり、「金・銀・銅・鉄」の四時代、イアソンやテセウス、ヘラクレス、オルペウスといった英雄たちの時代、そしてトロイア戦争を経て初期の王の時代に至る壮大な世界史を描き出す。 その質においても量においても他を圧倒する本書が後世に与えた影響ははかりしれない。その代表が、シェイクスピアやミルトン、モンテーニュであり、ルーベンスやブリューゲル、ダリである。にもかかわらず、文庫版で手にできる現代にふさわしい日本語訳は長らく存在していなかった。数々の名訳で知られる訳者が自身のライフワークとして手がけたこの新訳は、今後のスタンダードとして長く読み継がれていくことを確信するものである。 「上」には第1巻から第8巻を収録。上下巻それぞれに「人名・神名索引」と「地名・民族名索引」を掲載した。
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-長い生活の苦闘の末に、主人公はふとしたきっかけから田舎に引っ込む余裕を与えられる。四季を通して自然の風物、友情と人生、社会観などを静かに語る語り口には、自足し成熟した大人が感じられる。
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3.9『ダ・ヴィンチ・コード』、『ミレニアム』シリーズ、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』――。ベストセラーが売れるのは偶然なのか? それとも黄金の法則が存在するのか? テキスト・マイニングと計量文献学の最新技術を駆使して読者を魅了する秘密のDNAを明らかにした、文学界騒然の注目作。 ……andやdoという単語が、ベストセラーではそうでない本にくらべて2倍の頻度で登場する。一方、veryやpassionの使用頻度は半分程度だ……『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』を分類してわかったことは、BDSM(性的虐待に対する嗜好)は確かに刺激的かもしれないが、それ以外の要素は決して奇異なものではない。鞭や目隠しはカムフラージュであり、コンマや動詞の使い方にいたるまで、ベストセラーの何たるかを深いところで理解している作家が物語を紡いで大成功を収めたケースにほかならない……。(本書より) 「人間の創造性の秘密の一端を、データとアルゴリズムを武器に説き明かした」――解説 西内啓(統計家)
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 今なお色褪せない、少年ファンタジーの名作が待望の復刊。 輝く夏の陽ざしのなか、12歳の少年ダグラスはそよ風にのって走る。その多感な心にきざまれる数々の不思議な事件と黄金の夢……。夏のはじめに仕込んだタンポポのお酒一壜一壜にこめられた、少年の愛と孤独と夢と成長の物語。巨匠ブラッドベリが贈る、少年ファンタジーの永遠の名作。 【山崎ナオコーラ氏、推薦!】 ファンタジーは日常にある。 散歩の道に、家事の途中に、黄金色の夏に……。 子どもと大人で、一緒に読みたい!
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3.5悪徳渦巻くロサンゼルスで 彼女は犯罪者のために戦う! 女性弁護士の激闘を描くリーガル・サスペンス 「マーシャ・クラークが法廷や殺人ミステリーに精通しているのは当然だ――そのうえで、彼女はすばらしい作家であり、ストーリーテラーだ」ジェイムズ・パタースン 「LAの元検事による、トップクラスの謎解きミステリー……驚愕の展開と衝撃のシーンを散りばめる稀有な作家である」パブリッシャーズ・ウィークリイ誌(特選) サマンサ・ブリンクマンは、苦難の道を切りひらき、ハリウッドの近くに法律事務所をかまえる少壮の弁護士だ。 だが、その内実は火の車。依頼人は犯罪多発地区の懲りない面々ばかりで、報酬は安定せず、車の修理費にも事欠くありさま。今夜も、まともな法律家ならことわりそうなケーブルテレビの番組に出演したのはいいが、帰りの街角で強盗に遭遇、生命の危機に直面する。そんな場所が彼女のフィールドなのだ。 さて、メディアはいま、女優とルームメイトが殺害された事件で持ちきりだったが……
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3.6「君たちは、親を選べる子どもなんだよ」 「アーモンド」に続く「チャンビ青少年文学賞」受賞作。 韓国で30万部。ブレイディみかこ氏推薦。 「子どもに親を選ぶことができたら。人類の究極の「IF」に挑んだティーン小説。 大人こそ読んでこころの準備をしておいたほうがいい」 事情により子どもを育てられなくなった親が、子どもを預ける「NCセンター」が設立された近未来。そこでは子どもが親を選ぶ面接「ペイント(ペアレントインタビュー)」が行われている。そんなNCセンターに在籍する17歳の少年ジェヌが、この物語の主人公。 20歳のセンター退所期限までに親をみつけなれば、センター出身という経歴がIDカードに刻まれる。過去にNCセンター出身者による犯罪が行われたことで、社会にはNCセンター出身者への偏見が存在し、その経歴が刻まれないよう、子どもたちは必死にペイントを続けている。 しかし、ペイントにやってくる親候補の多くは、養子縁組することで受け取れる福利厚生が目的。親候補たちのとりつくろった笑顔と、透けて見える本音を、ジェヌは瞬時に見抜いてしまう。 NCセンターの退所期限を3年後に控えたジェヌは、ペイントをしながら、親や家族という存在について思索し、自分の進む道をつかもうとする。 ■韓国作家の推薦文 『ペイント』は、11歳の娘が先にひったくるようにして持っていった本だ。ものすごく面白い、と本から手を離せなくなっている娘の姿に、正直心がチクリとした。 娘が学校にいっている隙にこっそり読みはじめた。読んでいるあいだじゅう、いい母親になりたいのにどうしていいかわからない私のそばへ、かつての自分がやってきて座っていた。親の関心や理解を求めていた幼い頃の私、そして、絶対に親元を離れると誓っていた20代の私が。いつのまにか母親になった私は、娘とともに『ペイント』のなかの「親を選ぶ子供たち」「親になろうとする大人たち」そして「かれらを手助けするセンターの大人たち」がそれぞれどんな想いだったか、ひとしきり語り合った。その語り合いが遠い未来まで続くであろうことを、私は知っている。 ――小説家 チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』 【目次】 ジェヌ、301です 父母面接を始めます いったいどんなヤツ紹介されたんだよ? IDカードの番号 大人だからって、みんなが大人っぽい必要ありますか お前は、自分の思い通りに生きると思ってんだろうな 自分のためだ、自分のため あの噂、聞いた? 待ってるからね、友達 Parents' Children 最後に聞いてもいいですか? 日本の読者のみなさんへ 訳者あとがき
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4.2★パンデミック――見えない恐怖 ロンドンで約10万人の死者を出したペスト大流行の詳細を、当時の公的文書や個人の記録などを基に再現した小説。 伝染病の爆発的流行や都市型災害の勃発、その拡大と対策に関する貴重なドキュメントとして、今日も読み継がれている古典である。 現代日本の読者に読みやすいよう、平易な語り口で訳し、さらに原典にはない章分けを加えて、展開や構成をわかりやすくした。 当時のロンドンの詳細な地図や訳注も付して、資料も充実。 群像新人文学賞評論部門を受賞し、文芸批評でも活躍している英文学者による、画期的な新訳。
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-本を守ろうとする3人の女性を描く歴史小説。 1933年ベルリン。文化交換プログラム参加のためにドイツに招待されていた米国人新人作家アルシアは、反政府活動に参加していたユダヤ人女性ハンナとともに、ナチスに洗脳された学生らによる焚書に居合わせた。 1936年、ナチスを逃れベルリンからパリに渡ったハンナは、自らの過ちを悔いながら〈焚書された本の図書館〉で働いていたが、パリにもまた、ファシズムの波は押し寄せていた。 1943年ニューヨーク。戦地の兵士に本を送る「兵隊文庫」プロジェクトに従事する戦時図書審議会広報部長のヴィヴは、「兵隊文庫」の検閲を推し進める議員に抵抗し、検閲の危険性を訴えるイベントを企画していた。 戦時下の3つの時代、3つの都市を繋ぎ、それぞれに本を守ろうとする3人の女性を描くシスターフッド歴史小説であり、この上なく美しい恋愛小説であり、本を愛するすべての人に送るビブリオフィリアの物語。
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5.0誤解・妨害・障害を超えて恋を成就させる過程を丁寧に描き、 現在でも映画化・ドラマ化が引きもきらない人気作品。 『ブリジット・ジョーンズの日記』の元ネタとなった作品としても有名。 中流階級の次女エリザベスと、上流階級の紳士・ダーシー。 格の違いによるプライドと偏見が邪魔をして、 出会ったときにはお互いに反目しあった2人だが、 エリザベスの知性と快活さにダーシーは惹かれていく。 ■主な登場人物 ●ベネット家 ・ベネット氏(ハーフォードシァの地所邸宅ロングボード・ハウスの主) ・妻ベネット夫人 ・長女ジェーン(二十二歳。ベネット嬢) ・次女エリザベス(リジ―、エライザとも呼ばれる。二十歳。この小説の主人公) ・三女メァリー(読書好き。知識、芸事が自慢) ・四女キャサリン(キティ―とも呼ばれる。十七、八歳) ・五女リディア(十五、六歳) ●ルーカス家 ・サー・ウィリアム・ルーカス(受勲士(ナイト)、ルーカス・ロッジの主) ・妻ルーカス令夫人 ・長女シャーロット(二十七歳。ルーカス嬢。エリザベス・ベネットの親友) ・次女マライア その他、息子、娘が数人。 ●ビングリー家 ・チャールス・ビングリー(二十二歳。地所邸宅ネザフィールドの借り主。遺産十万ポンドを所有) ・ハース氏とルイーザ・ハースト夫人(ビングリーの姉夫婦) ・キャロライン・ビングリー(ビングリー嬢。ビングリーの妹。二万ポンドの持参金を持つ) ●ダーシー家 ・フィッツウィリアム・ダーシー(二十八歳。ダービシァのペンバリー荘園の主、年収一万ポンド。母(故人)は伯爵(故人)の上娘) ・ジョージアナ(十六歳。ダーシー嬢。ダーシーの妹) ・レノルズ夫人(ペンバリー荘園の女中頭) ・アンズリー夫人(ジョージアナの付添人) ・ヤング夫人(ジョージアナの元家庭教師兼付添人) ●デ・バーグ家 ・キャサリン・デ・バーグ令夫人(キャサリン令夫人。ロージンズ荘園の主。伯爵の下娘でアーシーの母方の叔母) ・アン・デ・バーグ(デ・バーグ嬢。キャサリン令夫人の娘。ダーシーの従妹) ・フィッツウィリアム大佐(現在の伯爵次男。三十〇歳くらい。キャサリン令夫人の甥。ダーシー、ジョージア、アンの従兄) ●コリンズ家 ・ウィリアム・コリンズ氏(二十五歳。ケント州ハンスフォードの牧師。ベネット氏の従弟、ロングボーンの後継者) ●著者 ジェーン・オースティン ●翻訳 パーカー敬子
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4.2サハラ沙漠の真っ只中に不時着した飛行士の前に、不思議な金髪の少年が現れ「ヒツジの絵を描いて……」とねだる。少年の話から彼の存在の神秘が次第に明らかになる。一本のバラの花との諍いから、住んでいた小惑星B612を去った王子さまはいくつもの星を巡った後、地球に降り立ったのだ。王子さまの語るエピソードには沙漠の地下に眠る水のように、命の源が隠されている。肝心なことは目では見えない。心で探さないとだめなのだ……。生きる意味を問いかける永遠の名作を池澤夏樹による瑞々しい新訳でお届けします。原典の世界観を忠実に再現した横組みの本文。電子化に際し、挿絵は原典の彩色に復原しました。手のひらの中で、サンテグジュペリの描いた世界が鮮やかによみがえります。
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4.0おとなは誰でもはじめは子どもだった――。 《あなたの心の中に王子さまを取り戻そう。》 職場や学校、恋愛、人間関係の悩みの中で消えてしまった「子どもの頃の自分」をもう一度見つけて、本当の幸せを手に入れるためのヒントが「星の王子さま」にはあふれている! 星の王子さまのように…… ■子どもの頃のものの見方で世界を見るためには? ■自分のことを大切にするためには? ■「急ぎのしごと」と「重要なしごと」を区別するためには? ■他人から理解されないことを受け入れるには? ■人生の新しいページをめくるためには? ■愛することを学ぶためには? おとなになった今こそ読み直したい、サン゠テグジュペリの不朽の名作。 自分らしく生きるために大切な、目には見えない宝物が、そこにはきっと詰まっている。
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4.1「とても鋭い知性の持ち主だが、ほとんど記憶のない女がいた」 わずか数行の箴言・禅問答のような超短編から、寓話的なもの、詩やエッセイに近いもの、日記風の断章、さらに私小説、旅行記にいたるまで、多彩で驚きに満ちた〈異形の物語〉を収めた傑作短編集。カウボーイとの結婚を夢みている自分を妄想する「大学教師」、自分の料理を気に入らない夫の好みを記憶を辿りながら細かく分析していく「肉と夫」、思考する〈私〉の意識とメモをとる〈私〉の行為を、まったく主語のない無機質な文体で描く「フーコーとエンピツ」他、全51編を収録。「アメリカ小説界の静かな巨人」デイヴィスの、目眩を引き起こすような思考の迷路や言葉のリズム、また独特のひねくれたユーモアは、一度知ったらクセになる。
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4.0光り輝く青年神アポローン、秘儀の大母神デーメーテール、魂の導者にしてトリック・スターたるヘルメース、精液から生まれた美神アフロディーテー……ギリシアの神々の物語は西洋の文学・芸術に無数の素材を提供してきた。ギリシア神話はまた、西洋人の基層的な心性や世界観を知るうえで逸することのできない記憶の宝蔵でもある。数多い典拠のなかで、大ホメーロスの名を冠して伝存された本書は、内容の充実、作品の完成度、作風の多様をもってひときわ異彩を放つ。33篇22柱の神々に捧げられた讚歌集を流麗・典雅な日本語に移し替えるとともに、博捜の訳註・解題を付した唯一の全訳。
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-馬車が近づいてきた。サンタンドレ元帥とその娘、そしてギーズ公が乗った。 ところで、魔女が暗殺されると予言したギーズ公、サンタンドレ元帥、コンデ王子という三人の登場人物の名前に、彼女が暗殺者になると予言したポルトロ・ド・メレ、ボービニー・ド・メジエール、モンテスキューという三人の登場人物の名前を集めてみよう。 疑いもなく、天の摂理が警告の意味でこの六人を「赤馬」荘に集めたのだが、前者たちにとっても、また後者たちにとっても、いずれも無意味な警告であることは間違いなかった。
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4.5家には四つ部屋があった。両親の部屋、私の部屋、弟ジルの部屋、そして死体の部屋……。それは狩猟が趣味の父親が戦利品をしまう剥製の部屋だった。暴力的な父親と、その顔色をうかがうだけのアメーバのような母親。そんな両親との暮らしだったが、十歳の少女は四歳年下の無邪気な弟と楽しい日々を送っていた。しかしある日、アイスクリーム売りを見舞った事故を目撃した時から、弟は変わってしまった。無邪気な笑みは消え、剥製の部屋にこもるようになり、虫や動物をいじめるように……。なんとかしてあの無邪気な笑顔を取り戻したい! 現実をリセットしたい! 利発な少女の試みは? Fnac小説大賞、高校生が選ぶルノードー賞、ELLE読者賞他14の文学賞を受賞。
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-多くの文学翻訳、翻訳論で知られる第一人者が「翻訳になぜ理論が必要か」を、多くの実例を用いて解説する。翻訳はAIで「できてしまう」時代は、しかし翻訳すべき「内容」とは何か、その「正しさ」とは何かがより深く問われる時代でもある。翻訳の質への問い、翻訳の喜びへと読者をいざなう書。 【主要目次】 はじめに I 翻訳になぜ理論が必要か 01 イントロダクション――翻訳論はなぜ必要か 02 世界にはどんな翻訳論があるのか 03 まず、翻訳を定義してみよう 04 日本の「翻訳」とは何だったのか 05 形か意味か(1)――西欧の逐語訳 06 形か意味か(2)――日本の「逐語訳」 07 そもそも、意味とは何だろう 08 意味を伝える、とは 09 関連性理論とは何か 10 いよいよ、翻訳とは何だろう 11 文学テクストを翻訳するということ 12 さあ、理論の応用に漕ぎ出そう II 翻訳の実例を見る 01 文学翻訳の実践へ――冒険の見取り図 02 翻訳推敲のワークショップ――『たのしい川べ』 03 視点・声・心理劇を翻訳する――『床の下のこびとたち』 04 物語の意味を翻訳する――『ホビット』(1) 05 物語の仕掛けを翻訳する――『ホビット』(2) 06 仕掛け翻訳のバリエーション――スターン、ディケンズ、O・ヘンリー、トールキン、モンゴメリー 07 明治日本の天才たち――福澤諭吉、夏目漱石、森鷗外 08 短編翻訳のポイント――イエイツ、マンスフィールド、デ・ラ・メア、ブラッドベリ、ポー 09 書き換えられた『源氏物語』――ウェイリーとサイデンステッカー 10 言語が変わると物語が変わる――『赤毛のアン』『羅生門』『新聞紙』『コンビニ人間』 11 映像に翻訳する――『ホビット』『チョコレート工場の秘密』『ふしぎの国のアリス』 12 メディア間の翻訳を考える――『ジェイン・エア』から映画、児童書、語学教科書へ あとがき
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-新旧米大統領が主役を張るバディ・ミステリ。 トランプ政権下のアメリカ。ホワイトハウスを離れても常に注目の的のオバマ前大統領に対し、バイデン元副大統領は地味で単調な日々を送っていた。かつてはあれほど固い絆で結ばれた「チーム」だったのに、いまや便りのひとつも寄こさずセレブたちと華麗な交流を謳歌するオバマに、不満と嫉妬、そして寂しさを抱くバイデン。そんな彼の前に突如オバマが姿を現す。彼がバイデンの元を訪れたのは、バイデンの親友であり、かつて彼が通勤に利用していた列車の車掌の事故死を知らせるだった。自殺とされたこの死に疑念を抱いたバイデンは独自に調査を始め、やがてオバマとともに、老体に鞭を打ちながらホームズ&ワトソンよろしく真相を追うことに――! 2018年にアメリカで刊行されるや、AmazonUSの月間ベスト、NYタイムズベストセラーリスト入り、さらにgoodreadsの2018年choice awardファイナリストになったスマッシュ・ヒット小説。まさかの新旧大統領が主役を張ってしまった、前代未聞の超痛快バディ・ミステリ! 解説は「解説といえばこの方」、池上彰さん。 (底本 2021年10月発行作品)
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 原作者ハインリッヒ・ホフマン博士は1844年、3歳の息子へのクリスマスプレゼントとしてつくりました。素人のふしぎな絵ですが、その純粋な動機が商業主義的な路線を超越して、100年余、100数十か国語に訳されている、近代絵本のルーツと位置づけられるにいたりました。 昭和初期、渡航中のドイツから日本の息子たちに翻訳して贈った伊藤庸二氏により、日本で根づく本となりました。 その伊藤家ゆかりの五倫文庫とドイツ「アムマイン博物館」との姉妹提携10周年記念出版です。 ドイツ語と日本語が対照的に編集されて、関わってきたさまざまな『ぼうぼうあたま』の側面が記録されています。
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4.6兄のジェシーがいじめられていることは知っていた.でも,まさか父親の銃を持ち出して事件を起こすなんて…….13歳のヘンリーは心の傷を抱え,引っ越した町でひっそりと暮らしはじめた.なのに,プロレス好きの友だちや,世話好きな隣人が放っておいてくれない! 残された家族の叫びと希望を描く,カナダ総督文学賞受賞作.
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4.1韓国でドラマ化・映画化決定! 初恋の人がフェミニストになった!? 「愛」も「権利」もゆずれない、2人の戦争のような恋愛が始まる。 主人公「僕」の視点で描かれる、フェミニストの彼女の姿。 そこには、今を生きる私たちの「現実」が詰まっている――。 本国では「『猟奇的な彼女』のフェミニストバージョン」といわれ、台湾版刊行時には「キム・ジヨンが結婚前にこの小説を読んでいたら人生が変わっていたかも」とキャッチコピーがつけられた、今をいきる、あなたのための物語。 <あらすじ> 就活を前に不安な僕を癒してくれた、愛らしい僕の彼女。毎日のようにベッタリで、付き合って1周年を迎えた。そんなとき僕は、1年間の海外インターンシップに行くことに。遠距離は不安だけど、彼女なら安心だ、待っていてくれるはず――。しかし、出国当日。空港にいたのは、涙ぐむ彼女を抱きしめる僕ではなく、別れのメールをもらってメンタルが崩壊した僕だった。 そんな初恋を引きずりながら 大企業に就職し3年目を迎えた「僕」ことスンジュン。周囲はほとんど結婚して、「まだ独身なの?」とからかわれることも多い。結婚する女性を選ぶだけなのに、なかなか結婚への意欲がわかない。そんなある日、初恋の彼女と出くわした! 心がまた動き出す……ところが、彼女はこともあろうにフェミニストになっていた! 【目次】 プロローグ 1 偶然出会った君 2 いっそ現れないでほしかった 3 どうせ現れたなら 4 メガルの道理と百万ウォン 5 スタートはしたけれど 6 彼女は本当におかしい 7 週末のデート 8 家族のイベント 9 意外な事件 10 彼女の決断 11 僕のチャンス 12 計画通りに進んでる 13 結婚式場で 14 再び、光化門で エピローグ 著者あとがき 日本の読者の皆さんへ 訳者あとがき
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-その男、偶像か、トリックスターか。NYを舞台に世界を熱狂させ続けたアーティストの稀有なる証言。シャイで神経質だった幼少期から、孤独を受け入れた途端に取り巻きができ、夜な夜なパーティに繰り出した狂騒の時代まで。「芸術家は英雄(HERO)ではなく無(ZERO)」「芸術なんて作ればもう新しくない」と豪語し、ひとところに留まらなかった時代の寵児は何を見、何を語ったか。唯一無二の決定的自伝。
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3.9「孤独がぼくを押し潰す。ともだちが欲しい。本当のともだちが!」 パリ郊外モンルージュ。主人公のヴィクトールは、まるで冴えない孤独で惨めな貧乏青年。誰もが勤めに出ているはずの時間、彼だけはまだアパートの部屋に居残っている。朝寝坊をして、なにもない貧相な部屋でゆっくりと身繕いをし、陽が高くなってから用もないのに街へと出て行く。誰かともだちになれる人を探し求めて……。 職ナシ、家族ナシ、恋人ナシ。「狂騒の時代」とも呼ばれた1920年代のにぎやかなパリの真ん中で、まったく孤立し無為に過ごす青年のとびきり切なくとびきり笑える〈ともだち探し〉は、90年もの時を経て現代日本の読者に驚くほどストレートに響く。かのベケットが「心に沁み入る細部」と讃えたボーヴの筆による、ダメ男小説の金字塔。 [解説]豊崎由美
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3.3ぼくには仲良しの兄・サイモンがいた。でも死んでしまった。ぼくはサイモンに会いたくてたまらない。19歳になったマシュー・ホームズは、統合失調症の治療の一環として、自分自身について書いている。大好きだった兄サイモン、ダウン症だった彼の死は、幼かったマシューの思いつきがもたらしたようなものだった。罪の意識に苛まれるマシュー。彼には「ぼくを忘れないで」というサイモンの声がいつも聞こえている。精神科病棟の看護師だった著者だからこそ書ける、病める青年の苦しみ、不安、喜び、そして家族のこと。サイモンとマシューの兄弟を、あなたは忘れることができないだろう。コスタ賞の新人賞と大賞を同時受賞した傑作小説!
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4.5英国王室御用達、笑いの大巨匠、あのウッドハウスの新シリーズ登場!! P・G・ウッドハウスの未知の傑作小説を続々と紹介。第1回は、百万長者のうえに容姿端麗、気立てもバツグンだけど、ちょっとおまぬけな青年紳士ボドキン君が主人公。豪華客船を舞台に、ワニを飼うお騒がせの人気赤毛女優、問題の多い変人客室乗務員、へーゼル色の瞳の女子ホッケー選手などなど、いつもの奇人と怪人たちが船上狭しと大活躍。最上質爆笑保証付きの至高の名作、本邦初訳。