現代教養文庫ライブラリー一覧
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-「のぞきにつがぬバカはなし」「裾あき囲うべからず」など、囲碁には独特の格言・金言があり、いずれも陥穽に落ちこむことをいましめる合理性がある。文壇本因坊として知られた著者が、盤面を人生に見立て軽妙に語った名著。
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-「水滸伝」「三国志演義」「金瓶梅」の四大奇書のひとつ。唐の僧玄奘、すなわち三蔵法師の紀行という史実をもとに創作された妖怪変化、奇想天外、千変万化の物語。軽妙洒脱な名訳で、孫悟空をはじめ脇役の活躍を活写。
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-河合栄治郎は戦中、軍部ファシズムを臆せず批判した人物として知られる。本書は、彼が平賀粛学と呼ばれる裁定によって東大の教壇を追われ、加えて出版法違反で訴追されるなか、若い人々へ心血をそそいで発したメッセージ。
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-本書は、第一部では、『今昔物語』『古今著聞集』などに記されている上古や中世の漂流物語を、第二部では、近世の有名な漂流の記録がまとめられている。さまざまな出来事が意外な結末や影響をもたらしてきたことを知ることができる。
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-「七番目の日記」「おらが春」「一茶発句集」から、いかにも一茶らしい代表作を季題ごとに取りあげ解説を加えながら鑑賞の仕方を案内。巻頭の「一茶の生活とその句」以下、鄙の俳人の感性がイメージ豊かに描かれる。
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-「すなわち最もよき人びとは帰ってこなかった」とは名著『夜と霧』の冒頭部だが、この三人の軌跡を語ってあまりある。自己に誠実であり、他者を助けることをいとわなかった人びとは、祖国に居場所を見つけることができなかった。
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-書誌学研究のかたわら、世界の奇談・怪奇談などの紹介につとめ、「庄司浅水ワールド」とも呼ばれ、好評を博したシリーズ。タイタニック号の遭難や、漂流、反乱、海の怪獣談など、古来より数かぎりなくある海にまつわる奇談の代表作集。
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-古川柳の作者は、大名など武家から教養ある町人までさまざま。共通するのは、歴史や文学、中国の書物に通じていたこと。本書では、中国の故事・伝説などを題材にした川柳を時代順に収録。江戸教養人の受け取り方や考え方が浮き上がる。
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-格言とは、いわゆる処世やためになる「いい言葉」ではなく、ひとつひとつが極めて短い人生論である、と編者は述べている。本書が1958年以来版を重ねて読者に支持されてきた理由はここに尽きる。時代を超える珠玉のメッセージ。
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-著者の専門は言語学、中国文学だが、漢文教育に新生面を開いたことでも知られる。まだ学んでいない人、相当に学んできた人、専門に教えている人に、ひとしく読んでもらえるよう欲張ったと著者のいう通り、知的刺激を楽しめる。
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-信じられそうもない本当の話、うそのような本当の話、奇なるもの、珍なるもの、妙なるもののエンサイクロペディアの前では、世界がまだまだ広大であり、底深いものであることを思い知る。庄司浅水・不思議ワールドの白眉をなす書。
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-本作品は、古くはラフカディオ・ハーンの英訳から、芥川龍之介と久米正雄によって『クラリモンド』の題名で日本語に訳された。そのような経緯から、表題作はゴーチエ作品のなかでなじみ深く、吸血鬼文学としても傑作と評される。
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4.5本書が完成するまで30年を要したという。「近代文学」によっての活動の一方、童話への取組から二大神話のひとつギリシャ神話へと関心が移行していった結晶として、永く読み継がれる名作が誕生した。付・北欧神話。
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-ギリシア悲劇の名作15篇を物語として描き、舞台を前に観客に解説するように表現してあるので読者は場面を想像しながら読むことができる。舞台劇の悲劇を文学として成立させている。入門書としても最適。
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-「食う」といういとなみによって人間は何をし、これからどうしようというのか。米騒動をもたらした平成5年産の米も、日本各地の山の万年雪が大地に滲み込み10年かかって田を満たして、作られた。農業を行う側からの根源的問い。
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-ケルト民話のなかでだれが一番美人か。「ケルトのヴィーナス」はディアドラかグラーニアか。ディアドラであるに違いない。なにしろ彼女は生まれる前からその美貌が国に災いをもたらすと予言されたのだから。では、一番の英雄はだれ?
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-約一千年前に書かれたこの物語がなぜ人々を捉えるのか。その物語の魅力、紫式部の人物像などの謎を探って、しかも作品鑑賞の手引書を目ざすという希有な試みを両立させ、「源氏学の泰斗」と称されるにふさわしい名著。
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-日本近代におけるマニュフェストともいえるもので、明治の精神形成の一方の旗幟をなした古典的名著。文語体としては画期的に平易な文章で書かれていたが、本書では全17篇を読みやすい現代語に全訳した数少ないもの。
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-原典は全31巻、天竺(印度)、震旦(中国)、本朝(日本)の3部で構成される。多くを占める仏教説話より世俗説話に光り当てて王朝文学に対する庶民を物語る60篇を収録。説話文学の調子をそこなうことなく現代語訳。
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-孤島アイスランドは「地のはて」といわれた。そこに伝えられるサガ、オーデンを主神とする北欧神話、英雄伝説からなるエッダはゲルマンの原像が描かれている。北欧文学の開拓者である著者が、地のはての物語を美しい文章で描く。
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-この物語は、野上弥生子訳の「ギリシア・ローマ神話」「中世騎士物語」と伝説三部作を成すもので、「アーサー王物語」と人気を二分する。有名な「ロランの歌」を含み、古代・中世の文学的遺産に親しむための絶好の入門書。
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5.0書きたいという気持はあっても、書き言葉に表現することはやさしいことではない。内容を文章に定着させる技術が身についていないからだ。感動や思想さえあれば書けるというこれまで文章常識を変えて、書くというわざを上達させる書。
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-「ムーミン」やアンデルセン童話など、北欧・児童文学の研究・翻訳に生涯携わり、子供たちには夢を、大人にはやすらぎを与え続けた著者・山室静の世界むかし話集第1弾。 <イングランド>ネコの王さま/カメの遠足/最初のバナナ/三びきのクマ/ロンドン橋の上で/ジャックと豆の木/他8編 <コーンウォール>ベッチィ・ストーグの赤ちゃん/頭から下に向かって/他3編 <スコットランド>ヒース酒の秘密/詩人トマスの話/他5編 <ウェールズ>長すねグウィスの嘆き/他3編 <アイルランド>白いマス/笛吹きとプーカ/他9編
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-恐慌の嵐が吹き荒れる1930年代、劇作家として世に出たが、世は治安維持法下にあって「左翼劇場」に所属した著者は官憲にマークされる。「ムーラン・ルージュ」や「新派」などを舞台に、日本演劇の重大な変革期の記録として貴重な証言。
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2.0著者とキリスト教との出会いは東北大学に阿部次郎を慕って入学したときに遡る。文学的立場の曲折はあったものの、教養主義的ヒューマニズムを終生堅持したのもその裏打ちからであった。「山室聖書」と称された名著。
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-なじみ深いノアの箱舟からはじまる「聖書をめぐる奇跡」から、「現代に生きる奇跡」「夢にまつわる奇跡」「世にもふしぎな物語」「ふたつの奇妙な物語」他、古代から現代に至る、歴史あるいはサイコミステリーとしても読める37話。
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-生活の指針となる禅のこころと神髄を、簡潔な一話一話のかたちで解説。例えば「冷暖自治」。わかりにくいか説明のつかないようなこと、冷たい、あついも、自分で一度触ってみなければ理解できない。それをあえて教えないことをいう。
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-「使う者は使われる」は、昔、奉公人などをたくさん使用する人が、逆に、使うために心身を労し、結局奉公人に使われるようになる、という今に通じる話。「子ほど喜ばせにくいものはなく、親ほど喜ばせやすいものはない」もその伝。
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-原典は、弟子の唯円が師の言葉を聞き書きし鎌倉中期に完成させたもの。人生や社会についの懊悩のはてに到達した親鸞の思想は、現代人にも通じるところが多い。財界人などからなる在野の研究成果として定評あるもの。
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-西鶴、芭蕉とともに元禄文学を代表する近松の文体は現代語に写すことが困難といわれたほどだが、原典の味わいを失わず、特に心理描写などにこなれた訳をほどこした定評の書。「曾根崎心中」など世話物八篇を収録。
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-中国四千年の歴史は、中国民衆のものの見方や生きる知恵の、革袋のなかの酒ともいえます。「竜女を妻にした男」「象の贈り物」「仙人だった兵士」「空を飛べる薬」他、蛇、竜、狐、虎、仙人などに仮託された二十二の怪異譚を集成。
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-中国は笑話の歴史もまた古い。それを集大成したのが明末の馮夢竜の『笑府』13巻で、本書はこの『笑府』を中心に周辺の笑話のなかから、中国民族の生活と文学を知るに役立つと考えられる話を選訳。民衆の思想史、生活史として読める。
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-中国に生まれたものが、日本の成語として通用するにはわけがある。いわば民族の境をこえた、人間としての知恵をひそませているからだ。なかには受け入れられなかったもの、変形したものもあるが、筋道をたどって知恵のありかを集成。
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-日露戦争のとき写真班として従軍し、その従軍記を著すなど紀行文を多く残した。時代は明治後期から大正初期。東京近郊の風景・風俗、事件・事故、花鳥風月、事物の来歴、文学的エピソードがこれでもかと盛り込まれた、なつかしい東京。
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-島崎藤村『破戒』と並び、田山花袋の『蒲団』は性の赤裸々な暴露を描いて、自然主義文学の代表作と評された。それだけに、実地踏査と細密な観察にもとづく大震災直後からの被災の実態描写は、記録文学の金字塔ともいうべき名作となった。
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-「奇人とは、稀人であり、貴人でなければならない」と本書は規定する。永井荷風、坂口安吾をはじめとする作家、中江兆民、石原莞爾、阿部定など明治から昭和までの多士済々。独創性や個性、「貴」なるものを排除する日本に稀な人々。
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-笑話は昔話のなかのひとつのジャンルで、日本人が本来おおらかな民族性であったことを伝えている。真似そこない話、おろか者の話、大話、業くらべ、智巧譚などを、方言、語り口をいかして収録。終章で、笑話の起源と変遷を辿る。
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-本書は、漂流を海事史的、海外交渉史的、社会史的、文化史的見地から一般向けに書かれた名著。その実証性には定評があり、作家や研究者に高く評価されている。大部かつ充実した密度の高い内容ながら、読み物として知的刺激に富んでいる。
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-著者は映画評論でなじみ深いが、都市空間のなかで作家を描く作品でも知られる。『荷風と東京』『林芙美子の昭和』『郊外の文学誌』などがそれだが、その向こうに原風景を求めてひとり歩くというジャンルがあり、本書はその一書。
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-科学上の常識では実在しないはずが、なぜ人は幻視・幻覚をかくも長い歴史のあいだ経験し続けてきたのか。それがなぜ、伝承や文芸として同じように造形化されたのか。民俗学的視点からまとめられた、日本初の「幽霊体験資料集」。
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-伝説は読むだけでも楽しいし、その伝説がどうして発生し、どのような経路をたどって分布するようになったかを訪ねるのは、さらに興味深い。柳田国男に師事し、伝説・伝承研究に実績のある著者が選んだ、特に楽しめる70余篇を収録。
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-ことわざは民衆が実生活の体験のなかから、人間や人生に対する批評として生み出されたものであり、逆にそれらをくだけた言葉として伝えるコミュニケーションの手段でもある。その意味でことわざは、伝えられたい文化遺産といってよい。
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5.0『ツァラトゥストラはかく語りき』ほど19世紀の思想に衝撃を与えた書はない。ヨーロッパ近代の精神的危機に対する、ニーチェ思想のすべてが盛り込まれた哲学的叙事詩を、難解な語句をさけ、物語風にまとめた労作。
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-「この著の中心をなしている三人の話は、生き方の強さ、戦争のむごたらしさと同時に、戦争責任とは何か、人間が生きるとは何かということを、日常の生活感覚のなかで『問い』かけている」十数年にわたる聞き書きによってなし得た労作。
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-芭蕉・一茶研究に多くの足跡を残した著者が著した画期的入門書。「解することと味わうこと」「名歌鑑賞」「名句拾遺」の多面的な章だてと、春夏秋冬に分けて収録するなど工夫が凝らされ、俳聖の人と作品の全貌を描く。
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-バスクの人々はピレネーに囲われ、起源不明な独自の言語を持ち、地理的条件からその特異性をいまだ保持しているが、それは、伝説や民話にいきいきと伝えられている。妖精・怪奇譚・奇跡物語・魔女伝説、動物譚など、本邦初訳の書。
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-『王子クレオマデスの冒険』に続くロマン。バビロニアにある謎にみちた塔に幽閉された乙女。すべての試練を突破して乙女との再会をはたした王子の知恵と勇気。異文化の香りが、物語の展開に彩りをそえるファンタスティックな作品。
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-幕末・明治維新の背後で、急転回ゆえの惨劇が生じていた。首謀者12人目の切腹が行われようとしたとき、フランス側立会人が怯懦によって退席したという一件の堺事件と、神戸事件であった。大岡昇平の鴎外批判に触発されてなった労作。
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-このシリーズ中では一転して、歴史的事実、事件の裏にある悲しくいたましい秘話、エピソードを発掘したもの。リンドバーク二世誘拐殺人事件、聖バレンタイン・デーの惨劇、全滅したフランクリン探検隊の秘話など興味深い14話で構成。
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-ゲーテの生涯をかけた大作。高名なわりに読み通した人が多くないのは、韻文で書かれた戯曲という形式上の制約からといわれる。本書は、原作のもつ重厚さ失わず、読みやすい「物語」にまとめて好評を博した作品。
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-「恋人たち」「悪魔」「領主」「求道者」「死者」「亡霊」の6章構成。「幻想文学の世界はわれわれの住む現実の外にあるのではない。反対に、現実の中から理解しがたいものとして突然浮かび上がってくるもの」人々を惹きつける理由である。
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-妖精・怪奇・幻想三部作のひとつ。「変身譚」「愛」「嫉妬」「試練」「不思議な動物」「妖精」「プシュケ神話」の7章からなる。フランス民話はペローの童話で有名だが、炉辺で語られる民話は民衆のしたたかな想像力の裾野の広さを示す。
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-公害や環境問題が注目されるようになるはるか以前から、著者は糞尿を培養基として緑の高たんぱく質クロレラを培養することに取り組み成功。そこで「食料革命」の一大構想をひっさげ博士は世界へ。ユーモアに富んだ痛快な旅行記。
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-著者は源平合戦の話を祖父から聞かされて育ったという。平家物語はいわば著者にとって歴史のアイデンティティーを辿る研究でもあっただけに、「語り物」としての古典の特徴が見事に再構成され、読物に昇華されている。
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-「萬朝報」紙上で、権力者の醜行を執拗に攻撃したため涙香は「まむしの周六」と渾名されたが、本書では、男の玩弄物である妾の実例を暴露。犬養毅、山県有朋、井上馨、伊藤博文、榎本武楊、文化人では森鴎外などが俎上にのせられた。
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3.0ギリシアの史家で「歴史の父」と呼ばれ、ヘロドトスの史書は、本来ギリシア語で「探求」を意味するヒストリエと題され、物語風に書かれたという点でも後世に大きな影響を与えた。読みやすさで定評のある労作。
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-ゴーチェの作品はエキゾチック情緒にあふれたものが多いが、本集には特にそうしたものが集められている。作家の注目すべき点のひとつを挙げれば「足」へのこだわり。美しいヒロインたちは子どものような小さなくるぶしの持ち主であった。
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-星や星座の神話伝説には、人類の遠い祖先の宇宙観や夢が反映されている。ギリシャ神話はもちろん、世界各地に伝えられないところはない。地域別、星座別、太陽系の神々とに蒐集集約した本書は、ファンタジーの祖型事典の観がある。
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-「ワイルドとかゴオチェとかいふような絢爛とした小説が好きであった」と芥川龍之介をはじめ、日本の近代文学作家に大きな影響を与えたフランス幻想作家の作品集。怪異、霊異への偏愛が、怪しい作品世界を造形する。表題作他2編収録。
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-叔父に伴われヴェネチィアを発ったマルコは元の上都に至り17年後に帰国するが、ジェノバの獄につながれその獄中で語られた見聞録は、たちまちヨーロッパ各国語に翻訳された。読みやすさで定評のある名訳。
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-執筆の動機は、父親から「お前は新聞記者だが、一度は自分の歴史を調べて書くべきだ」と言われたことによる。昭和20年8月、8歳だった著者は、ソ満国境に近い興安街を脱出、朝鮮との国境の町の安東に辿りつく。付「子供の戦記」。
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-数多い類書と比べ本書の最大の特色は、各巻からの抜粋ではなく、年代順に鑑賞・研究するところにあることと、何よりアララギ派の実作者である著者の感性が解説・注釈、歌の選択にも生かされているところである。
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-内容は、震災復興事業でできた環状道路・明治通りを自動車で回った印象記などと、大衆芸能や芸人に関するものに大別される。学識や趣味の広さと文壇閲歴の永さが孤蝶の随筆集を特徴づけていて、「日本のアナトール・フランス」と呼ばれた。
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-石川啄木は明治43年を「時代閉塞の現状」ととらえた。明治国家体制がほぼ構築されたとき、12名が大逆をもって処刑された衝撃は大きかった。本書は、乃木希典とその殉死を軸に出来事の関連と群像を重ねて、「明治の深層」を描いた労作。
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-本紀12、年表10、書8、世家30、列伝70巻からなる中国最初の通史。黄帝より古代王朝を経て、前漢の武帝に至る壮大な史書。巻頭に司馬遷自身の「太史公自序」を配し、本紀・世家・列伝より15篇を一般向けに訳出。
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-「水滸伝」を直訳すれば「水辺物語」。梁山泊という湖水を背景にくりひろげられた数々の事件を描いたことから名付けられたが、宋江ほか36人が次から次に同じ志で集まっていく過程が時代を超えて人々を惹きつける。
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-なじみ深いわりにあまり知られることのなかったモンゴルの民族性を理解するために著されたが、その神話・伝説・民話に章が大きく割かれている貴重な文献。国造り神話の他、蒙古相撲と怪力ゴッホ・トブーの話など興味深い民話を収録。
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4.0この思想家が特記されるのは「私は何を知っているか」という命題から出発し、予断、断定、差別、高慢を排し、そのため『随想録』は事柄を並置、対比することに徹し、エッセーという新しい叙述方法が生み出された。
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-「世界中のフェアリーの特徴を調べたい人は、トマス・カイトリーが書いたこの本を読むことからはじめるのがいちばん」と評される名著。フェアリーという概念の起源、説話の発生地、伝播の道筋など、ファンタジックな世界の入門書。
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-ひとりの女性の半生を通して語られる吉原の移り変わりの詳細な記録。徳川時代、官許の場として集められた女たちは、時代を経て戦中には軍の徴発を、戦後は占領軍対策にあてられた。長じて松葉屋の女将となる少女が見た廓と女たち。
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-「辛口とか激辛とか評される私の社畜批判の原思想は、ドレイ的精神を排する魯迅にあるのであり、思い屈した時、私はしばしば、思想的故郷としての魯迅に還ります」。佐高信の、さらに魯迅の哲学と思想を読むための格好の書。