ダンテの一覧
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ユーザーレビュー
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イタリア古典文学の最高峰
作者ダンテが自分を主人公に描いた夢物語小説
1265年フレンツェに生まれたダンテは9歳の時にであったベアトリーチェに恋し、その愛が彼の創作活動の源となった。
彼はわざわざ市民たちが読みやすい口語体のイタリア語で『神曲』を13年かけて書き上げた。完成直後に亡命先のラヴェ
...続きを読むンナに没す。他にもベアトリーチェを称えた最初の作品を残している。
ーーーー地獄篇あらすじーーーーー
地獄はイタリア語で”inferno”(インフェルノ)といい、一応死んではいない若いダンテ視点なので、時々この恐ろしい世界にビビりながらすすんでいく。地獄の全体像としては漏斗のように、上が広く下に行くほど狭い階段上状に9つの谷が形成されている。1番下には最も罪の重い「裏切り行為」を働いた者たちがおり、その中心にいたのがルシフェル。ルシフェルが地上に落とされた衝撃で開いた大穴が「地獄」の世界で、その衝撃で反対側に持ち上がってできたのが「煉獄」という感じ。
自分が目指す道が分からず将来に不安を抱きながら悶々と暮らしている平凡な青年ダンテ。ある日突然「地獄」に飛ばされてしまい、目の前に現れたのは憧れの大作家ウェルギリウス。彼がダンテを案内して罪を償う者、世を偲んで悲しむ者、己の思考に磨きをかける者、死者の世界を巡り世界の深淵を目にする。
地獄篇はウェルギリウスと煉獄までいくまでを描いている。案内してもらう道中に世界に名を残した偉人たちに出会っていく
ex)アレキサンダー大王、カエサル
ーーーー煉獄篇のあらすじーーーーーー
地獄→生前の罪を、罪の重さに応じた刑罰で永遠に罰せられる所
煉獄→生前の罰を、罪の重さに応じた刑罰で償えば天国へ登れる所(キリスト教の中でもカトリック独特のもの)
実は「煉獄」は旧約聖書には載っていないもので、あくまでカトリックの”聖伝“として受け継がれている概念
プロテスタントはこれに対して聖書に忠実なので煉獄の存在を基本的には否定する。
生前にカトリック教会の言うことを聞けば天国とまではいけないまでも煉獄にはいけるよ、という感じで都合の良い概念だったそう。
イタリアでは中学で『神曲』を3年くらいかけて読むくらい難解だとか。
ダンテ本人はこの書を”Commedia”(喜劇)と単に名付けたが、ボッカチオが”Divina Commedia”(神聖な喜劇)と付け足し、『神曲』と訳したのは森鴎外が最初と言われる煉獄はイタリア語で”purgatorio”(プルガトリオ)
煉獄では地獄とは逆に「下から上に山に登っていく描写」がされる
煉獄で自分の罪の償いをしながら山に登るのだが、その際に彼らの家族や知人が現世でその魂のために祈りを捧げてくるとそのぶん早く頂上に辿り着けると言うシステムにもなっている
煉獄で会う人たちにはダンテが目を覚まし、現世に戻ったら彼らの家族に「もっと彼らのために祈ってあげて」と伝えてくれと言う約束を交わしながら上に登っていく
途中天使が現れてダンテの額に7つの「P(peccato/罪」を刻みます。この7つのPとは、高慢、嫉妬、怒り、怠惰、貪欲、大食、色欲を表しており、煉獄にいる魂は山を登りながらそれらの罪を順に清めていく。ダンテの額のpも次第に消されていき、体が軽くなっていく
ーーーーー天国篇のあらすじーーーーーー
煉獄の頂上でベアトリーチェと出会い、案内役はウェルギリウスからベアトリーチェに移る。
天国は”paradiso”
天国篇はダンテ自身も言っていることらしいが、解読が本当に難しい。かなり神学的なことで、それに加え、天文学、物理学等の内容に精通していないとなかなか理解が追いつかない
天国篇ではベアトリーチェがダンテの疑問についてひたすら説明・講義を行うと言う形で進められるので時間がとてもかかると言うのも特徴的
天国は月光天、水星天、金星天、太陽天、火星天、木星天、土星天、恒星天、原動天、至高天の10の天界からなっている。ダンテは数々の疑問をベアトリーチェの説明を聞きながら紐解いていき、至高天で天使の群れのいるところに到達する。ベアトリーチェも元々はそこにいた人で、ダンテの案内が終わるとそこに戻っていく。
そこから先は聖ベルナールが案内役に代わり、ついにダンテは神の姿を一瞬垣間見ます。その姿は「言葉にすることができず、また記憶にとどめることもできない」姿。強い感動だけは残っているが、夢から覚めてもその具体的な内容が思い出せない。
ーーーー最後にーーーーー
ちなみに天国篇を案内するベアトリーチェという淑女は実在の人物で、ダンテが昔恋心を抱いていた女性の名前である。ベアトリーチェには許嫁がいたのでダンテとベアトリーチェはそれぞれ別の人と結婚するのだが、ダンテがベアトリーチェに特別な感情を抱いていたのは間違いない。
Posted by ブクログ
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真実
この作品を漫画にしてくれてありがとうございました。感謝します。
端的に原作のポイントが描かれていることと思います。読んでよかった…
yoshi
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イタリア古典文学の最高峰
作者ダンテが自分を主人公に描いた夢物語小説
1265年フレンツェに生まれたダンテは9歳の時にであったベアトリーチェに恋し、その愛が彼の創作活動の源となった。
彼はわざわざ市民たちが読みやすい口語体のイタリア語で『神曲』を13年かけて書き上げた。完成直後に亡命先のラヴェ
...続きを読むンナに没す。他にもベアトリーチェを称えた最初の作品を残している。
ーーーー煉獄篇のあらすじーーーーーー
地獄→生前の罪を、罪の重さに応じた刑罰で永遠に罰せられる所
煉獄→生前の罰を、罪の重さに応じた刑罰で償えば天国へ登れる所(キリスト教の中でもカトリック独特のもの)
実は「煉獄」は旧約聖書には載っていないもので、あくまでカトリックの”聖伝“として受け継がれている概念
プロテスタントはこれに対して聖書に忠実なので煉獄の存在を基本的には否定する。
生前にカトリック教会の言うことを聞けば天国とまではいけないまでも煉獄にはいけるよ、という感じで都合の良い概念だったそう。
イタリアでは中学で『神曲』を3年くらいかけて読むくらい難解だとか。
ダンテ本人はこの書を”Commedia”(喜劇)と単に名付けたが、ボッカチオが”Divina Commedia”(神聖な喜劇)と付け足し、『神曲』と訳したのは森鴎外が最初と言われる煉獄はイタリア語で”purgatorio”(プルガトリオ)
煉獄では地獄とは逆に「下から上に山に登っていく描写」がされる
煉獄で自分の罪の償いをしながら山に登るのだが、その際に彼らの家族や知人が現世でその魂のために祈りを捧げてくるとそのぶん早く頂上に辿り着けると言うシステムにもなっている
煉獄で会う人たちにはダンテが目を覚まし、現世に戻ったら彼らの家族に「もっと彼らのために祈ってあげて」と伝えてくれと言う約束を交わしながら上に登っていく
途中天使が現れてダンテの額に7つの「P(peccato/罪」を刻みます。この7つのPとは、高慢、嫉妬、怒り、怠惰、貪欲、大食、色欲を表しており、煉獄にいる魂は山を登りながらそれらの罪を順に清めていく。ダンテの額のpも次第に消されていき、体が軽くなっていく。
解説では、もともと煉獄Purgaatorioは「浄罪」と言う意味だから、煉獄=浄罪界と言っても良いかもしれないと説明されている。
Posted by ブクログ
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イタリア古典文学の最高峰
作者ダンテが自分を主人公に描いた夢物語小説
1265年フレンツェに生まれたダンテは9歳の時にであったベアトリーチェに恋し、その愛が彼の創作活動の源となった。
彼はわざわざ市民たちが読みやすい口語体のイタリア語で『神曲』を13年かけて書き上げた。完成直後に亡命先のラヴェ
...続きを読むンナに没す。他にもベアトリーチェを称えた最初の作品を残している。
ーーーーー天国篇のあらすじーーーーーー
煉獄の頂上でベアトリーチェと出会い、案内役はウェルギリウスからベアトリーチェに移る。
天国は”paradiso”
天国篇はダンテ自身も言っていることらしいが、解読が本当に難しい。かなり神学的なことで、それに加え、天文学、物理学等の内容に精通していないとなかなか理解が追いつかない
天国篇ではベアトリーチェがダンテの疑問についてひたすら説明・講義を行うと言う形で進められるので時間がとてもかかると言うのも特徴的
天国は月光天、水星天、金星天、太陽天、火星天、木星天、土星天、恒星天、原動天、至高天の10の天界からなっている。ダンテは数々の疑問をベアトリーチェの説明を聞きながら紐解いていき、至高天で天使の群れのいるところに到達する。ベアトリーチェも元々はそこにいた人で、ダンテの案内が終わるとそこに戻っていく。
そこから先は聖ベルナールが案内役に代わり、ついにダンテは神の姿を一瞬垣間見ます。その姿は「言葉にすることができず、また記憶にとどめることもできない」姿。強い感動だけは残っているが、夢から覚めてもその具体的な内容が思い出せない。
ーーーー最後にーーーーー
ちなみに天国篇を案内するベアトリーチェという淑女は実在の人物で、ダンテが昔恋心を抱いていた女性の名前である。ベアトリーチェには許嫁がいたのでダンテとベアトリーチェはそれぞれ別の人と結婚するのだが、ダンテがベアトリーチェに特別な感情を抱いていたのは間違いない。
Posted by ブクログ
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ああ この喜悦(よろこび)!いうすべのないこの愉しさ!
ああ 愛と平安に満ちたこのいのち!
ああ 望むものとてないこの富(たから)よ!
前作の煉獄篇での地上の楽園から、いよいよダンテは天国の世界に足を踏み入れます。
といってもこの天国篇、なかなか難解です。
前作の地獄篇や煉獄篇よりも難解に感じる
...続きを読むかもしれません。
というのも、あとがきにも言及されていますが、天国篇には「物語性」がほとんどありません。最初から天国の仕組みやキリスト教神観の解説や論争ポイントの議論に話が費やされます。
「キリストのペルソナ問題」や「神の本質と存在」、「信仰と懐疑の問題」、「神の正義と人間の正義の矛盾問題」が議論さるシーンを延々と見せられ、キリスト教徒でもない日本人で事の深刻さを実感できる人間がどれだけいるでしょうか。
その意味で私は、この天国篇が「神曲」の3部作の中で、最も難解に感じました。
しかしダンテの描く天国を感覚的に読み進めるとなかなか面白いものがあります。
この作品の中で天国は天体の構成で表現されています。
最初の月天から最も高みにある至高天の間には水星天、金星天、太陽天、火星天・・・と続くのですが、これらは天動説の観点から描かれているので、現代の天文学の観点から見るとその並びが微妙に食い違っています。時代を感じますね。
そして天国はいくつかの階層に分かれており、「下の天」には貞純な魂、行動的な魂、愛善の魂が住まい、「中の天」には知力の魂、戦闘的な魂、正義を愛する魂が住まい、「上の天」には高位の聖職者の魂が座しています。
この天国の様を見て、私はレアンドロ・バッサーノの絵画『最後の審判』をイメージしました(バッサーノの絵画には天国だけでなく地獄も表現されているのですが、天国の姿や各階層のキャストの配置がダンテの描くそれとよくダブっていると思います)。
そういった中世絵画とだぶらせて天国篇を読むのも面白いのではないでしょうか。
(ちなみに『最後の審判』は東京国立西洋美術館にも収蔵・展示されていますね。)
Posted by ブクログ
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