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死んでから作家となった書き手がつづる、とんでもなくもおかしい、かなしくも心いやされる物語。カバにさらわれ、始原の世紀へとさかのぼった書き手がそこで見たものは……。ありふれた「不倫話」のなかに、読者をたぶらかすさまざまな仕掛けが施される。斬新で型破り、スーザン・ソンタグやハロルド・ブルームなどの高名な批評家も高く評価する、ブラジル文学の頂点に座す作家の最高傑作。
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Posted by ブクログ
死んだ主人公が自分の一生を回顧するという構造の小説。短い断章の中に描かれる人生は裕福であり人妻を恋をして一生独り身で過ごした、ある意味平凡な一生である。ドラマは何も起きない。だけど端々に現代人も共感出来る人生の悲哀が詰め込まれていて、なんかじんわりと染みる。
こんな風に身にかかる災難を切れ味良く批評して、知的な遊び心満載に愚痴を吐いて悩めたらなあって、読みながら何度も思った。 そしたら悩み多くても人生はもうちょい楽しくなるのかなと。 いや、書き手はもう死んでるか…。
擬人化した文章が面白い。 例えば、 理性は狂気に、自分の家から出て行くように言ったが、狂気は他人の家に愛着を持つのが昔からの悪い癖で〜
初めてのブラジル文学。 巻末の解説が 42 ページもある。 本編を読む前にその解説を読むか読まないかで、 理解度がかなり違うような気がする。 解説後回しでも、結構楽しかったのだが。
不思議な物語だった。生前作家ではなかった男が死後、作家となって自分の人生を回顧して綴っていく物語。各チャプターが短いのでどんどん読めるのだけどあんまり頭に入ってこない。最初にあとがき、解説を読んでなかったらもっとちんぷんかんぷんだったかも。2012/584
いわば平凡で誰にでも起こりうる不倫話。 を、超自然的な体験(諸世紀の源流)を経て死後作者となった死者(ブラス)が、 新たな視点から語りなおす。中盤からウマニチズモという思想も加えられ。 常識は疑われ悪しきは良しとされ制度への懐疑が呈される。 それは当時の作者(マシャード)が置かれていた欧米化社会への...続きを読むアンチでもある。 読んでいる最中よりも思いだしているときのほうが深く感じられる不思議な読後感。 マジックリアリズムとは異なる系譜で、南米にはまだ宝がある。
ラテン・アメリカといったら「野生の探偵たち」もおもしろかったけど、古典のこっちもおもしろかった。アンチ・クライマックスの徹底ぶりは、むしろ古典のこっちのほうが上手かもw まるで実験小説っぽくない実験小説みたいな味も心地よい。★がひとつ足りないのは、みずからの勉強不足を恥じての由。
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