作品一覧

  • ドン・カズムーロ
    -
    1巻220円 (税込)
    ドン・カズムーロ(陰気な旦那)という有り難くないあだ名をもつ私(ベンチーニョ)が晩年に試みたのは、生まれ育った我が家をそっくりそのまま復元し、かつての陽気だった自分自身を、そして人生そのものを取り戻すことだった……。  私の心を蝕み、完璧だったはずの人生を狂わせ、暗転させたのは何者だったのか?  読者の視点によって、様相ががらりと違って見える「だまし絵」のような物語。貴方はどう読むか?
  • ブラス・クーバスの死後の回想
    -
    1巻220円 (税込)
    富豪の家に生まれ、容姿端麗、頭脳明晰で怖いものなしの幼少時代から青年時代、禁じられた恋に身を焦がす日々―親友キンカス・ボルバの究極の哲学、人間性本質論(ウマニティズモ)に感銘を受け、闘いの日々を送った晩年。死ぬ時には300コントという莫大な財産を残した、何不自由のなかったはずの人生。  あと必要なのは魂を救済する軟膏-ブラス・クーバス軟膏だけだ!  墓の中で、すべてから解放された死者、ブラス・クーバスによる回想録。
  • ドン・カズムッホ
    4.3
    1巻1,540円 (税込)
    「いつもいっしょ……」「こっそりと……」「もし二人が恋仲にでもなったら……」。彼女は視線をゆっくり上げ、私たちは互いにみつめあった……。みずみずしい描写で語られる愛と友情。美少女と美少年の美しくせつない「恋」と「疑惑」の物語。小説史上まれにみる魅力的なヒロインが、こんなところに隠れていた。一見「普通の」温かな回想記のような印象を与えるが、画期的な文学技法上で書かれたブラジル文学の傑作。
  • ブラス・クーバスの死後の回想
    4.0
    1巻1,496円 (税込)
    死んでから作家となった書き手がつづる、とんでもなくもおかしい、かなしくも心いやされる物語。カバにさらわれ、始原の世紀へとさかのぼった書き手がそこで見たものは……。ありふれた「不倫話」のなかに、読者をたぶらかすさまざまな仕掛けが施される。斬新で型破り、スーザン・ソンタグやハロルド・ブルームなどの高名な批評家も高く評価する、ブラジル文学の頂点に座す作家の最高傑作。

ユーザーレビュー

  • ドン・カズムッホ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2023/6/28〜7/5
    計:6日間


    6/28水 p.73(17章)まで
    やっぱアシスの文章くそ好きだわ〜〜
    一人称でガッツリ読者に語り掛けてくる姿勢はリスペクトル『星の時』なんかにも受け継がれているのかな。
    細かい言い回しがほんと良い。

    7章「ドナ・グロリア」 お母さんについて
    >まだ子どもだったし、わたしは生まれないまま人生を始めてしまったのだ。 p.34

    9章「オペラ」やばすぎ。最高
    人生を、地球を、人類をオペラとして喩えるどころか神話的に説明するイタリア人元オペラ歌手のおっさんの挿話。こういう、一気にスケールがデカくなるプチ挿話は『ブラス・クーバスの死後の回想』にもあっ

    0
    2023年07月06日
  • ブラス・クーバスの死後の回想

    Posted by ブクログ

    死んだ主人公が自分の一生を回顧するという構造の小説。短い断章の中に描かれる人生は裕福であり人妻を恋をして一生独り身で過ごした、ある意味平凡な一生である。ドラマは何も起きない。だけど端々に現代人も共感出来る人生の悲哀が詰め込まれていて、なんかじんわりと染みる。

    0
    2013年12月31日
  • ブラス・クーバスの死後の回想

    Posted by ブクログ

    こんな風に身にかかる災難を切れ味良く批評して、知的な遊び心満載に愚痴を吐いて悩めたらなあって、読みながら何度も思った。
    そしたら悩み多くても人生はもうちょい楽しくなるのかなと。
    いや、書き手はもう死んでるか…。

    0
    2025年11月05日
  • ブラス・クーバスの死後の回想

    Posted by ブクログ

    擬人化した文章が面白い。
    例えば、
    理性は狂気に、自分の家から出て行くように言ったが、狂気は他人の家に愛着を持つのが昔からの悪い癖で〜

    0
    2021年12月12日
  • ブラス・クーバスの死後の回想

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    いわば平凡で誰にでも起こりうる不倫話。
    を、超自然的な体験(諸世紀の源流)を経て死後作者となった死者(ブラス)が、
    新たな視点から語りなおす。中盤からウマニチズモという思想も加えられ。
    常識は疑われ悪しきは良しとされ制度への懐疑が呈される。
    それは当時の作者(マシャード)が置かれていた欧米化社会へのアンチでもある。
    読んでいる最中よりも思いだしているときのほうが深く感じられる不思議な読後感。
    マジックリアリズムとは異なる系譜で、南米にはまだ宝がある。

    0
    2015年10月25日

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