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「孤独がぼくを押し潰す。ともだちが欲しい。本当のともだちが!」
パリ郊外モンルージュ。主人公のヴィクトールは、まるで冴えない孤独で惨めな貧乏青年。誰もが勤めに出ているはずの時間、彼だけはまだアパートの部屋に居残っている。朝寝坊をして、なにもない貧相な部屋でゆっくりと身繕いをし、陽が高くなってから用もないのに街へと出て行く。誰かともだちになれる人を探し求めて……。
職ナシ、家族ナシ、恋人ナシ。「狂騒の時代」とも呼ばれた1920年代のにぎやかなパリの真ん中で、まったく孤立し無為に過ごす青年のとびきり切なくとびきり笑える〈ともだち探し〉は、90年もの時を経て現代日本の読者に驚くほどストレートに響く。かのベケットが「心に沁み入る細部」と讃えたボーヴの筆による、ダメ男小説の金字塔。 [解説]豊崎由美
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Posted by ブクログ
ぼくのともだち・・・・を探し求める孤独なニートの話。
主人公のバトンは、第一次大戦で負傷し、傷痍軍人年金を貰いながら、日々働きもせず暮らす。
パリの町はずれの7階建てアパートの屋根裏に住み、毎日同じルーティンを繰り返しながら、願いはたった一つ。
友達が欲しい。
今日も、友達を探し求めてふらふらとパリの街を徘徊する。
しかしまあ、この男、なかなか絶妙にダメなやつで、根っこは良い人そうなのだが、自意識が過剰で被害妄想がひどく、プライドも高いし、思い込みも激しい。挙動不審だし、心のなかは強気でも実際は他人に対して強く出ることもできない。関心を惹くための手段がなけなしの金を手渡すことしかなかったりとなかなか救いがない。
一応、何人かの人とお近づきになりそうにはなるのだが、結局自分からもうダメだと決めつけて撤退したり、自らの不品行が理由だったりで、のび太君ばりに話の最後には惨めな失敗に終わる。
でも、どうしても憎めない絶妙なキャラクター。
なんと言っても悪人ではないのだ。
それに本当にともだちを作るのに必死なのである。
一冊読み終えて、ぶっちゃけ何も起こらない話なのではあるけど、それでも脳裡に焼き付いて離れないキャラクターの一人であることは間違いない。。。
Posted by ブクログ
あらすじ:
戦争での負傷、戦後フランスで恩給を収入源に働かずに生きることを選んでいる主人公。
その生活は、贅沢をすることなく慎ましいもの。
そんな彼がただ一つ求めるものは「ともだち」。
それも唯一無二の親友と呼べるような人。
朝から日が沈むまで、思い耽りながら歩き、探し続ける「ともだち」を。
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一度目の読後は率直に、この人嫌い!
「『ドラえもん』の(アカン時の)のび太を見ているようで辛い」という感想でした。
二度目は読書会にて。
読書会のなかで皆さんから当時の世相や背景を教わったり読み深めるうちに距離感がうまくとれていく。
「なんだか面白いな」とユーモアにも気付くことができました。
だが、やはり好かない主人公。
そして現在。
職場の後輩ちゃんたちに本のエピソードを語っていくうちに、主人公への愛が芽生えていたことに気付く。
「ほんとうに困った子」という距離感で愛でてる!
読み深めて何かが芽生えたのか。
共感する部分はもちろんあります。
大きさは違えど自分も過去に通過したことのある感情だなと感じるから、主人公の心情や描写に対してわかる気持ちもある、けれど。
『わかる。わかるよ。わかるけど、それ、やったらあかんやん!』となり、主人公の珍妙な行動の末に己が身に降りかかる報いの痛々しさに読み疲れてしまう。
でも。
人に語るとき、この本の魅力を語らずには居られない。
そのユーモア、また主人公に対してもどこか憎めない愛らしさを含ませて話してしまってる。
やはり好きなのか?否…
☆第一印象がナシ!であっても、
そこで「NO!」を突き付けず読み返せば、不思議と愛らしい一冊になる、かも、しれません!
Posted by ブクログ
「ぼく」は戦争で傷を負い、職もなく、年金で暮らしている。家族も彼女も、友達も、いない。孤独が僕を押し潰すというぼくは、毎日本当の友達を探してアクティブに街を散歩する。
けれど、彼は何とも残念な人で、自意識過剰でプライドも高く、女好き…。すぐ通りがかりの女の人を好きになったり、逆にこの女の人はぼくのことを好きなんだ…なんて妄想し始める。
ストーカーまがいのことも軽くやってのける。
人の気を引くために、川沿いで今にも自殺しそうな演技までして、逆に他の人の自殺のお供をさせられそうになったり…
個人的にはかなり気持ち悪い人だと思った。だけど、多くの人の感想を読んでみると、彼のことを憎めない、とか、この本今までで一番好き、とか書いてある。うーん、私がシビア過ぎるんだろうか??
何だかやることなす事、直ぐ変な方に行ってしまう「ぼく」。面白い人だなぁって笑っていいのかな?これってちょっと病的なんじゃ?なんて複雑な気持ちになったりもしてきて…
ただ、こんな状態でも引きこもらず、失敗しても、あー僕は孤独だ、友達が欲しいと果敢に毎日外に出ていく主人公の逞しさは、かなりすごいと思う。
妙に気にかかる一冊でした。
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