マリオ・バルガス=リョサの作品一覧
「マリオ・バルガス=リョサ」の「ケルト人の夢」「フリアとシナリオライター」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
想像をはるかに絶する
衝撃的な残虐な行為が
静かな筆致で描かれていく
なんども 本を閉じて
ふうっ の ため息が出てしまう
「闇の奥」を書いたコンラッドは
この本の主人公ロジャー・ケイスメントを
「イギリスの(正しくはアイルランド)バルトロメ・デ・ラス・カサス」
と呼んでいたそうだが
ケイスメント本人ではなく、彼を主軸に置いて著者バルガス・リョサの筆致を通すゆえに、より鮮明に、より印象深く、「帝国主義」「被植民地」のおぞましい実態が浮かび上がってくる
むろん、これはイギリス国を始めとする当時の植民地政策をとっていた全ての国の犯罪行為の暴露でもあるが、戦争行為を歴史の汚点と
Posted by ブクログ
2010年のノーベル文学賞受賞作家の最新作。
とはいってもスペイン語版がでたのが2010年なので
もう11年も前です。
これまでのリョサの本とは異なり、いわゆる歴史小越です。
実在の人物アイルランド人のケイスメントの人生を振り返る話。ケイスメンとはコンゴでそしてペルーで原住民の人権が蹂躙されているのを見聞きし、その問題の解決に取り組む。
その過程でアイルランドの問題も未開の部族の問題から敷衍すれば理解できることに想到する。コスモポリタンであるケイスメントがナショナリストになっていくという皮肉。
そしてケイスメントは同性愛者である。
理想と現実の間に挟まれながら、ケイスメントは突き進む。真剣
Posted by ブクログ
たぶん本書の「正しい邦題」は、「楽園への道なかば」、だと思う。
「ここは楽園ですか」と問うが、
「いいえ、楽園は次の角ですよ」と延々先送りされてしまう。
叛逆者ふたりは、ふたりとも、至れない。
楽園、なんてばかばかしいね、と生まれた瞬間から白けていた読者が、【1983年生まれが、2017年に読む】(何を見ても、はいはい「ここではないどこかへ症候群ね」)
楽園、という概念は発生当初から頓挫していたのだ、とわかっている現代の作者が書いた、【1936生まれが、2003年に書いた】
楽園、を求めて場所も身分も移動した画家の、身体的・精神的挫折や(とはいえ人食いへの無邪気な憧れは保たれていた)、【18