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Posted by ブクログ
想像をはるかに絶する
衝撃的な残虐な行為が
静かな筆致で描かれていく
なんども 本を閉じて
ふうっ の ため息が出てしまう
「闇の奥」を書いたコンラッドは
この本の主人公ロジャー・ケイスメントを
「イギリスの(正しくはアイルランド)バルトロメ・デ・ラス・カサス」
と呼んでいたそうだが
ケイスメント本人ではなく、彼を主軸に置いて著者バルガス・リョサの筆致を通すゆえに、より鮮明に、より印象深く、「帝国主義」「被植民地」のおぞましい実態が浮かび上がってくる
むろん、これはイギリス国を始めとする当時の植民地政策をとっていた全ての国の犯罪行為の暴露でもあるが、戦争行為を歴史の汚点として抱えた国全て、むろん、この日本の歴史的行為も含めて考えさせられる一冊である
優れたジャーナリストであり、英雄であり、同性愛者であり、国家によって抹殺された、一人の特筆すべき歴史的な意味を持つ、ロジャー・ケイスメントをここまで魅力のある人物として描き出したバルガス・リョサが凄い
また、日本語訳をしてくださった野谷文昭さんに感謝である。
とんでもないものを読んでしまった
と同時に
21世紀を生きる我々が
読んでおくべき一冊である と思う
Posted by ブクログ
2010年のノーベル文学賞受賞作家の最新作。
とはいってもスペイン語版がでたのが2010年なので
もう11年も前です。
これまでのリョサの本とは異なり、いわゆる歴史小越です。
実在の人物アイルランド人のケイスメントの人生を振り返る話。ケイスメンとはコンゴでそしてペルーで原住民の人権が蹂躙されているのを見聞きし、その問題の解決に取り組む。
その過程でアイルランドの問題も未開の部族の問題から敷衍すれば理解できることに想到する。コスモポリタンであるケイスメントがナショナリストになっていくという皮肉。
そしてケイスメントは同性愛者である。
理想と現実の間に挟まれながら、ケイスメントは突き進む。真剣なのに滑稽、絶望的なのに理想主義者であり続ける常に前のめりの姿勢を崩さぬまま、ついに足元を救われて、泥沼に頭から突っ込んでいくようなケイスメントこのような人物こそ顕彰に足る人物だとリョサはいいたかったのではないだろうか?
多くの人に読んでもらいたい本。
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