海外小説 - 早川書房作品一覧

  • 白い悪魔
    3.0
    私は二度結婚した。そして、夫は二人とも死んでしまった──。故郷アメリカを離れ、ローマで暮らす若手女優とその兄。彼らは名門出身の政治家と有名女優の夫妻に惹かれて近づくが……。ルネサンス期の戯曲をもとに、エドガー賞受賞作家が描きだす傑作ノワール。解説/吉野仁(ミステリ評論家)
  • 新艦長、孤高の海路
    4.0
    〈海の覇者トマス・キッド・シリーズ〉第7巻。キッド、ついに艦長となる! 喜びと孤独を胸に、地中海へと乗り出すキッド。行く手には熾烈な戦闘と思わぬ運命が待ち受けていた! ついにキッドは海尉艦長に任命された。だが自らの指揮艦を持つ喜びも束の間、艦長の重責と孤独が彼にのしかかる。キッドは試行錯誤しながらも急送公文書の送達、索敵などの任務に全力を注ぎ、やがて待望の手柄を立てた。しかしその矢先、英仏両国の間でアミアンの和約が締結される。長期にわたる戦争の果てに訪れた平和が、キッドらにもたらすものは? 水兵から提督に昇りつめる男の物語はここに大きな転換点を迎える! /掲出の書影は底本のものです
  • 新任海尉、出港せよ
    4.0
    〈海の覇者トマス・キッド〉 赴く先は新天地北アメリカ。 最後任ながら戦列艦の海尉となったキッド。新たな環境にても、彼は次第に才覚を発揮していく……海軍士官キッド、新たな旅立ち。   昇進試験に受かって海尉となったキッドは、同じく海尉となった親友のレンジとともに戦列艦に乗り組み北アメリカへ赴いた。士官では艦内最後任のキッドだが、海軍士官としての自覚と臨機応変の才覚とを発揮しはじめ、フランス私掠船の拿捕に手柄をたてた。さらに草創期の合衆国海軍フリゲート艦に乗り組んでその実力を確認する任務を与えられるなど、次々と出現する試練を経て、キッドは一人前の海尉への道を歩み始める!
  • シンプルな情熱
    3.9
    年下男性との愛の体験を赤裸々に綴り衝撃を呼んだ、 ベストセラー小説 「昨年の九月以降わたしは、ある男性を待つこと──彼が電話をかけてくるのを、そして家へ訪ねてくるのを待つこと以外何ひとつしなくなった」離婚後独身でパリに暮らす女性教師が、妻子ある若い東欧の外交官と不倫の関係に。彼だけのことを思い、逢えばどこでも熱く抱擁する。その情熱はロマンチシズムからはほど遠い、激しく単純で肉体的なものだった。自分自身の体験を赤裸々に語り、大反響を呼んだ、衝撃の問題作。
  • ジェイルバード
    4.0
    ウォーターゲート事件の巻きぞえをくって囚人となったスターバックが回想する前世紀末の労働争議、サッコ=ヴァンゼッティ事件、世界大戦、赤狩り・・・・・・過去と現在が微妙に交錯しながら奏でられる八十年にわたる物語──現代アメリカ文学の巨匠が、人々への愛と怒りをこめて綴る〈新〉アメリカン・グラフィティ。
  • 事件の核心
    4.5
    アフリカの西海岸にあるイギリス植民地――妻の不在中に、年若い未亡人を抱いたのは、結婚と同様、“憐れみ”の気持からか? 警察副署長をめぐる人間関係を通して、信仰とは何かを問う本格小説
  • ジャズ
    5.0
    1920年代の冬のある日、男が若い娘を撃ち殺した。娘は男の愛人だった。男の妻ヴァイオレットは娘を激しく憎み、柩のなかの死者の顔に切りかかった。しかし、ヴァイオレットは次第に死んだ愛人のことを知りたいと思いはじめる……。 都会に暮らす男女のなかに生き続ける、時をさかのぼる憧憬と呪縛。過去、現在、未来を自由自在に往来しながら、饒舌な謎の語り手によって、事件の背景が明らかにされていく。ノーベル賞作家が卓越した筆致で描き出す衝撃作。
  • 11日間
    4.3
    同時多発テロをきっかけに兵士になることを決めたサラの一人息子、ジェイソン。優秀な特殊部隊員となった彼は、最後と決めた任務のさなか、行方不明になってしまう。 息子の安否の情報をひたすら待つ母のサラ。彼女が年の離れた謎めいた男デイビッドと恋におち、若くして生んだのがジェイソンだった。物静かで強い青年に育った彼はいま、どこにいるのだろうか。アメリカが生み出した戦争文学の新しい傑作。
  • スタンブール特急
    4.0
    オステンドからイスタンブールまで――人生に悩み苦しむ多彩な人物たちを乗せてオリエント急行が走る! 映画的手法が駆使され、全篇スピーディな魅力あふれる著者初のエンタテインメント。
  • ステラ・マリス
    -
    1972年。二十歳の数学者アリシアは、自ら望んで精神科病棟へ入院した。医師に問われるままに彼女は語りはじめる――数学と死に魅せられた自身の人生、原爆の開発チームにいた父、早世した母、そして最愛の兄ボビー。静かな対話から、孤高の魂の痛みが浮かび上がる。『通り過ぎゆく者』の裏面を描く異色の対話篇
  • すべての美しい馬
    3.9
    1949年。祖父が死に、愛する牧場が人手に渡ることを知った16歳のジョン・グレイディは、自分の人生を選びとるために親友と愛馬と共にメキシコへ越境した。途中で年下の少年を一人、道連れに加え、三人は予想だにしない運命の渦中へと踏みこんでいく。至高の恋と苛烈な暴力を鮮烈に描く永遠のアメリカ青春小説。
  • すべての見えない光
    4.3
    目の見えない少女と、ナチスドイツの若い兵士。二人の運命がフランスの海辺の町で交差する。ピュリッツァー賞受賞の傑作を文庫化
  • スーラ
    4.2
    ボトム(どん底)と呼ばれる丘の上で育った黒人の少女、奔放なスーラと大人しいネル。正反対の性格を持つゆえに、少女たちは固い友情で結ばれた。二人で犯した許されざる罪でさえ、隠し続けられるほどの絆。だが時が経ち、ネルの結婚式の日を迎えると、なぜかスーラは町を去ってしまう。十年後に二人は再会を果たすものの、その友情は……。黒人社会の光と影を、女性たちの成長とともに描く、ノーベル賞作家初期の傑作。
  • 誓願
    4.0
    専制国家ギレアデの中枢に近づく女、司令官の娘、隣国の少女の3人が闘いを選んだとき、強大な国家をも揺るがす。ブッカー賞受賞
  • 静寂の荒野【ウィルダネス】
    3.5
    自然が失われた近未来。アグネスは5歳になる娘を都市の環境汚染から守るため、最後の原生地“ウィルダネス”で行われる実験に志願する。それは自然と人間の共存を図るための実験であったが、都市にはない新たな危険も孕んでいた──現代社会に警鐘を鳴らす環境小説
  • 生存者
    4.0
    20年前にある悲劇が起こった湖のコテージに三兄弟が戻ってきた。今、彼らは母親の遺灰を湖に撒き、目を背けてきたあの夏の真実と対峙する。光り輝いていた少年時代を変えた日のことを──スウェーデンを代表する作家が過去と現在を巧みに交差させ描く家族の物語
  • 生物学探偵セオ・クレイ 街の狩人
    4.8
    九年前に失踪した少年の行方を捜すことになったセオ・クレイ。独自の調査に乗り出した彼は、街に子供ばかりを狙う連続殺人鬼〝トイ・マン〟が潜んでいることを察知する。警察に先駆けて恐るべき真実を次々と暴いていくセオであったが、そこに思わぬ妨害が……生物学探偵の活躍を見よ! 大好評のシリーズ第二作
  • 世界収集家
    3.3
    やがて入り江が見えた。両手が水をすくうように、膨らんだ帆が空気をすくった。すでに鼻がかいでいたものが、目に見えてきた。最初はチョウジ油をすりこんだ望遠鏡を通して――大英帝国の軍人、リチャード・フランシス・バートン。 インドでは様々な言語と文化に浸り、アラビアではメッカ巡礼をなしとげ、アフリカではナイルの源泉を追い求める。『千夜一夜物語』の翻訳者としても知られる桁外れの人物の生涯を、世界的に評価されるブルガリア系ドイツ人作家が、事実と虚構を織り交ぜて詩情ゆたかに描き上げた傑作長篇小説。
  • セヘルが見なかった夜明け
    3.8
    工場の同僚に恋をし、デートに出かけた女性と、その家族の悲劇「セヘル」。刑務所の屋根に巣をかけた雀の妻の勇ましさと夫の情けなさをコミカルに描いた「我々の内なる男」。スポーツカーが大好きな掃除婦が通勤中にデモに出くわす「掃除婦ナっち」。1冊の傑作小説を通して、都会で暮らす娘が疎遠になっていた父の秘密に触れる「歴史のごとく孤独」。中東の伝統的価値観や情勢に翻弄されながらも日々の生活を営み、夢や思い出を抱きつづける人びとの美しさを、 政治犯として勾留中の著者が紡ぎだす短篇集
  • 千の輝く太陽
    4.9
    望まれぬ子として生まれたマリアムは、粗末な小屋で母と暮らしている。父は土産を持って毎週娘を訪れるが、兄弟達に逢わせることも、経営する映画館に連れて行くこともしない。ある日、マリアムは父の屋敷を突然訪れ、その扉を叩いた。それが、悲劇の始まりになるとも知らず…。そして彼女の人生は闇に包まれる。二十年後、聡明な少女ライラとの間に、美しい心の絆が生まれるまで。アフガニスタンの激動の歴史に翻弄されながらも力強く生き抜く女達の姿を感動的に描く傑作長篇。
  • ソクチョの冬
    3.7
    冬になると旅行客がほとんどやって来ない避暑地、ソクチョの小さな旅館でわたしは働いている。ある日、フランス人のバンドデシネ作家が旅館にやって来る。彼の中に、わたしは未だ見ぬフランス人の父と父の国への憧憬を重ねるが――。男女の一期一会を描く長篇
  • 素数たちの孤独
    3.7
    スキー中の事故で脚に癒せない傷を負ったアリーチェ。けた外れの数学の才能を持ちながら、孤独の殻に閉じこもるマッティア。この少女と少年の出会いは必然だった。ふたりは理由も分からず惹かれあい、喧嘩をしながら、互いに寄り添いながら大人になった。だが、ささいな誤解がかけがえのない恋を引き裂く――イタリアで二百万部の記録的ベストセラー! 同国最高峰の文学賞ストレーガ賞に輝いた、痛切に心に響く恋愛小説。
  • その丘が黄金ならば
    4.3
    1巻2,970円 (税込)
    父が亡くなり、孤児になったサムとルーシー。二人は亡骸を埋葬する場所を探すため、広大な土地を彷徨う。それは、中国系移民の過去をめぐる壮大な旅の始まりだった──。ゴールドラッシュ以後の西部を舞台にしたブッカー賞候補作。オバマ元大統領が薦める一冊
  • その輝きを僕は知らない
    4.5
    名門大学で生物化学の博士課程を目指す院生のウォレスは、南部出身の黒人でゲイ。ある夏、表向きはストレートの白人の同級生との出会いが、彼の中に眠っていた感情、痛み、渇きを呼び起こす。米国のミレニアル世代のリアルな葛藤を描く、ブッカー賞最終候補作
  • ソロモンの歌
    3.9
    赤ん坊でなくなっても母の乳を飲んでいた黒人の少年は、ミルクマンとあだなされた。鳥のように空を飛ぶことは叶わぬと知っては絶望し、家族とさえ馴染めない内気な少年だった。しかし、親友ギターの導きで、叔母で密造酒の売人パイロットの家を訪れたとき、彼は自らの家族をめぐる奇怪な物語を知り、そのルーツに興味を持つようになる。オバマ大統領が人生最高の書に挙げる、ノーベル賞作家の出世作。全米批評家協会賞受賞。
  • 存在感のある人 アーサー・ミラー短篇小説集
    3.0
    『セールスマンの死』『るつぼ』などで知られるピュリッツァー賞作家が刊行した、晩年に発表した短篇小説6篇を収録した作品集。性の不思議な力を感じさせる表題作をはじめ、著者の自伝的要素が色濃く反映された作品群は、巨匠の全体を知るうえで避けて通れない。
  • 太陽と痛み
    3.5
    渇いた大地。いつ、どこなのかはわからない。長いあいだ雨は降らず、降り注ぐ強い日光が人々の肌を焼く。ある理由から村を脱走した少年は、逃亡の途上で無愛想なヤギ飼いの老人に出会う。過酷な旅路をともにするうちに、次第に心通わせていく二人。だが、村から彼らに追っ手が迫り……この道の先に救いはあるのか。世界に衝撃と深い感動を与えたスペイン発のベストセラー小説。
  • タスマニア
    3.0
    地球の環境問題が深刻なのに、僕は不妊治療なんかに悩んでいる。逃げるよう参加した気候変動会議で会った物理学者とは、世界の終末に逃げるならタスマニアだと話した。そして僕は、何かに駆られて広島と長崎ヘ被爆者の取材に来た。伊人気作家による傑作私小説
  • タール・ベイビー
    4.5
    白人の庇護のもと育った娘と、黒人に囲まれて育った青年。カリブ海の島で出会った黒人男女の激しい恋のゆくえ──。名作を文庫化
  • 第三の嘘
    4.0
    ベルリンの壁の崩壊後、双子の一人が何十年ぶりかに、子どもの頃の思い出の小さな町に戻ってきた。彼は少年時代を思い返しながら、町をさまよい、ずっと以前に別れたままの兄弟をさがし求める。双子の兄弟がついに再会を果たしたとき、明かされる真実と嘘とは? 『悪童日記』にはじまる奇跡の三部作の完結篇。
  • ダッハウの仕立て師
    3.7
    1939年、ロンドン。婦人服の仕立て師(ドレスメーカー)として頭角を現しつつある18歳のエイダは、上流階級の紳士と知り合う。しかし戦争の暗雲が近づく中、その出会いは思いもよらぬ残酷な運命に彼女を導くのだった……第二次世界大戦を舞台とした歴史小説!
  • 小さきものたちのオーケストラ
    3.8
    ナイジェリアの貧しい養鶏家の青年チノンソは、富裕層の女性と恋に落ちた。彼女と結婚するため全財産をなげうってキプロスに向かうが、そこで待ちうけていた運命とは――。「新しいアフリカの才能」と称される著者による、ナイジェリア神話を取り入れた大長篇
  • ちいさな国で
    3.8
    アフリカにあるちいさな国、ブルンジ。仲間たちとマンゴーをくすねたり、家族でドライブしたり、少年ギャビーは幸せな日々を送っていた。 しかし、初の大統領選挙をきっかけに民族対立が激化し、内戦が勃発する。親戚や知り合いが次々と消息を絶ち、平穏な生活は音を立てて崩れていく……。 フランスで活躍するアフリカ生まれのラッパーが、自らの生い立ちをもとにつづった感動作! 高校生が選ぶゴンクール賞、Fnac小説賞、第24回日仏翻訳文学受賞作。解説/くぼたのぞみ
  • 地下鉄道
    4.0
    過酷な境遇を逃れ、自由が待つ北部をめざす奴隷少女コーラ。しかしそのあとを悪名高い奴隷狩り人が追っていた。傑作ついに文庫化 解説/円城塔
  • 恥辱
    4.0
    〔ブッカー賞受賞〕52歳の大学教授は二度の離婚を経験後、娼婦や手近な女性で自分の欲望をうまく処理してきた。だが、軽い気持ちから関係を持った女生徒に告発され辞任に追い込まれる。彼は娘の住む片田舎の農園へと転がりこむが、そこにさえ厳しい審判が待ち受けていた。ノーベル賞作家の代表作。解説/野崎歓
  • チャンピオンたちの朝食
    3.7
    不遇の生活を送るSF作家キルゴア・トラウトのもとに、ある日アート・フェスティバルの招待状が届いた。開催地はミッドランド・シティ。その地でトラウトは人生の一大転機をむかえることに……著者自筆の自由奔放なイラストがちりばめられ、絵と文章が一体となって不思議な魅力をもたらす、涙と笑いの傑作長篇
  • 翼っていうのは嘘だけど
    -
    フランス南東部に住む15歳のガランスは学校の人気者。町のモデルコンテストでも順調に予選を通過していたのに、ある日突然失踪した。警察が捜査に乗り出したところ、ガランスは動画流出が原因でネットリンチに遭い、全てのSNSアカウントを閉鎖していた――。
  • 妻22と研究者101の関係
    4.0
    夫と会話をしなくなったせいか、母が亡くなった年齢に近づいているせいか、子どもたちが大きくなってきたせいか―。どことなく張り合いのない日々を送るアリスは、“妻22”として結婚生活についてのメール調査に参加することになる。しかし、匿名で率直な回答をつづるうちに、アリスはアンケートの送り主である“研究者101”に惹かれはじめて…。人生の真ん中で途方に暮れる大人たちを温かく描いた、笑いあり涙ありの長篇小説。
  • 天国への電話
    3.0
    イタリア人作家が、東日本大震災の喪失の傷から立ち直る人々を描く感動作! もうこの世にいない大切な人と心が通じ合えるという「風の電話」。東日本大震災で母と娘を失ったゆいは、最愛の人に話しかけるため電話ボックスを訪れるが言葉が見つからない。そこで、妻を亡くした男性と出会い、親交を深めていくが――。希望と奇跡の感動作
  • 天に焦がれて
    -
    毎年夏休みを過ごす祖母の家で、14歳のテレーザは共同生活を営む少年3人と出会い、その中の一人と恋に落ちた。4人の友情は永遠と思えた。だが数年後、その少年が他の少女を妊娠させたと知り――。『コロナの時代の僕ら』の著者が描く、男女4人の愛憎の物語
  • ディープゾーン
    3.5
    アフガニスタンに駐留するアメリカ軍に、新たな細菌による致死率の極めて高い感染症が広がった。その細菌は感染力が強く、あらゆる薬剤に耐性を持つ。すでに患者がアメリカ本土の病院に移送されており、感染爆発(パンデミツク)は目前だった。女性微生物学者のハリーは4人の精鋭とともに、特効薬の生成に必要な微生物を採取すべく、メキシコ南部の危険な巨大洞窟に入っていく。だが、次々と不測の事態が! 迫力の洞窟探検を描く冒険小説。
  • 透明性
    3.6
    2060年代後期。個人情報を企業に提供することにより収入を得られる世界で人々が「個」を失いかけていたさなか、データを管理するトランスパランス(透明性)社の元社長が、殺人の罪に問われる。 温暖化で存亡の危機が迫る人類に、彼女が用意した壮大な計画とは
  • 通り過ぎゆく者
    3.0
    1980年、ミシシッピ州。サルベージダイバーのボビーは深海に沈んだ飛行機に潜るが、それ以降、周囲に不穏な影が見え隠れしはじめる。亡き妹への思いを心の奥底に抱えたまま、彼は広大で無情な世界をさまようが……。アメリカ文学の巨匠が描く喪失と受容の物語。『ザ・ロード』の巨匠コーマック・マッカーシー最後の二部作登場
  • となりのブラックガール
    4.2
    若手編集アシスタントのネラはNYの老舗出版社で唯一の黒人女性。人種問題に無理解な職場に疲れていたある日、同世代の黒人女性が入社してくる。ネラは親交を深めようとするが、そこには大きな陰謀が──ダークな皮肉冴えわたる新世代のBLM小説。解説/渡辺志保
  • トラスト—絆/わが人生/追憶の記/未来—
    4.5
    1930年代、NY。金融の寵児、アンドルー・べヴルをモデルにした小説『絆』が出版されたが本人はこれに猛反発。自伝を秘書に代筆させる。その後秘書は当時の回想録を記し、数十年後、アンドルーの妻の日記を発見するが--。視点の異なる四篇からなる実験的小説。
  • ナイスヴィル2 忍び寄る闇 上
    3.0
    強盗犯の脱走、壮絶なカーチェイス、武装犯の籠城……ナイスヴィルの町では事件が次々と起き、地元警察も翻弄される。いっぽう、不可解な消失事件から生還した少年が奇妙な言動で周囲の人々を怪事件の渦中に巻き込んでゆく。そして、町を覆う不吉な影がいよいよその姿を現わしはじめた。三部作いよいよ佳境に!
  • 謎の私掠船を追え
    -
    〈海の覇者トマス・キッド〉第8巻 英国とフランスが開戦! プリマス周辺の巡視任務についたキッドは狡猾な敵を追跡する! アミアンの和約がもたらした平穏も終焉を告げ、英仏は開戦した。キッドは馴染みのスループ艦ティーザー号の指揮を任され、プリマス周辺の巡視任務につく。やがてキッドは一隻の私掠船を発見するが、その船は沿岸の地形を知り尽くしていて逃げられてしまう。困難な巡視を続ける一方で、キッドはプリマス鎮守府司令長官ロックウッド提督の令嬢との恋を育んでいく。果たしてその恋の行方は? そして私掠船の意外な秘密とは? /掲出の書影は底本のものです
  • 七つの殺人に関する簡潔な記録
    4.3
    〈マン・ブッカー賞受賞作〉一九七六年十二月のボブ・マーリー暗殺未遂事件。襲撃犯は何者なのか――今も真相が明かされず、米国の陰謀すら囁かれる事件をもとにした長篇小説。ギャング、政治家、記者、CIA、亡霊など七十人が織りなす、公には語られない歴史
  • 何があってもおかしくない
    4.3
    生まれ育った田舎町を離れて、都会で作家として名をなしたルーシー・バートン。17年ぶりに帰郷することになった彼女と、その周囲の人々を描いた短篇9篇を収録。卓越した短篇集に与えられるストーリー賞を受賞した、ピュリッツァー賞作家ストラウトの最新作!
  • リラとわたし ナポリの物語1
    4.5
    本好きで真面目なエレナと、天才的な頭脳を持つ反抗児リラ。十歳で出会ったふたりは、惹かれあい、反発しあいながらも、変わりゆく1950年代のナポリで成長していく。ジュンパ・ラヒリをはじめとする多数の有名作家・書評家を熱狂させた波瀾万丈な友情の物語!
  • ナポレオン艦隊追撃
    -
    〈海の覇者トマス・キッド〉 キッド、歴史的戦いで、フランス艦隊と相まみえる! ネルソン提督麾下の英艦隊は、圧倒的なナポレオン艦隊を討つべく地中海へと出航した! 戦列艦に乗り組み、手柄を立てようと意気ごむキッドの、機略縦横の活躍を描く。   ヨーロッパを席捲するナポレオンの次なる攻撃目標を突き止めろ。ネルソン提督指揮の下、地中海にイギリス海軍の偵察戦隊が派遣された。困難の末に、仏艦隊を発見した偵察戦隊は、数的に優位な敵に果敢なる攻撃を仕掛ける。キッドも、戦列艦テネイシャス号の海尉としてこの作戦に参加。彼はさらなる出世を夢に見、手柄を立ててネルソンに認められたいと強く願っていた……歴史的な海戦を背景に、海尉キッドの運命が動く。
  • 波〔新訳版〕
    4.0
    遠い太陽の光が海辺の一日に降り注ぎ、生まれては消える波のうねりを情感豊かに描きだす。男女六人の独白が物語るのは、幻想のように過ぎた半生の思い出。くり返す描写と語りが重なるとき、意識が風景に打ち解けていく。ウルフの傑作、四十五年ぶりの新訳!
  • 逃げ道
    4.0
    母親と再婚相手がわかってくれないと嘆く夢見がちな男の子、新婚の妻の理解不能な一面を知ってしまった夫、悩みをまったく分かち合えない恋人たち。不器用な人々が抱くさみしさを、温かな眼差しと幻想的な表現で描く、イギリス文学界の新星による傑作短篇集!
  • ニックス
    4.0
    売れない作家サミュエルはテレビのニュース番組を見ていて驚愕した。映っていたのは長年行方不明の母親、しかも、州知事に石を投げていたのだ! サミュエルは母の伝記で一儲けしようと考え母の半生を調べはじめるが、そこには想像もしない事実が待っていた。
  • ニッケル・ボーイズ
    4.3
    1960年代アメリカ。アフリカ系アメリカ人の真面目な少年エルウッドは、無実の罪により少年院ニッケル校に送られる。しかし校内には信じがたい暴力や虐待が蔓延していた――。実在した少年院をモデルに描かれた長篇小説。ニューヨークタイムズ・ベストセラー。
  • 眠り姫 上
    3.3
    時と場所を選ばず突如眠りに落ちてしまう睡眠障害、ナルコレプシー。少女のころからこの奇病に悩んでいた31歳のキャロルは、ある日発作を起こし、何日も続く昏睡に陥ってしまった。その間、彼女の娘のエレナが男友達とともに他殺死体で発見されるという事件が起こった。キャロルは詳しい事情を知らないはずなのに、催眠状態に誘導されると、驚くべきことを語りはじめた。「娘たちを殺したのは夫のロジャーである」と…。
  • ノルマンディ沖の陰謀
    -
    ナポレオンのイギリス本土侵攻の準備が着々と進む中、愛する女性を失った悲しみに沈むキッドは、命令を受け、チャンネル諸島戦隊に加わった。チャンネル諸島は平穏な場所で、これは一種の流罪ともいえたが、意外にも戦隊司令官は赫々たる戦歴を持つソーマレズ提督だった。キッドは偵察任務に力を尽くすが、やがて悪辣な罠にかけられてしまう。そして親友のレンジもナポレオンを標的にした巨大な陰謀に巻き込まれていく。/掲出の書影は底本のものです
  • ノー・カントリー・フォー・オールド・メン
    4.2
    コーエン兄弟監督映画「ノーカントリー」原作 ヴェトナム帰還兵モスがメキシコ国境付近で発見した死体と大金が、更なる殺戮を呼ぶ。〈国境三部作〉後の衝撃作。解説/佐藤究
  • ノーマル・ピープル
    4.0
    マリアンは、お手伝いの息子コネルとは幼馴染。惹かれ合い、周囲に内緒で付き合い始めるが、高校卒業前に別れてしまう。だが同じ大学に通うことになりーー。劣等感や社会格差、すれ違いで引き裂かれた男女の恋愛の機微を描く、全世界100万部超の傑作長篇小説
  • ハイ・フィデリティ
    5.0
    35歳男のレコード店主、彼女に振られる。でも気にしない。恋人よりも音楽が大事、のはずだった。長い青春の終わりを描いた名作
  • ハオスフラウ
    3.0
    スイスの町でドイツ語教室に通いはじめたアメリカ人の女。教室を満たすよくわからない言葉と、彼女を誘うわかりやすい男たち。かたくなに秘密と憂鬱を抱えこむ彼女は、嘘を重ねて男たちと情事を続けるが……。詩人作家が独特の文章で孤独をつづった文芸長篇。
  • 蜂の物語
    4.3
    果樹園の蜂の巣は、教理により厳重に管理される世界だった。その最下層の蜂として生を享けたフローラは、育児室の世話をし、花蜜を集めるうちに、女王にのみ許される神聖な母性を手にするが……実際の蜜蜂の生態をもとに、蜂の視点で描かれたディストピア文学
  • 花の子ども
    3.9
    母が遺した珍しいバラを持って、僕は出発する。めざすは、外国の庭園。でも旅はトラブル続き。機内で腹痛にもだえ、森でさ迷う。当の庭園は荒れ果て、意外な客が現れる。僕と一夜だけ関係をもった女性が、赤ん坊を預けにきたのだ。父親ってどうなればいいの?
  • 母なる夜
    4.6
    第二次大戦中、ヒトラーの対米宣伝に携わった劇作家ハワード・キャンベルの真意とはなにか?   第二次大戦中、ヒトラーの擁護者として対米宣伝に携わった劇作家ハワード・W・キャンベル・ジュニア--はたして彼は、本当にアメリカの裏切り者だったのか? 鬼才ヴォネガットがたくまざるユーモアとシニカルなアイロニーに満ちたまなざしで、自伝の名を借りて描く、時代の趨勢に弄ばれた一人の知識人の内なる肖像。
  • 母を燃やす
    -
    インドで暮らすアンタラは、幼い頃から自分の人生を振り回し、自由奔放に生きる母が憎い。そんな母も老年にさしかかり、アルツハイマー型認知症と診断されるが、病気だからと母のことを赦せるわけもなく――。母娘の普遍的な物語。2020年ブッカー賞最終候補作
  • ハバナの男
    4.0
    1958年、独裁者バティスタ治下のキューバ――冷戦下の諜報網が幾重にも交錯する中で、スパイに仕立てあげられた平凡なイギリス人ワーモルドの行く手には? 痛快無比の傑作スパイ・パロディ
  • ハリケーンの季節
    4.5
    とある村で、〈魔女〉の死体が見つかる。彼女は村の女たちに薬草を処方し、堕胎もしてやっていた。彼女を殺したのは一体誰か--。暴力と貧困がはびこる現代メキシコの田舎を舞台に狂気と悲哀を描き、名だたる文学賞候補となった西語圏文壇新星による傑作長篇
  • 繁花 上
    -
    1~2巻2,970円 (税込)
    中国文学最高峰の茅盾文学賞受賞! 戦後、文革、高度成長――歴史に翻弄され激変していく上海を生き抜く三人の少年たちの過去と今をユーモアと哀愁たっぷりに描く大河小説! 全篇上海語の会話を関西弁で翻訳する野心的な試みが結実! ウォン・カーウァイ監督ドラマ化決定の現代中国文学の精華。
  • ハーレム・シャッフル
    5.0
    アメリカ文学最高峰のピュリッツァー賞を受賞した『地下鉄道』の著者が放つエンタメ小説!表向きは、誠実な家具販売員。裏の顔は、盗品の仲介人。街をゆるがす強盗事件の渦中、その男が進むのは、表の道か裏の道か――。
  • 場所
    4.7
    父は労働者階級出身だった。 十二歳で学校を辞めさせられてから、農場で雇われ、その後は工場に勤務、母と結婚してからは小さな町で店をもった。フランス語の綴りもままならず、ずっと知識階級に引け目を感じていた人生だった。一人娘が学校で優秀な成績を収め、特に国語に秀でていることが分かってからも、娘が図書館に行ったり、家で本を読むのを嫌がった。そんな父も、娘がエリート出身の男と結婚して孫が産まれてからは、少しずつ娘が仲間入りを果たした知識階級へのコンプレックスとうまく折り合いをつけていったが――。 フランス人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した著者が、自分よりも上の階級に行こうとする娘へのわだかまりを抱える父を見つめる自伝的小説。1984年、ルノードー賞受賞。
  • バージェス家の出来事
    4.5
    やり手の企業弁護士ジム。ばかにされながらもジムを慕う、温厚な弟ボブ。ニューヨークで暮らす二人のもとに、ある日、故郷のメイン州に残ったボブの双子スーザンから電話がかかってきた。スーザンは一人息子ザックが事件を起こしたと言い、助けを求める。久しぶりに生まれ育った町に帰ることになるジムとボブ。しかしそれをきっかけに、三人きょうだいの固まり切った関係は根底から揺るぎはじめる。/掲出の書影は底本のものです
  • パトリック・メルローズ1
    5.0
    貴族の家の血に連なる五歳のパトリック・メルローズは、南仏の母の一族の屋敷で、残忍さで人を支配する父とアルコールに頼り続ける母と夏を過ごしていた。そんなメルローズ家にディナーのために訪れたある客人の存在が、パトリックの世界を引き裂くことに――ベネディクト・カンバーバッチ主演ドラマ原作! 5カ月連続刊行の第1巻
  • パラダイス
    -
    どの土地からも拒絶された人々が絶望の果てに自らの手で作り上げた町、ルビー。理想郷ルビーを愛する住民たちは、固い絆で結ばれていた。しかし、長い時を経て、住人たちのあいだには次第に不安や怒りが生まれはじめた。そしてそれらは憎悪と化し、町外れの「修道院」と呼ばれる屋敷に住むはぐれものの女たちに向けられた――ある夜明け、武装した男たちが修道院を襲撃したのだ。 現代アメリカ文学の巨匠が描き上げた、創世と崩壊の神話。ノーベル賞受賞第一作の傑作長篇。
  • パリで待ち合わせ
    4.0
    スランプに陥ったアメリカのベストセラー作家ジャックと、孤独なイギリスの読者イヴ。たまたま文通をはじめた二人は、料理好きという点で意気投合し、次第にまだ見ぬ互いを心の支えにするようになる。寂しさを抱える大人たちを描いた、さわやかで心温まる物語。
  • 飛行士たちの話〔新訳版〕
    3.7
    偵察飛行に向かってから二日後に帰投したパイロットは、その間の記憶を失っていた。だがある戦闘中、仲間が撃墜されたのを見た彼は不可解なことをつぶやき、何もかも思い出したと叫び出す。彼が見たこの世のものとは思えない光景とは? 後世の作品に多大な影響を与えた幻想譚「彼らに歳は取らせまい」をはじめ、従軍経験をもとにしたデビュー作など、著者のストーリーテラーぶりを存分に味わえる10篇収録の処女短篇集!
  • ひとりの双子
    3.5
    アメリカ南部。小さな村を飛び出し、都会をめざす16歳の双子。より多くを望んだ姉は挫折とともに実家に出戻り、妹は出自の秘密に怯えながら裕福に暮らす。もう交わらないはずの2人の運命だったが――。アメリカで125万部突破、オバマ前大統領が薦める一冊
  • 日の名残り
    4.2
    短い旅に出た老執事が、美しい田園風景のなか古き佳き時代を回想する。長年仕えた卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々……。遠い思い出は輝きながら胸のなかで生き続ける。失われゆく伝統的英国を描く英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。
  • ひまわりの森
    4.2
    見知らぬ少年を我が子と思いこみ、恐ろしい事件を引き起こした母親の心を蝕んでいたのは、戦争中の凄惨な経験だった……。心に深い傷を負って苦悩する母親と、彼女を抱えて懸命に生きる家族の姿を哀感をこめて描き、人気作家が新境地に挑んだ愛と祈りの感動作。/掲出の書影は底本のものです
  • 貧困の発明 経済学者の哀れな生活
    3.0
    著名な経済学者のロドニーは結婚式をまえに、気もそぞろだった。途上国の開発援助に打ち込んでいた彼を恋のとりこにしたのは、現地調査で出会ったベトナム人の少女だった! 国連や世界銀行のエリートたちの裏の顔をスキャンダラスに描き、あのトマ・ピケティが絶賛した長篇小説。
  • ビューティフル・ディザスター (上)
    -
    剃り上げた頭に、タトゥーだらけの筋骨隆々の体。地下ファイトで無敵を誇り、一夜で捨てた女は数知れず……。大学に入学したばかりのアビーが出会ったのは絵に描いたようなワル、トラヴィス。ある秘密の過去を抱えたアビーはこの男とは恋に落ちないと心に決めるが、賭けに負けて一カ月間トラヴィスの部屋に住むことになってしまった! 型破りな二人の熱くクレイジー「友情」の行方は?
  • ビラヴド
    4.3
    元奴隷のセサとその娘は幽霊屋敷に暮らしていた。怒れる霊に長年蹂躙されてきたが、セサはそれが彼女の死んだ赤ん坊の復讐と信じ耐え続けた。やがて、知人が幽霊を追い払い、屋敷に平穏が訪れたかに見えた。しかし、謎の若い女「ビラヴド」の到来が、再び母娘を狂気の日々に追い込む。死んだ赤ん坊の墓碑銘と同じ名を名乗るこの女は、一体何者なのか?ノーベル賞受賞の契機となった著者の代表作。ピュリッツアー賞受賞。
  • ビール・ストリートの恋人たち
    4.4
    冤罪で収監された恋人ファニーを救うため、彼との子を妊娠中のティッシュは奔走するが……若き恋人たちを描いたボールドウィンの名作が新訳で登場。アカデミー賞受賞作「ムーンライト」のB・ジェンキンズ監督により映画化。2019年初頭全国公開予定の映画化原作!
  • ピュリティ
    5.0
    24歳のピップは、学生ローンを抱え、仕事もぱっとせず、恋愛も失敗ばかり。彼女はひょんなことから、あるNGO組織のインターンシップに参加することになるが、それは名前も素性も知らない父への道につながっていた。全米図書賞作家による波瀾万丈な成長譚!
  • フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ〔上〕
    3.7
    女子大生のアナスタシア・スティールは、若き実業家クリスチャン・グレイをインタビューすることになった。ハンサムで才気あふれるグレイにアナは圧倒され、同時に強く惹きつけられる。ふたりは急激に近づいていくが、彼にはある「ルール」があった……。映画化原作、全世界で一億部突破のベストセラー三部作、第一弾!
  • 風雲の出帆
    4.2
    英国がフランス革命政府に宣戦布告した一七九三年。二十歳の青年トマス・キッドは英国海軍に強制徴募され、戦列艦デューク・ウイリアム号の乗員となった。海軍生活を通し、キッドは海の男として成長してゆくが……新たなヒーローによる波瀾に満ちた海洋冒険小説。
  • 偽者【フェイクアカウント】
    -
    恋人がSNSで有名な陰謀論者だと知った「わたし」。2つのかけ離れた言動のどちらが彼の本当の姿なのだろうか。「わたし」が本心を問い質そうとした直前に、彼が事故死したという報せが届く。彼の謎を追いかけるうちに「わたし」は、衝撃の事実に直面する。
  • 不快な夕闇
    3.5
    オランダの酪農家一家に育った10歳のヤスは、クリスマスの晩餐用に殺されるかもしれない自分のウサギの代わりに兄が死にますようにと神に祈る。その祈りが現実となった時、不穏な空想の闇がヤスを襲う。史上最年少でのブッカー国際賞受賞作。解説/鴻巣友季子
  • ふたりの証拠
    4.1
    戦争は終わった。過酷な時代を生き延びた双子の兄弟の一人は国境を越えて向こうの国へ。一人はおばあちゃんの家がある故国に留まり、別れた兄弟のために手記を書き続ける。強烈な印象を残した『悪童日記』の続篇。主人公と彼を取り巻く多彩な人物を通して、愛と絶望の深さをどこまでも透明に描いて共感を呼ぶ。
  • ブラッディ・カンザス
    -
    グルリエ、フリーマントル、シャーペンの三家族がカンザスのコー・ヴァレーにやってきたのは、1855年のことだった。それ以来、三つの一族は隣人として生活してきた。ある時は奴隷解放に抗う者たちの襲撃を受け、またある時は疫病や旱魃といった大自然の猛威にさらされながらも、大地とともに、愛憎を紡ぎながら。歳月が過ぎ、フリーマントル家の屋敷は当主を失って無人になった。シャーペン、グルリエの両家は信教をめぐって対立を続ける。そして、激動の現代において、農場を営む人々といえども、世界と無縁ではいられない。親子の断絶、男女平等、イラク戦争、マスコミ、インターネット……フリーマントル屋敷にニューヨークから新しい住人が引っ越してきたことをきっかけに、人びとの生活に巨大な波紋が起きてゆく……。V・I・ウォーショースキー・シリーズの著者が自らの故郷を舞台に、現代社会でのさまざまな問題を折りこみ、大地に生きようとする人々を重厚かつ華麗に描く野心作。
  • ブラッド・メリディアン あるいは西部の夕陽の赤
    4.2
    19世紀半ばのアメリカ。14歳で家出した少年は、放浪の末にインディアン討伐隊に加わった。異形の大男ホールデン判事とともに、一行は荒野をわたり、暴虐の限りをつくす旅をつづけるが。美しく情け容赦のない世界と、そこで生きる人々の生と死を冷徹な筆致で描き上げたマッカーシー初期の代表作
  • ブリット=マリーはここにいた
    3.8
    夫に浮気されて家を出たブリット=マリーは、さびれた田舎町で管理人の職に就く。片付いていないものが嫌いで融通が利かない彼女は住民たちと衝突しまくるが、なぜか子供たちのサッカーチームのコーチを務めることになって……!? スウェーデンのベストセラー!
  • プラダを着た悪魔(上)
    3.4
    ファッション誌《ランウェイ》編集部の新人アンドレア。ファッションには興味ゼロだけど、1年後に夢の文芸誌へうつることができるなら頑張ってみせる! だけど、悪名高い編集長ミランダの傍若無人ぶりに息も絶え絶え……果たして1年も耐えられるのか? ちょっと生意気なインテリ娘アンドレアと、ファッション界の権威ミランダのバトルやいかに? アメリカ中の女性を共感の渦に巻き込んだベストセラー、待望の文庫化
  • 平原の町
    4.0
    19歳になったジョン・グレイディ・コールは国境近くの牧場で働いていた。メキシコ人の幼い娼婦と激しい恋に落ちた彼は、愛馬や租父の遺品を売り払ってでも彼女と結婚しようと固く心に決めた。同僚のビリーは当初、ジョン・グレイディの計画に反対だった。だがやがて、その直情に負け、娼婦の身請けに力を貸す約束をする。運命の恋に突き進む若者の鮮烈な青春を、失われゆく西部を舞台に謳い上げる、国境三部作の完結篇。
  • 兵士たちの肉体
    -
    アフガニスタンに派兵されたイタリアの若者たちの孤独、性、葛藤を瑞々しい筆致で描きながら、現代の矛盾に鋭く迫る二十一世紀の戦争小説。世界的ベストセラー『素数たちの孤独』著者の最新長篇。 灼熱の大地の真ん中、アフガニスタンの紛争地域に派兵されたイタリア軍の若き兵士たち。危険ではあるが、たった数カ月の任務のはずだった。故郷から逃げだしてきた者、ひとりぼっちの母親を残してきた者、妊娠した女を残してきた者、オンライン上の仮想恋人に依存する者……それぞれの事情を抱え、孤独を噛みしめ、性をもてあます彼らの中には、愛情と憎しみが芽生えつつあった。そして、ようやく任地に慣れてきた頃、その後の人生を大きく変えることになる、忘れえぬ出来事が起こった――。 砂漠への強行軍にのぞんだ若者たちは、何を見たのか? 世界的ベストセラー『素数たちの孤独』の著者が紡ぐ、21世紀の新しい戦争文学。
  • ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹
    3.9
    ぼくらが皆あこがれていたリズボン家の五人姉妹が、次々と謎の自殺を遂げた。美しく、個性的で、秘密めいてすらいた彼女たちは、その死でぼくらの心をさらに惹きつけた。時を経て今、ぼくらはふたたび彼女たちの思い出の中にさまよい出す。ぼくらを変えた、その最期を知るために。甘美で残酷な、異色の青春小説/掲出の書影は底本のものです
  • ベケット氏の最期の時間
    3.7
    パリにある引退者が暮らす施設「ティエル=タン」。静寂の中、記憶をたゆたいつつ最期を待つ一人の老人がいた――ジェイムズ・ジョイスとの友情などを交えながら描かれるノーベル賞作家サミュエル・ベケット最期の特別な日々。フランス文学界新鋭の話題作。
  • ベル・カント
    4.0
    南米のとある小国。副大統領邸では、日本企業の社長ホソカワの誕生パーティが開かれていた。特別ゲストの世界的オペラ歌手ロクサーヌが歌い終えた瞬間、武装したゲリラがなだれ込んでくる。副大統領邸は反政府組織に占拠されてしまったのだ。膠着状態が続くうち、ゲリラと人質の間には奇妙な絆が生まれ、彼らはその状況に幸せすら感じるようになる……極限状態で生まれる心の交流を描く傑作。映画『ベル・カント』原作本!
  • ペストの夜 上
    3.0
    1~2巻2,970円 (税込)
    オスマン帝国末期の1901年。東地中海に浮かぶミンゲル島では、ペスト流行の噂が囁かれていた。ペスト禍を抑え込むため皇帝アブデュルハミト二世の命で派遣された疫学者は、何者かの手によって惨殺される。代わりに送り込まれたヌーリー医師と、その妻、アブデュルハミト二世の姪にあたるパーキーゼ姫は、ペスト撲滅のために島に降り立つ。だが二人は秘密裡に、疫学者殺害の謎を解き明かす使命も負っていた――。 トルコ初のノーベル文学賞作家、オルハン・パムクが、架空の島を舞台に人間と疫病との苛烈な闘いを克明に描く傑作歴史長篇、ついに開幕!
  • 亡霊の地
    4.0
    1巻3,850円 (税込)
    ベルリンで同性の恋人を殺した陳天宏は、刑期を終えて台湾の永靖に戻って来る。折しも中元節を迎えていた故郷では、死者の霊も舞い戻る。天宏の6人の姉と兄、両親や近隣の住民。生者と死者が台湾現代史と共に生の苦悩を語る、台湾文学賞、金鼎賞受賞の長篇
  • 僕の違和感 上
    3.0
    1~2巻2,420円 (税込)
    我らが主人公メヴルト・カラタシュは、12歳のときに故郷の村からイスタンブルに移り住む。昼間は学校に通い、夜は父とともにトルコの伝統的飲料ボザを売り歩く日々を重ねて、彼は次第に大都会になじんでいく。そしてある日、彼はいとこの結婚披露宴で運命の恋をした――ノーベル文学賞作家が描く、ある男の半生と恋と夢、そして変わりゆく時代。『わたしの名は赤』でノーベル文学賞を受賞した著者の新たな代表作となる傑作長篇。

最近チェックした本