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Posted by ブクログ
とても良かった。本の中で、たくさんの人が死んでいるので、良かったなんて言ってはいけないのだが ほんとうに良い本だったと思う。読みながら、ところどころで涙が滲んだ。戦争の時代に生まれる命と そうでない命の選別は、一体誰がおこなっているのだろう。考えても 分からないことをたくさん考えながら読んだ。言葉にならない感情も 幾度か浮かんできた。飛行機の中で ひとりで死ぬことはたぶん とても寂しいことなんだと思った。空の上で操縦桿を握っていた強ばった手が 女の柔肌を夢見る。誰かが死ぬ間際 同じ視界に小さな花を捉える。遥か上空で見つけるちっぽけな人間の命の重さを やがて 手遅れになった場所で問い掛ける。累々とした死体と錯乱寸前の精神が蔓延する渦中でも 魂はその内側に思い出をきざむ。自分以外の誰かに触れ、体温を感じ取る。あたしの体があるこの場所にも かつて 別の人の肉体があった。透明になったそのひとのかたちをしたものたちと あたしは常に重なっている。何も語らず 忘れられたその透明な何かが 話を聞かせてくれた、そんな気持ちになった。
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小説・文芸
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