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偵察飛行に向かってから二日後に帰投したパイロットは、その間の記憶を失っていた。だがある戦闘中、仲間が撃墜されたのを見た彼は不可解なことをつぶやき、何もかも思い出したと叫び出す。彼が見たこの世のものとは思えない光景とは? 後世の作品に多大な影響を与えた幻想譚「彼らに歳は取らせまい」をはじめ、従軍経験をもとにしたデビュー作など、著者のストーリーテラーぶりを存分に味わえる10篇収録の処女短篇集!
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Posted by ブクログ
映画『紅の豚』を見て、こちらの本を手に取りました。映画にも少し出てきた戦争の悲しさの要素が、詰まっていました。 飛行機カッコいい! みたいな気持ちで読み始めたので、特に『カティーナ』の内容はショックでしたが、当時の飛行機に乗っていた人と、その周りの人々のリアルはこちらなのかな? と感じました。読ん...続きを読むで良かった! 『猛犬に注意』には、ミステリ要素も感じられ、素晴らしい短編でした。今後、著者の他の作品も読んでみたいです。
とても良くて、忘れられない本になりました。ジブリの「紅の豚」の原作の一つ。戦争が人を変えてしまうということのリアリティ、虚しさが静かに伝わってくる。最終話「あなたに似た人」は、やり切れなさを抱えて酒を飲む、その感情がひしひしと伝わってくる。
大戦時の飛行士達を主人公に、戦いに身を置く者たちの悲しさ、虚しさが淡々とした文章の中で描かれる。ミステリーというよりは幻想譚といった感じ。宮崎駿監督の『紅の豚』ではオマージュとして『彼らは歳を取るまい』のワンシーンを引用。
初読。よかった。特に「カティーナ」と「彼らは歳を取るまい」の二編。フォーカスのあてかたがすごいと思った描写がいくつもあった。 フィンの話で、文脈は覚えてないけど某映画の1シーンが思い浮かんだ。まさにそれの元になってるとあとがきで知って驚いた。
とても良かった。本の中で、たくさんの人が死んでいるので、良かったなんて言ってはいけないのだが ほんとうに良い本だったと思う。読みながら、ところどころで涙が滲んだ。戦争の時代に生まれる命と そうでない命の選別は、一体誰がおこなっているのだろう。考えても 分からないことをたくさん考えながら読んだ。言葉に...続きを読むならない感情も 幾度か浮かんできた。飛行機の中で ひとりで死ぬことはたぶん とても寂しいことなんだと思った。空の上で操縦桿を握っていた強ばった手が 女の柔肌を夢見る。誰かが死ぬ間際 同じ視界に小さな花を捉える。遥か上空で見つけるちっぽけな人間の命の重さを やがて 手遅れになった場所で問い掛ける。累々とした死体と錯乱寸前の精神が蔓延する渦中でも 魂はその内側に思い出をきざむ。自分以外の誰かに触れ、体温を感じ取る。あたしの体があるこの場所にも かつて 別の人の肉体があった。透明になったそのひとのかたちをしたものたちと あたしは常に重なっている。何も語らず 忘れられたその透明な何かが 話を聞かせてくれた、そんな気持ちになった。
原題 Over to You 無線なんかで「応答どうぞ」。よく〝Over〟と略して使われる。 飛行士たちが空で最もよく発した言葉なんだろう。重要な情報交換の時にも、他愛無い話の時にも、もう返答がないとわかっている戦友を呼び出す時にも。 ロアルド・ダールの処女短篇集。 副題 Ten stories...続きを読む of flyers and flying 10篇それぞれが、彼が戦争で心身に得た破片に思えた。淡々と光を放つ破片。 ひとつ、不思議な光があって、ポルコ・ロッソの回想にも使われてますね。
とてもきれいな文章で語られる戦争の話。日常の会話、妄想、ちょっとした時に見せる表情、考え方。現実離れしているのに、現実だったんだろうと感じる。「昨日は美しかった」は最後が衝撃的で、読み終わってからまた読み直してしまった。とても悲しいものがたりで、リアル。
ダンケルク関連で話題に上がっていたので読んでみた。 スピットファイアが出てきたり、戦闘に出て行くパイロットのお話で読めば読むほどダンケルクの世界観と繋がっていく感覚があった。そこが良くもちょっと辛い。 悲しいお話や滑稽なお話色々あるけれど、私は「ある老人の死」が好き。チョコレート工場とは全く違うロ...続きを読むアルド・ダールを知れて良かった。
『あたなに似た人 Ⅰ』が非常に面白かったので購入したロアルド・ダールの第一短編集。 しかし『あなたに似た人』とは全く異なる趣で、戦闘機パイロットだからこそ見える世界、景色、心理をリアルに描いた「読み物」「物語」といった感じ。ミステリではない。 最も好きだった作品は『彼らは歳を取るまい』。 文章だ...続きを読むけで某映画作品の某シーンが思い浮かぶ。 後世に多大な影響を与えた幻想譚、とのこと。
デビュー前のロアルド・ダールのも含めた短編集。ゾワッとした話や切ない話など、、、 「彼らは年をとらない」が好きだった。
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