ニルス13歳、ベンヤミン9歳、ピエール7歳の三兄弟は、湖畔のコテージで水泳競争をしたり森で探検したりして過ごす。
両親は、彼らを見ているようでいて関心がないのがわかる。
三兄弟は、楽しんでいるようには見えなくて、ただ時が過ぎるのを待っているような気がして仕方ないのだが…。
彼らの少年時代を振り返り
...続きを読むながら…それはベンヤミンの記憶だったが、思いだしながら現在と過去を行き来する。
20年後、母親の骨壷を持って湖畔のコテージに戻ってきたのは…。
彼ら兄弟は、何を思ったのか。
両親をどう思っていたのか。
そのなかでもベンヤミンの歪んだ記憶が修正されたとき、こんなにも記憶に蓋をするような出来事だったのかとことばも出ない驚きだった。
コテージでの夏の出来事、楽しめるはずなのに両親は酒浸りといってもいいくらいで、勝手に怒りだしたり情緒不安定。
ベンヤミンは常に両親の機嫌を気にしていていた。
ニルスは距離をおき無関心で、ピエールは粗暴さを身につけた。
これはネグレクトとも呼べる状態であったのかもしれない。
そんな中でおこる出来事を嫌な部分は抹消したいと望んだ結果だったのだろう。
夏の記憶としてはとても悲しい。