イリヤトロヤノフの作品一覧

「イリヤトロヤノフ」の「世界収集家」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 世界収集家
    3.3
    1巻3,850円 (税込)
    やがて入り江が見えた。両手が水をすくうように、膨らんだ帆が空気をすくった。すでに鼻がかいでいたものが、目に見えてきた。最初はチョウジ油をすりこんだ望遠鏡を通して――大英帝国の軍人、リチャード・フランシス・バートン。 インドでは様々な言語と文化に浸り、アラビアではメッカ巡礼をなしとげ、アフリカではナイルの源泉を追い求める。『千夜一夜物語』の翻訳者としても知られる桁外れの人物の生涯を、世界的に評価されるブルガリア系ドイツ人作家が、事実と虚構を織り交ぜて詩情ゆたかに描き上げた傑作長篇小説。

ユーザーレビュー

  • 世界収集家

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    リチャード・フランシス・バートンを題材にした物語。バートンには
    肩書がとても多く(イギリスの探検家、人類学者、作家、言語学者、
    翻訳家、軍人、外交官)それだけでもエネルギッシュな人物だと推測できるが
    この本を読むと本当に常人の理解を超えるパワーを持ったバートンに圧倒された。

    物語自体は三部構成、インド・アラビア・東アフリカからなり第一部のインドが
    およそ半分を占める。長いけどインド部分が一番読み進めやすい。読みづらかったのは
    アラビア。イスラムに対する知識がないので十分には理解できず。アラビアは冒険譚色が強かった。

    映画にできれば面白そうですがスケールが大きすぎて今の映画業界では無理でしょ

    0
    2016年07月01日
  • 世界収集家

    Posted by ブクログ

    読書っていうのは旅なんだよな。作家の力量でポイと未知の真っ白空間に放られ、読む側は、ここはどういう所で、どういう人達が生活していて、何が起こっているんですか?と探索してゆく。単純なことのように思えて力量がないために、やたら説明ばかりの小説もあるけど、久々に「シンプルでいて、とりとめのない異物」を手に取ることができ、歓びを感じる。この作家も民族的な抑圧であちこちせざるをえなかったみたいですが、そういう人は浮遊する足場のなさの恐怖、風が吹いてもけしてとばされまいという信念、そういった心理が表れていて惹かれる。

    0
    2019年02月03日
  • 世界収集家

    Posted by ブクログ

    リチャード・バートンは以前から気になっていた.千夜一夜物語やカーマ・スートラを翻訳し,ナイル川の源流を求めて探検し,アラブ人に化けてメッカに巡礼したという,何だか分からないがすごい人物である.
    そのバートンを主人公にして,一応史実は踏まえて書かれたフィクション,といったところか.とはいえ,バートンの視点から書かれた旅行記ではなく,また,スリリングな体験を追った冒険ものでも無い.従者,現地のカリフたち,探検のガイドといった第三者の口から語られるパートが大部分で,色々な視点から明かりをあてて,間接的にその姿を浮かび上がらせる,ところがバートンが上記のように一筋縄ではいかない複雑で捕らえどころのない

    0
    2016年06月05日

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