作品一覧 2019/01/15更新 浮世の画家〔新版〕 試し読み フォロー キャッチ=22〔新版〕 試し読み フォロー 神話の力 試し読み フォロー 母なる夜 試し読み フォロー パームサンデー―自伝的コラージュ― 試し読み フォロー ヴォネガット、大いに語る 試し読み フォロー 1~6件目 / 6件<<<1・・・・・・・・・>>> 飛田茂雄の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 浮世の画家〔新版〕 カズオ・イシグロ / 飛田茂雄 名作「日の名残り」と同じように、自分なりのポリシーを持って難しい時代を生きた老人の回想という形をとっている。 老人は戦時中に、愛国心を支えるような活動をしてきた画家。一時期は高い地位を得ていた(それも本人の記憶の中だけで、実際はどうだったのか、最後の方には現実と記憶の乖離も考えられるようになっている...続きを読むのが面白い)。 戦後、新しい価値観が広がる世の中で、自分のしてきたことに対する誇りや反省、保身、様々な感情が入り乱れる。娘や義理の息子たちにどう思われているかも気になるし、威厳は保ちたいし…。 「時代の変化」の中で、小さな一個人が翻弄される…というほど大げさな設定でもない(戦場に行くわけでもなく、戦犯に問われるわけでもない、娘の縁談の心配をするくらい)、にも関わらず、国家に翻弄された多くの人々の姿を、鮮やかに切り取っているような印象がある。 Posted by ブクログ 母なる夜 カート・ヴォネガット・ジュニア / 飛田茂雄 アメリカのスパイとしてナチスドイツに仕えた男が、戦中・戦後の出来事について綴った手記という形をとっている。一人称でありながら、心情はとてもドライに描かれる。ハードボイルド的といっても良いかもしれない。彼はユダヤ人迫害の正当性など何一つ信じていないのに——彼自身が言うところの分裂症的に——表向きは完璧...続きを読むにナチスの手助けを続ける。生き延びるために罪を背負わざるを得ない、このような人物を一体どう捉えればよいのだろう。どこまでも辛い物語だが語り方には優しいまなざしが感じられ、そのギャップが強く印象に残る作品だった。 Posted by ブクログ 神話の力 ジョーゼフ・キャンベル / ビル・モイヤーズ / 飛田茂雄 聞き手であるジャーナリストのビル・モイヤーズと、語り手である神話学の権威であるジョーゼフ・キャンベルとの対話を通して、神話に対する疑問や現代社会における神話の存在意義や影響等について考察した、両者の深い知識量による示唆に富んだ一冊。 神話は詩であり、隠喩である。 そして神話とは究極の心理の一歩手前...続きを読むの心理である。 人生のマイナス面やマイナス時期だと思われるものや時の中にプラスの価値を認めることを神話から学ぶのだと。 しかし双方の知識量の豊富さに圧倒されて、まだ断片しか咀嚼できてないと思うので、また読み返さないといけななと。 Posted by ブクログ 浮世の画家〔新版〕 カズオ・イシグロ / 飛田茂雄 こういう感想文を投稿するのは初めてなのでご容赦ください。以下の感想は読み終わったばかりの勢いで書いています。 最初から最後まで、画家・小野の視点で描かれている。『価値観の変動』と『生き方』に焦点を当てた作品だと感じた。私がこの本から受け取ったメッセージを以下に示す。 《価値観は時代とともに...続きを読む移ろい行くものだから、誰しも後になって自らの過ちに気がつくかもしれない。しかし、『自分の信念に従って、全力で生きた』ならば、それの信念が間違いであったとしても後悔はしないであろう。》 また、この作品では、とかく何かを明言するのを避ける傾向にある。しかし、多数の場面を組み合わせて、人の心の動きを鮮やかに描いていた。 以下に大まかな作品の流れを示す(完全なるネタバレです)。 戦時中、小野は〈地平ヲ望メ〉という版画作品で広く影響を及ぼした。この作品に描かれた精神は「お国の為に戦う」(だと考える)。作品は、当時の小野の信念に基づき描かれ、地域で大いに賞賛されたらしい。 しかし、終戦後にこの絵のテーマとなった精神は批判される。さらに、若者も当時の『権力者』への憎しみを曝け出す。それは、若者が『権力者』に、仲間の命を奪われたと考えるからである。 小野は、回想中に自らの過ちと、人々に与えた損害に正面から向き合い認める。価値観は移ろいゆくものであるからである。当時は良しとされていたものが、現代では悪になってしまうのである。 しかし、当時の小野が『自らの信念に従って、全力で行動した』という事実は変わらない。そして、彼は自らの過ちは認めても、当時の『生き方』には業績以上の満足感を得ていたのである。 一方、若者の言う『権力者』とは、将校・政治家・実業家達であったと判明する。そこで小野は自らが感じた責任の大きさは、自分の職業に見合っていなかったと悟る。けれども、確実に社会に影響を及ぼした者としての責任を感じ、また、自らの信念を貫いた事に誇りを持ちながら生きるのである。 Posted by ブクログ キャッチ=22〔新版〕 上 ジョーゼフ ヘラー / 飛田茂雄 いわゆるひとつの反戦小説。 ただ、普通の反戦モノと違って湿っぽい雰囲気は全くなく、ほぼ全編にわたってブラックユーモアにあふれてる。 にもかかわらず、戦争の悲惨とか矛盾をくっきりと浮かび上がらせてるのは見事だと思う。 案外、これくらい吹っ切れた書き方をした方が、かえって人間には伝わりやすいのかもしれな...続きを読むい。 ちなみにタイトルの『キャッチ=22』は、どうしようもない状況、とか、どん詰まり、みたいな意味のスラングになっているらしい(Wkipedia曰く)。 Posted by ブクログ 飛田茂雄のレビューをもっと見る