人類学作品一覧

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  • ジオサイコロジー 聖地の層構造とこころの古層
    3.0
    文化人類学者である中沢新一氏とユング派分析家である河合俊雄氏の講演とディスカッション。中沢氏が「聖地」を調査する中で浮かび上がってきた人間の精神の層構造と、河合氏が心理療法の中で感じ取ってきた現代を生きる人間のこころの最古層にあるものとの不思議な符合と共鳴。本書は、こころとは何か、人間とは何かを理解するための、またこれからの時代を生き抜いていくために必要な新たな学問の地平が啓かれる第一歩でもある。
  • 新版 分裂病と人類
    -
    1巻3,080円 (税込)
    精神の病を人類史・文化史に位置付けた記念碑的名著 統合失調症の概念の起源を、人類の文化史にさかのぼる。精神の病を文化・歴史的な深みで考究する著者一連の著作の原点。全新組。 【主要目次】 第1章 分裂病と人類――予感、不安、願望思考 序 1 “先取り”的な構え 2 狩猟民的な認知特性 3 農耕社会の強迫症親和性 4 近代と分裂病親和者 5 人類学的な有利さ 第2章 執着気質の歴史的背景――再建の倫理としての勤勉と工夫 1 “甘え”の断念 2 再建の仕法家――二宮尊徳 3 立て直しと世直し 4 世俗倫理の盲点 付 自己抑制の倫理――武士階級 第3章 西欧精神医学背景史 序 1 古代ギリシア 2 ギリシア治療文化の変貌 3 ヘレニズムに向かって 4 ローマ世界とその滅亡 5 中世ヨーロッパの成立と展開 6 魔女狩りという現象 7 魔女狩りの終息と近代医学の成立――オランダという現象 8 ピネルという現象――一つの十字路 9 ヨーロッパ意識の分利的下熱 10 ピューリタニズムと近代臨床 11 フランス革命と公式市民医学の成立 12 啓蒙君主制下の近代臨床建設 13 新大陸の“近代” 14 大学中心の西欧公式精神医学 15 力動精神医学とその反響 16 二十世紀における変化 17 西欧“大国”の精神医学 18 西欧“小国”の精神医学 19 ロシアという現象 20 “向精神薬時代”と巨大科学の出現 21 神なき時代の西欧精神医学 22 ヨーロッパという現象 おわりに――“神なき時代”か? あとがき 新装版あとがき 中井久夫(なかい・ひさお) 1934年奈良県に生れる。1959年京都大学医学部医学科卒業。1980年神戸大学医学部精神神経科教授。1995年兵庫県こころのケアセンター長。1997年甲南大学文学部臨床心理学教授。 主要著訳書に『精神科治療の覚書』(日本評論社、1982)、『中井久夫著作集 精神医学の経験』全3巻 別巻 1(岩崎学術出版社、1984-85)、『家族の深淵』(みすず書房、1995)、『1995年1月 神戸』(共著、みすず書房、1995)、『昨日のごとく』(共著、みすず書房、1996)、『最終講義―分裂病私見』(みすず書房、1998)、『西欧精神医学背景史』(みすず書房、1999)、『治療文化論』(岩波現代文庫、2001)、『徴候 記憶 外傷』(みすず書房、2004)、『時のしずく』(みすず書房、2005)、ヴァレリー『若きパルク/魅惑』(みすず書房、1995、2003)、ハーマン『心的外傷と回復』(改訂版、みすず書房、1999)、『サリヴァンの精神科セミナー』(みすず書房、2006)などがある。
  • 人新世の絶滅学 人類・文明絶滅の思弁的空無実在論
    -
    「人新世 大絶滅」問題を哲学的に掘り下げた力作。人類を「絶滅種」と捉えその問題点をあぶり出す。 私たちは人類の絶滅というとんでもない状況下にある。 本書は「人新世 大絶滅」の問題を哲学的に掘り下げた力作で、人類をはっきり「絶滅種」と捉えその問題点をあぶり出している。残された時間はわずかだ。ここに提起された警鐘に是非とも耳を傾けたい。 【目次】 はしがき 第Ⅰ篇 形而下の絶滅学 第Ⅰ部 預言 第1章 人類絶滅の預言 第Ⅱ部 覚醒 第2章 「人新世」の絶滅科学 第3章 「地球地質改悪と惑星限界」の科学研究 第Ⅲ部 罪業 第5章 「文明絶滅」の科学研究 第6章 「人類絶滅」の科学研究 第Ⅱ篇 形而上の絶滅学 第Ⅳ部 審判 第7章 人類・文明の絶滅学 第8章 人新世の「崩壊哲学」 第9章 「地球気候」の実在論 第Ⅴ部 懺悔 第10章 人類悪性と文明衝動 第Ⅵ部 鎮魂 第11章 人新世の絶滅学 第Ⅶ部 救済 第12章 最後のユートピア あとがき 人名索引 【著者】 星野克美 星野克美(ほしの かつみ) 多摩大学名誉教授 1940年名古屋市生まれ、名古屋大学経済学部卒業 研究履歴:筑波大学社会工学系専任講師・助教授、多摩大学経営情報学部教授・多摩大学大学院経営情報学研究科教授を経て、現職 学会:比較文明学会会員、地球システム・倫理学会会員 専攻:絶滅学、文明哲学、地球環境文明論 主著:「地球環境文明論」(ダイヤモンド社)、「社会変動の理論と計測」(東洋経済新報社)、「消費人類学」(東洋経済新報社)、「流行予知科学」(PHP研究所)など多数
  • ゴッホの犬と耳とひまわり
    3.8
    1巻2,090円 (税込)
    古いフランス製の家計簿に書きこまれた膨大な文書を翻訳してほしい、と文化人類学者河島からの依頼。最後にVincent van Goghと署名があって、ゴッホ直筆かもしれない。しかも署名付き家計簿は二冊存在するという。贋作ならば、なぜ複数必要だったのか。ぼくは翻訳を進めるいっぽう、家計簿の来歴を追った。だが、謎は深まるばかりだった。
  • 走馬灯のセトリは考えておいて
    4.1
    祝・柴田勝家(武将)生誕500周年 文化人類学、SF、バーチャルアイドル――《信仰》をテーマに繋がる柴田勝家の真骨頂。「クランツマンの秘仏」ほか全7篇の短篇集
  • 世界の音 楽器の歴史と文化
    3.3
    「打楽器を持たない民族はいない」。古来、人は自身の体やモノを叩いて感情を伝え、動物の鳴き声や雨風などの自然音を真似、再現してきました。楽器発祥から2万年。信仰の祭礼、政治儀式、軍事の士気高揚・・・・・・あらゆる場面に浸透していった「音」と「音楽」。気候風土や時代背景に合わせ、世界各地の「音」は、どのように姿を変えてきたのか。西洋音楽と民族音楽、その対比が示す真意は? 「音」で考える、ユニークかつ雄大な文化人類学!(解説・森重行敏) 本書の原本は『世界楽器入門 好きな音 嫌いな音』(1989年1月 朝日選書)を改題したものです。 はじめに 第一章 ミンゾク楽器・ 第二章 楽器の起源 1 生活周辺から生まれた楽器  2 食器から楽器へ  3 道具から楽器へ  4 自然界の音の再現から楽器へ  5 生存に必要な音を出す道具から楽器へ  6 呪術・信仰の道具から楽器へ  7 学問・研究の道具から楽器へ  8 音像から楽器へ  第三章 楽器分類を通して見た諸民族の楽器観 1 中国  2 インド  3 ギリシャ  4 ローマ  5 ヨーロッパ  第四章 楽器の音 1 打つ、擦る、吹く、弾く  2 楽器の成り立ち  3 音の出し方  第五章 楽器の分布と歴史 第六章 風土と音 1 風土と楽器  2 音の響き  第七章 音・数・楽器 第八章 メディアとしての楽器 1 経営メディアとしての楽器  2 視覚メディアとしての楽器  3 思想メディアとしての楽器  第九章 手作りについて 第十章 好きな音嫌いな音 第十一章 東方の楽器・西方の楽器 石笛/横笛/笙/篳篥/尺八/和琴/箏/琵琶/三味線/胡弓/鼓 /先史時代の楽器/オーボエとバスーン/クラリネット/トラムペ ットとトロムボーン/ホルン/テューバ/リコーダーとフリュート /バグパイプ/オルガン/キタラとライア/ハープ/ヴァイオリン /リュートとギター/ツィターとハープシコード/クラヴィコード とラングライク/ダルシマーとピアノ/カリヨン/ティンパニとシ ムバル/アフリカの楽器/インドの楽器/インドシナ半島の楽器/ インドネシア・オセアニアの楽器/雑音の効果/種々の撥/弦 楽器に関する参考文献 あとがきにかえてーー楽器研究の方法論―― 解説「人類共通の財産ーー音楽とは何か?ーー」森重行敏(洗足学園音楽大学現代邦楽研究所所長) 楽器索引 人名索引
  • 魚は数をかぞえられるか? 生きものたちが教えてくれる「数学脳」の仕組みと進化
    3.5
    すべての生きものは数をかぞえている。チンパンジーや犬だけじゃない。鳥も魚もネズミもライオンもイルカも数をかぞえ、アリもハチも計算し、セミは素数の周期を把握していた! 「人間特有のもの」と一般に考えられている数的能力は、進化の過程で発達してきた。つまり言語をもたない生きものも、食べて繁殖して生存するために、数を認識し、かぞえている。いや、計算すらしているのだ――この大胆な仮説を、認知神経心理学の第一人者にして数的能力の遺伝について研究を続けてきたロンドン大学名誉教授が検証。数学を中心に神経科学、社会人類学、進化生物学と、学問分野を縦横につなげて、「生きものは数をかぞえているのか」というユニークなテーマに迫る。 本書では、京都大学霊長学研究所の計算できるチンパンジー・アイや、後者関数を理解し数学の自習までした伝説のヨウム・アレックスといった”天才動物”にとどまらず、さまざまな生きものをとりあげる。 ・「サルと大学生の基礎数学」 ・ヒヒは脳で計算し、足で投票する ・敵の数をかぞえて戦略を立てるライオン ・数を多めに見積もるネズミ ・クジラとイルカの高度な数的能力 ・猫の脳で観測された「計数」細胞 ・「名前のない数」を考えていたカラス ・ハトの記憶容量はグーグルマップを超える? ・さえずりで数的能力を鍛える ・鳥のちっぽけな脳内はニューロンでいっぱい ・5回鳴いて婚活に勝つオスガエル ・オタマジャクシの数的能力は魚に劣る? ・生後1日のグッピーも大きな群れを選ぶ ・数の変化で魚の脳も変化する ・7時間訓練すればアリは「数」を学べる? ・クモは獲物の数をかぞえる ・イカの数の感覚は感覚は人間の子どもと同程度? ・シャコは経路積分で巣穴に隠れる ・カタツムリはチンパンジー並みに数に敏感 哺乳類から無脊椎動物まで、動物が「数」をどのように認識しているか、数を使って何をしているかは、私たち人間の進化プロセスをたどることであり、「人間は数をどうとらえ、どうかぞえているか」を発見する旅でもある。 昨今、「生涯年収は計算能力で決まる?」などと問われているが、それも当然かもしれない。ガリレオは「宇宙は数字で書かれている」と言い、ピタゴラスは「万物は数でできている」と述べ、ノーベル物理学賞受賞者のユージン・ウィグナーは「数学は世界を説明する道具だ」と語った。人間を含めたあらゆる生きものの命の目的、つまり「セックスと食物の獲得と生存」に不可欠なサバイバルツールが計数なのだから、数的能力が人生に影響を及ぼしても不思議はない。 さあ、あなたはどうかぞえているか? 知的好奇心をかきたてる話題作。
  • 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下 民主主義の野蛮な起源
    3.8
    ホモ・サピエンス誕生からトランプ登場までの全人類史を「家族」という視点から書き換える革命の書! 人類は、「産業革命」よりも「新石器革命」に匹敵する「人類学的な革命」の時代を生きている。「通常の人類学」は、「途上国」を対象とするが、「トッド人類学」は「先進国」を対象としている。世界史の趨勢を決定づけているのは、米国、欧州、日本という「トリアード(三極)」であり、「現在の世界的危機」と「我々の生きづらさ」の正体は、政治学、経済学ではなく、人類学によってこそ捉えられるからだ。 下巻では、「民主制」が元来、「野蛮」で「排外的」なものであることが明らかにされ、「家族」から主要国の現状とありうる未来が分析される。  「核家族」――高学歴エリートの「左派」が「体制順応派」となり、先進国の社会は分断されているが、英国のEU離脱、米国のトランプ政権誕生のように、「民主主義」の失地回復は、学歴社会から取り残された「右派」において生じている。  「共同体家族」――西側諸国は自らの利害から中国経済を過大評価し、ロシア経済を過小評価しているが、人口学的に見れば、少子高齢化が急速に進む中国の未来は暗く、ロシアの未来は明るい。  「直系家族」――「経済」を優先して「人口」を犠牲にしている日本とドイツ。東欧から人口を吸収し、国力増強を図かるドイツに対し、少子化を放置して移民も拒む日本は、国力の維持を諦め、世界から引きこもろうとしている。
  • 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 上 アングロサクソンがなぜ覇権を握ったか
    3.8
    ホモ・サピエンス誕生からトランプ登場までの全人類史を「家族」という視点から書き換える革命の書! 人類は、「産業革命」よりも「新石器革命」に匹敵する「人類学的な革命」の時代を生きている。「通常の人類学」は、「途上国」を対象とするが、「トッド人類学」は「先進国」を対象としている。世界史の趨勢を決定づけているのは、米国、欧州、日本という「トリアード(三極)」であり、「現在の世界的危機」と「我々の生きづらさ」の正体は、政治学、経済学ではなく、人類学によってこそ捉えられるからだ。 上巻では、これまで「最も新しい」と思われてきた「核家族」が、実は「最も原始的」であり、そうした「原始的な核家族」こそ「近代国家」との親和性をもつことが明らかにされ、そこから「アングロサクソンがなぜ世界の覇権を握ったか」という世界史最大の謎が解き明かされる。
  • 石器時代への旅
    3.0
    ニューギニアの奥地で、今なお石器時代に生きる人々と接触することに成功、石斧製作の秘密をつぶさに観察して人類学上に貴重な貢献をした探検の記録。
  • キリストの顔 ――イメージ人類学序説
    -
    キリスト教において、神の顔は、死後の救済の瞬間まで見ることは叶わないとされる。偶像禁止と、ひと目その姿を拝みたいという欲望との狭間で、「人の手によらない」という奇跡の像は生み落とされた。そのイメージは反復・伝播し、東西キリスト教世界で独自の変容を遂げていく。表象不可能なものの表象――ここに紛れもなく西洋のイメージの源流がある。有名無名の芸術家たちはいかにしてこの逆説を乗り越えたのか。神秘のヴェールを取り払い、西洋世界2000年にわたる壮大なイメージの歴史をたどり直す。イメージ人類学、期待の新鋭による新たな挑戦。
  • みんなが手話で話した島
    3.8
    「あの人たちにハンディキャップなんてなかったですよ。ただ聾(ろう)というだけでした」(本文より)アメリカ・ボストンの南に位置するマーサズ・ヴィンヤード島。20世紀初頭まで、遺伝性の聴覚障害のある人が多く見られたこの島では、聞こえる聞こえないにかかわりなく、誰もがごく普通に手話を使って話していた。耳の聞こえない人も聞こえる人と同じように育ち、社交し、結婚し、生計を立て、政治に参加した。「障害」「言語」そして「共生社会」とは何かについて深く考えさせる、文化人類学者によるフィールドワークの金字塔。解説:澁谷智子(成蹊大学教授、『ヤングケアラー』『コーダの世界』著者)
  • 優しい地獄
    3.9
    『雪国』を読んだ時「これだ」と思った。 私がしゃべりたい言葉はこれだ。 何か、何千年も探していたものを見つけた気がする。 自分の身体に合う言葉を。 -------------------------------------- 社会主義政権下のルーマニアに生まれたイリナ。 祖父母との村での暮らしは民話の世界そのもので、町では父母が労働者として暮らす。 川端康成『雪国』や中村勘三郎の歌舞伎などに魅せられ、留学生として来日。 いまは人類学者として、弘前に暮らす。 日々の暮らし、子どもの頃の出来事、映画の断片、詩、アート、人類学……。 時間や場所、記憶や夢を行ったり来たりしながらつづる自伝的なエッセイ。 《本書は、社会にうまく適応できない孤独な少女の記録であり、社会主義から資本主義へ移っていくルーマニアの家族三代にわたる現代史でもある》 -------------------------------------- 五歳の娘は寝る前にダンテ『神曲』の地獄の話を聞いてこう言った。 「でも、今は優しい地獄もある、好きなものを買えるし好きなものも食べられる」。 彼女が資本主義の皮肉を五歳という年齢で口にしたことにびっくりした。 ——本文より -------------------------------------- 【目次】 ■生き物としての本 上 ■生き物としての本 下 ■人間の尊厳 ■私の遺伝子の小さな物語 上 ■私の遺伝子の小さな物語 下 ■蛇苺 ■家 ■マザーツリー ■無関心ではない身体 ■自転車に乗っていた女の子 ■天道虫の赤ちゃんは天道を見ることができなかった 上 ■天道虫の赤ちゃんは天道を見ることができなかった 下 ■なんで日本に来たの? ■シーグラス ■ちあう、ちあう ■透明袋に入っていた金魚 ■社会主義に奪われた暮らし ■トマトの汁が残した跡 ■冬至 ■リボンちゃんはじめて死んだ ■毎日の魚 ■山菜の苦味 ■優しい地獄 上 ■優しい地獄 下 ■パジャマでしかピカソは描けない ■紫式部 ■あとがき
  • High-Impact Tools for Teams プロジェクト管理と心理的安全性を同時に実現する5つのツール
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【本電子書籍は固定レイアウトのため7インチ以上の端末での利用を推奨しております。文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。ご購入前に、無料サンプルにてお手持ちの電子端末での表示状態をご確認の上、商品をお買い求めください】 「心理的安全性」の権威、 エイミー・C・エドモンドソン絶賛! 国内累計18万部 『ビジネスモデル・ジェネレーション』 シリーズ著者陣がお送りする最新作。 みんなで紙に書き込むだけで、 ⇒プロジェクトの目標や役割分担を可視化できる。 ⇒問題点や不安材料を洗い出して対処できる。 ⇒エンゲージメントが高まる。 ⇒メンバー間に信頼と安心が生まれる。 ⇒ミーティングが生産的になる。 「心理的安全性」が大切なのはわかったけれど、 実行に移す方法がわからないという 組織のリーダー、人事担当者、経営者は必読! エイミー・C・エドモンドソン(心理学)、 スティーブン・ピンカー(心理学)、 マーシャル・B・ローゼンバーグ(心理学)、 ハーバート・H・クラーク(心理言語学)、 アラン・フィスク(進化人類学) などの知見に基づく新メソッド! ■著者紹介■ ステファノ・マストロジャコモ 経営コンサルタント。PwC、国境なき医師団、カルティエ、UBSなど多数の国際的な機関や企業に対し、デジタルプロジェクトの統括や、プロジェクトチームへの助言を行ってきた。スイスのローザンヌ大学で教えていたプロジェクトマネジメントをはじめ、チェンジマネジメント、心理言語学、進化人類学、デザイン思考を柱として研究を続けている。 アレックス・オスターワルダー 『ビジネスモデル・ジェネレーション』『バリュー・プロポジション・デザイン』(以上翔泳社刊)の著者。2015年、「経営思想のアカデミー賞」と呼ばれるThinkers50に選出、2019年同4位にランクイン ※本電子書籍は同名出版物を底本として作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。 ※印刷出版再現のため電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。 ※印刷出版とは異なる表記・表現の場合があります。予めご了承ください。 ※プレビューにてお手持ちの電子端末での表示状態をご確認の上、商品をお買い求めください。
  • みんなで楽しむeスポーツ
    -
    近年、急速に注目度を増してきているeスポーツ。巨大産業としてビジネス界で注目されているだけでなく、地方創生や多様性に配慮した社会福祉としての側面から、自治体や教育現場でも試行錯誤が始まっている。 しかし一方で「スポーツ」に対する従来のイメージから、日本においてはeスポーツに対する否定的な意見や不安の声も根強く残っている状況もある。 あらためて今、スポーツとは何か?遊びとは何か?といった根本的な問いについて、向き合って考えていく意義は大きいと言える。 また、日本でeスポーツが隆盛していくためにはどのようなことが必要なのか、eスポーツの普及によって社会にはどのようなメリットがあるのかなど、 スポーツ人類学、スポーツ教育学、スポーツ政策学の大学教員がそれぞれの立場からスポーツおよびeスポーツの様々な側面に焦点を当てながら考える。
  • 世界お産 生まれやすい国ニッポンへ!
    4.3
    いのちが芽生えることを、もういちど、考えてみませんか? ■「お産はおもしろい! 見ても、読んでも、体験しても、絶対におもしろい! だってヒトが生まれる瞬間なんですから」 ■ 日本のお産は世界遺産化する!? ■ いのちが芽生えることを、もういちど、考えてみませんか? ■ 30年間で18ヵ国を巡り、取材・撮影のフィールドワークを続けてきた立教大講師が送る、出産の現状と問題提起。 [巡った18ヶ国] ケニア、チベット、ブラジル、中国、フィンランド、ミクロネシア、インド、カナダ、アメリカ、フィリピン、タイ、シンガポール、韓国、オーストラリア、スイス、フランス、イギリス、日本 【目次より】 ● 日本にも昭和初期まであった幻の産小屋が現存する!?   トップレスの島の生活になじんだ[ミクロネシア] ● 五体投地をして旅をする巡礼の途中で赤ちゃんが生まれのはよくある話。  大地にひれ伏し大地に産み落とす[チベット] ● 38歳で13人目を産んだマリアが別れ際に流した涙は  16才から22年間の出産への思いか[ブラジル] ● 仰向けの分娩姿勢は痛みが増す!  からだを起こした姿勢で産むフリースタイル出産は水中でも床でも[イギリス] ● 「昔はサウナでお産したもんですよ。わたしの父もサウナで生まれました」  さすがサウナの国フィンランド![フィンランド] ● アフリカの大地に根ざした土着の神々。  等身大で大きなおなかの妊婦のマスク「ボディ・マスク」は子孫繁栄祈願!?[ケニア]  ● ネイティブアメリカン・ナバホ族の病院では、  シャーマンが東の空へ安産の祈りを捧げる[アメリカ]  ● 民族衣裳の村では90年代でも自宅出産。  へその緒は裁ちバサミで切り残った端を羊の毛で縛る[中国]  ● 難民キャンプで生まれる赤ちゃん。  物乞いをしなければならない妊婦の姿に胸が締め付けられる[タイ] ● 「夫と愛し合ったベッドで産んだ」  出産のセクシュアリティを語った社会人類学者の存在の大きさ[イギリス] ● アフリカの大地に根ざした土着の神々。  等身大で大きなおなかの妊婦のマスク「ボディ・マスク」は子孫繁栄祈願!?[ケニア]  ● 妊娠中から育児期まで続けられる人気の高いエクササイズ。  マタニティヨガ&ベビーヨガ[カナダ]   ● 「この赤ちゃん、もう生まれちゃうよ」  誰にも見守られずひとり孤独に分娩室で産む産婦[インド]   ● 瞑想とイメージトレーニングで痛みや不安を抑えるソフロロジー出産法。  医療者たちが笑顔で迎えてくれる[フランス] ● 「妊婦さんがいらっしゃいます!」……  東日本大震災直後に生まれた赤ちゃんと避難所で偶然アナウンスを聞いた助産師[石巻]
  • 奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵
    4.3
    社会科学とは社会について研究する学問であり、政治学、経済学、社会学、人類学、国際関係論などが含まれる。その古典を読み返したところで、当時とは時代が違うのだから役に立つことはないと思われるかもしれない。ところが驚くべきことに、現代を理解するためにはこれらの古典の知見について知る必要があり、さらに言えば現代で起こる様々な失敗は、古典の知恵を知らないために起こったものが多い。組織が官僚化することによる停滞、「抜本的な改革」に潜む罠、株式市場を活性化させることの危険性……。「教養にして実用」である社会科学の知見を明快に解説。 【本書で取り上げる社会科学の古典】●マックス・ウェーバー「官僚制的支配の本質、諸前提および展開」 ●エドマンド・バーク『フランス革命の省察』 ●アレクシス・ド・トクヴィル『アメリカの民主政治』 ●カール・ポランニー『大転換』 ●エミール・デュルケーム『自殺論』 ●E・H・カー『危機の二十年』 ●ニコロ・マキアヴェッリ『ディスコルシ』 ●J・M・ケインズ『雇用・利子および貨幣の一般理論』
  • Pen+ 【増補決定版】ウルトラマンを見よ(メディアハウスムック)
    -
    初代『ウルトラマン』がテレビで放映され、 空前のブームとなったのは1966年のこと。 それから半世紀以上が経った2022年、 今までにないスタイルの空想特撮映画である 『シン・ウルトラマン』が大ヒットを飛ばした。 新しいウルトラマンはどのようにして生まれたのか。 『シン・ゴジラ』で特撮の可能性を世に知らしめた 庵野秀明と樋口真嗣は、何を描こうとしたのか。 出演者の声や制作の舞台裏をひも解くと同時に、 歴代のウルトラマンシリーズやヒロイン、 人気怪獣を振り返る増補決定版。 目次 「ウルトラマンシリーズ」、あの名シーンをもう一度 【増補決定版】初代からシン・ウルトラマンまで ウルトラマンを見よ 『シン・ウルトラマン』の魅力は、どこにあるのか? 『シン・ウルトラマン』をもっと楽しむための、『ウルトラマン』解説 ウルトラマンはどのように生まれ、ブームとなったのか? 「テレビの時代」に円谷英二が残した、空想特撮の功績 成田亨が描いた、ウルトラの原点 特撮映画の牽引者は、『シン・ウルトラマン』でなにを描くのか? 最新技術で魅せるCG制作の裏側を、キーパーソンが語る 映像に生命を吹き込む音楽家、鷺巣詩郎の仕事 [コラム:ウルトラマンとは何者か?]椹木野衣(美術批評家)/中沢新一(思想家・人類学者) 出演者たちが語る、作品への想いと制作現場の舞台裏 斎藤 工/西島秀俊/長澤まさみ/有岡大貴/早見あかり [コラム:核と侵略の寓話『シン・ウルトラマン』]稲垣貴俊(ライター・編集者) [コラム:世界規模で求められるこれからのヒーロー]杉山すぴ豊(アメキャラ系ライター) 創造の源泉を辿り、過去と未来をつなぐ「庵野秀明展」 三者三様の視点で、「シン」を読み解く 岩井俊二(映画監督)/田中宗一郎(音楽批評家・編集者)/氷川竜介(アニメ・特撮研究家) 初代から最新作まで、ヒーローの辿った全軌跡を解説 地球を守った、究極の必殺技はコレだ! 全部見せます!ウルトラワールド 新シリーズがスタート!『ウルトラマンデッカー』 “特撮”の裏に秘められた、社会問題へのまなざし 世代を超えて語り合える、人気怪獣25 新しい時代を示す、美しくも凛としたヒロインたち 気鋭の美術家が生み出した、怪獣やメカの造形美 いまも心に残る、あの名曲を生んだふたりの作曲家 巨匠の初期作からマーベル版まで、傑作コミックス ファンの胸に宿る、ウルトラマンへの飽くなき愛 博多大吉/中村獅童/片桐 仁/ミハラヤスヒロ/柳家喬太郎 大人もハマる、ウルトラグッズを厳選 動画配信からイベントまで、ウルトラマンの最新情報をお届け! PenBOOKSのご案内 奥付 裏表紙

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  • 月経の人類学――女子生徒の「生理」と開発支援
    4.5
    「生理の貧困」を訴え「生理の平等化」を求める動きは身近な各地で広がっている――本書は月経をめぐる国際開発の動向を整理し,フィールドワークで得た情報から各地の状況を分析、月経対処のローカルな文脈と現状を「今」同時期にとらえる
  • これからの時代を生き抜くための 文化人類学入門
    3.9
    「人新世」というかつてない時代を生きるには、《文化人類学》という羅針盤が必要だ。 ボルネオ島の狩猟採集民「プナン」と行動をともにしてきた人類学者による、“あたりまえ”を今一度考え直す文化人類学講義、開講!! 【内容】 本書は、ボルネオ島の狩猟採集民「プナン」との日々を描いたエッセイ『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』が話題となった人類学者・奥野克巳による、私たちの社会の“あたりまえ”を考え直す文化人類学の入門書になります。 シェアリング、多様性、ジェンダー、LGBTQ、マルチスピーシーズ…といったホットワードを文化人類学の視点で取り上げ、《人新世》と呼ばれる現代を生き抜くためのヒントを、文化人類を通して学んでいく一冊です。 【構成】 ◆第1章 文化人類学とは何か 地球規模の時間で人類を考える/「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう」/ここではないどこかへ――外の世界を知り、己を知るための学問/異文化への関心と旅の時代――文化人類学はいかにして誕生したのか/現地調査と系図法の発明/人類学者マリノフスキとインディ・ジョーンズの知られざる出会い/フィールドワークによって描かれた『西太平洋の遠洋航海者』/藪の中のシェイクスピア/「自分に近いものはよく見えるが、遠く離れたものはよく見えない」/結婚と離婚を繰り返すプナン/多種多様な家族のあり方/近親相姦の禁止が「家族」と「社会」を作った!?/人間生活の現実を描く/人間の生そのものと会話する ◆第2章 性とは何か 自然としての性、文化としての性/さまざまな生き物たちの多様な性/正直者とこそこそする者の生存戦略/子殺しをするラングール/ボノボの全方位セックスは「子殺し」回避のため?/霊長類における発情徴候の有無/なぜ、ヒトには発情徴候はないのか?/生物進化の産物としてのホモセクシュアル/精液を体内に注入し男になるサンビア社会/複数の父親がいるベネズエラのバリ社会/セックスでは子どもはできないと考える人々/「性肯定社会」と「性否定社会」/「性の楽園」ミクロネシア/性を忌避するグシイ社会/女性の性器変工の是非/男性の性器変工に見る民主的快楽/死者と交わる儀礼的セックス/五つもジェンダーがあるブギス社会/近未来のセックス――宇宙でセックスすることは可能か? ◆第3章 経済と共同体 贈与と交換から人間の生き方を考える/狩猟採集民プナンの暮らしから/ランプの下で神話を聞く/歩く小屋の神話の謎/富を生み出すフンコロガシの神話/惜しみなく与えるマレーグマの神話/プナンの気前のよさはどこから来るのか/気前のよさと所有欲との葛藤/「ありがとう」という言葉を持たないプナンの人たち/プナンは平等であることに執拗にこだわる/喜びや悲しみもみんなで分かち合う/所有することの是非/気前のよいビッグマンがプナンのリーダー/ものを常に循環させる「贈与」/キエリテンの神話が語るリーダーの資質/糞便の美学/「ない」ことをめぐって/「贈与の霊」の精神が生み出すプナン流アナキズム/循環型社会の未来を考えてみよう ◆第4章 宗教とは何か 人間が人間であるために欠かせない「宗教」/なぜ卒業式をしなければいけないのか/挨拶という儀礼的行為/時間はどのように経験されるのか/時間は本来、区切りのない連続体だった/儀礼によって私たちは人生を生きる/時間の感覚に乏しいプナン/文化人類学の理論「通過儀礼」/東ウガンダの農耕民ギスの苛酷な成人儀礼/ボルネオ島先住民ブラワンは二度死体処理をする/バリ島民は海で泳がない/人間が人間であるためには/無礼講のコミュニタスが日常を活性化する/ヨーロッパ人の関心を掻き立てたシャーマニズム/脱魂と憑霊のシャーマニズム/世界各地に存在するシャーマニズム/シャーマニズムの弾圧と再評価/現代の都市住民のためのネオシャーマニズム/自閉症の少年を癒すシャーマニズム/二つの世界が往還するアニミズムの世界観/人とカムイと熊が一体となるアイヌのアニミズム/知られざる呪術の世界を分類してみる/邪術師は誰だ!?――邪術告発の事件/妖術は不幸を説明する/現代にも息づく呪術の世界/別の仕方で世界に気づく術 ◆第5章 人新世と文化人類学 文化人類学は自然をどう捉えてきたのか?/動物は「考えるのに適している」/動物は「食べるのに適している」/動物は「ともに生きるのに適している」/多種が絡まり合う世界へのまなざし/オオコウモリ、果樹、人間の絡まり合い/ハゲワシ、牛、病原体、人間の絡まり合い/人新世の時代に多種から考える/人間中心主義を問い直す――人類学の存在論的転回/存在論的デザインとは何か/「デザインしたモノによって、デザインし返される」/多種が作り上げる未来に向けて開いていく ◆第6章 私と旅と文化人類学 自らを野に解き放つ「旅」としての文化人類学/Mさんとの出会いと「日本脱出」の野望/メキシコ・シエラマドレ山中のテペワノへの旅/バングラデシュで出家して仏僧となり、クルディスタンを歩く/インドネシアでの一年間の放浪/二つの文化人類学のフィールドワーク/旅の経験は、自分も他者も変える 奥野克巳(おくの・かつみ) 立教大学異文化コミュニケーション学部教授。1962 年生まれ。 82 年メキシコ先住民の村に滞在、83 年バングラデシュで上座部仏教僧、84年トルコを旅し、88 ~ 89 年インドネシアを一年間放浪。 94 ~ 95 年ボルネオ島焼畑民カリス、06 年以降同島狩猟民プナンのフィールドワーク。 単著に『絡まり合う生命』『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』(どちらも亜紀書房)など。 共著・共編著に『マンガ人類学講義』(日本実業出版社)、『今日のアニミズム』『モア・ザン・ヒューマン』(どちらも以文社)など。 共訳書にエドゥアルド・コーン著『森は考える』、ティム・インゴルド著『人類学とは何か』(どちらも亜紀書房)など。
  • 問題解決大全
    3.8
    ■未来を作る知恵と方法の道具箱 目標達成/工程の最適化/複数意見の集約/不安の解消 迷いのない決断/脱・三日坊主/悪癖… 本書ではビジネスはもちろん、日常の問題や個人的な悩みまで、 ありとあらゆる困難に突破口を開き、自身の自由の範囲を拡張するための手法が、 次の2つの分野に分けて紹介されている 【リニアな問題解決】 直線的な因果性を基礎に置く問題解決法。 因果関係を直線的に遡り、たどり着いた究極原因を除去・変化させることで、 結果を変え、問題を解決する 【サーキュラーな問題解決】 鶏と卵の関係のように、原因と結果の関係がループしている場合に用いる問題解決法。 究極原因の除去・変化ではなく、問題へ対する認知を変えることで、 悪循環に変化をもたらし、間接的に問題を変える いずれも単独で用いることも、それぞれを互いに埋め込んで新たな問題解決法として運用することもできる。 ■解説する技法一覧 本書では問題解決や創造性研究に関わる心理学研究やビジネスの実践はもとより、 哲学、宗教、神話、歴史、経済学、人類学、数学、物理学、生物学、看護学、 計算機科学、品質管理、文学などに由来する37の技法をまとめている。 01 100年ルール/02 ニーバーの仕分け/03 ノミナル・グループ・プロセス 04 キャメロット/05 佐藤の問題構造図式/06 ティンバーゲンの4つの問い 07 ロジック・ツリー など
  • クリティカル・ワード ファッションスタディーズ
    3.8
    ファッションを論じるための基盤となる8つのキーワード、 具体的な事例として導かれる現代的な15のトピック、 さらに掘り下げたい読者のために指針を与えてくれる11分野別ブックガイド 現代文化を考えるうえで知っておきたい基本と、 多様な視点・アプローチを学ぶことができる、 新時代のファッションスタディーズの入門書登場! ファッションは「時代を映す鏡」だと言われています。社会や文化の変容にともない、ファッションを取り巻く状況も大きく変化しています。流行の変遷や資本主義グローバリズムの加速、その反省や批判的視点からもたらされたサステナビリティやエコロジーへの意識、多様性として括られがちなジェンダーやマイノリティへの多角的な視座といった、現代社会において極めて重要な問題は、「ファッション」から新たな事例や議論が生まれ続けていると言っても過言ではありません。さらに、3DプリンターやAR/VRといったテクノロジーの進化や成熟がもたらすファッションの新たな可能性と展開は常に注目を集めており、人間の身体性の再考とともに議論されています。もはやファッションについて考えることは、現代文化のあり方を多角的に考えることである言えるでしょう。 ファッション研究はひとつの体系として成立しているわけではなく、諸研究の集合体であることを表している「スタディーズ」。本書は、ファッションの歴史や文脈と紐付けながら、理論や事項をマッピング・整理し直すことで、ファッションスタディーズの新たな射程を見通すことを試みた、まったく新しい入門書です。現代のファッションをとりまく横断性に注目し、哲学、社会学、文化人類学、メディア論、ジェンダー論、環境学、デザイン論など多様な分野とファッションとの結びつきを照らし出します。 ◆シリーズ[クリティカル・ワード] 現代社会や文化および芸術に関わるさまざまな領域を、[重要用語]から読み解き学ぶことを目指したコンパクトな入門シリーズです。 基本的かつ重要な事項や人物、思想と理論を網羅的に取り上げ、歴史的な文脈と現在的な論点を整理します。もっと深く理解し、もっと面白く学ぶために必要な基礎知識を養い、自分の力で論じ言葉にしていくためのヒントを読者に提供する新しい入門書です。
  • 視点という教養(リベラルアーツ) 世界の見方が変わる7つの対話
    4.3
    JAPAN PODCAST AWARDSベストナレッジ賞受賞の人気番組が待望の書籍化! 7つの学問の研究者と深井龍之介氏・野村高文氏が対談したpodcastを書籍化。様々な選択肢があるがゆえに、迷いや嫉妬が生まれる現代に、世の中をあらゆる視点から捉え、自ら選択できる能力を身につけるための、リベラルアーツの思考法を紹介する。 【目次】 はじめに chapter.01 リベラルアーツの力を考える chapter.02 物理学:「直感」を身につけて、判断力を手に入れろ ×北川拓也 chapter.03 文化人類学:感染症も経済も、世の中はすべて文化人類学の研究対象になる ×飯嶋秀治 chapter.04 仏教学:実はきわめて論理的な、仏教の世界へようこそ ×松波龍源 chapter.05 歴史学:歴史を学ぶことで「つっこみ力」を磨け ×本郷和人 chapter.06 宗教学:キリスト教が、世界を変えた理由 ×橋爪大三郎 chapter.07 教育学:現代に再び現れた「松下村塾」の実践 ×鈴木 寛 chapter.08 脳科学:感情の仕組みを脳から読み解く ×乾 敏郎 おわりに─7つの対話を終えて
  • 進化と人間行動 第2版
    4.7
    「人間とは何か」という問いに「進化」という側面から光を当て、生物としてのヒトという視点で行動や心理をとらえたロングセラー・テキストの全面改訂第2版! 新たに共著者を迎え、分子生物学・化石人類学を含む研究の進展に対応し、生活史・進化心理学の研究法・文化進化について章を設けるなど、内容を刷新。
  • ファンダムエコノミー入門 BTSから、クリエイターエコノミー、メタバースまで
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介】 ファンダムエコノミーは、もはや一部の「過剰な消費者」が生み出す周縁的な経済圏ではない。それは、生産者と消費者の関係性を根底から変え、これまでとはまったく異なるビジネスを生み出す巨大な潮流だ。伝統的な経済システムと接しながら、モラルエコノミー、ソーシャルエコノミー、贈与経済がハイブリッドされた摩訶不思議な新しい経済は、来るべき政治、文化、社会さえをも変えてしまうかもしれない。ファンダム研究の第一人者からシリコンバレーのトップVC、認知科学者、中国エンタメビジネスやUXのエキスパートなどを迎え、トレッキー、デッドヘッズ、BTS Armyから、クリエイターエコノミー、Web3、NFT、メタバースまでを縦横無尽に読み解く全ビジネスパーソン必読の入門書。 【ヘンリー・ジェンキンズ/リ・ジン/岡部大介/陳暁夏代/藤井保文/ダグ・スティーブンス/ジョン・フィスク/山下正太郎/若林恵】 「ファンダムエコノミーは、伝統的な経済システムであると同時に、モラルエコノミー、ソーシャルエコノミーでもあるのです。 純粋なギフトエコノミー(贈与経済)のような状態も存在します。その背後にある欲望は単なる消費欲ではありません。欲望の対象は、対象へのアクセスなのです」──ヘンリー・ジェンキンズ 「ファンは新しいテクストの生産にとどまらず、オリジナルのテクストの構築にも参加することで、商業的な物語やパフォーマンスをポピュラーカルチャーへと変えてしまう。ファン文化は実に参加型なのだ」──ジョン・フィスク 「ファンが求める本質的な価値と効果を提供し、より的確にマネタイズを行うことができるようになることで、クリエイターはより少ないファンによって生計を立てることができるようになる。これは、クリエイターのためにユーザーがお金を払う従来の「寄付モデル」から、ユーザーが自分のためになるものに喜んでお金を払う「価値モデル」への移行を意味している」──リ・ジン 【著者紹介】 [編]コクヨ野外学習センター コクヨ野外学習センター(KOKUYO Centre for Field Research)とは? コクヨ ワークスタイル研究所とコンテンツレーベル黒鳥社がコラボレーションして展開するリサーチユニット/メディアです。ポッドキャスト番組「愛と死の人類学」「新・雑貨論Ⅱ」を制作・配信中。著書に『働くことの人類学【活字版】 仕事と自由をめぐる8つの対話』。Https://anchor.fm/kcfr 【目次抜粋】 #0 ファンダムは◯◯を超える 対談 山下正太郎×若林恵 #1 ファンダムエコノミー入門 ヘンリー・ジェンキンズとの対話 #2 Web3ルネッサンスとクリエイター/ファンダムの経済 リ・ジン #3 ファンダム経済は「ギブ」でまわる 岡部大介 #4 中国の音楽アプリにみるクリエイターエコノミーのつくりかた 陳暁夏代 #bookguide ファンダムを読む #5 贈与経済のためのUX 藤井保文との対話 #6 メタバースのなかのリテール ダグ・スティーブンス #7 ファンダムの文化経済 ジョン・フィスク
  • 開かれ
    4.5
    「これぞアガンベン最良の一冊」というべき主著ならざる名著。人間と動物が交錯する未決定な例外状態の閾を縦横無尽に描き出す、生政治の超克と人類学機械の停止へ向けた壮大な系譜学。
  • この恋、揺れて…〈テキサス探偵物語Ⅱ〉【分冊】 1巻
    無料あり
    -
    「プレイボーイの彼とお堅い人類学者の私では、住む世界が違うんだわ」 大晦日のパーティで、タビーは幼なじみの探偵・ニックに打ちのめされた。そんな時、タビーの勤める大学で盗難事件が起こり、彼女に容疑がかけられてしまう。タビーはニックに調査を依頼するが、彼と会うたび高鳴る胸は隠しようがなて・・・!?

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  • アフリカの歴史
    4.0
    人類誕生の舞台であり、民族移動や王朝の盛衰を経て、他者と共存するおおらかな知恵を蓄えたアフリカ大陸。現地調査を重ねた文化人類学者が、「世界史」の枠組みをも問い直す、文明論的スケールの通史。
  • 過剰可視化社会 「見えすぎる」時代をどう生きるか
    3.0
    目に見えないウイルスの感染者数が日々「可視化」されたコロナ禍の2年間の後に残ったのは、一人では安心感を得られず、周囲にも疑いの目を向けあう日本人の姿だった。SNSで自らプライバシーを発信し、政治信条や病気・障害までを社会の視線に公開しても、最後は安易なルッキズム(見た目偏重)ばかりが横行する「すべてが見えてしまう社会」を、どう生き抜くのか? 歴史学者から評論家に転じた著者が、臨床心理士の東畑開人氏、哲学者/作家の千葉雅也氏、文化人類学者の磯野真穂氏と白熱した議論を交わしつつ、人文学の方法論の壁を超えて「見えない信頼」を取り戻す方法を提言する! 【目次より】・情報を「見せる」ことで国民を操る権力 ・過剰可視化が失わせる「身体感覚」 ・キラキラしたダイバーシティの空疎さ ・若者の「ヤバい」「エモい」に隠された不安 ・現金支給という「数値化」が不公平感を招く ・病気で「タグ付け」することの是非 ・ファクトよりも先に「品位」を問うべき ・「ハレとケ」を区分できない、のっぺらぼうな日常。
  • 絶滅へようこそ
    4.2
    「そろそろ滅びるそこのあなたへ」 成田悠輔[イェール大学助教授、半熟仮想株式会社代表取締役] 「機械の僕(しもべ)のように、家畜のように暮らしたっていいじゃないか。 だってもう、“人間"は終わっているんだから」 磯野真穂[人類学者]、推薦! 完新世絶滅期(Holocene extinction)、あるいは、第六次の大絶滅期に 私たちがなすべきこととは? 全人類に問う「生の哲学」。 【すべてが「終わった」状態から考えるとすると、何が見えてくるだろうか】 人間の視点を越えた視座、億年単位の宇宙を問題とする (当然すでに人類などというものもいない)、ある種「至高的な空間」から、 「絶滅」を考えたとき見えてくるものとは。 荒川修作の思想を系譜する気鋭の哲学者が「総合知としての哲学」を武器に、 人類の未来を探究する。 【目次】 手引きのようなもの――視野を途方もなく拡張する 1 絶滅へようこそ 2 「まだ始まっていない」と「もう終わっている」の隙間を生きてみる 3 機械のやさしさ 4 食べられたい欲望 5 神はまだ必要なのだろうか 6 人間はツルツルになっていく 7 苦しめば報われるのか? 8 大人しい人間と裁きたい人間 9 暴力と寛容 10 風景なきiPhoneは空虚で、iPhoneなき風景は盲目である 11 自己家畜化とどう向き合うか 12 歴史の終わりとは何だったのか?(過去からの終わり1) 13 村上春樹とピンボール・マシーン(過去からの終わり2) 終わりが始まるまでに――人間の行方
  • 人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」
    3.6
    古人骨に残されたDNAを解読し、ゲノム(遺伝情報)を手がかりに人類の足跡を辿る古代DNA研究。近年、分析技術の向上によって飛躍的に進展を遂げている。30万年前にアフリカで誕生したホモ・サピエンスは、どのように全世界に広がったのか。旧人であるネアンデルタール人やデニソワ人との血のつながりはあるのか。アジア集団の遺伝的多様性の理由とは――。人類学の第一人者が、最新の研究成果から起源の謎を解き明かす。
  • アートの根っこ――想像・妄想・創造・捏造を社会へ放つ
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 アート作品/活動は、人間と世界と社会の現状を照らし出し、その自明性を揺るがす。その力が顕れている諸事例の考察から、社会的出来事としてのアートの源泉に触れる。人類学者、社会学者、アクティビスト、アーティストたちによる応答と対話の共創。
  • 女人禁制
    4.0
    男女同権はすくなくとも社会通念上は、あたりまえの前提となって久しい。 だが、日本の各地には、女性の立ち入りを禁止する聖域や、特定の神事には女性を参加させないという慣行が現在も存在している。 そして、大相撲の土俵についての「禁制」は、たびたび物議をかもしてきた。 「女人禁制」とはいかなる背景から生まれ、変化する政治や社会の中で受け継がれてきたか。 なぜ、時に激しい批判にさらされながらも、人々はそれを守ろうとするのか。 女性たちは禁制をどのように受容し、あるいは抵抗し、つくり変えてきたのか。 「差別」として批判をする人々と、「伝統」として守ろうとする人々。 この対立構図は、当事者達にとって調停不可能であり、今後も継続することが予想される。 本書では、文化人類学的分析を柱にしつつ、宗教学、民俗学、歴史学、国文学、社会学など様々の分野の成果を取り込んで、 暗黙の前提を覆し、賛成か反対か、伝統か差別かという二分法を乗り越える視点を提示するものである。 第一人者が、真の解決に不可欠な知見を、この一冊でわかりやすく示す! 【本書の内容】 学術文庫版の刊行に際して 女人禁制の現在―プロローグ 女人禁制への視角 大峯山の現状 山と女性 女人結界 仏教と女性 穢れ再考 あとがき 二十年の後に―学術文庫版あとがき
  • リビア 戦争
    -
    2011年、カダフィはなぜ殺されたのか? 〝人道的介入〟の嘘を豊富な資料で解き明かす 大量破壊兵器の開発計画を放棄し欧米と和解していたはずのリビアの革命指導者ムアンマル・カダフィ。2011年、そのカダフィが〝アラブの春〟の反乱と欧米諸国の〝人道的介入〟を受け、残虐に殺害されるに至った背景には何があったのか。 本書は、カダフィが生まれ最期を遂げた地であるシルテを出発点に、豊富な資料を駆使して欧米の〝人道的介入/保護する責任〟の虚構を暴き、リビアに現在まで続く混乱をもたらしたNATOの軍事介入の本当の目的を明らかにする。 【目次】 はじめに リベラル帝国主義と新たなアフリカ争奪戦 第一章 シルテ―リビア独立の要石 第二章 シルテ―帝国主義の試金石 第三章 リビアの汎アフリカ主義とそれへの不満 第四章 アフリカに対する戦争―AFRICOM、NATO、人種差別 第五章 人道主義と緊急事態の創出 おわりに 余波―アフリカとの新しい戦争 【著者】 マクシミリアン・フォーテ カナダ・ケベック州モントリオールのコンコルディア大学社会・人類学部教授。大学では政治人類学を教えており、おもに帝国主義/ナショナリズム/(脱)グローバリゼーション/先住民族運動の理論と歴史を研究している。 山田文 英語翻訳者。英国の大学・大学院で社会政治思想を学ぶ。訳書にダレン・マクガーヴェイ『ポバティー・サファリ イギリス最下層の怒り』(集英社)、ヴィエト・タン・ウェン編『ザ・ディスプレイスト 難民作家18人の自分と家族の物語』(ポプラ社)、ムハマド・ユヌス『3つのゼロの世界 貧困0・失業0・CO2排出0の新たな経済』(早川書房)、J・D・ヴァンス『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』(共訳、光文社)などがある。
  • 憑依と抵抗
    5.0
    憤激の呪言(ライム)響く国。格差と抑圧に差し込む一筋の光とは。 高級・高層ビルが乱立し、加速度的に情報化する都市を 「感染するシャーマン現象」が侵食しているのはなぜか。 人々の熱い息吹を伝える、現代モンゴルの素描たち。 「排除/憑依/反抗」をキーワードに、 いまだ知られざる現代モンゴルの深層を明らかにする。 シャーマニズム、ヒップホップ、化身ラマ、民族衣装、 そしてチンギス・ハーン。現代モンゴルを理解する上で 欠かせない「貫く論理」をそれぞれの断片に見出す。 グローバル化と呪術化の間で揺れ動くその姿とは。 【目次】 第1部 グローバル世界を呻吟する 1:シャーマニズムという名の感染症 2:地下資源に群がる精霊たち 3:憤激のライム コラム あるマンホール・チルドレンとの出逢い 第2部 社会主義のパラドクス 4:秘教化したナショナリズム 5:社会主義が/で創造した「民族の英雄」チンギス・ハーン 6:呪術化する社会主義 コラム:深夜の都市でボコられる 第3部 連環する生と死 7:シャーマニズム、ヒップホップ、口承文芸 8:生まれ変わりの人類学 コラム 古本屋のB兄 第4部 民族文化のゆくえ 9:コスプレ化する民族衣装 10:“モンゴル化"する洋装と匈奴服の誕生
  • 眠れなくなるほど面白い 図解 始皇帝の話
    3.0
    1巻935円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 紀元前246年、13歳で即位し、史上初めて中国を統一して500年の争乱の歴史に終止符を打った秦の始皇帝。歴史に残るその戦いと数々の偉大な功績、また謎に満ちた生涯、始皇帝を支えた多くの忠臣を、最新研究をもとに図解、イラストを交えてわかりやすく解説する。人気マンガ『キングダム』で脚光を浴びた「始皇帝」の人物像と中華統一や数々の偉業の謎と軌跡に迫る。 渡邉義浩/監修 1962年、東京生まれ。筑波大学院歴史・人類学研究科博士課程修了。文学博士。大東文化大学文学部教授を経て、現在は早稲田大学理事・文学学術院教授。三国志学会事務局長他。専門は古典中国思想史。
  • 人間らしさとは何か 生きる意味をさぐる人類学講義
    4.5
    人間とは何か? 我々はいかにして人間になったのか? 注目の人類進化学者が、ホモ・サピエンス誕生の道のりと、人類多様性の意味を探りながら、最新の知見をわかりやすく語る。
  • 市場の経済思想(現代経済学選書)
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 市場活動をルールの下での競争というゲームとして統一的に考察。古代以来の反市場思想を歴史的・批判的に分析した問題作。各務賞受賞。 【目次より】 まえがき 1 経済と市場 1 稀少性の出現 2 余分なものとしての経済 3 稀少性への挑戦 4 稀少性に対処するための社会システム 5 競争 6 市場 7 市場をめぐる経済思想 2 交換・貨幣・市場ゲーム 1 交換 2 交易と市場の起源 3 交換ゲーム 4 交換に先立つもの 5 交換の正義 6 貨幣 機能主義的アプローチ 7 貨幣 経済人類学的アプローチ 8 貨幣 情報システム論的アプローチ  9 貨幣と市場ゲーム 3 反市場思想および経済的自由主義のプロトタイプ 1 アリストテレスの正義論 2 利得は不正であるという説 3 マネー・ゲームは不自然であるという説 4 利子の否定 5 司馬遷の経済的自由主義 6 国家独占をめぐる問題 4 市場ゲームと正義 1 トマス・アクイナスの正義論 2 「交換の正義」再論  3 「公正価格」 4 中世の商業 5 商業利潤の根拠 6 利子をめぐる議論 7 「分配の正義」 8 ゲームの 「公正」 と初期条件の問題 5 「搾取」と「剰余」 1 市場ゲーム と利得 2 マルクス的「搾取」の概念 3 「剰余」の概念 4 「剰余」としての人間 5 交換システムにおける「剰余」 6 マネー・ゲームと「利潤」 6 「見えざる手」 の世界と 「ユートピア」 1 『蜂の寓話』 のパラドックス 2 自生的な社会的秩序  3 「見えざる手」 4 自然的秩序形成のメカニズムと「共感」 5 「見えざる手」の失敗 6 「市場の失敗」 7 反市場社会としての「ユートピア」 7 市場と国家 1 国家とその経済的役割  2 プラトンの「国家」 3 市場ゲームの抑制者としての国家 4「富国強兵ゲーム」 のプレーヤーとしての国家 5 経済的自由主義と国家 6 再分配ゲームの仲介者としての国家 7  国家による市場の制御 8 資本主義というゲーム 1 「マネー・ゲーム」としての「資本主義」 2 「資本主義」は不公正なゲームか 3 「搾取」についての再論  4 「反資本主義」のモデル 5 「社会主義」という名の「国家独占資本主義」 6 資本主義の否定がもたらす「国家の失敗」 7 非資本主義的市場経済としての「市場社会主義」の可能性 8 資本主義の「精神」 9 経済思想のドラマ 1 古代・中世の反市場の思想 2 「重商主義革命」と「アダム・スミス革命」 3 正統・異端・無神論 4 「ケインズ革命」以後 5 主要なパラダイムの比較 6 市場の擁護と資本主義の擁護 参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 竹内 靖雄 1935~ 2011年。経済学者。成蹊大学名誉教授。東京大学経済学部卒業、同大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。専門は、経済思想史、経済倫理学。 著書に、『マルクスの経済学』『経済学の認識』『経済学とイデオロギー』『競争はなぜ必要か』『日本型市場社会の知恵』『父性なき国家・日本の活路』『経済倫理学のすすめ』『市場の経済思想』(東京海上各務記念財団最優秀図書賞受賞)『正義と嫉妬の経済学』(山本七平賞受賞)『迷信の見えざる手』『国家と神の資本論』『イソップ寓話の経済倫理学』『世界名作の経済倫理学』『ミステリの経済倫理学』『経済思想の巨人たち』『「日本」の終わり』『諺で解く日本人の行動学』『「脱」宗教のすすめ』『チームの研究』『国家という迷信』『得する生き方 損する生き方』『衰亡の経済学』『法と正義の経済学』『あなたも「リーダー」になりなさい』『戦争とゲーム理論の戦略思考』など、 訳書に、D・ジョナス、D・クライン『幼稚化の時代1・2』G・ハーディン『サバイバル・ストラテジー』などがある。
  • 先秦の社会と思想(中国学芸叢書) 中国文化の核心
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 秦に先行する夏殷周の時代(BC.2000頃~.BC220年頃)とは、中国独自の文化が形成された「原中国」であった。本書は、諸子百家の系譜を辿るという従来の手法を排し、最新の考古学的資料と伝来文献を有機的に結びつけ、原中国の社会の全体像と人びとの日常的な心のあり方を、明確なイメージをもって共感的に描き出す。彼らの強固な祖先観念と血族意識は一族や国家の長存、「天地長久」を願う熱い思いの現れであった。当時の支配層の意志決定に参与した史官は文字を独占する最高の知識人であり、天地人についての歴史の知識を蓄積する過程で万物の運行を司る天道を見出した。そして『老子』とは、天地長久の統治と処世を実現する教訓、格言、警句を、天道をも越える「道」の立場から編集整理したものに他ならなかった。豊富な史料と明快な論証により、中国文化の本質解明に一石を投じる画期作。 【目次より】 はじめに 本書の目的と立場 第一節 先秦とはいかなる時代か、いかに理解すべきか 第二節 史料について 第一部 血族社会の世界観 問題の提示 第一章 古代人と髪 第一節 髪と刑罰・兵士俑の髪型 第二節 髪の機能 第三節 髪の意味 第四節 原中国における髪の意味 まとめ 第二章 人間と植物の類比的認識 第一節 土毛・不毛 第二節 文王孫子、本支百世 第三節 『詩経』と類比的認識 まとめ  第三章 血族の長期的存続 第一節 世という文字 第二節 生命の継起的連続 第三節 舜の子孫 第四節 血縁の長期存続と祭祀 第五節 世系・世本 第六節 世の意識 第七節 不死鳥の陳国 第八節 祭祀継続の理由 まとめ 小結 戦国時代へ 第二部 『老子』思想の歴史的研究 問題の提示 第一章 『老子』思想の本質とその背景 第一節 『老子』の本質 第二節 再読「鄭伯、段に〓に克つ」 第三節 『老子』的処世の遍在 第四節 范氏一族の処世 第五節 支配層の意志決定 まとめ 第二章 歴史と『老子』 第一節 歴史とは 第二節 他族の歴史の教訓 第三節 鑑としての歴史・のっとるべき善 第四節 敬の処世 第五節 敬と『老子』 第六節 敬の具体化 第七節 歴史の事実の抽象化と『老子』思想 第八節 『老子』的思想の遍在 まとめ 第三章 天道と道 第一節 史官なるもの 第二節 道と『老子』 第三節 史官の直筆 第四節 シャーマンから史官へ 夏后啓とその子孫 まとめ おわりに あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 高木 智見 1955年生まれ。 中国哲学、中国史学者。山口大学名誉教授。名古屋大学文学部史学科卒業、同大学院文学研究科史学地理学満期退学。博士(歴史学)。専門は中国先秦文化史・中国古代思想。 著書に、『先秦の社会と思想 』『孔子 我,戦えば則ち克つ』『内藤湖南 近代人文学の原点』など、 訳書に、楊寛『中国都城の起源と発展』(共訳) 黄石林, 朱乃誠『中国考古の重要発見』鄭振鐸『伝統中国の歴史人類学 王権・民衆・心性』朱淵清『中国出土文献の世界 新発見と学術の歴史』などがある。
  • ガラテヤ共同体のアイデンティティ形成(関西学院大学研究叢書)
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 これまでガラテヤ書研究とパウロ研究一般は思想史研究という領域に限定されて行われてきた。本書は、アイデンティティ形成の文脈と実践的諸相に着目し、パウロとユダヤ教あるいはユダヤ人キリスト者のあいだで共同体アイデンティティの形成に関する期待がいかに異なっていたかを分析し、またバプテスマ、聖霊顕現体験、遺物としての書簡が共同体アイデンティティ形成に果たした役割を明らかにする。アイデンティティ理論と境界性理論を積極的に用い、また種々の歴史的宗教共同体との類例的比較をとおして、いかにパウロが独自の共同体アイデンティティ形成を試みたかをテクストの内から読み取り、宗教の実体に注目する社会科学的批評学を通してガラテヤ書を考察した画期作。 【目次より】 緒言 叢書・雑誌等の略語 序論 第1部 共同体アイデンティティ形成 第1章 社会学・人類学的理論的枠組み 第2部 ガラテヤ共同体におけるアイデンティティ形成の文脈 第2章 パウロとインストゥルメント型の共同体アイデンティティ形成(ガラ1.11-24) 第3章 第二神殿期ユダヤ教における異邦人編入 第4章 エルサレムとアンティオキアにおける対立関係と共同体アイデンティティ形成(ガラ2.1-14) 第3部 ガラテヤ共同体におけるアイデンティティ形成の実践的諸相 第5章 アブラハムと共同体アイデンティティ形成:サラ・ハガル物語の読み直し(ガラ4.21-31) 補遺 ガラテヤ信徒の宗教的感性とアイデンティティ形成 第6章 バプテスマと共同体アイデンティティ形成:定式文三対構成の発展と機能(ガラ3.27-28) 第7章 聖霊と共同体アイデンティティ形成:アイデンティティの二面性に関する考察(ガラ5.1-6.16) 第8章 書簡と共同体アイデンティティ形成:アイデンティティの場としての文書共有(ガラ6.11) 結論 参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 浅野 淳博 1960年生まれ。宗教学者。関西学院大学神学部教授。明治大学商学部商学科卒業、フラー神学校にて神学修士号取得、オックスフォード大学にて博士号取得。 著書に、『新約聖書の手引き』(共著)『聖書的宗教とその周辺』『ガラテヤ共同体のアイデンティティ形成』『古代世界におけるモーセ五書の伝承』(共著)など、 訳書に、J.D.G.ダン『使徒パウロの神学』リチャード・ボウカム『イエスとその目撃者たち目撃者証言としての福音書』『イエス最後の一週間』『ヨセフスと新約聖書』 などがある。
  • ライブハウスの人類学
    4.0
    1巻4,620円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 閉鎖的で非合理な「場」として語られるようになったライブハウス。社会の周縁へと押しだされながらも、その場へ集う人びとの実践を考察することで、協働的な「自分達にとっての価値」が生まれる道程を捉える。
  • 他者と生きる リスク・病い・死をめぐる人類学
    4.1
    生の手ざわりを求めて――。 “正しさ”は病いを治せるか? “自分らしさ”はあなたを救うか? 不調の始まる前から病気の事前予測を可能にし、予防的介入に価値を与える統計学的人間観。 「自分らしさ」礼賛の素地となる個人主義的人間観。 現代を特徴づける一見有用なこの二つの人間観は、裏で手を携えながら、関係を持つことではじめて生まれる自他の感覚、すなわち「生の手ざわり」から私たちを遠ざける。 病いを抱える人々と医療者への聞き取り、臨床の参与観察、人類学の知見をもとに、今を捉えるための三つ目の人間観として関係論的人間観を加えた。 現代社会を生きる人間のあり方を根源から問う一冊。
  • 9つの人生 現代インドの聖なるものを求めて
    5.0
    全編にわたって、むせかえるような聖性。 それが、猥雑で、エロスに溢れており、実に尊い。 ちまたにあふれている宗教の概説書を読むより、本書の読破をお勧めする。 ――釈徹宗氏(僧侶、宗教学者) 紀行文学の名手が紡ぐ 魂の救済の物語。 鮮烈な伝統、信仰、霊性と歌の世界 ◆内容◆ 急速な経済発展を遂げ変化し続ける現代インド。その村々で伝統や信仰を受け継ぐ人々を取材した、紀行・歴史文学の名手による、19か国で翻訳出版されたノンフィクションの傑作。 死への断食に臨むジャイナ教尼僧。祭りの間、最下層の人間が神になる憑依芸能テイヤム。神に捧げられ娼婦となった女たちを守護する女神信仰。叙事詩を伝承する沙漠の歌い手。スーフィーの聖者廟に身を寄せる女性。かつてダライ・ラマ14世の警護をつとめ、亡命し兵士として人を殺めたことを懺悔するチベット仏教の老僧。約700年以上の伝統を汲む職人による官能的神像の世界観。女神信仰のもと、しゃれこうべを重用するタントラ行者。そして吟遊行者バウルとなった人々の遊行の半生――。 現代文明と精神文化の間に息づく、かけがえのない物語。 ◆海外評◆ 「文句なしにうつくしい本。高潔で誠実、そして啓蒙的で感動的。大好きな本、読めることが純粋に喜び」『食べて、祈って、恋をして』著者、エリザベス・ギルバート氏 「ジャーナリズムと文化人類学、歴史、宗教史の見事なまでの調和が、すばらしい小説作品のような描写力で文章に結実している。キプリング以来これほどインドの農村を魅力的に描き出した人はいない」インド学者、ウェンディ・ドニガー氏“Times Literary Supplement”紙
  • Anthro Vision(アンソロ・ビジョン) 人類学的思考で視るビジネスと世界
    4.2
    『サイロ・エフェクト』著者最新作!  なぜ経済学やビッグデータ分析は問題解決に失敗するのか? 社会科学とデータサイエンスの融合で人類学的知見が果たすべき役割とは。 FTのトップジャーナリストが広い視野から事象を分析する人類学の思考フレームワークを解説。    * * *  現代社会の知的ツールが、機能不全に陥っている。経済予測、選挙の世論調査、金融モデルは外れてばかりだ。こうしたツールは、世界はごくわずかな変数で分類・把握できるという前提に基づいて設計されている。視野が狭いのだ。  世界が安定していて、過去が未来の参考になる時代なら、それでもうまくいくかもしれない。だが変化の激しい時代、「極端な不確実性」に直面しているときは、狭い視野は危険だ。  ビッグデータをAI(人工知能)がどれだけ処理しようとも、そこから導き出されるのは「WHAT」だけである。事象の原因、「WHY」にはたどり着けない。    * * *  いま求められるのは、広い視野と「WHY」を突き詰める視点である。「未知なるものを身近なものに」「身近なものを未知なるものに」変化させ、隠れたパターンを見いだすツールである。  本書では人類学者のように「虫の目」で世界を視て、「鳥の目」で集めた情報と組み合わせることで「社会的沈黙」に耳を澄ます技術「アンソロ・ビジョン(人類学的視野)」を紹介する。  フィナンシャル・タイムズ紙(FT)のトップジャーナリストが執筆した話題作。
  • 絡まり合う生命――人間を超えた人類学
    3.8
    もうすぐ絶滅する人類のために 狩猟に疲れ、ボルネオの闇夜の森で微睡(まどろ)む人類学者は、寝袋を這うアリたちの足音を確かに聴き、自分がアリの世界の一員となったと感じる……。 「この世界は人間だけのものではない」という深い実感から出発し、動物、死者、そして生命そのものへと向かう全く新しい人類学の探求が幕を開ける。 ボルネオの森から、多種的世界とアニミズムを経て、「生命とは何か」という根源的な問いへ。 インゴルド、コーン『森は考える』、ウィラースレフ『ソウル・ハンターズ』、アナ・チン『マツタケ』ら最新の人類学の議論を積極的に吸収しつつ、人類学の新たな可能性が展開される。 ――世界の覇者を自認してあらゆるものを食い尽くし、絶滅の淵に立つ人類に、世界観の更新を迫る、壮大な「来たるべき人類学」の構想。 【目次】 序論 平地における完全なる敗者 第1部 アニマルズ ■第1章 鳥たち ■第2章 リーフモンキーの救命鳥 ■第3章 2でなく3、 そして4 ■第4章 ネコと踊るワルツ 第2部 スピーシーズ ■第5章 多種で考える――マルチスピーシーズ民族誌の野望 ■第6章 明るい人新世、暗い人新世 ■第7章 人間以上の世界の病原体 ■第8章 菌から地球外生命体まで 第3部 アニミズム ■第9章 人間だけが地球の主人ではない ■第10章 科学を凌ぐ生の詩学 ■第11章 ぬいぐるみとの対話 第4部 ライフ ■第12章 考える森 ■第12章補論 考える、生きる ■第13章 記号生命 ■第14章 バイオソーシャル・ビカミングス――ティム・インゴルドは進化をどう捉え、どう超えたか ■終章 人類の残された耐用年数――厚い記述と薄い記述をめぐって ■あとがき ■参考文献
  • プシコ ナウティカ――イタリア精神医療の人類学
    5.0
    1巻6,380円 (税込)
    なぜ精神病院を廃絶したのか?精神病院から地域への移行で何が生じたか。地域精神保健サービスの現場でいま何が行なわれているのか。イタリア精神医療の歴史と現状を展望し、「人間」を中心にすえた、地域での集合的な生のかたちを描く。
  • 病いは物語である 文化精神医学という問い
    -
    なぜ臨床場面に民族誌(エスノグラフィー)が必要なのか? 著者は文化精神医学や医療人類学の方法論を精神科の日々の臨床にいかに蘇生させるかということを,ライフワークにしてきた。本論集はその集大成ともいうべき労作である。 かつてA・クラインマンは,台湾をフィールドとする著作のなかで,憑依状態で治療にあたる現地の童ケイ(タンキー)を,癒しにおいて間違いなく西洋医にまさるものと結論づけた。ここで作動しているローカルな知を現代医療において生かす方法は何かと著者は問う。現代精神医療の変容(「大きな物語の終焉」),物語論の始原へと遡るジャネの心的治療論,民俗学への架橋,そして医療自身のもつ文化をたどりながら,読者は対話場面で偶発的に溢れるように語りだされる患者や家族の「もう一つの物語」を聴くことになるだろう。 精神療法は文化とどこで出会うのか? 心的治療の多様性とは? 臨床民族誌という方法を理論にとどまらず身体技法として身につけるにはどうしたらよいか?……本書(本論集)はこれらを模索する試みである。

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  • ぼくの昆虫学の先生たちへ
    4.0
    「初夏の青空を背景にしたオオムラサキの荘厳な飛翔があれば、それだけで世界は完全だった。イチジクの木の葉にキボシカミキリの銀河のような黄色の斑点模様を発見すれば、もうその日の幸福は約束された」。昆虫を追い求める至福の時間――。南米などで精力的に活動をつづける文化人類学者が書いた、自らの原体験ともいうべき昆虫との出会いから、未知なる生命の世界へといざなってくれた14人の師への架空の手紙。
  • 天使の誘惑【分冊】 1巻
    無料あり
    -
    22歳のレベッカは優秀な成績で大学を卒業したばかりだった。そんな彼女が出会ったのは、美しい容姿に金褐色の瞳…年上の人類学者ベネディクトだ。周囲は彼を難しい男だと警告するが、レベッカは“傷ついても後悔はしない”と想いを貫く。そんな彼女に応えベネディクトも紳士にエスコートし、ふたりは順調に交際を進めた。しかし「君はまだ、無垢な少女のふりをするのか?」彼のこの言葉が嫉妬ではなく、ある“目的”があることに、幼い彼女は気づきもしなかった――。

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  • 変形菌ミクソヴァース
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 変形菌とはなにものか? 変形菌はどんな生活をしているのか? 幼いとき、この謎の生きものに魅せられてしまった著者が、変形菌目線ともいうべき視点からその生態をいきいきと語ります。 20歳の変形菌研究者が案内するのは森、道、雪の下などで人知れず営まれている、小さな生きもののダイナミックなライフ・イベント。 イオウモジホコリ(子実体)、イタモジホコリ(変形体)、ジクホコリ(子実体)などはもちろん、著者の研究テーマである「変形菌の自他認識」の決定的な瞬間まで、まさに知識の拡張体験を愉しめる一冊です。 読みやすい文章と、著者撮影による圧倒的に美しい画像で、私たちの身近な世界に「新しい視点」を見せてくれます。 霊長類・人類学者 山極壽一さん大推薦! 【著者略歴】増井真那(ますい・まな) 2001年東京生まれ。5歳で変形菌に興味を持ち、6歳から野生の変形菌の飼育を、7歳から研究を始める。日本学生科学賞 内閣総理大臣賞など多数の受賞歴をもつ。17歳で国際学術誌に論文が初掲載された。フィールドワークで得た経験と、「変形菌の自他認識」をテーマとした研究知識をもとに、変形菌の魅力を世に広めるべく日々精力的に活動中。講演会やワークショップ、メディア出演など幅広く活躍する。慶應義塾大学 先端生命科学研究所所属。公益財団法人 孫正義育英財団 正財団生。日本変形菌研究会、日本生態学会、日本進化学会、日本菌学会会員。
  • 「自殺社会」から「生き心地の良い社会」へ
    4.0
    毎年、自殺者が3万人を超える自殺大国・日本。1日100人が自殺する社会への処方箋とは? 生きづらい国日本の正体とは? 緊急対論! ――2004年、NPO法人「ライフリンク」を立ち上げ、「自殺対策基本法」成立の原動力となった清水康之氏と、「生きる意味」を問い続ける文化人類学者の上田紀行氏が、「自殺社会」日本の正体と、「生き心地の良い社会」への道筋を、徹底対論!〈文庫オリジナル〉 ◎日本では、毎日100人近くもの人たちが自殺で亡くなっています。未遂者は既遂者の10倍はいると言われていますから、この同じ時代に、この同じ社会で、毎日1000人もが自殺を図っていることになるわけです。それが、日本の「自殺の現実」です。 [年間自殺者3万人超 12年連続] [交通事故死者数の6倍] [イラク戦争で亡くなった米兵の10倍] [自殺による深刻な影響 国内で毎年200万人] [自殺死亡率 米国の2倍、英国の3倍]
  • 愛の降伏【分冊】 1巻
    無料あり
    -
    歴史人類学者のイボンヌには不思議な力があった。霊の姿を見る事は出来ないが、霊と会話出来るのだ。ある日イボンヌは、いわくつきのアンティークの香水瓶を手に入れる。その小瓶には魔力を高めてくれる力があった。小瓶の影響でイボンヌの霊能力は強化され、ついに霊を目の前に呼び出してしまう。しかもその霊は、イボンヌが夢中で研究している伝説のジプシーキング「ビクター」本人だった。なビクターの霊は、夜ベッドに現れ、イボンヌを誘惑するのだが…!?

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  • 結び
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 〈結び〉の発達は人間の叡知の結晶である。本書はその諸形態および技法を作業・装飾・象徴の三つの系譜に辿り,〈結び〉のすべてを民俗学的・人類学的に考察する。
  • 食具
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 食の人類学の視点から東西の食法を考察し,箸の食文化と三点セット(スプーン,フォーク,ナイフ)の食文化の違いを人間の自然へのかかわり方の違いとして捉える。
  • インド残酷物語 世界一たくましい民
    4.1
    世界有数の大国として驀進するインド。その13億人のなかにひそむ、声なき声。残酷なカースト制度や理不尽な変化にひるまず生きる民の強さに、現地で長年研究を続けた気鋭の社会人類学者が迫る! 日本にとって親しみやすい国になったとはいえ、インドに関する著作物は実はあまり多くない。 また、そのテーマは宗教や食文化、芸術などのエキゾチシズムに偏る傾向にあり、近年ではその経済成長にのみ焦点を当てたものが目立つ。 本書は、カーストがもたらす残酷性から目をそらさず、市井の人々の声をすくいあげ、知られざる営みを綴った貴重な記録である。 徹底したリアリティにこだわりつつ、学術的な解説も付した、インドの真の姿を伝える一冊といえる。 この未曾有のコロナ禍において、過酷な状況におけるレジリエンスの重要性があらためて見直されている。 超格差社会にあるインドの人々の生き様こそが、「新しい強さ」を持って生きぬかなければならない現代への示唆となるはず。
  • 手づくりのアジール
    4.8
    青木君たち、やっていることは「けっこう極端」なんだけれど、言葉の手ざわりがとてもやさしい。 だから話をずっと聴いていられる。──内田樹 注目の在野研究者・移住者・図書館主宰者による土着人類学宣言! あたらしい人文知はここからはじまる。 市場原理主義や、社会に浸透する高度なテクノロジーによる管理化に飲み込まれず、地に足がついたまっとうな生き方をするためには、社会のなかでの「アジール(避難所)」を自分たちの手で確保することが必要ではないか。 ・スピードが最優先される「スマート化」にどう抗うか? ・これからの「はたらく」のかたちとは? ・研究と生活をどう一致させるか?…… 奈良の東吉野村で自宅兼・人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」を主宰する著者が、志を同じくする若手研究者たちとの対話を通じて、「土着の知性」の可能性を考える考察の記録。あたらしい人文知はここからはじまる。 ぼくらの直感は合っていました。合っていたからと言って世界が劇的には変わるわけではないのだけれど、でももうちょっと、この「土着の知」とも言うべき人間の生き物としての部分を認めないと、ぼくたちは生き残ることができないのではないか。社会を維持することだってできないのではないか。本書は『彼岸の図書館』で言語化でき始めたこの直感を、同年代の研究者と共有し、意見交換した記録です。(「はじめに」より) 【目次】 「闘う」ために逃げるのだ──二つの原理を取り戻す 対話1 逃げ延びるという選択 栢木清吾×青木真兵×青木海青子 対話2 これからの「働く」を考える 百木漠×青木真兵 「最強」とはなにか──山村で自宅を開くこと 対話3 「スマート」と闘う 藤原辰史×青木真兵 対話4 土着の楽観主義 竹端寛×青木真兵 手づくりのアジール──「自分のために」生きていく 対話5 生活と研究 磯野真穂×青木真兵 対話6 ぼくらのVita Activa——マルクス・アーレント・網野善彦 百木漠×青木真兵 山村デモクラシーII
  • ワクチンの噂――どう広まり、なぜいつまでも消えないのか
    4.5
    〈私は、噂の重要性を次のように見ている。すなわち、公的な情報源から提供されない場合に答えを求める手段、不確かなリスクに直面したときに集団で意味づけをする手段、公的な経路ではまだ認識されていない予見できないリスクについての新情報を伝える合図としての重要性である〉「ワクチンを打つと不妊になる」「ワクチンを打つと自閉症になる」――。予防接種という世界的なプロジェクトの誕生以来、私たちはワクチンをめぐって常に噂やデマに翻弄されつづけてきた。それらの噂やデマは単に街の噂話から立ち上り拡散されていくのでなく、時の政権やエリートへの不信感のなかに、そして宗教的指導者や科学者の発言のなかに火種が隠されていることもある。さらに、ソーシャルメディアに慣れ親しんだ今日の私たちは、容易に噂のパンデミックに曝される危機に陥っているのだ。ワクチンをめぐる噂やデマはどのように生まれ、どう広まり、なぜ疑いようのない事実のようにいつまでも消え去らないのか? ワクチンの信頼性をめぐる国際的な研究プロジェクトを率いてきた人類学者が、多様な背景より湧き上がる噂の生態系を明らかにする。[解説・磯野真穂]
  • RE-END 死から問うテクノロジーと社会
    4.0
    ──私たちは、よりよく死ねるだろうか? 死を問うことは、近現代が築いた社会を問い直すことでもあります。これまでいくつもの未来予測が描かれてきましたが、災害やパンデミックといった不可避の混乱に陥ったとき、どれだけ技術が進化しても生物に降りかかるものが「死」であり、多様な視点で文明を根底から見直す必要性に私たちは気づいたはずです。 いまや故人のデータはネットワーク上に残り、データ上で私たちは“死ねなくなる”ともいわれています。AIが過去の偉人をコピーしたり、バーチャル空間で死者と再会したりすることも可能な時代となりました。少子高齢化に伴い、住む土地への帰属意識や共同体が変化し、墓や葬儀のシステムも見直されてきています。そんな現代で、私たちは「死」とどう対峙していくのでしょうか。自分がいつか死ぬとき、大切な人が亡くなるとき、これからの時代では何が変化し、何が遺されるのでしょうか。 本書では、気鋭のマンガ家による描き下ろしのショートマンガや絵を織り交ぜながら、民俗学や人類学、情報社会学や人工知能研究といった多様な論者と、「死」という切り口からこれからのテクノロジーと社会を読み解いていきます。個人では向き合いづらいテーマであるからこそ、皆の知見をヒントに人間観を捉え直し、死生観のアップデートを試みましょう。死と向き合うことは、いまの生をとらえ直すことにもつながります。死の定義が変わるAI時代、本書が生と死のウェルビーイングを捉え直す契機となるはずです。 特別描き下ろし 【表紙・巻頭マンガ】五十嵐大介/【絵】諸星大二郎/【マンガ】しりあがり寿/【マンガ】うめ(小沢高広・妹尾朝子)/【マンガ】ハミ山クリニカ+原作・宮本道人 寄稿 ドミニク・チェン/畑中章宏/石倉敏明/岡本亮輔/折田明子/水野祐/庄司昌彦/橋迫瑞穂/栗原聡 インタビュー 玉置妙憂/木村光希/Whatever(川村真司+富永勇亮)/小門穂/尾藤誠司 対談 しりあがり寿×畑中章宏/宇川直宏×山川道子

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  • 世界の深層をつかむ 宗教学
    3.5
    《わかったつもりで終わらない 独学シリーズ》 単に「知っている」だけではなく、知識を自分ごと化し、 自分の考えを持つための学びを促す新シリーズ、創刊! 1日1テーマ、自分の考えを育て、アウトプットできるようになるワーク型の教養書。 さらに購入特典のメルマガで、あなたの独学をサポートします。 第1弾は【世界の深層をつかむ 宗教学】 宗教学は、世界じゅうのさまざまな宗教について、信仰の立場を離れて、客観的に研究する学問です。 単一の学問ではなく、人類学、社会学、心理学、歴史学、文献学、民俗学……等々、さまざまな学問的手法の総体です。 本書は、宗教学の世界に触れ、その考え方や基本的用語を知ると同時に、 世界のさまざまな宗教についての基礎知識を得るための独習型のワークブックとして企画されました。 毎回ちょっとした出題があります。それまでのページを振り返りながら、取り組んでみてください。 宗教の世界には単純な正解はあまりありません。 答えが合っているか間違っているかということにこだわらずに、 ご自身の思考の整理として利用してください。 本書をどのように使おうとご自由です。ひととおり眺めることで、宗教というものが、 世界の時事的な問題と、あるいは私たち自身の日常と、 深くかかわっていることがお分かりいただけるでしょう。 【あなたの独学をサポートするメルマガ付き! 】 メールマガジンにご登録いただくと、 その日から1週間ごとに各週のまとめ解説と復習問題をお送りいたします。 メールマガジンを読み、問題を解くことでより理解が深まり、 学習のペースをつくることができます。 【目次】 第1週 宗教とは何か? よくある疑問から考える 第2週 世界をよみとく4つの宗教 歴史と教えの基礎を学ぶ 第3週 宗教とさまざまな分野とのかかわり 現代の社会課題へのヒント 今後の独学に役立つ本 《第2弾 人と社会の本質をつかむ 心理学 2021年11月に刊行予定! 》
  • 「木」から辿る人類史 ヒトの進化と繁栄の秘密に迫る
    4.0
    二足歩行、交易、産業の発展……すべて成功の鍵は「木」にあった! ヒトはいかにして二足歩行を始め、文明を築き、驚異の発展を遂げたのか? 定説では、石・青銅・鉄が重要な役割を担ったとされている。しかし、じつは「木」こそが歴史をつくった最も重要な鍵だと著者は言う。類人猿の樹上の巣から、交易に活用された木舟、多様な建築技術、エネルギー源としての木炭まで、つぶさに語られる木の驚くべき汎用性を通して、今まで見えていなかった新しい歴史の姿が現れる。 人類学・建築学・生体力学など幅広い研究をもとに、構造的な特殊性をもつ木と、創意工夫に長けた人類の700万年にわたる関係を、斬新な視点で解き明かす壮大な物語。 〈内容〉 第1部 木が人類の進化をもたらした(数百万年前~1万年前)  第1章 樹上生活の遺産  第2章 木から下りる  第3章 体毛を失う  第4章 道具を使う 第2部 木を利用して文明を築く(1万年前~西暦1600年)  第5章 森を切り拓く  第6章 金属の融解と製錬  第7章 共同体を築く  第8章 贅沢品のための木工  第9章 まやかしの石造建築  第10章 文明の停滞 第3部 産業化時代に変化した木材との関わり(西暦1600年~現代)  第11章 薪や木炭に代わるもの  第12章 一九世紀における木材  第13章 現代世界における木材  第4部 木の重要性と向き合う  第14章 森林破壊の影響  第15章 木との関係を修復する
  • トラウマにふれる 心的外傷の身体論的転回
    5.0
    心は震え、身体はささやき、そして人は生きていく。 薬物依存、摂食障害、解離性同一性障害、女性への性暴力、男児への性虐待、ジェンダー/セクシュアリティをはじめとした臨床現場の経験の知から、中井久夫、エイミー・ベンダー、島尾ミホ・敏雄との対話、学際研究の価値を問う人文の知へ。「傷を語る・傷に触れる」「臨床の知」「傷に寄り添う」「傷と男性性」「知は飛翔する」という高密度に編成された五つのセクションを通じて、臨床の足跡と、医療人類学の考察が、多方向へと展開されていく。 傷を語ることは、そして傷に触れることはできるのか? 問われる治療者のポジショナリティとはいかなるものか? 傷ついた心と身体はどのように連動しているのか? ジェンダー・センシティビティはいかにして臨床の質を左右するのか?――傷ついた心と癒されゆく身体、その波打ち際でトラウマと向き合う精神科医にして医療人類学者の、思索の軌跡と実践の道標。

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  • がんと生きる言葉の処方箋 元気になれる言葉の叡智
    -
    がんと闘うあなたへ。自分だけの「処方箋」が見つかる、心の指南書。 がんと闘う人々が自らの苦悩や体験を語る場所、「がん哲学外来メディカル・カフェ」。ここでは、がん体験者やその家族、医療関係者が参加して、対話が行われる。 カフェを訪れた人のがんと懸命に向き合う様子は映画化され、2019年5月より全国各地で自主上映されていた。しかし、コロナ禍で上映を中止せざるを得ない状況に。そんな中、この波を止めまいとYouTubeで「映画『がんと生きる言葉の処方箋』応援チャンネル」が立ち上げられた。自らのがん体験、そして病気や悩みを抱える全ての人に向けた「言葉の処方箋」を映画出演者、がん体験者、医療従事者、がんサポーターにインタビューし、がんと生きるための道標となるメッセージをドキュメンタリーブックとして電子書籍化した一冊。あなたの心にも、きっと届くはず。 「私たちが出会ったがんサバイバー・サポーター・ 医療関係者は、どうしてあんなに優しいんだろう」(野澤和之)  「言葉は人生に活力を与え、人生を彩る。病気や悩みを抱える人たちへの言葉の処方箋」  (並木秀夫) <著者紹介> 野澤和之(のざわ・かずゆき) 新潟県出身。立教大学文学部大学院修了。記録・文化映画、TV番組を経てドキュメンタリー映画の世界へ。文化人類学を学んだ経験から文化・社会の周縁にいる人々を描いた作品が多い。代表作に在日1世の半生を捉えた『HARUKO』、マニラのストリートチルドレンを描いた『マリアのへそ』、ハンセン病療養所で暮らす夫婦の物語『61ha絆』、世界最大のハンセン病療養所の島で暮らす人々を描いた『CULION DIGNITY』など。『がんと生きる言葉の処方箋』は自らも大腸がんを体験しながら創った執念の作品となった。 並木秀夫(なみき・ひでお) 東京都出身。北海道大学水産学部卒業、ジョージワシントン大学経営学修士課程(MBA)修了。国内大手製薬企業のマーケティング部門を経て国内中堅製薬企業の取締役として希少がんの事業に従事。2017年医療の隙間を埋めるテーマの映画製作で野澤和之氏と意気投合し、企画段階よりプロデューサーとして参画した。

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  • 「海の民」の日本神話―古代ヤポネシア表通りをゆく―(新潮選書)
    4.3
    古代日本、「ヤポネシア」の表通りは、いかなる世界だったのか。筑紫、出雲、若狭、能登――『古事記』等の文献は勿論、考古学や人類学も含めた最新研究を手掛かりに、海流に添って古代の世界を旅すると、ヤマトに制圧される以前に、この地に息づいていた「まつろわぬ人々」の姿が見えてきた。三浦版「新・海上の道」誕生。
  • BRUTUS特別編集 合本 すべては、本から。
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ※本ムックはカラーページを含みます。お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。 世の中が変わるときに読む本。 BOOKS and THOUGHTS 豊かになるために資本主義を脱する。 斎藤幸平 國、民族、言語、境界を超え、世界とどう繋がるのか 多和田葉子 SFの現在地を探る、編集者座談会。 溝口力丸、小浜徹也、水上志郎 現代の“炭鉱のカナリア”はホラー作品である。 真藤順丈、平山夢明 過去と現在を短歌で結びつける。 東直子、山田航、山階基 余白の中に現れる自己。現代詩は心のリトマス紙。 山田亮太(TOLTA) 2020年、こんな本を読んで、こう考えた。 柴崎友香、橋本麻里、福岡伸一 噛むほどにおいしい。人生指南としての料理本。 寿木けい これからの「世界」を考えるための KEY BOOK 孤独/独裁とポピュリズム/デジタル・ディバイド/ ケアリングデモクラシー/ルッキング/生活をやり抜く/ 喪失とノスタルジー/身銭を切る/アフリカの知性 アナキストたちに学ぶ、楽しい働き方改革。 森元斎 不透明な世界を生き抜くための、武器としての「哲学」。 千葉雅也 私たちは生まれてこないほうが良かったのか? 森岡正博、オカヤイヅミ THE NEW CLASSIC BOOKS 未来は過去の中に。温故知新の読書ガイド。 こんな本を読んできた。1930年代生まれ、科学者2人の読者歴。/ 読書家6人が今、読み返す“古典”/ 超時間対談2020 ハマ・オカモト×開高健!? 師匠から弟子へ。受け継がれる言葉。 九龍ジョー 劇作家・別役実が読み、削除した「ジョーク集」!? 別役実、べつやくれい 『MOTHER』に帰れば、答えが見つかる(かもしれない)。 『MOTHER』のプレイヤーたち。 危険な読書2020 人生変えちゃうかもしれないあの1冊。 今、最も危険な作家、阿部和重。 新世代のSFの現在地。 “マルジナリア”という古くて新しい読書術。 閲覧注意!非英語圏の世界文学。 ホラーな短歌。 伝説の巨人というロマンを求めて。 酒をめぐる冒険。 読めない本。 勝手に自家装幀本。 奇怪なアートブック。 逸脱者たちの人類学。 その時、その場所の熱狂。 危険なマンガ マンガ家・榎本俊二/海外マンガ/家族/異界/演劇論
  • 精霊に捕まって倒れる――医療者とモン族の患者、二つの文化の衝突
    4.6
    生死がせめぎ合う医療という場における異文化へのまなざしの重さを、感性豊かに、痛切に物語る傑作ノンフィクション。ラオスから難民としてアメリカに来たモン族の一家の子、リア・リーが、てんかんの症状でカリフォルニア州の病院に運ばれてくる。しかし幼少のリアを支える両親と病院スタッフの間には、文化の違いや言語の壁ゆえの行き違いが積もってしまう。モン族の家族の側にも医師たちの側にも、少女を救おうとする渾身の努力があった。だが両者の認識は、ことごとく衝突していた。相互の疑心は膨れ上がり、そして──。著者は、医師たちが「愚鈍で感情に乏しい、寡黙」と評したリアの両親やモンの人びとから生き生きとした生活と文化の語りを引き出し、モン族の視点で見た事の経緯を浮かび上がらせる。その一方で医師たちからもこまやかな聞き取りを重ね、現代的な医療文化と、それが医療従事者に課している責務や意識が、リアの経過にどう関わっていたかを丹念に掘り起こしている。本書の随所に、異文化へのアプローチの手がかりがある。原書は1997年刊行以来、アメリカで医療、福祉、ジャーナリズム、文化人類学など幅広い分野の必読書となった。医学的分類の「疾患」とは異なる「病い」の概念も広く紹介し、ケアの認識を変えたとも評される。全米批評家協会賞受賞作。
  • インドネシア ──世界最大のイスラームの国
    3.0
    世界一のイスラーム人口を誇るインドネシアは、独立後、シャリーア(イスラーム法)を国法としない共和国となった。しかし、教義に厳格なムスリムと、より柔軟に教義を解釈するムスリムの溝は埋まることはなかった。そのなかで人々は何を考え、どのような社会を創り上げたのか。インドネシアに計8年間暮らし、その文化と宗教を研究してきた社会人類学者が、綿密なフィールドワークで得た多様なムスリムの声とともに、教義と実践の狭間で揺れる大国の論理と実態を描きだす。
  • 「雑」の思想 世界の複雑さを愛するために
    -
    近代社会が喪った「雑」の魅力を語りあう 雑談・雑音・雑学・雑種・雑用・複雑・煩雑・粗雑…… 現代社会が否定してきた「雑」の中に、多様性や民主主義の根っこがあり、 市場主義や「生産性」に代わる価値観の手がかりがある。 “雑”なる対話から広がる魅力的な世界。 【目次】 はじめに……辻 信一 第1章 「弱さ」から「雑」へ 第2章 「雑」なる民主主義・「雑」なるエコロジー 第3章 座談で「雑」を広げる・深める(田中優子×山崎亮×高橋源一郎×辻信一) 第4章 「雑」に向き合う宗教・「雑」を取り入れる経済 第5章 「雑」の思想は深まり広まる おわりに……高橋源一郎 【著者】 高橋源一郎 作家。『優雅で感傷的な日本野球』で三島由紀夫賞、『日本文学盛衰史』で伊藤整文学賞、『さよならクリストファー・ロビン』で谷崎潤一郎賞を受賞。 辻信一 文化人類学者、「ナマケモノ倶楽部」世話人、「100万人のキャンドルナイト」呼びかけ人代表。『スロー・イズ・ビューティフル』(平凡社ライブラリー)ほか著書多数。
  • 「あいだ」の思想 セパレーションからリレーションへ
    -
    「あいだ」は愛だ? 関係性をめぐる対話 新型コロナが私たちに意識させた人との距離、そして境界線。他者とのあいだ、国と国のあいだ、生と死のあいだ…広がる連想と対話を通じて、危機の時代を生きぬくための立地点をさぐる。「弱さ」「雑」と重ねた対話集の完結編。 【目次】 はじめに 辻信一 第一章 さまざまな「あいだ」 第二章 「あいだ」を広げる二つの視点(田中優子・山崎亮) 第三章 「あいだ」は愛だ 第四章 「あいだ」で読み解くコロナの時代 第五章 「弱さ」×「雑」×「あいだ」 おわりに  高橋源一郎 【著者】 高橋源一郎 作家。『優雅で感傷的な日本野球』で三島由紀夫賞、『日本文学盛衰史』で伊藤整文学賞、『さよならクリストファー・ロビン』で谷崎潤一郎賞を受賞。 辻信一 文化人類学者、「ナマケモノ倶楽部」世話人、「100万人のキャンドルナイト」呼びかけ人代表。『スロー・イズ・ビューティフル』(平凡社ライブラリー)ほか著書多数。
  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章
    4.4
    「人間への見方が新しく変わる」――ユヴァル・ノア・ハラリ(『サピエンス全史』著者)推薦! 「希望に満ちた性善説の決定版!」――斎藤幸平(『人新世の「資本論」』著者)推薦! 「邦訳が待ちきれない!2020年ベスト10洋書」WIRED日本版選出 本国オランダでは発売忽ち25万部突破ベストセラーに。世界46カ国での翻訳が決定。 近現代の社会思想は、”性悪説”で動いてきた。だが、これらは本当か。 ・ホッブズいわく「万人の万人に対する闘争」 ・アダム・スミスによると、人は損得勘定で動くホモエコノミクス ・ダーウィンが唱えた、自然淘汰説 ・ドーキンスは『利己的な遺伝子』を執筆 ・少年たちのいじめ本性を描いた『蠅の王』がノーベル文学賞 著者は、この暗い人間観を裏付ける心理学や人類学の定説の真偽を確かめるべく 世界中を飛び回り、関係者に話を聞き、エビデンスを集めたところ意外な結果に。 ・スタンフォード大の囚人実験(普通の人間は邪悪になれる) ・ミルグラムの電気ショック実験(アイヒマン実験は) ・イースター島絶滅は人間のエゴ説(ジャレド・ダイアモンド) 善人が悪人になってしまう理由とは。なぜ人類は生き残れたのか。 これから生き延びるためにどうすればよいかが書かれた「希望の書」。
  • 「イミがわからない…」がなくなる! こども読解力
    3.5
    「文章読解は公式がないから難しい……」 「どうやって読んだら効率的かわからない……」 そんな悩みは齋藤式メソッドで、全て解決! 等身大のキャラクターと一緒に、登場人物の心の動きが理解できるので、今まで文章が苦手だった人も楽しみながら深く読める。 また、イラストを使った解説で、背景知識も語彙も同時に学べて、本当の国語力がグングン身に付けられる。 さらに、三色ペンを使って、テストで、どう考えて、どこに線を引けばいいのか、一目でわかる効率的な読解方法も習得できる。 掲載作品も、近代文学から中学入試に出題された文章までを徹底網羅し、家庭学習はこれ一冊で大丈夫! [取扱い作品]  ・近代文学 『坊っちゃん』夏目漱石  『草枕』夏目漱石 『夏目漱石の手紙』夏目漱石 『そぞろごと』与謝野晶子 『走れメロス』太宰治 『駈込み訴え』太宰治 『人間失格』太宰治 『鼻』芥川龍之介 『檸檬』梶井基次郎 『やまなし』宮沢賢治 『たけくらべ』樋口一葉 『陰翳礼讃』谷崎潤一郎 『学問のすすめ』福沢諭吉  ・中学入試に出題された文章 『こころの処方箋』河合隼雄 『何のために「学ぶ」のか』所収「学ぶことの根拠」小林康夫 『「しがらみ」を科学する―高校生からの社会心理学入門』山岸俊男 『ユーモアの鎖国』石垣りん 『友だち幻想』菅野仁 『「食べること」の進化史』石川伸一 『対話をデザインする―伝わるとはどういうことか』細川英雄 『新・冒険論』角幡唯介 『感性は感動しない』所収「子供の絵」椹木野衣 『昆虫という世界―昆虫学入門』日高敏隆 『うしろめたさの人類学』松村圭一郎 『約束』所収「夕日へ続く道」石田衣良 『君たちは今が世界』朝比奈あすか 『蜜蜂と遠雷』恩田陸 『城のなかの人』所収「三成」星新一
  • プロジェクト・ファザーフッド
    3.5
    「殺し合いを今すぐやめなきゃならない。子供たちを救うんだ」 父を知らずに育った男たちが親になるとき――。 貧困、差別、暴力を超えて繋がる男たちのドキュメント ロサンゼルス南部の街ワッツは、ギャング抗争が頻繁に起こるスラム街。 死ととなり合わせの暴力やドラッグ汚染、警官の虐待行為が男たちを捕らえ、 父から子、子から孫へと連鎖していく。 人類学者でソーシャルワーカーの著者は、元ギャングメンバーに頼まれて、 子供をもつ男性たちの自助グループを運営。 毎週水曜日の夜、会合には十代の少年から中年層までが集まり、 語り合いながらともに「父になること」を手探りする。 たがいの喜びも不安もトラウマをも受けとめながら、子供たちを全力で守り、 コミュニティを再生していくことを胸に誓う――。 Zeebra氏(ヒップホップ・アクティビスト)推薦! 父親とはどんな存在であるべきか。そこに完璧な答えなど存在しない。 大切なのは自分と向き合う事。負の連鎖を断ち切るのは貴方です! 水無田気流氏(詩人、社会学者)推薦! 荒んだ街で生き延びるためにこそ、子どもには父親(俺たち)が必要。 繰り返されるその言葉は、あまりに重い。 父親を知らずに育った男たちが、父親になる意味を問い直し、 子どもを守り育てることを誓いながらも、挫折を重ねる。 「完璧」からはほど遠い彼らが父親たり得ること(ファザーフッド)を目指すこと。 困難で切実なこのプロジェクトの行方を、見守ってほしい。 「日頃から銃を使い、ドラッグを売買し、女たちを殴り、 刑務所に行き、どうしたら父親になれるのか見当もつかずにいる そうした男たちは、まず自分自身が父親を求めていたのだ。 彼らの喪失感の深さと強い欲求から、本人は直接 口にはしないが、一つの疑問がひしひしと伝わってくる。 『こんな俺がどうしたら父親になれるのか?』」 ――本書「父親としての傷」より 【目次より】 01 ワッツ 02 父親としての傷 03 地元 04 あんたも俺たちを見放すのか? 05 ブラザーズ 06 虐待 07 リーリー 08 ファザーフッド 09 父親っ子 10 ベビー・ママ 11 働くお父さん 12 雇用創出 13 ビッグ・ママ 14 光明が差す 15 チェックメイト 16 〈ネーション〉 17 地域のヒーロー 18 ツインズ 19 俺たちはみな家族だ 20 スコットランドからの手紙 21 写真判定 22 俺らがおまえたちのパパになる 23 フッド・デー 24 シュガーベア 25 あと十二日 26 ドアを通り抜けて 27 ジャメル
  • 《ニーベルングの指環》教養講座 読む・聴く・観る! リング・ワールドへの扉
    -
    ドイツ・オペラ最大の金字塔、《ニーベルングの指環》。 その途方もないスケールの大きさ、さまざまな学問・芸術領域におよぶ奥行きの深さなどから、「音楽史上もっとも敷居の高い作品」のひとつとして知られるこの楽劇を、ワーグナー研究の権威でドイツ文学研究者の山崎太郎氏が、文学、哲学、歴史学、社会学、心理学、文化人類学など人間のいとなみすべてに連関する総合的なテクストととらえ、初心者にもわかりやすく解説。 知的冒険に満ちた興奮の「リベラルアーツ講義」、開講!
  • 彼らはどこにいるのか 地球外知的生命をめぐる最新科学
    4.0
    エイリアンは本当に存在するのか、もし会ったらどうなるか? 地球外知的生命の探求とは「われわれは何者か」を問うことでもある。心理学・人類学・歴史学まで駆使する宇宙科学の最前線!
  • 野生のごちそう――手つかずの食材を探す旅
    3.0
    人にとっての“おいしさ”は、野生にとっての不幸なのか 歴史、神話、地理学……深い学識を備えた環境人類学者が、世界各地で食用にされている野生動物をめぐる旅に出た。 アフリカの密林に横行する野生肉の違法取引を追い、世界的に有名なレストラン「NOMA」で蟻を食べ、愛する人とスウェーデンの森でヘラジカを屠る——。 文明の恩恵に浴しながら天然の獣肉を過剰に追い求めた結果、私たちが得たもの、失ったものとは……。グルメの行き着く先を体当たりで探求する、思索に満ちた冒険ノンフィクション。 ——「美食」の先にあるものとは何か? 《本書に登場する野生の食材や料理》 ▶ ヘラジカ肉バーガー ▶ NOMAのフルコース ▶ 墓地で採るニンニク ▶ 猪 ▶ ロブスター ▶ 牡蠣 ▶ ハチミツ ▶ アオウミガメのスープ ▶ 羚羊(カモシカ) ▶ センザンコウ ▶ オオトカゲ ▶ ナイルワニ ▶ バイソン ▶ バッファロー ▶ 山羊 ▶ ヤマアラシ ▶ 毛虫のソテー ▶ 駝鳥 ▶ エルク ▶ アンズタケ ▶ アナツバメの巣のスープ……他多数。 【目次】 ■ プロローグ 傷心のヘラジカ 第1部 記憶と忘却  1 香草(ハーブ)と蟻………デンマーク  2 大型動物の肉、キノコと天然ハチミツ添え………ポーランド  3 魚、ひれ、殻、はさみ………アメリカ合衆国  4 直火焼きした野鳥肉のサルミ………アメリカ合衆国 第2部 欲望の対象  5 森の狩猟肉、根菜添え………コンゴ民主共和国  6 羚羊(アンテロープ)の肉、トマトとスパイス煮込み………コンゴ民主共和国  7 野生動物の燻製肉と偽キャビア………フランス 第3部 祝宴と飢餓の季節  8 ヘラジカ肉のアンズタケ添えクリームソースがけ………スウェーデン  9 燕の巣と花………ボルネオ 10  野草………ポーランド ■ 謝辞 ■ 訳者あとがき
  • コロナ禍をどう読むか――16の知性による8つの対話
    -
    ウイルスは「敵」なのか? それとも――? 人類学、哲学、批評、アート、小説、精神分析、ビッグヒストリー、妖怪、科学史……。 ジャンルを異にする俊英たちが、コロナ禍が露わにした二元論の陥穽をすり抜け、「あいだ」に息づく世界の実相を探る。刺激的な八つの対話集。 刻々と迫りくる感染症と、その対策に奔走する我々。 緊急事態宣言下の日本で行われた八つの対談は、未曾有の事態を普遍的な観点から見つめ直す、二つのまなざしが直交する対話の記録である。 【目次】 ■ TALK 01 奥野克巳 × 近藤祉秋 ウイルスは人と動物の「あいだ」に生成する ■ TALK 02 逆卷しとね × 尾崎日菜子 接触と隔離の「あいだ」を考える ■ TALK 03 吉村萬壱 × 上妻世海 私と国の「あいだ」を/で問い直す ■ TALK 04 清水高志 × 甲田烈 既知と未知の「あいだ」の政治 ■ TALK 05 松本卓也 × 東畑開人 心と身体の「あいだ」を考える ■ TALK 06 山川冬樹 × 村山悟郎 隔離され、画像化された二つの「顔」、その「あいだ」で ■ TALK 07 辻村伸雄 × 石倉敏明 歴史と神話の「あいだ」の実践 ■ TALK 08 塚原東吾 × 平田周 グローバルとローカルの来たるべき「あいだ」へ
  • 数の発明――私たちは数をつくり、数につくられた
    4.1
    “なぜ人類だけが、どこまでも数を数えられるのか。それは、ヒトが生得的に数の感覚を持っているからだ”――数は、私たちの思考に深く根付いている。だからこの説明は、一見するともっともらしい。しかし、アマゾンには数を持たない人々が暮らしている。幼少期、宣教師の父とともにこのピダハン族と暮らし、人類学者となった著者によれば、数は車輪や電球と同じ「発明品」であるという。「数の感覚」がまったく存在しないというわけではない。ピダハン族や乳児の調査によれば、彼らは数についてごく限られた感覚を持つ。人類は長い間、この曖昧な感覚だけで生きてきたのだ。そして私たちも、幼い頃は数のない世界を見ていた。今、数がわかるのは、かつて発明された数体系を受け継いだからこそである。各地の言語には、身体やさまざまな物を足がかりに発明が起きた跡が残されている。そしてピダハン族のように、発明が起こらなかった例も存在する。「わかったのは、ピダハンについてではなく、人類すべてに関することだ」。考古学、言語学、認知科学、生物学、神経科学に散らばる手がかりを横断し、数の発明の経緯を探り、その影響を展望する書。
  • アフリカの神話的世界
    4.4
    アフリカ各地での実地調査をもとに,文化人類学の神話研究の成果をとり入れて描き出されたアフリカの神話的世界.異なった地域の原住民に伝わる神話を比較・分析し,神話の「伝播」と「変身」,さらに,その「構造」を考察する.原住民の世界を内側から理解することを通して,私たちの世界との関係,「第三世界」の真の意味を明らかにする.

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  • マスクをするサル(新潮新書)
    4.0
    マスク着用の標準(デファクト)化は、すでに受け入れざるを得ない社会の現実だ。しかし、誰もが顔の半分以上を蔽い隠すという習慣は、動物間の認知とコミュニケーション、さらにはヒトの性にかかわる意識をも、大きく変えてしまうかもしれない。コロナ禍の象徴・マスクは人類史上、パンツにも匹敵する行動変容をもたらすのか。霊長類学と人類学、社会学や文学など多様な視点から考える、ポスト・コロナ文化論の試み。
  • 令和GALSの社会学
    4.0
    【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 Spotifyの人気ポッドキャスト「POPLIFE」を初書籍化! “令和GALS”が当事者目線で社会問題をガチ語り! あっこゴリラ(ラッパー)、長井優希乃(生命大好きニスト)、三原勇希(パーソナリティ・モデル)というギャルマインドなソウルメイト3人が集まって、「これって生きづらさってやつ?」、「自己肯定感って何?」、「人類キツくない?」など、日頃感じている”社会のモヤモヤ”をガチ語り! メンヘラ、フェミニズム、エンパワメント、#MeToo、マンスプレイング、ルッキズムなど次々と飛び出すキーワードで世の中の事象、現象、社会問題から身近な”何コレ?”までをあぶり出す。令和GALSの爆裂トークに人気ラッパー・SKY-HIも参戦! 三原 勇希(ミハラユウキ):大阪府出身。 愛読していたティーン向けファッション雑誌「ニコラ」のイベント会場にてスカウトされ13歳の時に「二コラ」モデルとしてデビューする。 その後、tvkテレビ神奈川「sakusaku」で4代目MCを務めるなど様々な音楽番組やテレビ番組に出演。 あっこゴリラ(アッコゴリラ):「フェミニスト」を自称するHIP HOPのラッパー。フリースタイルMCバトル参加を機に名を広め、リポーターやドラムサポートなど多岐にわたって活動。さまざまなコラボレーションを行なうなか、2018年に再デビュー。同年12月にメジャー1stアルバム『GRRRLISM』を発表。2019年からはラジオ番組のメインナヴィゲーターも務める。 長井 優希乃(ナガイユキノ):JICA海外協力隊員。京都大学大学院卒。文化人類学修士。5カ国語しゃべれる才女。

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  • アフリカ人学長、京都修行中
    3.5
    初のアフリカ人学長によるユニークな京都論。 「いけずな町」に飛び込んだ外国人学者、「悪戦苦闘」の30年。 「一見さんお断り」はサービス精神の裏返しだった? 「遠まわしなモノ言い」は「よそさん」への気づかい? 実はパーティ好き、実は気を使いすぎ、実は新らしモノ好き……、 「サンデーステーション」出演で話題のウスビ・サコ氏が専門の空間人類学をベースに京都人を分析する。
  • パンツを脱いだサル ヒトは、どうして生きていくのか [電子改訂版]
    -
    ヒト・宗教・民族・貨幣・国家の誕生と進化の過程を解明。ヒトは何処から来て、何処に向かうのか。 歴史と生命の全体像が見える書。本書は「パンツをはいたサル」の完結編として書かれた。ヒト・宗教・貨幣・国家の誕生と進化の過程を解明。あなたの常識を覆す、経済人類学の最新成果。ヒトは何処から来て、何処へ向かうのか。本書は水生類人猿説を採り、なぜ遠征したのか、から始まり、、闇に消えたカザール帝国の再評価を通し、ユダヤ人の起源、ビートルズの秘密を探り、21世紀のヒトの生き方を考える。今日の経済・政治状況の真底がよくわかる。 【目次】 序章 それは病から始まった 第一章 ヒトはいかにしてヒトになったのか——そしてなぜなったのか 第二章 現在に至るパンツ 第三章 同時多発テロと国際関係、あるいはグローバリズムというパンツ 第四章 ユダヤ人の起源の謎 第五章 政治陰謀としてのビートルズ 第六章 結論 ヒトはどうすれば生きていけるか、あるいは生きていく価値があるか あとがき 【著者】 栗本慎一郎 1941(昭和16)年東京生まれ。経済学者、評論家。硬軟両領域で活躍。 慶応義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。 天理大学専任講師から奈良県立短大助教授、ノースウェスタン大学客員教授、明治大学法学部教授、帝京大学・拓殖大学客員教授、東京農業大学教授、有明教育芸術短期大学学長等を歴任。元衆議院議員。大学総合研究所顧問。 著書『経済人類学』(東洋経済新報社)、『幻想としての経済』、『光の都市 闇の都市』(共に青土社)、『パンツをはいたサル』(光文社)、『パンツを脱いだサル』(現代書館)他多数。
  • 文春ムック 渋沢栄一 道徳的であることが最も経済的である
    -
    1巻1,100円 (税込)
    2024年から発行される一万円札の「顔」となる日本資本主義の父・渋沢栄一。NHK大河ドラマ「青天を衝く」の主人公でもある渋沢栄一とはどんな人物だったのか。十九年間かけて評伝『渋沢栄一 上下巻』(文春文庫)をまとめた鹿島茂さんが渋沢の偉大さを解き明かす。 はじめに  渋沢栄一の「偉さ」を探索する旅 第一章 日本の資本主義を興した男の足跡 日本の資本主義はどこからきたのか 渋沢栄一とサン・シモン主義 渋沢栄一はいかにして日本に資本主義を根付かせたのか 適材適所を徹底し、資本主義を育む 企業経営と再建の手腕 第二章 親族が語る知られざる素顔 渋沢家百年のオヤジの背中  ×渋沢雅英  現当主が語った渋沢家四代とっておきのエピソード 正しい道理の「富」でなければ企業の永続はない  ×鮫島純子 エッセイスト 渋沢栄一に学ぶ経世済民の心得  ×渋澤健  「ヘッジファンドやってて、ご先祖さまに悪いかナと……」 第三章 華麗なる人脈 明治・大正・昭和 経済人の群像 M&Aとイノベーションに満ちた時代の寵児たち  ×坪内祐三 評論家、エッセイスト 明治・大正経済人の華麗なる旦那芸ネットワーク  ×山口昌男 文化人類学者 明治から昭和のすごい経営者  ×楠木建  日本を変えた二十人に学ぶ大成功の秘訣  ×佐々木常夫   第四章 現代に受け継がれる経営哲学 “経営農民”渋沢栄一の「たった一人の株式会社革命」  ×福原義春 “ブランド化”こそが「企業永続」のカギである  ×塚越寛
  • ヤマケイ文庫 増補改訂版 懐かしい未来―ラダックから学ぶ
    5.0
    近代化の嵐のなか、環境破壊や自然破壊、地域社会の崩壊にどのような未来を描けるかをヒマラヤの辺境ラダックから学ぶ。 本書は、1975年、スウェーデンの言語人類学者ヘレナ・ノーバーグ=ホッジが、小チベットと呼ばれるヒマラヤの秘境、インド北部のラダック地方を訪れ、そこで目にした自然と調和した合理的な生活が近代化の名のもとに変貌していく姿を綴った記録である。 世界40カ国で翻訳されて話題を呼んだ名著の増補改訂、文庫化。 グローバリゼーションのなかで推進される環境破壊や自然破壊、地域共同体の崩壊に、どのような新たな未来が描けるのか模索する。 「文庫のための追記」でラダックの最新の現状、変化について詳細に解説。
  • ひび割れた日常――人類学・文学・美学から考える
    3.6
    未曾有の危機を前にして、私たちは「何を考えればよいのか」を見失ってしまった——。 「人間の想像力の果て」からやってきたウイルスによって、我々の日常に無数のひびが走った。 消せない不安と変化を余儀なくされた日々の営みを前に、思考の足場をどこに築けば良いのか。 生命、自然、生と死、共生と敵対。 いま浮上する課題をめぐって、三人の異才がアイディアを持ち寄り、変奏し、問いを深めていくリレーエッセイ。 【目次】 Ⅰ ・はじめに——禍の街から、生命と自然のゆくえを見つめる ・ウイルスは我々に何を伝えに来たのか ・植物の時間 ・足し算的時間と合理のひび割れ ・元の日常という脅威 ・人間の体と植物の体 ・〈凝固した日常〉を突き刺すもの ・被造物の底 ・体を失う日 ・「いる」の喪失とは何か? ・死の無力さと分身の持つ力 ・コロナさん ・ようこそコロナちゃん ・聖なるもの ・垂直の家族、水平の家族 ・コロナとはうまくやっていけるかもしれないが、人間同士ではそうではないのかもしれない ・ヒトと人 ・グラブとアンパン ・アニミズム思考のほうへ ・二つの小説 ・意味の非人間性 ・覚知される世界、コロナの迷い ・堆肥男 ・胎盤とバースデーケーキ Ⅱ リレーエッセイを終えて ・生の全体性を取り戻す ・帯状疱疹ウイルスと私 ・想像力の果てからやってきた使者 ひび割れた日常を生きるためのブックガイド
  • 女系天皇 天皇系譜の源流
    3.5
    初代神武天皇以来、男系皇位継承に断絶がなかったとするのは、明治政府の創出だった! 『古事記』『日本書紀』の天皇系譜に加え、考古学資料、文化人類学の視点から母系社会系譜の調査資料をひもときながら、日本古代における族長位継承の源流に迫る!
  • 言語の起源 人類の最も偉大な発明
    3.0
    言葉はなぜ、生まれたのか?人類史上最も偉大な発明である「言語」。その起源をめぐっては、これまで様々な議論が交わされてきた。言語はいつ、誰が最初に使いはじめたのか? 人は言語を突然変異によって獲得したのか、それとも漸進的な変化によって身につけたのか? そもそも、他の動物のコミュニケーションと人間の言語は何が違うのか――すなわち、言語とは何か?ノーム・チョムスキーが提唱した生成文法への反証であるとされた「ピダハン語」の研究で一躍有名となった、異端の言語学者ダニエル・L・エヴェレットが、言語学のみならず、人類学、考古学、脳科学などの知見をもとに、上記の問いすべてに答えを出す。著者渾身の一冊。

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  • 精選 シーニュ
    -
    20世紀フランスを代表する思想家モーリス・メルロ=ポンティ(1908-61)が死の前年にまとめた論集『シーニュ』。同書には、言語学、絵画論、人類学への言及や、フッサール論、ベルクソン論、マキアヴェッリ論など、おもに中期から晩年にかけて執筆された多彩な論考が収録されており、その多中心的な思想を一望するうえで欠かせない一冊となっている。本書ではそのなかから、ニザンとサルトルとの関わりが美しく綴られた序文のほか、「間接的言語と沈黙の声」「哲学者とその影」など重要論考6本をセレクトし、新訳。清新な訳文と懇切丁寧な注釈・解説により、その真価が明らかとなる。
  • 靴づくりの文化史 日本の靴と職人
    -
    草鞋、下駄などが主だった日本人は明治以降の近代化の中で、日本人向きの靴をどのように作ってきたのか。 いま、若者に靴作りが人気だという。草鞋、下駄などが主だった日本人は明治以降の近代化のなかで、日本人向きの靴をどのように作り出し、いかに靴に馴染んできたのか。そして、世界の靴作りといかに繋がっているのか。靴職人の実態に迫る。 【目次】 はじめに 第一章 日本人と靴 第二章 日本人による靴づくり 第三章 世界史からみた靴づくりの歴史 第四章 稲川實の人生史 第五章 靴づくり、人づくり 主要参考文献/インターネット/靴産業関連施設・団体 おわりに 【著者】 稲川實 1929年茨城県真壁郡竹島村(現・筑西市)に生まれる。1943年国民学校高等科卒業、第六陸軍技術研究所に勤務。1944年都立化学工業学校夜間部に入学したが、戦時中の混乱期で中退、終戦を迎える。1947年宮本製靴に入社、靴業に入る。1960年独立のため退社、トロット製靴を創業。2008年取引先に会社を委譲引退する。現在、台東区立産業研修センターの技術指導員と、皮革産業資料館の副館長を務める。 山本芳美 1968年生まれ。文化人類学者・学術博士(論文・昭和女子大学大学院)。都留文科大学准教授。跡見学園女子大学在学中より、人間の装い、特にイレズミについての調査と研究を始める。90年代以降、日本各地と台湾を拠点にフィールドワークを続けている。
  • 野生のエンジニアリング――タイ中小工業における人とモノの人類学
    -
    第二次世界大戦後、独自に発展してきたタイの機械技術。そこに関わる人とモノとは、どのような関係を結んできたのか。マルセル・モースの技術論、アクターネットワーク理論を駆使して文化/自然の二元論を乗り越える、テクノロジーの人類学。
  • モノも石も死者も生きている世界の民から人類学者が教わったこと
    3.3
    息苦しいこの世界からの出口は、ある。 片づけコンサルタント「こんまり」のメソッドは、 自分とモノとの純粋な対話ではなく、自分自身との対話を目指すものなのではないか。 アニミズムとは、地球や宇宙における存在者のうち、人間だけが必ずしも主人なのではないという考え方だとすれば、自分との対話を目指すのは、人間のことだけしか考えていないという意味で、真のアニミズムとは呼べないのではないか。 本書の出発点は、ここにある。 アニミズムは「原初の人間の心性」として過去のものとされてきた。 しかし、そこには、人間の精神を豊かにするヒントが隠されているのではないか。 文学、哲学の大胆な解釈とフィールド経験を縦横に織り合わせて、「人間的なるもの」の外へと通じるアニミズムの沃野を探検する。 人間が世界の「主人」をやめた時、動物、モノ、死者との対話がはじまる。     【目次】 1 こんまりは、片づけの谷のナウシカなのか? 2 風の谷のアニミズム 3 川上弘美と〈メビウスの帯〉 4 壁と連絡通路——アニミズムをめぐる二つの態度 5 往って還ってこい、生きものたちよ 6 東洋的な見方からアニミズムを考える 7 宮沢賢治を真剣に受け取る 8 まどろむカミの夢——ユングからアニミズムへ 9 純粋記憶と死者の魂——ベルクソンとアニミズム 10 記号論アニミズム——エドゥアルド・コーンの思考の森へ 11 人間であるのことの最果て——語りえぬものの純粋経験 12 人間にだけ閉じた世界にアニミズムはない あとがき 参考文献
  • 「シェルパ」と道の人類学
    4.0
    ネパール東部、ソルクンブ郡。エベレストの南麓にあたる北部のクンブ地方は、“勇敢で忠実な山岳民族”と謳われるシェルパの人々の居住地である。標高三〇〇〇メートルを超えるこの険しい山岳地帯では、山道は天候によって質感を変え、しばしば土砂崩れや降雪によって流失しては再び姿を変えて現れる。 ヤクを追うシェルパたちが自給自足に近い暮らしを営んでいたこの地域は、次第に山岳観光の名所として知られるようになり、現在では年間数万人もの観光客が訪れるようになった。シェルパの人々はヒマラヤ登山の手助けをして働くようになり、ネパール各地からはポーターやガイドなどの職を求めて、「シェルパ」を名乗る多様な出自の人々も集まってくる。 変転する自然環境のなか、観光客のために道を見出しながら山中をゆく彼らとの出会いは、存在をめぐる根源的な問いへと通じていた――「世界」「自己」の自明性をゆるがすフィールド体験をもとに、ティム・インゴルドらの議論を補助線にして気鋭の人類学者が描き出す、刺激的なエスノグラフィ。 世界を歩むとき、自己は道であり、道は自己である われわれは世界のうちで無数の人やモノや事物と対等な関係のなかで生を営んでおり、人間社会とはそのうちの一部を恣意的に切り出したものに過ぎない。そしてわれわれが一歩を踏み出すとき、自己の身体は他者の身体やモノや概念からなる環境中の諸要素とそのつど一回的な関係を取り結び、道のアレンジメントの一部となる。世界を歩むとき、自己は道であり、道は自己である。(本文より) 電子版では写真をすべてカラーで掲載しています。
  • マンガ人類学講義 ボルネオの森の民には、なぜ感謝も反省も所有もないのか
    4.0
    生きるためには働かねばならない? 学校に行かないといけない? それは私たちの思いこみに過ぎないのではないだろうか。 生きていくために働かなくてもいいところ、学校にいかなくてもいいところ。そんな場所に行って、人間の根源的な生き方について考えてみることはできないだろうか――。 「人間とは何か」を知るため、人類学者奥野克巳は、ボルネオ島で狩猟採集を主産業とする森の民「プナン」の地へ赴き、彼らのもとで暮らしました。 そのフィールドワークをまとめた著書『ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』は、これまで知らずにとらわれていた価値観や窮屈な生活を考え直させられる、と異例の反響を呼ぶことに。 そして今回、新進気鋭のマンガ家MOSAとタッグを組んで、あらためて現地を取材、プナンの民族誌にマンガで挑戦。 「フンコロガシ」や「マレーグマ」「移動する小屋」「ヒゲイノシシ」「アホ犬」のエピソードなど、マンガでしか描けない人類学講義、プナンの暮らしを通して、“人類そのもの”が理解できる一冊です。
  • 魚食の人類史 出アフリカから日本列島へ
    4.3
    なぜ霊長類の中でホモ・サピエンスだけが、積極的に魚を食べるのか? それは、もともとホモ・エレクトゥスやネアンデルタール人といった「強者」に対抗するための仕方なしの生存戦略だった。だが、人類がアフリカから世界中に拡散していく過程で、その魚食こそが飢えを満たし、交通手段を発展させ、様々な文化を生み出す原動力になった。果たして、魚食は「弱者」ホモ・サピエンスに何をもたらしたのか? 他の霊長類との比較を踏まえ、出アフリカから日本列島へと至る「大逆転の歴史」をベテランの人類学者が鮮やかに描き出す。
  • ピジン・クレオル諸語の世界:ことばとことばが出合うとき
    -
    異なる言語が出合う、新たな言語が生まれる 言語学や文化人類学、音楽や写真など、さまざまな分野で活躍された著者が生涯にわたって追い続けた最大のテーマ、それが言語の接触によって生み出されるピジン・クレオル諸語。もととなる言語が何であれ、いずれも共通した文法構造が見られるなど、人間の言語を考えるうえで欠くことのできない視点を提供してくれます。世界各地で話されているさまざまな「ことば」に常に立脚点を置きながら、異言語接触と新しい言語の誕生をさぐる緻密な考察を積み重ね続けてきた著者による画期的な一冊。
  • 水都 東京 ──地形と歴史で読みとく下町・山の手・郊外
    3.7
    川、海、濠、湧水、池、用水。東京は下町から郊外まで、豊かな水辺をもっている。この都市の象徴=隅田川、文明開化のモダンな建築群が水辺を飾った日本橋川、世界にも類を見ない豊かな自然環境を保有する皇居・外濠、凸凹地形と湧水が目白押しの山の手、水辺をたどれば古代の記憶に触れることができる武蔵野……本書は東京各地をめぐりながら、この魅力的な水都の姿を描き出す。『東京の空間人類学』から35年、著者の東京研究の集大成がついに刊行!
  • 増補版 パンツをはいたサル 人間は、どういう生物か
    -
    「過剰」「蕩尽」「パンツ」というキーワードで、ヒトの本質を平易な言葉で解明した名著の増補版。 1980年代初頭、栗本慎一郎が一躍時代の寵児に躍り出る契機となった名著に16頁分を加筆した増補版。ヒトの社会に充満する混乱を解きほぐすために、あらゆる学問界の障壁を取り払い、「過剰」「蕩尽」「パンツ」というキーワードで、ヒトの本質を平易な言葉で解明した本書の魅力は今なお色褪せない。 【目次】 新版へのまえがき 旧版へのまえがき 第一章 人間は知恵ある生物か 第二章 おカネという名のパンツ 第三章 パンツという名のパンツ 第四章 神経症という名のパンツ 第五章 法律という名のパンツ 第六章 道徳という名のパンツ 第七章 すべては「内なる知」によって決められるべきだ 追補 信念の世紀は終わり、生命の世紀が始まった 【著者】 栗本慎一郎 1941(昭和16)年東京生まれ。経済学者、評論家。硬軟両領域で活躍。 慶応義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。 天理大学専任講師から奈良県立短大助教授、ノースウェスタン大学客員教授、明治大学法学部教授、帝京大学・拓殖大学客員教授、東京農業大学教授、有明教育芸術短期大学学長等を歴任。元衆議院議員。大学総合研究所顧問。 著書『経済人類学』(東洋経済新報社)、『幻想としての経済』、『光の都市 闇の都市』(共に青土社)、『パンツをはいたサル』(光文社)、『パンツを脱いだサル』(現代書館)他多数。
  • 【増補改訂版】コンゴ共和国 マルミミゾウとホタルの行き交う森から
    -
    中部アフリカのコンゴ共和国で、いま何が起きているのか——。自然との共生の道を探る。 中部アフリカのコンゴ共和国で、いま何が起きているのか——。熱帯林に生息するゾウやゴリラなどの生態調査、環境保全に携わる中での内戦や森林伐採業との対峙、貨幣経済の浸透が先住民に与える影響など現場のリアルを伝える。今回増補改訂版で、ゲリラ豪雨やエボラ出血熱など最近世界を揺るがせている問題とコンゴ共和国との関係を浮き彫りにする新章が加わった。京都大学総長・山極壽一氏推薦。 【目次】 プロローグ 1.熱帯林とゴリラとの出会い 2.虫さん、こんにちは 3.森の中で生きるということ 4.熱帯林養成ギプス、内戦、そして保全業へ 5.新たな旅立ち〜森から海へ 6.森の先住民の行く末 7.人類の自然界利用と保全(その1)〜ブッシュミート、森林伐採、象牙 8.人類の自然界利用と保全(その2)〜海洋地域での漁業と石油採掘 9.人類の自然界利用と保全(その3)〜日本人との深い関わり 10.日本における保全に関する教育とメディア 11.ぼくの生き方〜自分に強く関わること同士のつながり 12.さらに隠蔽される“真実” エピローグ あとがき〜増補改訂版に向けて 【著者】 西原智昭 1989年から30年以上、コンゴ共和国やガボンなどアフリカ中央部熱帯林地域にて、野生生物の研究調査、国立公園管理、熱帯林・生物多様性保全に従事。国際保全NGOであるWCS(Wildlife Conservation Society;ニューヨークに本部があり)の自然環境保全研究員。NPO法人アフリカ日本協議会・理事。京都大学理学部人類進化論研究室出身、人類学専攻、理学博士。現在、星槎大学共生科学部特任教授。
  • [新装版]アフリカで誕生した人類が日本人になるまで
    4.6
    【累計5万部突破、第二回「弘栄堂ベスト~新書編」大賞受賞を受賞した 人気作が9年の時を経て新版として登場!】 「日本人誕生の謎」を探る旅へ出かけよう! 私たち日本人は、どのようにして生まれたのか。 700万年前に最初の人類でもある猿人がアフリカで誕生し、 そこからさまざまな淘汰を繰り返しながら、ホモ・サピエンスへと進化する。 そしてホモ・サピエンスはアフリカを出て、ユーラシア大陸に拡散し、 ついには日本列島にたどり着く──それは、果てしない時空を超えた壮大な物語だ。 これまで日本人のルーツについてさまざまな説が論じられてきたが、 人類学による最新の研究結果から、これまでの通説とは異なる新たな仮説が浮かび上がってきた。形質人類学研究における第一人者が、独自の切り口から日本人のルーツの謎に迫る!
  • レヴィ=ストロース 構造
    3.0
    本書は、現代最高峰の人類学者クロード・レヴィ=ストロース(1908-2009年)の全貌を描いた決定版の誉れ高い1冊です。 ベルギーに生まれたレヴィ=ストロースは、フロイトやマルクスに触れた青年期を経て、南仏で高校教師になりました。その中で育まれた情熱を抑えられなくなった1935年にブラジルへ旅立ち、カデュヴェオ族やボロロ族、そしてナンビクワラ族の調査に乗り出します。その後、第二次世界大戦の勃発を受けて従軍しますが、1941年にはユダヤ人への迫害を回避するべくアメリカに亡命したレヴィ=ストロースに、ニューヨークで決定的な出来事が訪れました。それが言語学者ロマーン・ヤコブソン(1896-1982年)との出会いです。 のちに『音と意味についての六章』として公刊されるヤコブソンの講義の内容は、レヴィ=ストロースの中で若い頃からあたためられていた「構造」の概念と交錯しました。そうしてヤコブソンの勧めを受けて書き始めたのが、構造主義の誕生を告げる『親族の基本構造』であり、4年をかけて完成されたこの大著は1949年に刊行されることになります。 ここから旺盛な執筆活動を開始し、『人種と歴史』(1952年)、『悲しき熱帯』(1955年)、『構造人類学』(1958年)を生み出したあと、1959年にはコレージュ・ド・フランス教授に就任したレヴィ=ストロースは、一世を風靡した『野生の思考』(1962年)を発表すると、ついに全4巻に及ぶライフワーク『神話論理』(1964-71年)に着手しました。 その後も100歳で逝去するまで活躍し続けた偉大な人類学者が残した数々の仕事を、その生涯や時代との関係を描きつつ明快に解説してみせた本書は、1996年の刊行以来、概説書のスタンダードとして四半世紀にわたって読み継がれてきました。このたび、最新の書誌情報を追加するとともに、生前の著者と深い交流のあった小泉義之氏の書き下ろし原稿を併載した文庫版としてお送りいたします。 [本書の内容] 序 章 構造主義のエシックス 第一章 歴史の影のなかで 第二章 声とインセスト 第三章 旅の終わり 第四章 神話と詩のあいだに 第五章 幻想から思考へ 第六章 新石器のビルドゥングスロマン 1――南半球の森から 第七章 新石器のビルドゥングスロマン 2――北半球への旅 終 章 「構造」の軌跡 主要著作ダイジェスト キーワード解説 読書案内 レヴィ=ストロース略年譜 解 説 小泉義之
  • 戦争社会学研究 第1巻 ポスト「戦後70年」と戦争社会学の新展開
    -
    1~4巻1,870~2,200円 (税込)
    「戦争社会学研究」創刊号 戦争や軍事は、人文社会科学にとって、私たち「人間」が群れを作り、他者と関わりながら自由と平等、秩序や安全を折りあわせる場である「社会」の存立そのものに関わる根本的な領域である。あまりに重要すぎて、すべてに透徹する真理、すべての人を納得させる原理・原則はないと考えた方がよい。それゆえ、ここで求められているのは、巨大な社会問題としての戦争と軍事を、市民が討議するための題材の提供や論点の整理であり、討議をより活発にし有意義にするための創発となることである。 【目次】 創刊の言葉 〈特集1 ポスト「戦後70年」と戦争社会学の新展開〉 特集企画にあたって—ポスト「戦後70年」と戦争社会学の新展開 「戦争社会学」が開く扉 感謝の発露と美化批判—ポスト戦後七〇年の対立軸 「特攻による活入れ」という衝撃—「記憶の継承から遺志の継承へ」モデルの批判的検 シズメとフルイのアップデート 〈特集2 「空襲の記憶」の境界—時間・空間・学問を越境して〉 企画の趣旨、そしてそれをさらに「越える」ために 「防空」という視座—「防空」と「空襲」/「空爆」のあいだ ダーウィン空襲の記憶—「オーストラリア国防の最前線」を語り継ぐ 軍事化に抗する「戦争の記憶」—ドレスデン「〈一九四五年二月一三日〉協会」の歩み 社会学はいかに空襲を記述できるのか? 空襲の記憶とポスト戦後 一九五〇年代末—七〇年代初頭のSF ショート・ショート作品における核エネルギー表象 編集後記 執筆者一覧 【著者】 戦争社会学研究会 戦争と人間の社会学的研究を進めるべく、社会学、歴史学、人類学等、関連諸学の有志によって設立された全国規模の研究会。故・孝本貢(明治大学教授)、青木秀男(社会理論・動態研究所所長)の呼びかけにより2009年5月16日に発足し、以後、年次大会をはじめ定期的に研究交流活動を行っている。

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