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Posted by ブクログ
イタリア精神医療の人類学と副題がついている通りイタリアの精神保健の歴史を深く学ぶことができる。
興味深いのは、イタリアでは精神医療から精神保健への転回が行われたということ。
具体的には、精神病院が1978年に開放され地域で生きることをサポートする取り組みがなされてきたというもの。
改革を先導していたフランコ・バザーリア(精神科医)の精神疾患のとらえ方にはっとさせられた。
問題なのは統合失調症などの「病気」ではなく「人生の危機」であり、その時に必要なのは薬ではなく自分らしく生きるための関係性と環境を整えること。
問題を危機とみるか診断とみるのかは別問題であるから病気を一旦「」に入れる。
実際の地域保健のスタッフと患者の実際のエピソードがちりばめられているのも興味深く読めるポイント。
生きることをどう支援するか、という視点での取り組みは理想的だと思う。
精神病院と社会は鏡の関係にあるという一文に深く頷くほかない。「社会を治す」ことが精神病院を開放につながるのだと理解はできるが・・・
イタリアの精神保健のモットー「近づいてみれば誰一人まともな人はいない」確かに、正常と異常くっきり分けることはできない複雑な生き物が私たちなのだろうと思う。
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