人工知能の軍事化と、いかに人類が人工知能と向き合うかという話。
そもそも人工知能とは何かという、意外と誰も答えられない質問への解から始まって理解が深められてよかった。
今の人工知能ブームは第三次で、第一次は1950-60年代、第二次は1980年代。どちらも技術が足りずに終わったが、第三次はディープラ
...続きを読むーニングにより20年近く継続している。
知能は生き抜くために環境に適応する能力。掃除ロボットは用途限定型人工知能、AIBOは低汎用型人工知能と呼べる。昆虫などは低汎用型人工知能に近いが、生物と低汎用型人工知能の大きな違いは生きる目的とその目的達成のための自律性、能動性にある。
自由意志は無意識の行為の理由を仲間同士で説明し共有するのに便利で、それが有用であったから社会性生物の人間の中に生き残って今がある。人にとって意味のある意識は人工知能にとっては意味がない。一方で人工知能が人に意識があると思ってもらうことは重要なので、人が人工知能に意識があると思うような振る舞いをすることとなる。
生命はボトムアップだが人工知能はトップダウンの設計で、蟻がエサまで最短距離で行列を作る行動ルールのような創発と群知能、これはトップダウンで作るのは難しい。そう簡単に人を超える人工知能を作るのは無理。
トロッコ問題やターミネーターの話。メタ目的のために人工知能が人を殺しうること。キラーロボットを分類するとトマホークミサイルなどの半自動型兵器、トリガーを人工知能が引く自動型兵器、それをさらに分類した用途限定型と低汎用型人工知能搭載兵器、フラッシュクラッシュを生起させうる集団自動型兵器、ターミネーターのようや自律型兵器、スカイネットシステムそのものの集団自律型兵器。著者は半自動型兵器に留めるべきと考えており、国際的な規範を定めることを提唱。