みんなが手話で話した島

みんなが手話で話した島

「あの人たちにハンディキャップなんてなかったですよ。ただ聾(ろう)というだけでした」(本文より)アメリカ・ボストンの南に位置するマーサズ・ヴィンヤード島。20世紀初頭まで、遺伝性の聴覚障害のある人が多く見られたこの島では、聞こえる聞こえないにかかわりなく、誰もがごく普通に手話を使って話していた。耳の聞こえない人も聞こえる人と同じように育ち、社交し、結婚し、生計を立て、政治に参加した。「障害」「言語」そして「共生社会」とは何かについて深く考えさせる、文化人類学者によるフィールドワークの金字塔。解説:澁谷智子(成蹊大学教授、『ヤングケアラー』『コーダの世界』著者)

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みんなが手話で話した島 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「障害」とは何か?
    身体の欠如ではなく、社会の想像力の欠如である。

    マーサズ・ヴィンヤード島では、聾者も健聴者も関係なく、誰もが手話で話していた。
    そこでは聾者は「特別」ではなく、ただの「島民」であり「人間」だった。
    壁も区別も存在せず、手話が自然に日常に溶け込んでいたその社会が、たまらなく美しく

    0
    2025年11月03日

    Posted by ブクログ

    障害は作られている。
    本書を読んで改めて感じたことだ。

    「かわいそう」がどれだけ無知な言葉なのか、わたしはいつも考えている。

    本書では、聴覚障害があっても島の社会に溶け込み、健聴者との区別なく営まれてきた島の歴史が書かれている。

    差別がないということは、誰もそのことに頓着しないということだ。

    0
    2025年10月24日

    Posted by ブクログ

    原題は“Everyone Here Spoke Sign Language”。著者のノーラ・グロースは医療人類学者、現在はロンドン大学(UCL)教授。刊行は1985年。31歳の時に書いた博士論文がもと。グロース自身も、まさかこの本がろう文化や医療人類学のロングセラーになるとは思ってもいなかったに違い

    0
    2025年10月02日

    Posted by ブクログ

    この島では、耳が聞こえる人たちも普通に手話ができたと言う。
    聾唖者と健聴者が集まって手話で雑談したりすることは当たり前だったようだ。「聾唖者」と特に意識することもなかったらしい。改めて質問されると、「ああ、そう言えば」という感じ。

    「カースト」という本に、黒人の人が、アフリカに住んでるときには「黒

    0
    2025年09月12日

    Posted by ブクログ

    ⅡからⅣ章では人々が島に移り住んでくる以前から、数百年分に渡る家系の調査から、どのように「みんなが手話で話す島」が生まれ維持されてきたのかに迫ります。

    Ⅴ章からは島の聾者と健聴者の暮らしについて。島の内外での(対比的な)聾者や手話に対する社会の見方にも触れられます。

    障害とは何かが出来ない事、そ

    0
    2025年08月30日

    Posted by ブクログ

    ゆる言語学ラジオさんのYouTubeを観て買いました。帯の「あの人たちにハンディキャップなんてなかったですよ。ただ聾というだけでした」から島の人たちの考えが伝わってきます。素晴らしい島の話を読んでから現代について考えると、少数派にばかり努力を強いる様子はなんだかそれこそ半人前で知性のない生き物のよう

    0
    2025年08月28日

    Posted by ブクログ

    20250824047

    マーザズ・ヴィンヤード島は遺伝性の聴覚障害が多く見られた。そこでは聞こえる人も聞こえない人も、誰もが普通に手話(地域共有手話)を使い話し、生活をしていた。「あの人たちにハンディキャップはなかった」という島民の言葉に多様性のなかの共生とはどういうことかを考えさせられた。

    0
    2025年08月24日

    Posted by ブクログ

    〈ヴィンヤード島で聾者が手に入れたステータスを最もよく示しているのはおそらく八〇代の島の女性による次の言葉であろう。あなたが小さい頃、聾というハンディキャップを負わされていた人たちはどんなふうでしたか、とたずねると、この女性は断固とした口調でこう答えた。
    「あの人たちにハンディキャップなんてなかった

    0
    2025年06月17日

    Posted by ブクログ

    アメリカにある、1700年代~1900年代前半まで遺伝性の聴覚障がい者が多く見られたマーサズ・ヴィンヤード島の調査記録を一般向けに記載した書籍である。
    特筆すべきは、社会として聴覚障害がある人を「障がい者」として全く扱っておらず、現在の社会での認識と異なる社会が自然と形成されていた事である。
    以前ど

    0
    2025年01月26日

    Posted by ブクログ

    非常に示唆に富んでいてとてもおもしろかったです。文句なし星5。1991年刊行とのことですが、色褪せるところはなく、今読むべき本でした。
    ヴィンヤード島は聾というステータスを持つ人にとっては理想的な共同体であり、多様性うんぬん、差別うんぬん、うるさい現代において、色々な意味で学びがある事例かと思います

    0
    2024年06月18日

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