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作品一覧 2021/07/27更新 Humankind 希望の歴史 試し読み フォロー 未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来 試し読み フォロー 隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働 試し読み フォロー 1~3件目 / 3件<<<1・・・・・・・・・>>> ルトガー・ブレグマンの作品をすべて見る
ユーザーレビュー Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章 ルトガー・ブレグマン / 野中香方子 ー 良いことをすると、気分が良くなる。世界に生きていると言うのは、素晴らしいことだ。私たちは食べ物を好むのは、それがなければ飢えるからだ。セックスを好むのは、それをしなければ絶滅するからだ。人助けが好きなのは、他者がいないと自分もいなくなるからだ。良いことをすると気分が良くなるのは、それが良いことだ...続きを読むからだ。 これが本書の主張の全てだろうなと思う。最強の説得力。生まれながらに「気持ち良く」感じる行為は、本来人間に期待され備わった性質なのだから、良いことした後の爽快感は、性善説の証明になるという事。 著者は「スタンフォード監獄実験」や「ミルグラムの電気ショック実験」など、人間が服従により悪意を果たすような実験、傍観者効果のように、自己防衛本能を発揮する利己的な存在である事に反証するが、何もこうした議論をせずとも、前述の内容で語れてしまえそうな破壊力がある。 では、なぜ悪事は存在するのか。 人間は、生まれつき脳内に同族意識の芽を備えている。同じ色の実験だが、確かに、スポーツではユニフォームの色で敵と味方を分けている。また、乳幼児は生まれながらに外国人恐怖症の傾向を備えている。共感こそが、私たちを最も親切で最も残虐な種にしているメカニズムだという。〝善事は、味方にしか及ばない“ ならば、敵と味方を区別する境界線を知っておきたい所。それこそが、共通の「物語」だ。数百万人の人々とともに、並外れた規模で協働するために、宗教や資本主義、国家主義を創造した。これはユヴァル理論だが、しかし「物語」には、強制装置が必要だと著者はいう。いや、必要とは言ってないが、現実的に、暴力とセットだと言うのだ。暴力の脅威によって強化されている。例えば、お金はフィクションかもしれないが、請求を無視すれば、当局が追いかけてくる。強制装置には、相互監視社会や同調圧力もあると思う。 自発的、そうでなくても強制的に、敵と味方は分かれていく。限定的な善意は、この境界線の不安定さに揺さぶられ、時に暴走する。正義の快楽、とは敵や違反を罰する事だ。気持ち良い事は、本来人間に備わった性質。ここでの暴力は正義ではないか。なんと真逆。これを知った上で、この二面性と境界線の克服こそ、必要な論点である。 Posted by ブクログ Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章 ルトガー・ブレグマン / 野中香方子 本著を読んでユヴァルノアハラリが価値観を変えたという位だから、新たな視点が得られるのだろうと期待して読み始めたが、期待通り。乱暴に言うと、人間の「性善説」的な本質を証明しようという試みの本。戦争の歴史を歩む利己的な存在という価値観を一変させる。 ー 人間は本質的に利己的で攻撃的で、すぐパニックを起...続きを読むこすと言う根強い神話。薄いベニヤのような道徳性ということから、ベニヤ説と呼ばれもするが、真実は逆。災難が降りかかった時、爆弾が落ちてきたり、船が沈みそうになったりしたときに、人は最高の自分になる。 『蝿の王』という小説があり、私も読んだ。しかしあれはフィクションであり、無人島で人間は憎しみ合い傷つけ合う事はない。実際に、アタ島に漂流した青年たちは、互いに助け合って生き延びた。アタ島の漂流の話はインターネットで検索すれば、当事者の顔写真つきで閲覧する事もできる。これを知っただけでも、本書を読んで良かった。 画面操作による実験で、人間とチンパンジー、オランウータンを比較した。空間認識、計算、因果性認識を調べたが、チンパンジーやオランウータンと2歳の人間の子供ではテスト結果が変わらない。しかし、社会的学習では、人間の子供が楽勝だった。つまり、人間とは、超社会的な学習生物であり、学び、結びつき、遊ぶように生まれついた。人間だけが赤面するのは、本質的に社会的な感情表現。他人の考えを気にかけていることを示し、信頼をはぐくみ協力を可能にする。また、目を見る行為だが、人間の目には白い部分がある。他者の視線の動きを追える。更に面白かったのは、ネアンデルタール人とホモサピエンスの対決の話だが、「天才族vs模倣族」の例え話で理解ができるというもの。 …しかし、オキシトシンの影響は、グループ内に限られる。これが人間の負の歴史を生む。下巻は、この負の歴史の真相に挑む。 Posted by ブクログ 隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働 ルトガー・ブレグマン / 野中香方子 労働時間の短縮、BIのメリット(コスト含)の他に、国境を撤廃することを提案しているのが新鮮だった。 世の中のリベラルの思考に少しずつ近づいていく気を抱く。 「思い出そう。奴隷制度の廃止、女性参政権、同性婚、いずれも、当時主張する人々は凶人と見られていたことを。だがそれは、彼らが正しかったことを歴史が...続きを読む証明するまでの話だった。」 Posted by ブクログ Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章 ルトガー・ブレグマン / 野中香方子 人間の善性が見失われる現代への布石を投げかける一冊。 これは本当に不思議なことで、人間の悪性を前提にした設計があまりにも多いことに気づき驚かされるとともに、かなりの勇気を伴う作業にもなるが、こんなにも平和な、甘温い世界が目の前にあるのかもしれないとの希望的な話もない。 Posted by ブクログ Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章 ルトガー・ブレグマン / 野中香方子 めちゃくちゃおもしろい。 今まで信じていた理論って何だったんだろう。 人間不信というかいろいろなものに不信になってしまう。 派生していろいろな本を読みたいが、巻末の注記では文献を探すのがちょっと難しいな。 今最も読み続けたい本であり、著者です。 Posted by ブクログ ルトガー・ブレグマンのレビューをもっと見る