【感想・ネタバレ】Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章のレビュー

あらすじ

「人間への見方が新しく変わる」――ユヴァル・ノア・ハラリ(『サピエンス全史』著者)推薦!

「希望に満ちた性善説の決定版!」――斎藤幸平(『人新世の「資本論」』著者)推薦!

「邦訳が待ちきれない!2020年ベスト10洋書」WIRED日本版選出

本国オランダでは発売忽ち25万部突破ベストセラーに。世界46カ国での翻訳が決定。

近現代の社会思想は、”性悪説”で動いてきた。だが、これらは本当か。

・ホッブズいわく「万人の万人に対する闘争」
・アダム・スミスによると、人は損得勘定で動くホモエコノミクス
・ダーウィンが唱えた、自然淘汰説
・ドーキンスは『利己的な遺伝子』を執筆
・少年たちのいじめ本性を描いた『蠅の王』がノーベル文学賞

著者は、この暗い人間観を裏付ける心理学や人類学の定説の真偽を確かめるべく
世界中を飛び回り、関係者に話を聞き、エビデンスを集めたところ意外な結果に。

・スタンフォード大の囚人実験(普通の人間は邪悪になれる)
・ミルグラムの電気ショック実験(アイヒマン実験は)
・イースター島絶滅は人間のエゴ説(ジャレド・ダイアモンド)

善人が悪人になってしまう理由とは。なぜ人類は生き残れたのか。
これから生き延びるためにどうすればよいかが書かれた「希望の書」。

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Posted by ブクログ

読む前は、題名に希望だとか、善き未来だとか少しこそばゆい言葉が書かれていたので、なんとなく期待値低目で読み始めました。しかし、率直にいって、まさに題どおり希望、人間に希望が持てるような、かつ明るい気持ちにさせてくれる内容で大変楽しく読めました。
今まで、正しいと思われていたようなエビデンスなどを反転してしまう、そんな爽快さと、自分自身もきれいになったような気持ちよさがあります。
続きも気になります。

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2025年09月26日

Posted by ブクログ

人間の本質は優しい
①人間の本性についての私たちの見方が間違った方向に進みがちであること。
②ジャーナリストは、扇情的な話を売るために、容易に世論を操すること。
③緊急事態において、いかに私たちは互いを頼りにできるか

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2025年05月17日

Posted by ブクログ

人は生まれながらにして善であるということを説明している一冊。これに反する実験や論文、歴史的事実は多く、反論は簡単なのだが、実は各種の実験がいい加減だったり、歪曲だという証拠を見つけて覆す。スタンフォード監獄実験、ミルグラム実験、ナチス大幹部のアイヒマンの例など。確かに、元々悪であるなら納得できることが多い一方、善であるとするならば、それを証明することはなかなか難しい。世の中の報道も、「今日も1日平和でした」ではニュースにならない。戦争や殺人で亡くなる人は100年単位で見れば確実に減っていることはわかるが、実感と理性が食い違う代表的な事例なんだろうな。

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2024年11月19日

Posted by ブクログ

本著を読んでユヴァルノアハラリが価値観を変えたという位だから、新たな視点が得られるのだろうと期待して読み始めたが、期待通り。乱暴に言うと、人間の「性善説」的な本質を証明しようという試みの本。戦争の歴史を歩む利己的な存在という価値観を一変させる。

ー 人間は本質的に利己的で攻撃的で、すぐパニックを起こすと言う根強い神話。薄いベニヤのような道徳性ということから、ベニヤ説と呼ばれもするが、真実は逆。災難が降りかかった時、爆弾が落ちてきたり、船が沈みそうになったりしたときに、人は最高の自分になる。

『蝿の王』という小説があり、私も読んだ。しかしあれはフィクションであり、無人島で人間は憎しみ合い傷つけ合う事はない。実際に、アタ島に漂流した青年たちは、互いに助け合って生き延びた。アタ島の漂流の話はインターネットで検索すれば、当事者の顔写真つきで閲覧する事もできる。これを知っただけでも、本書を読んで良かった。

画面操作による実験で、人間とチンパンジー、オランウータンを比較した。空間認識、計算、因果性認識を調べたが、チンパンジーやオランウータンと2歳の人間の子供ではテスト結果が変わらない。しかし、社会的学習では、人間の子供が楽勝だった。つまり、人間とは、超社会的な学習生物であり、学び、結びつき、遊ぶように生まれついた。人間だけが赤面するのは、本質的に社会的な感情表現。他人の考えを気にかけていることを示し、信頼をはぐくみ協力を可能にする。また、目を見る行為だが、人間の目には白い部分がある。他者の視線の動きを追える。更に面白かったのは、ネアンデルタール人とホモサピエンスの対決の話だが、「天才族vs模倣族」の例え話で理解ができるというもの。

…しかし、オキシトシンの影響は、グループ内に限られる。これが人間の負の歴史を生む。下巻は、この負の歴史の真相に挑む。

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2024年02月28日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃおもしろい。
今まで信じていた理論って何だったんだろう。
人間不信というかいろいろなものに不信になってしまう。
派生していろいろな本を読みたいが、巻末の注記では文献を探すのがちょっと難しいな。
今最も読み続けたい本であり、著者です。

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2024年02月05日

Posted by ブクログ

目からウロコが落ちるとは、このような本のことだろう。
今まで自分が「常識」として疑わなかったことが、ほとんど否定されている。しかも、そのことが新たな道を発見することにつながる。これは、全世界の人が読むべき著作である。
日本語訳もすばらしい。

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2023年11月13日

Posted by ブクログ

有名な「スタンフォード監獄実験」や「ミルグラムの電気ショック実験」が提示するセンセーショナルな性悪説は、実は捏造されていたという衝撃。

人間の本質は善であることを筆者の独自調査で個別テーマを介して明らかにしていく手法で語られる上巻。これはこれで結論ありきで話を自分勝手に色眼鏡通して捉えているし可能性ないか?と疑ってしまうほど通説と真逆の結論を突きつけられる。この爽快感は、なるほど魅力的な。

題材が有名なものであり、語り口が肩肘張ってないのでスルスルと読み進められる。かといって過不足ない進行で飽きるともなく、文章力の高さも本書の惹きつける魅力の一つだなと。下巻は著者の主張が強調されているようで、期待高まり胸躍る。

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2023年10月19日

Posted by ブクログ

定住と私有財産の出現により、自由、平等、友愛の日々が終わった。
文明社会の始まりが暴力、戦争、感染症の始まり。
家畜化された人間と動物、人懐っこく平和的な遺伝子ほど子孫を多く残せた。

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2023年10月04日

Posted by ブクログ

「人間の本質は善である」
だからこそ人類は、危機を生き残れた。
にもかかわらず、現代の社会が性悪説で設計されているのは、なぜか。
ホッブスの性悪説VSルソーの性善説、少年たちの残虐さを描きノーベル文学賞を受賞したゴールディング『蝿の王』、人間の本性を暴くいくつかの心理実験や実際に起きた事件、それらをひとつひとつ再検証し、人間の本質は悪であることを示しているそれらの信憑性に異議を唱えた。

歴史や心理学の専門家ではない私でも、大変読みやすく面白い本でした。冒頭から、目から鱗なことばかりでした。人の本質について言われている、性善説と性悪説、窮地に立たされた時に出る人間の本性、今までそれは悪であると言われてきたことに疑問を持ち、再検証を地道にしていき、そうではないを示した本書は、とても優しさに満ちた本だと感じました。
今まで自分の根幹にあった、そうは言っても人って性悪説なんでしょ、そういう結果が出ているじゃないかという暗い考えを見事にひっくり返してくれました。
下巻を読むのも楽しみです。


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2023年06月20日

Posted by ブクログ

すごい。人は善。ミルグラムや、アイヒマンの話がある中でも人は善。これからの自分の生活の仕方、仕事の進め方を見直さねば。疑ってかかるなんて、ナンセンス。

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2023年05月27日

Posted by ブクログ

人類にとっては当たり前とも言える「人は本質的に暴力的で残忍な生物である」という前提を覆す本。
ホッブスの「万人の万人に対する闘争」は真実なのか?スタンフォード監獄実験は造られたものだった。

読んでいて自分の固定観念がボロボロと崩れていく音がした。法や秩序というものは人が自然状態では罪を犯し、他社を傷つける、という前提があるから創られたものであると思っていたし、人類の歴史は暴力の歴史でもあると学んでいた。

が、この本に書かれていることはそうではない。
人の本質は善意であって、暴力的ではなく、お互いに歩み寄り、協調性を持つことができる。それこそが人類の本質であると述べられている。

その結論に至る根拠や過去の書物への批判などが全体的な内容である。

まだ下を読んでいないが、この本がもっと世間で受け入れられれば更に世界は変わるんだろうなぁ。

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2023年01月04日

Posted by ブクログ

 「万人の万人に対する闘争」は正しくない。「ほとんどの人は、本質的にかなり善だ」ということを多くの事実から証明していく。

 ロンドン大空襲、「蝿の王」、「利己的な遺伝子」、銃を撃たない兵士、ジャレッド・ダイヤモンドのイースター島の物語、スタンフォード監獄実験、ミルグラムの電気ショック実験・・・信じられている多くの「事実」は実は事実ではなかったことを暴き、人間が本質的にはどれだけ善かを証明していく。

 後半では、「最悪な人間を想定した現在のシステム」= 法の支配、民主主義、資本主義・・・を乗り越えていく「最良の人間を想定したらどうする」から新しい世界を構想していく。コモンズ、アラスカの永久基金配当(一種のBI)、リゾートみたいな刑務所・・。

 謎は、本質的に人間はかなり善であるにも関わらず、どうしてホロコーストや野蛮な殺戮や、そしてウクライナへの攻撃が起こってしまうのか、ということである。著者は「私たちを最も親切な種にしているメカニズムは同時に、わたしたちを地球上で最も残酷な種にしている」「友情と忠誠心と団結、すなわち人間の最善の性質が、何百万という普通の男たちを史上最悪の虐殺へと駆り立てたてたのだ」と書く。それは、人類は身近な人には共感するが、1000人、100万人、70億人に共感することは不可能で、身近な犠牲者に共感するほど、敵をひとまとめに「敵」とみなすようになるからだという。つまり、共感が私たちの寛容さを損なうと。

 何回も繰り返し読んだけど、ここの部分がまだよく理解できない。では、どうすればこの悲劇を繰り返さなくて済むのだ? それは「最良の人間を想定したシステム」に置き換えていくことで可能なことなのか?

 ただ、人間はそう簡単ではではない、ということは間違いない。

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2022年12月31日

Posted by ブクログ

人類が本来的に善なるものか悪なるものかについて、現代の多くの考えが、ルソーの社会契約論とホッブスのリヴァイアサンに基づいている。

ルソーは人間が本来善なるものと唱え、逆にホッブスは悪なるものと主張している。

これまで多くの考え方がこの2人の説に基づき発展してきたが、昨今はややホッブスの考え方が優勢であった。

それは、文明的、科学的であるということは物事を否定的に見ることであり、またニュースは悲惨な出来事ばかり報道するからである。

ネガティビティバイアスにより、人は本能的にネガティブな内容を記憶するが、このこともさらに拍車をかけていている。

そんな人間は本来悪であるという通説に対して、作者は真っ向否定する。そして、人は本来悪であるという主張の根拠となっているいくつかの事件や実験に対して反論していく。

多くの過去の事実や実験結果が、センセーショナルになるよう誇張や操作がされており、そのどれを取っても、人間が本来的に悪であるという確証にはならなかった。

後半どういった論理展開がなされるか楽しみである。

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2022年09月11日

Posted by ブクログ

人は、社会性を磨き上げてきた生物。学び、楽しみ、繋がり合う様に進化してきた。人間は一皮剥けば野蛮人である。そのため国家やリヴァイアサンが人間には必要だというホッブスの主張やベニヤ説などの性悪説。それらを証明するかの様な事件や実験の主張を本書は根底から覆す。新たな取材を通し、ほとんどの場合人間は性善であると。


・感情の読み取れる白目、赤面、軟らかなみた目に進化した動物達
→人と人とが結びつくこと、社会的に生きてきた証拠であり進化である

・1940年ロンドン大空襲
ドイツ軍からの8万の爆弾を落とされロンドン市民はヒステリックに野蛮人になると考えられていた。
→皆、落ち着き、メンタルヘルスはむしろ向上、誰もが互いを助け合っていた。

・2005年ハリケーン、カトリーナ
避難所に詰め込まれた25,000人。略奪、レイプ、銃撃が起こっていたと信じれていた
→避難所の死者は6人、内1人が自殺でそれ以外は病死。略奪も警察が協力するなどチームを組んだ利他的なものだった

・1999年ベルギー
コーラを飲んだ9人の子供が倒れる。コーラに毒が入っているのではないかと報道され、世界中で1000人を越すコーラを飲んだ子供が病院へと運ばれた。
→コーラには異常はなく、プラセボ効果の反対「ノセボ効果」と思われる。病気になると思わされて飲んだことによる影響

・銃を撃たない兵士
戦場で実際に撃つものは全体の10〜20%ほど

・イースター島の内紛、人食
・スタンフォード監獄実験
・ミルグラムの電気ショック実験
・キティ殺人事件の傍観者達
→これらは、ほぼ全てが誤りだと。心理学者のプライドや野心、実験自体の不備不正、偏向報道、悪に注目してしまう人々、それらが作り上げた性悪説なだけだった。

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2022年07月25日

Posted by ブクログ

人類・人間は性善説が表す本来的に善な・良い生き物なのか?が語られている。
この手の歴史的題材をテーマにしながら思想を扱う本は、その思想を補強することばかりを述べ立てることが多い。(自己啓発系とか、自称成功起業家の本)
しかし、この本は反対意見も吟味しながら、振り子のようにその思想が正しそうか検証していく良書。
下巻が楽しみ。

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

人間本性の性悪説を支持する研究や言説を叩き潰す。著者のブレグマンはオランダのジャーナリスト・歴史研究者。
上巻で印象的だったのは、ゴールディングの『蠅の王』の章。彼がノーベル文学賞をとった時、私の反応は「えっー」だった。この反応の理由をブレグマンが明快に説明してくれている。
アメリカで行なわれた悪名高い社会心理学的研究をめぐる章も印象的。彼によれば、ジンバルドーのスタンフォード監獄実験は、やらせと演技と演出。ミルグラムの電気ショック実験(別名アイヒマン実験)は、「権威への服従」という無理筋の解釈。「冷淡な傍観者」研究の発端となったキティ殺人事件は、マスメディアの脚色と歪曲(だとすると、研究そのものの前提が崩れる)。大学の社会心理学の授業では、この3つは目玉のトピックだ。さあ、明日からどう教える?
性善説vs.性悪説という構図は、単純化し過ぎだし、論の展開もやや強引だ。でも、それこそが本書の魅力なのかも。

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2025年05月26日

Posted by ブクログ

本国オランダでベストセラーになり、世界46ヵ国で翻訳され、欧米メディアから絶賛された名著。
人間の本性は善である。実に感動的で、読むべき一冊。
ただし、私たちは、熱心に自らの堕落を信じたがる。何故なら、自らの本質が罪深いと信じると、人は心が休まるから。そう信じる事で、一種の赦しが得られ、約束も抵抗も無駄になるからだ。
マスコミ、メディアのあり方も、問われるべきなのだろう。本質は悪だとした方が、センセーショナルで、商売になるから。

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2025年01月20日

Posted by ブクログ

『ほとんどの人は、本質的にかなり善良だ』
この本は、この一文に向き合い、世界中の事例から証明しようとする本だ。
上巻では、無人島に残された少年たちは争い、ホッブズの「万人の万人に対する闘争状態」に陥ることを小説にした『蠅の王』を覆す『本当の蠅の王』の話から、
ジャレド・ダイアモンドが証明したイースター島の歴史を覆す話、
ミルグラムの電気ショック実験の真実、
キティ(スーザンジェノヴィーズ)の死で有名になった「傍観者効果」の真意、
そして、報道による読者への方向付けの注意喚起までを著している。


導入であり問である『人は本質的に善良だ』に対し、日本で生まれ、26年間生きた僕は、「そう思う。」という感想を持った。
良くも悪くも平和ボケした現代の日本に生まれ育った者は同じ感想を抱くのではないか?と思う。
しかし、なぜ本質的に善良なのか?という問を考えるために読み進める。

各国の事例を所狭しに著している本書は、地名や当事者の名前などでカタカナが多く、ある意味読み応えがある。
注意すべきは、それらの事例や歴史は、誰かの手によって記されており、つまり誰かのバイアスがかかっているということ。
それは多分に漏れず、著者のルトガー・ブレグマン、翻訳者の野中香方子のバイアスもだ。
これは、上巻の最後に触れられているメディアの話にも通ずる。
何を事実とし、何を信じるかを常に注意して読書し続けたい。

最後に思ったのが、この世は反面教師だということ。
善行を証明するために悪行を演じたり、悪行から考える構図になっている。
つまり、悪やマイナスがなければ、善もプラスも証明できない。
戦争があったことで、人権が付与されたことが例。
仮でも両端を捉え、考え、折衷を探るしかないと思った。

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2024年06月09日

Posted by ブクログ

人がいかに悪意に満ちていて利己的か、という話を覆す本

他者と協力しあうことで生き延びてきた時点でそうなのもしれない。
面白かったのは古来の天才族と模倣族の話で、とりも分かりやすく腑に落ちた。

読んでいて擬悪的になったりネガティヴに考える自分をもう少し冷静に見ていかなきゃなと思った。とくにネガティブな情報が蔓延するSNSやメディアからは適度な距離を取るのが大事だと思った。

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2024年05月22日

Posted by ブクログ

人間社会は、人間の根源を悪であるとみなしたがる、ということが如実にでていた。マスコミも、人間の悪が現れるようなことを報道したがる。
本質的な善なのかはわからないが、歴史や報道を真実して受け取るのが最善ではなさそう。
そして人間の良い面を気持ち重視しても、良いのではないだろうか。

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2024年04月12日

Posted by ブクログ

これは希望に満ちた本である。
そして、真実というのはとても見えにくい事がある

・ほとんどの人は本質的にかなり善良だ
・ルソーの思想が正しいのでは?
・過酷な環境になると人は善良に動く
・本当の「蝿の王」はびっくり、本と真逆であり、とても心暖まる話だった。
・協調が重要
・「利己的な遺伝子」はホッブズ流
・アーレントの重厚な哲学(人間は善を装う悪に惹かれる)
・コミュニケーション、対決、共感、抵抗が重要
・人間の本性についてのわたしたちの見方が間違った方向に進みがち
・ジャーナリストは、扇情的な話を売るために容易に世論を操る
・緊急事態において、いかにわたしたちは互いを頼りにできるか 

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2023年12月11日

Posted by ブクログ

面白かった。
ピンカーの「暴力の人類史」に追随する内容かと思ったが、違った。ピンカーが文明化が進むに従って暴力が減ったとの主張に対し、本書は人間は生まれながらにして善性を備えており文明がそれを妨げているとの主張。反文明化の結論ありきの主張のようにも捉えてしまう。
搾取が悪、人間は善ってエピソードが多く、耳障り良い本としては面白い。下巻に期待。

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2023年10月29日

Posted by ブクログ

人は生まれつき悪であると考える性悪説と、善であると考える性善説とがある。過去には、善悪説として考えた方が良しとする数々の実験がある。筆者は、それらは全て研究者が恣意的にそのような結果が出るように実験を行ったからだと言う。つまり、人は生まれつき善であると考えるのが正しいのだと。したがって、リーダーは自分のことを犠牲にしても他者のことを考える人が選ばれてきたのだ。
ここで、一つの疑問が浮かぶ。今の社会でリーダーとなっている人に利己的な人が多すぎないか?ということだ。その問に対する答えは下巻で展開される。

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2023年10月02日

Posted by ブクログ

人間の本性は悪である という有名な実験や事件の真相を調査し、嘘やごまかしを暴く。そして、実際は人々が善良に振る舞ったり協力しあっていたことを示す。 
勇気が出る内容。だけど、再反論もあるのかもしれない。調べてみる。

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2023年09月29日

Posted by ブクログ

人は元来、善なのか悪なのか、という根源的なテーマに対し、古来から現在までに存在する様々な言説がまとめられている。

人を性悪とする言説に対し、筆者自身が取材等含め再度調査し、実は誤っていたのではないか、という話がいくつも出てくる点が非常に興味深かった。

心理学を学んでいた身にとっては、当たり前のようにジンバルドやミルグラムの実験を信じていたが、実は不備が多く(いずれも作為的な)、正しい実験ではなかったことを知り、驚かされた。

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2023年01月22日

Posted by ブクログ

人間の歴史を性善説の側面から紐解き直す大作。
著者は88年生まれの歴史学者。
読んでいると心が希望に満ちてくる。
人間の善の側面にスポットを当てて私たちの生き方を問い直す良著。アッパーな頭脳でハッピー

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2022年11月21日

Posted by ブクログ

表紙カバー裏にある「現代の社会が性悪説で設計されていることに疑念をもち、世界中を飛び回り、関係者に話を聞き、証拠を集め」た結果、巷に流布された性悪説に次々と否を唱えています。
で、各章で実際に人に信じられている「性悪説として事実とされている事象」がホントにそうなのか?を腕利きの刑事もしくは探偵さながら情報を集めまくって否を導き出してるのです。学者っていう人種の真実を知りたいという熱量(しつこさ)が感じられてそこがかなり面白い。深堀感半端ない。本質じゃないけど、よくそこまで探せたなという感嘆と、え?それ完全なる捏造という研究者がイッチャンやってはいけないことでは?が多くて私たち市民を簡単に騙してひどい話ばかりだった。(それを筆者は実はそうじゃないんだよと書いてます)。私たち真実を知らず、ショーもなーい研究者とかジャーナリストとかメディアに騙されてた?ショック。
個人的には性悪説を唱えることが独裁者や統治者にとって都合のいいように市民を扇動するためであるということ、本来は性善なはずの人間に性悪が芽生えたのは狩猟から農耕へ文化がかわったこと、悪の存在に立ち向かうには、コミュニケーション、対決、共感、抵抗これらの戦略を繰り返し繰り返し行うことで回避しうると書かれていた所は印象に残りました。
世界は悪いことばかりが起きている訳ではないのだとFACTFULNESSと全く同じことを書いてる所もあって同じ著者か?と確認してしまいました(勿論違った)。
全体的に過去に起こった史実や事件を深堀しつつ、人は本来は大半の人達が性善であるという事実を繰り返し私たちに突きつけてくる本です。どの章もかなり面白くって誰でも読み進められると思います。下巻も楽しみ。

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2022年09月24日

Posted by ブクログ

私たちは他者との一体感を渇望しているということに驚きだった。1人で過ごすことが好きな人もいるけど
その人もお金を稼いだり仕事をしたりするときは他者とのつながりが必要。

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2022年07月14日

Posted by ブクログ

分厚いがすらすら読めた。
性悪説の根拠となるような実験や論文は世の中にたくさんあるが、それを筆者がどんどんと覆していく構成で読んでいて気持ちがいい。

性善説、嬉しい。
人は助け合って生きているし、誰しもが誰かを傷つけようとは思っていない。

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2023年02月08日

Posted by ブクログ

心清い人類の希望の歴史。でもネットのいざこざ見てると、すこしこういう本でも読んで頭冷やしましょう、みたいな感じはするよな。みんな本読もうぜ。

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2022年08月08日

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