生物の協力/互恵関係について書かれたものは見たことがあるが、罰にフォーカスしたものはこれまでなかったように思う。平易に書かれておりなかなか面白かった。
P84 AならばBが成り立っているかどうかを調べるためにはAであるのにBでない場合があるかどうかを調べる必要があります。そこでコスデミスはこの問題
...続きを読むに社会的文脈を添えて被験者に解かせることを試みました。【中略】文脈が与えられるとこの問題は簡単になったように感じられます。事実被験者の正答率も格段に上昇しました。ヒトは裏切り者検知の問題が得意であることを示していると言えるのです。
P100 (人はあまり公共財に投資しない人を罰するが)しかし同時に罰を与えた人がどのような人に罰を与えたのかを詳細に分析したところ、自分より公共財へ多く投資した人へも罰を与えている例があったのです(非社会的罰)
集団主義的な社会では「協力しすぎる人」は「協力しない人」と同じように集団の輪を乱す存在と考えられる可能性があります。
P107 罰の限界を伺わせる例「報酬を与える人」は評価されるのだけど「罰を与える人」は特に評価はされないらしいという研究