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大忙しの蜜月旅行
とうとう結婚へと至ったピーター・ウィムジイ卿と探偵小説作家のハリエット。披露宴会場から首尾よく新聞記者たちを撒いて、従僕のバンターと三人で向かった蜜月旅行(ハネムーン)先は、〈トールボーイズ〉という古い農家。ハリエットが近くで子供時代を送ったこの家を買い取っており、ハネムーンをすごせるようにしたのだ。しかし着いてみると、家は真っ暗で鍵がかかっており、待っているはずの前の所有者は見当たらず。訝りながらも滞在していると、地下室で死体が発見されて……。シリーズ最後の長編が創元推理文庫についに登場! 後日譚の短編も収録。/解説=三橋曉 -
大いなる手がかり
街は降り続く三月の雨に煙っていた。パトロール警官のジェネロはバス停に置き忘れられた鞄を開けてみた時、思わず顔を歪め反射的に手を引いた。無理もない、なんと、手首から切断された巨大な人間の手が出てきたのだ! 果して被害者、そして加害者は? 手掛りを求め雨の街に散る刑事たち。 -
大いなる眠り
ハードボイルドの旗手チャンドラーの長編処女作。主人公の私立探偵フィリップ・マーロウはこれによって一躍、有名になった。マーロウは富豪の将軍の邸宅へ招かれる。将軍の次女カーメンが、賭博場でふり出した約束手形にからまる強請りの件で、その調査を依頼されたのだ。マーロウは張本人とみられるガイガーの家をさぐりに行った。だが、三発の銃声がとどろき、ガイガーは射殺されていた。踏みこんだ所はあやしげな秘密写真撮影の現場だった。次々に現れる不審な人物に加え、将軍家の長女の夫の失踪事件もからみ、事件はいよいよ複雑に。双葉氏の翻訳はその名調子で知られる。 -
大いなる眠り
私立探偵フィリップ・マーロウ。三十三歳。独身。命令への不服従にはいささか実績のある男。ある午後、彼は資産家の将軍に呼び出された。将軍は娘が賭場で作った借金をネタに強請られているという。解決を約束したマーロウは、犯人らしき男が経営する古書店を調べ始めた。表看板とは別にいかがわしい商売が営まれているようだ。やがて男の住処を突き止めるが、周辺を探るうちに三発の銃声が……。シリーズ第一作の新訳版 -
狼たちの宴
歴史×スパイ×名探偵 傑作『狼たちの城』待望の続編登場。 ゲシュタポ捜査官になりすましたユダヤ人の 元古書店主が、女性絞殺魔の謎にふたたび挑む! イザーク・ルビンシュタインの新たなる闘い! ニュルンベルク、1942年。ユダヤ人の元古書店主イザーク・ルビンシュタインの悪夢は続いていた。 逃走中にゲシュタポ犯罪捜査官アドルフ・ヴァイスマンと間違われたまま、女優密室殺人の謎を見事に解明してみせた彼は、 街からの脱出をぎりぎりまで延ばして機密文書の奪取を試みるが、そこで新たに発生した女性絞殺事件の謎に捜査官として再び立ち向かうことに。 正体が露見すれば即「死」という究極の状況下で、「狼たちのなかの羊」は生き残ることができるのか? 『狼たちの城』の続編登場! -
狼たちの城
ナチス×スパイ×名探偵 前代未聞の歴史反転ミステリー! 招聘されたゲシュタポ犯罪捜査官。 その正体はユダヤ人の古書店主! 第二次世界大戦の末期、ニュルンベルクの ユダヤ人古書店主イザークと家族のもとに ポーランド移送の通達が届く。彼は絶望の なか、レジスタンスに関わっていると聞い たかつての恋人クララを頼るが、彼女が用 意してくれたのはゲシュタポの特別犯罪捜 査官アドルフ・ヴァイスマンとしての偽の 身分証だった。イザークは受け渡しの場で ヴァイスマンに間違われたまま、ナチスに 接収された城内で起きた女優殺人事件の捜 査に臨むことに。ゲシュタポの深奥部で彼 は無事生き抜き、事件を解明できるのか? -
大はずれ殺人事件
ジェークにとって、それはこよなく愉しい夢見心地の宵だった。以前から恋こがれていたヘレンとやっと結婚できたのだから。ところが、そのパーティの席上、シカゴ社交界のナンバー・ワン、モーナ・マクレーンが`「絶対つかまらない方法で人を殺してみせる」と公言したのである。よせばいいのにジェークはその賭けにのった。なにしろ、彼女が失敗したらナイト・クラブがそっくり手に入るのだ! その翌日、群衆の中で一人の男が殺された……。そもそもはたして、これはモーナ・マクレーンの仕組んだ犯罪なのか? 弁護士マローンとジェーク、ヘレンのトリオが織りなす第一級のユーモア本格ミステリ。 -
奥方は名探偵
ヨーロッパじゅうを遊び歩くマイロとの結婚をすこしだけ後悔しているエイモリー。マイロが久しぶりに帰宅したその日、エイモリーのもとを元婚約者が訪れた。どうしても頼みたいことがあるので海辺のホテルへ一緒に来てほしいという。夫が好きに旅行するならわたしがおなじことをしてもいいでしょう? しかしホテルでは殺人事件が待ち受けていて――上流階級の奥方が謎と夫にふりまわされるキュートなコージー・ミステリ。 -
オクトーバー・リスト
ドンデン返しの魔術師が技巧のかぎりを凝らした 前人未踏&驚愕連続の “逆行” ミステリー! 本書は最終章ではじまり、第1章へとさかのぼる。 娘を誘拐され、秘密のリストの引き渡しを要求された女ガブリエラ。隠れ家にひそみ、誘拐犯との交渉に向かった友人の帰りを待っていた。 しかし玄関にあらわれたのは誘拐犯だった。その手には銃。それを掲げ、誘拐犯は皮肉に笑った……。 だが読者よご用心。全ては見かけ通りではない。章ごとに物語は時間軸をさかのぼり、あなたの知らなかった「事実」が次々に明かされ、 白は黒に、黒は白に反転をくりかえす。謎のオクトーバー・リスト。それを狙う者たち。迷路のようなニューヨークの街で展開される人狩り。 正解最強のサプライズの魔術師ディーヴァーが繰り出すサスペンスとサプライズ。そして全ての真相が明かされるのはラスト2章! 『ボーン・コレクター』『ウォッチメイカー』などでミステリー・ファンを狂喜させてきたベスト・ミステリー作家の神髄がここにある。 -
お城の人々
人間の医者と呪いにかけられた妖精の王女の恋を描いたおとぎばなしのような表題作ほか、犬と少女の不思議な絆の物語「ロブの飼い主」、お城に住む伯爵夫人対音楽教師のちょっぴりずれた攻防「よこしまな伯爵夫人に音楽を」、独特の皮肉と暖かさが同居する幽霊譚「ハーブと自転車のためのソナタ」など、恐ろしくもあり、優しくもある人外たちと人間の関わりをテーマにした短編全10編を収録。ガーディアン賞、エドガー賞を受賞した著者の傑作短編集、第3弾。/【目次】ロブの飼い主/携帯用エレファント/よこしまな伯爵夫人に音楽を/ハープと自転車のためのソナタ/冷たい炎/足の悪い王/最後の標本/ひみつの壁/お城の人々/ワトキン、コンマ/訳者あとがき -
オスロ警察殺人捜査課特別班 アイム・トラベリング・アローン
北欧発! 世界中が震撼! 北欧ベストセラーのサスペンス・スリラー、待望の日本上陸! てんとう虫、てんとう虫 早くお帰り お家が火事で、 子どもたちは死んじゃった――。 オスロの山中で見つかった六歳の少女の首吊り遺体。 少女の首には「ひとり旅をしています(アイム・トラベリング・アローン)」のタグがかけられていた。 鷲のタトゥーの男、謎の宗教団体、忌まわしい過去……。 それぞれが複雑に絡み合い、謎が謎を呼ぶ難事件に、オスロ警察殺人捜査課特別班が挑む! 北欧ベストセラーに選ばれた『I'M TRAVELING ALONE』が待望の日本上陸! -
オズワルド叔父さん
その昔、とてつもない大儲けを企てた男がいた。彼はスーダン産のある甲虫の粉が信じられないほど強力な媚薬であることを知り、各国大使に売りつけ、ひと財産築いた。ばかりか、それを使って世の天才ピカソやフロイトの精液を奪取し、売りさばこうと考えたのだ。壮大なホラ話の楽しさが全篇に横溢する大人の童話。 -
オックスフォード運河の殺人
モース主任警部は不摂生がたたって入院生活を余儀なくされることになった。気晴らしに、彼はヴィクトリア朝時代の殺人事件を扱った研究書『オックスフォード運河の殺人』を手に取った。19世紀に一人旅の女性を殺した罪で二人の船員が死刑となったと書かれていたが、読み進むうちモースの頭にいくつもの疑問が浮かび……歴史ミステリの名作『時の娘』を髣髴させる設定で贈る、英国推理作家協会賞ゴールド・ダガー賞受賞作 -
オックスフォード連続殺人
『2007本格ミステリ・ベスト10』海外部門第4位! 殺人予告、暗号、数学論議、迸る知的興奮……不可能犯罪に天才数学教授が挑む!アルゼンチン発、驚愕の超論理(スーパーロジカル)ミステリー アルゼンチンからの奨学生として、オックスフォード大学に留学した「私」は22歳。渡英したのもつかのま、下宿先の未亡人の他殺死体を発見してしまう。一緒に第一発見者となった世界的数学者セルダム教授のもとには、謎の記号が書かれた殺人予告メモが届けられていた。その後も、謎のメッセージを伴う不可能犯罪が矢継ぎ早に起こって…。知の巨人セルダムの叡智がいざなう、めくるめく論理のラビリンス。南米アルゼンチンから突如現われた、驚愕の本格ミステリーに瞠目せよ。 -
弟、去りし日に
弟の訃報が届いたのは朝食後すぐのことだった。車で何度も轢かれて殺されたのだという。保安官のヴィクターは、弟とは憎しみ合った末に疎遠になり、12年近く会っておらず、悲しみは湧かなかった。だが唯一の肉親となった弟の10歳の娘から、真相を調べてほしいと頼まれる。ヴィクターは捜査中の少女殺人事件に取り組みながら、弟の死の謎へも踏み込んでいくが……。まっすぐで聡明な姪との交流と真実を追う旅路が、孤独な日常を送るヴィクターの灰色の人生を、切なくも鮮やかに彩っていく。実力派作家が贈る、一人の男の再生を描くミステリ。/解説=三橋曉 -
男の首
その男は二人の女性を殺害した容疑で死刑を宣告され、刑務所に収容された。状況証拠は圧倒的に不利だったが、メグレの勘では「白」だった。やがて死刑囚のもとに脱獄を手引きする手紙が届けられる。男は疑いつつも誘いに乗る。メグレは司法当局を説き、みずからの名誉と職とを賭けて、「泳がせてみる」という大ばくちを打ったのだ。だが、まったく凡庸としかみえなかった男は、まんまとその裏をかいて行方をくらました。しかも、翌日の新聞には、「警察と司法とがぐるになって仕組んだ芝居だった」という暴露記事まで掲載された。メグレはあせった。もち時間は少なかった…… -
踊る黄金像
南米から密輸されてきた百万ドルの黄金像がちょっとした手違いから十五体の模造品にまぎれこみ、ニューヨーク中にばらまかれてしまった。一獲千金をめざす悪党たちが次から次へと登場し、一大争奪戦が始まるが――マルクス兄弟のパワーを凌ぐ究極のスラップスティック大作。 -
斧
血に香りはない。斧で老人が脳天をぶち割られている地下室の殺人現場に、キャレラは思わず息をのんだ。被害者はビルの管理人で、片手間に薪割りをしていた。こんな老人を誰がどんな理由で……彼は重い足どりで捜査を開始したが……残虐このうえない殺人の謎を追う刑事たちが見たものは? -
オフシーズン
全国の読者の熱烈な声に応え、あの“発禁本完全版”がついに復刊! 15万部突破の『隣の家の少女』と並び立つ、最大の問題作! 「全米一怖い作家は誰だ? きっとジャック・ケッチャムさ、『オフシーズン』の無修正版を感謝祭の日に読んだら、きっとクリスマスの日まで眠れなくなること請け合いだ。スティーブおじさんが警告しなかったなんて言うなよ、はっはっはっ……」(スティーブン・キング) (内容紹介) 避暑客が去りつめたい秋風が吹き始めた九月のメイン州の避暑地。ニューヨークから六人の男女が休暇をとって当地にやって来る。最初に到着したのは書籍編集者のカーラ。 すこし、遅れて、彼女の現在のボーイフレンドのジム、彼女の妹のマージーとそのボーイフレンドのダン、そしてカーラのかつてのボーイフレンドのニックとそのガールフレンドのローラが到着した。 六人全員が到着した晩に事件は勃発した。当地に住む<食人族>が六人に襲いかかったのだ。<食人族>対<都会族>の凄惨な死闘が開始する! ※本書は、ジャック・ケッチャムのデビュー作、『オフシーズン』のデビュー作(1981年刊)の再刊です。再刊版訳者あとがきが収録されています -
おめざめですか、アイリーン
1888年夏。鉄道事故で“死亡”したオペラ歌手アイリーン・アドラーは、夫のゴドフリーと親友ネルの三人で、パリ郊外の村で静かに暮らしていた。だが、持ち前の好奇心が、ふたたび彼女を冒険と推理の旅へといざなう。セーヌ川から引き上げられた男の死体にあった謎の入れ墨、ゴドフリーが命を救った若い女性ルイーズの“死”……アイリーンたちはこれらの真相を追い、モンテカルロへと赴く。かの地で待つのは、さらなる事件と謎、そして同じく事件解決に乗り出した名探偵ホームズとの再会……稀代のヒロインによるヴィクトリア朝ミステリ第2弾。/解説=池澤春菜 -
思い出の壁
江戸初期からつづく造り酒屋の桜井家は、中国美術品の蒐集家として知られる。収蔵品リスト『桜獅子名品帖』に陶片もあった。それは額のなかにはいっていたが、白のタイルのうえに陶片がはめこまれたものだった。鎌倉の海岸から宋磁の陶片がよく出たことは知られている。鎌倉に幕府が置かれたころ、宋の貿易船は陶磁器を積んで来航した。だが、途中で割れてしまうものがあり、陶磁のかけらは海に投げ棄てられたという。その鎌倉の浜から拾った陶磁片を買い集め、我が家のタイルの壁にちりばめたものだという。旧伯爵家のものといわれる壁にはめこまれた陶磁片には、思いもよらぬ物語が秘められていた。 -
オランダ靴の秘密
大病院の手術台の上で、今まさに執刀されようという患者が首を絞められ殺されていた!被害者は病院の創設者であり、遺産相続をめぐる容疑は病院内部に向けられたが、やがて第二の殺人が起った!あらゆる手がかりを提示し、フェアプレイの精神で読者に挑戦する本格中の本格ミステリ。 -
オルタード・カーボン
NETFLIXで配信中。人気ドラマシリーズの原作本。 フィリップ・K・ディック賞受賞。 イギリスのSF作家、リチャード・モーガンの代表作「タケシ・コヴァッチ・シリーズ」の全3タイトルが順次発売。第1弾は、2002年に発表された作者のデビュー作。人間の魂がデータ保存できるようになった27世紀のベイ・シティ(サンフランシスコ)を舞台に繰り広げられるヒューマンドラマ。発表直後から多くのフォロワーを生みだし、根強い人気を誇っている。シリーズの主人公、タケシ・コヴァッチは日本人と東欧人の血を引く元エンヴォイ・コーズ(特命外交部隊)の隊員。強盗をはたらき、100年以上の保管刑に服していた彼が地球で目覚めるところから物語ははじまる。サイバーパンクとハードボイルド、ミステリが絶妙に絡み合うフューチャー・ノワールの最高傑作。2003年、フィリップ・K・ディック賞受賞。2018年、NETFLIXより本書を原作とした同名のドラマシリーズ(シーズン1)が配信開始され、世界じゅうで反響を呼んでいる。2019年に続編(シーズン2)配信予定。ブーム再燃で新たなステージへと躍進する名著の最新版。リチャード・モーガンによる2018年の序文を収録。 ――テクノロジーの発達によって命の定義が変えられたこの時代、人間の意識は、今や脳に保存され、新しい肉体(スリーヴ)にダウンロードできるようになった。その結果、死などレーダー上の小さな輝点にすぎなくなった。元特命部隊隊員タケシ・コヴァッチは何度か殺されたことのある男だが、最後の死はことさら苦痛をともなうものだった。その後、ベイ・シティで新たなスリーヴをまとって再生した彼は、怪しげで暗く大きな謀略のど真ん中に放り込まれる。その謀略は存在が売買可能となった社会の標準に照らしても、邪悪この上ないものだった。タケシにとっては胸に銃弾を食らい、風穴をあけられたことさえただのはじまりにすぎなかった。 ・巻末解説 北上次郎 -
オルヌカン城の謎
ポールは新妻のエリザベートとともにオルヌカンの城へと旅立った。独仏国境近くに建つ、エリザベートの父の館である。だがそこで、ポールは驚くべき発見をした。かつて自分の父を殺した犯人、それはほかならぬエリザベートの母だったのだ! ポールはエリザベートと別れ、折しも勃発した第一次大戦の戦場へと向かう。だが運命のいたずらか、ポールは再びオルヌカン城へと引きもどされることになるのだった、ドイツ軍の手におちた城を奪還するために。囚われのエリザベートの運命は? 奇怪な人物、ヘルマン参謀とは何者か?砲弾とびかう戦場と、あやかしのオルヌカン城を舞台に描く波乱万丈の物語! -
おれって本当にハードボイルド探偵なの? 会話形式によるミステリー・エッセイ集
海外ミステリーの研究家・翻訳家にして、『ヴェニスを見て死ね』の私立探偵ジョー・ヴェニス・シリーズで作家としても活躍する著者が贈る、軽妙洒脱なミステリー論集。サム・スペイド、フィリップ・マーロウからキンジー・ミルホーンまで、さまざまな私立探偵の実像に迫り、最先端のアメリカ・ミステリー諸作を語り、「ハードボイルド」の真実を解明する! 日本人は「ハードボイルド」を曲解している…アメリカ人ですら本当の意味がわかっていないのだから! ハードボイルドにまつわる世間の誤解を払拭し、その実相を明らかにする注目の評論をはじめ、誰もが知っているアメリカの私立探偵から異色の作品までを語りつくす、ミステリー・ファンには見逃せないエッセイ集。全編会話だけで構成され、笑えて楽しめる珠玉の1冊。【電子オリジナル版】 本書で取りあげる作家: ダシール・ハメット レイモンド・チャンドラー ミッキー・スピレイン アール・スタンリー・ガードナー エド・マクベイン ローレンス・ブロック ロバート・B・パーカー スー・グラフトン ロジャー・L・サイモン ビル・プロンジーニ マイクル・コリンズ シャロン・マコーン ジョー・ゴアズ マーク・ショア スチュアート・カミンスキー J・C・S・スミス ジョン・ミナハン ガブリエル・クラフト 等々… -
おれの眼を撃った男は死んだ
自分を救ってくれた兄に付き従ううち、いつしか銀行強盗に加担することになった西部の少女。ろくでなしの父親を探すため、拳銃を隠し持ってヒッチハイクをくり返す女性。ぶかぶかの袖口で鼻血をぬぐい、裸足で列車を待つ少年。根拠薄弱な治療の果てに母親が病死し、医者に苛烈な復讐心を抱くようになった双子の妹――。時を選ばず、突如として眼前に現れる犯罪と暴力。その無秩序に翻弄され、血まみれになりながらも生きてゆく人々の息遣いが、気高く、美しく描き出される。O・ヘンリー賞受賞作を含む10編収録、凄絶な迫力を放つ傑作短編集!/【目次】よくある西部の物語/アデラ/思いがけない出来事/外交官の娘/オリンダ・トマスの人生における非凡な出来事の奇妙な記録/ジェイムズ三世/蜻蛉(スネーク・ドクターズ)/死を悼む人々/認識/われらはみなおなじ囲いのなかの羊、あるいは、何世紀ものうち最も腐敗した世界(オ・セキュラム・コラプティシマム)/謝辞/訳者あとがき/解説=杉江松恋 -
女彫刻家
オリーヴ・マーティン――六年前、母親と妹を切り刻み、それをまた人間の形に並べて、台所の床に血みどろの抽象画を描いた女。嫌悪と畏怖をこめて彫刻家と呼ばれるこの無期懲役囚について一冊書け、と版元に命じられたライターのロズは、覚悟を決めて取材にかかる。まずはオリーヴとの面会。並はずれた威圧感に震え上がったが、相手は意外にも理性の閃きをのぞかせた。かすかな違和感は、微妙な齟齬の発見をへて、大きな疑問に逢着する……本当にオリーヴがやったのか? 謎解きの興趣に恐怖をひとたらし。その絶妙な匙加減が、内外で絶賛を博した、ミステリの新女王の出世作。MWA最優秀長編賞に輝く、戦慄の第二長編!/解説=野崎六助 -
女には向かない職業
探偵稼業は女には向かない。ましてや22歳の世間知らずの娘には。誰もが言ったが、コーデリアの決意は固かった。自殺した共同経営者のために、探偵事務所を続けるのだ。一人になって最初の依頼は、大学を中退し、自ら命を絶った青年の自殺の理由を調べてくれというものだった。さっそく調査にかかったコーデリアの前に、意外な事実が浮かび上がってきた……。英国本格派の第一人者が、可憐な女探偵のひたむきな活躍を描く。 -
オンリー・チャイルド
アーサーとリディア。二人が出会わなければ、こんなことには・・・。1953年、アーサーはこの世に生を受けた。母親からの虐待を受けながら育ったアーサーは、狡猾な悪ガキへと成長していった。大人になってからも、アーサーは邪悪な感情を秘めたままだった。その後、内気な女性リディアと知り合い、彼女は不安を残しつつもアーサーと結婚。だが、彼は変態セックスを強要したり、しだいに凶暴な性格を表していく。抑圧された日常の中、彼女は一人息子ロバートに愛情を注ぐが、ロバートもまた奇妙な動作や習癖を見せ始める―――。 -
悔恨の日
病気療養中のモース主任警部のもとを上司のストレンジ主任警視が訪れ、一年前に起きた未解決事件の捜査を依頼してきた。問題の事件――看護婦が寝室で手錠をかけられ、全裸死体で発見された事件は、容疑者もないまま迷宮入りと思われていた。が、最近になり、匿名の情報提供があったというのだ。引退を決意していたモースが最後の難事件に果敢に挑むが……ミステリ界に偉大な足跡を印す本格シリーズの最高峰、堂々完結! -
回想のシャーロック・ホームズ【深町眞理子訳】
レースの本命と目されていた名馬が失踪し、調教師の死体が発見された。犯人は事件当夜に厩舎情報をさぐりにきた男なのか?錯綜した情報のなかから絶対的な事実のみを取りだし、推理を重ねていくシャーロック・ホームズの手法が光る「〈シルヴァー・ブレーズ〉号の失踪」。ホームズが最初に手がけ、探偵業のきっかけとなった「〈グロリア・スコット〉号の悲劇」、発表時イギリスに一大センセーションを巻き起こした、宿敵モリアーティー教授登場の「最後の事件」など、11の逸品を収録するシリーズ第2短編集。/収録作=「〈シルヴァー・ブレーズ〉号の失踪」「黄色い顔」「株式仲買店員」「〈グロリア・スコット〉号の悲劇」「マズグレーヴ家の儀式書」「ライゲートの大地主」「背の曲がった男」「寄留患者」「ギリシア語通訳」「海軍条約事件」「最後の事件」「解題=戸川安宣」「解説=小池滋」 -
怪盗紳士モンモランシー
囚人493ことモンモランシー。警察から逃げる際に屋根から落ち、瀕死の重傷を負った男。運良く最新医療を駆使した外科医ファーセットの治療の被験者となり、一命をとりとめた。怪我も治り刑期を終え、娑婆に出たモンモランシーは、高級ホテルに滞在しながら、ロンドンの地下に張り巡らされた下水道を使い、服役中に得た様々な知識を駆使して、次々とお宝を頂戴していく。警察の捜査をかわし、昼間は紳士、夜は泥棒、ふたつの顔を自在に使い分けていたが、ある日暴れ馬を取り押さえたことから、彼の運命は大きく変わることに。痛快シリーズ第1弾! -
怪盗紳士ルパン
大西洋を行く客船プロヴァンス号に無線が入った。《貴船にルパンあり。一等船客、金髪、偽名はR……》あの怪盗紳士がこの船に!いったい誰がルパンなのか? 船客たちは恐怖と興奮に沸きたつが――世界に知らぬ者なきヒーローが誕生した記念すべき「アルセーヌ・ルパンの逮捕」など、傑作九篇を収録。ルパンの前にルパンなく、ルパンの後にルパンなし。変幻自在、神出鬼没、快刀乱麻の怪盗の活躍を、最新訳で贈る第一弾 -
怪盗ニック全仕事
ニック・ヴェルヴェットは当代きってのプロの泥棒である。つねに依頼を受けて動く彼が盗むのは、価値のないもの、もしくは誰も盗もうとは思わないものだけ。報酬は一件につき二万ドル。そんな型破りな条件にもかかわらず、彼のもとには依頼が次々に舞い込んでくる。ターゲットはプールの水、おもちゃのネズミ、プロ野球チーム、使い古しのカレンダー等……それらをニックはどうやって盗む? そして依頼者はなぜ盗ませようとする? 短編の名手ホックが創造した唯一無二の怪盗ニック、その全仕事を発表順に配して贈る全集第1弾、全15編収録。 -
快盗ルビー・マーチンスン
短編の名手スレッサーにかかると「殺人」や「犯罪」が血なまぐさくない、さりげない事件となり、殺人者や被害者、はてはごろつきや警察官までもが愉快で憎めない人物になってしまう。つねに「うまい犯罪、しゃれた殺人」を描くことに心を砕いていたヒッチコックは、スレッサーの作品が大いに気に入り、テレビのヒッチコック劇場の常連シナリオ・ライターに起用した。本書は根は善良な小市民、悪党気どりの愛すべき一青年ルビー・マーチンスンを主人公に設定し、ニューヨークのダウンタウンを背景に、彼が思いつく奇想天外な犯罪計画の数々とその皮肉な失敗の経緯を披露する。趣きの変った、大人の童話という感のある作品。 -
怪盗レトン
シムノンのメグレ・シリーズ第1作!「狡猾《こうかつ》かつ危険きわまりない人物、国籍不明、おそらくはリトアニアかエストニアの生まれ、英仏独露の四か国語を流暢に話し、詐欺をもっぱらとする国際犯罪団の首領」と目される怪盗レトン。その到着をパリの北駅に待ち受けるメグレ。だが、それらしい男が下車すると同時に、まったく瓜二つとしか言いようのない男の死体が、列車の洗面所に発見される。パリとノルマンジーのフェカンをむすぶ謎はなにか? 雨にけぶる巷に、霧深い地方の港町に、パイプをくわえてのっそりとたたずむメグレ、「犯罪心理の洞察者」「人生の捜査官」メグレの全貌はこの一作でわかる。 -
海難救助船スケルトン 座礁した巨大石油タンカーを救出せよ!
フレデリック・フォーサイス絶賛の海洋サスペンスアクション! 緊急救難要請受診! 「ロシアの超巨大タンカーが座礁! 石油流出を食い止め、救出せよ! 」 倒産寸前のサルベージ会社が受診したSOS ライバルを出し抜き、石油採掘権を獲得せよ 起死回生を賭けた一発勝負の行方は、 世界を救う大仕事へと発展する── ◇海外レビューでも絶賛! 読むに値する、独創的な物語だ! 原油を満載した世界最大のタンカーがアラスカ沖で座礁したらどうなるのか? スピード感にあふれ、技術描写は正確かつ適度。 ――フレデリック・フォーサイス「ジャッカルの日」/NYタイムズベストセラー作家 クライヴ・カッスラーやジェームズ・ロリンズらに劣らないツイストが、 読者を興奮のアクションとアドベンチャーの世界にいざなう。 しっかりつかまっていないと、嵐の海に投げ出されること必至! ――ブレット・バトルズ/「掃除屋クイン」シリーズ デビュー作とは思えない雰囲気のあるスリラー! 専門的な知識と高まる緊張感を組み合わせ、予期せぬ急展開に息を飲む。 必読の一冊! ――アラン・レバロン/NYタイムズベストセラー作家 あなたはこの未知の世界で目もくらむ体験をすることになる。 読み始めたら、海と巨大タンカーの世界に引きこまれ、 物語にくぎ付けになること間違い無し! ――デビッド・ダン「鷲の眼」/USAトゥデーベストセラー作家 コリダンとウェイドは、海洋冒険小説ファンなら誰もが堪能できるスリラーの傑作を紡ぎだした。 一見、クライヴ・カッスラー作品を思わせるが、コリダンとウェイドは海について知り尽くしており、レスキューの場面になると強烈な個性を発揮する。 海洋ものが読みたいと思うアドベンチャー好きにとって、格好の作品であることに疑う余地はない。 ――Booklist 〈あらすじ〉厳冬を迎えようとするベーリング海で、世界最大級を誇るロシアの超大型タンカーに火災が発生。タンカーは大量の原油を積んだまま、すべての制御を失って浅瀬に乗り上げた。アラスカのサルベージ船〈スケルトン〉のソニー・ウェイド船長は、タンカーが発した緊急救難要請を受信。サルベージに成功すれば、傾いたビジネスを立ち直らせ、路頭に迷いかけている自分やクルーたちを救うことができる。即座に出港を決意するソニーだったが、過去に因縁のあるライバル社もまた、最新鋭船の投入を決断していた。ライバル社との激しいレースを繰り広げるなか、ソニーたちは座礁したタンカーに隠された衝撃の新事実を目の当たりにする。果たして、未曾有の危機を乗り越えてタンカーを引き揚げることができるか!? -
怪物のゲーム
小説の中の連続殺人犯を 模倣するのは誰だ――? 狙われたのは〈怪物〉の生みの親の売れない小説家。 スペインで話題沸騰の震撼スリラー! 連続誘拐殺人犯〈怪物〉が登場するミステリ小説が大ヒットし、一躍時の人となった作家ディエゴ。だがその後は何を書いても鳴かず飛ばずで、気づけば10年が経っていた。そんなある夜ディエゴが帰宅すると、7歳の娘の姿がどこにもなく書斎が血まみれに。呆然とするディエゴが目にしたのは一通の黒い封筒。それは小説の中で、少女を誘拐した〈怪物〉が現場に残していくものと同じで――。 -
怪物を捕らえる者は
聖母マリアの祠の裏、雪の下から16歳の少女の遺体が発見された。遺体や服からアフガニスタン人移民の青年のDNAが見つかるが、刑事オリヴァーとピアが事情聴取をする前に彼は消えてしまった。有力な手がかりが見つからず捜査が難航するなか、数日後の夜に、田舎道で男が車にはねられて死亡する。男は裸足で、体には動物の咬傷や拷問の痕があった。彼はどこから逃げ、誰にこんな目に遭わされたのか――。ふたつの事件の捜査から導き出される、ドイツ警察を揺るがす史上最悪の真相。とてつもない急展開を見せる、大人気警察小説シリーズ。/解説=上條ひろみ -
解剖学者と殺人鬼
殺人鬼ジェレミーが死体に残した次の殺人のヒント。それは解剖学者レンへの挑戦状だった。解剖学者と殺人鬼の頭脳対決の幕が開く -
解剖迷宮
解剖に使用できるのは死んだ奴隷か死刑囚のみ――それでは医大での研修がままならず、医師は禁断の手段にでる。奴隷に墓から死体を盗掘させ、それを解剖用に使うのだ。当初、奴隷ニーモは死体を掘り出すだけの役目だった。が、刃物の扱いに長けたニーモは、やがて解剖学の教鞭を執るまでになる。死体を解剖しているだけならよかったが……1857年のアメリカ。医学が妖しい影に覆われた時代の、裏歴史をめぐるサスペンス。 -
カインの娘たち
モース主任警部が捜査を引き継いだ、大学の元研究員の刺殺事件は意外な展開を見せた。容疑者と思われた博物館係員の男が行方不明となり、数週間後に刺殺体で発見されたのだ。凶器は博物館から盗まれたナイフだった。二つの殺人に何か関係が?やがて、殺された男に恨みを持つ三人の女の存在が浮かび上がるが、彼女たちには鉄壁のアリバイが!華麗な謎解きで読者を魅了しつづける、現代本格の最高峰シリーズの注目作 -
カウンター・ポイント
25年前に起こった殺人事件。元恋人からその再調査を依頼された探偵ヴィクは、事件関係者に渦巻くウォーショースキー家の人間への敵意を感じ取る。どうやら彼女のいとこにして地元のヒーロー、ブーム=ブームと何か関係があるようなのだが……。生まれ育った街の暗部と過去の因縁に、ヴィクが毅然と立ち向かう! -
かくれんぼが好きな猫
〔トラ猫ミセス・マーフィ〕 黒人住居跡の発掘作業中に、白人の人骨が発見された。二百年前に起きた殺人事件の被害者だということが判明し、クロゼットの町の住人たちは大騒ぎ! ミセス・マーフィは、発掘された人骨に不審な跡があるのを見つけるが……キュートな猫の名探偵が歴史を掘りおこす、シリーズ第三弾。 -
火刑法廷〔新訳版〕
広大な敷地を所有するデスパード家の当主が急死。その夜、当主の寝室で目撃されたのは古風な衣装をまとった婦人の姿だった。その婦人は壁を通り抜けて消えてしまう……伯父の死に毒殺の疑いを持ったマークは、友人の手を借りて埋葬された遺体の発掘を試みる。だが、密閉された地下の霊廟から遺体は跡形もなく消え失せていたのだ! 無気味な雰囲気を孕んで展開するミステリの一級品 -
陽炎の市
逃避行の果て、男たちの手はふたたび血に塗れる―― 犯罪小説の名手が放つ、ギャング・ノワールの極致。 「ウィンズロウ作品の歴代ベスト級」――スティーヴン・キング 犯罪小説の名手が放つ、ギャング・ノワール3部作、第2弾! 1988年12月。 アメリカ東海岸を血に染めた抗争に敗れ、多くの仲間を失ったダニー・ライアンは、わずかな味方とともに西へと逃亡する。 禍根を残すイタリア系マフィアとFBIの執拗な追跡に次第に追いつめられるなか、当局から自由と引き換えに危険な仕事を持ちかけられたダニーは賭けに出るが――。 メキシコ麻薬カルテル、ハリウッドの裏側も巻き込む男たちの争い。 全米ベストセラー3部作、第2弾! 【解説】SYO(映画ライター) -
影を呑んだ少女
メイクピースはずっと母とふたりで暮らしていた。悪夢にうなされるたび、母は怒った。メイクピースは幽霊を憑依させる体質だから、抵抗しなければいけないというのだ。そんなある日、ロンドンで暴動に巻きこまれ、母が命を落としてしまう。残されたメイクピースのもとへ会ったこともない亡き父親の一族から迎えが来た。父は死者の霊を取り込む能力をもつ旧家の次男だったのだ。父の一族の屋敷で暮らし始めたメイクピースだったが、屋敷の人々の不気味さに嫌気がさし、逃げだす決心をする。『嘘の木』の著者が17世紀英国を舞台に描く歴史大作。/解説=杉江松恋 -
風に散る煙
よきワトスン役であるエイダルフに同行して海路カンタベリーに向かっていたフィデルマは、途中時化(しけ)のためダヴェド王国への上陸を余儀なくされる。先を急ぎたいふたりだったが、フィデルマの評判を聞きつけた国王から、小さな修道院の修道士や家畜がすべて消え失せるという不可解な出来事の謎を解いてほしいとの要請を受ける。じつはその修道院には王の息子がいたというのだ。捜査を引き受けたフィデルマとエイダルフは、ダヴェド王国の判事とともに問題の修道院へと向かうが……。王の妹にして弁護士、美貌の修道女が活躍するシリーズ第10弾。 -
家族のなかの見知らぬ人
予想の斜め上を行くどんでん返し、サスペンスの傑作 仕事を失い、夫の浮気に絶望していたリリアン。彼女に魅力的な男性が接近してくる。妻の変化に気づいた夫は尾行を開始するが……。 -
カッコーの歌
「あと七日」意識を取りもどしたとき、耳もとで笑い声と共にそんな言葉が聞こえた。 頭が痛い……。わたしは……わたしはトリス。昨日池に落ちて記憶を失ったらしい。少しずつ思い出す。母、父、そして妹ペン。ペンはわたしをきらっている、憎んでいる、そしてわたしが偽者だと言う。なにかがおかしい。破りとられた日記帳のページ、異常な食欲、恐ろしい記憶。そして耳もとでささやく声。「あと六日」。わたしに何が起きているの? 大評判となった『嘘の木』の著者が放つサスペンスフルな傑作。英国幻想文学大賞受賞、カーネギー賞最終候補作。/解説=深緑野分 -
糧
八月、炎暑の季節――キャレラに、グリムという輸入業者が泣きついてきた。自分の倉庫の火事を放火と証明してほしい、保険金が下りなければ破産してしまう……渋々腰を上げたキャレラだが、グリムの自宅が放火されさらに重要容疑者の男が殺されるに及んで、事件はその様相を一変した! -
彼女が殺された理由は、それではない
千年にわたり受け継がれてきた因縁は、 一つの死によって、再び動き出した。 完全密室の中で、ひとりの婦人が不可解な死を遂げる。 扉も窓も内側から固く閉ざされ、 外部からの侵入は不可能だった。 嘆き悲しむ夫は、誰からも称賛される理想の伴侶―― しかしその裏で、複数の妻妾を囲っていた事実が明らかになる。 財政破綻寸前の屋敷は、 彼女の裕福な実家からの援助を今も待ち続けている。 さらに、異母妹の正体は 彼女の舅が隠してきた「実の娘」だった。 嫉妬、金、血縁、裏切り。 すべてが動機に見える。 だが―― 彼女が殺された理由は、そのどれでもなかった。 真実に辿り着いたとき、 読者は“動機”という概念そのものを疑うことになる。
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