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Posted by ブクログ
1970年代に発表された古い本。
あとがき解説によると、作者のPDジェイムズのミステリは「敬遠したくなるような特徴を持っているのである。陰鬱荘重な雰囲気、部厚さ、極端に改行の少ない文章」とある。
確かに、最初の方はとても読みづらく、訳者の訳し方が原因だろうと思っていた。
文が長く、訳が原文に忠実すぎて、一文を最後まで読まないと意味が分からなかったり、同じ文を何度も読みなおさないと理解できなかったり。
ただ、だんだん慣れてきたのと、途中からは長い文も少なくなり読みやすくなった。
ミステリの展開も面白く、最後はどうなるかとはらはらしながら読んだ。
ちょっと無理がある設定ではあったが。
解説によると、この本と同じ女探偵が主人公の本と、男探偵の本があるようだ。
何冊か推賞されていたので読んでみたい。
Posted by ブクログ
学生の頃に自分で作ったランキングの上位にあるが内容を覚えてない本が意外と多い。これもその一冊だがまったくの初読のように楽しめた。まだ女性私立探偵が女性らしく描かれなかった時代に書かれた男社会の中で抗う22歳の私立探偵コーデリア。自殺した息子の動機を調べてくれと依頼される。この話は二重構造になっていて、事件を解決するコーデリアの推理譚の一方で、自殺した元パートナーの元上司でラスト数ページで現れたダルグリッシュ警視が倒叙ミステリのようにコーデリアの秘密を追い詰めていく。だが決して敵対的ではない。ダルグリッシュはコーデリアに目を細める。若いコーデリアの成長と今後を期待させる、PDジェイムスらしからぬ面白さの傑作
Posted by ブクログ
探偵稼業は女には向かない。自殺した共同経営者の跡を継ぎ、一人で探偵事務所を続ける灰原哀ちゃん大活躍。もとい、コーネリアグレイの成長譚。
健気とは言わない。探偵のノウハウを脳内再生し、心の声で「やれる。私ならやれる」
ひたすら突き進む彼女を気付けば応援している。強がりでタフな精神。魅力でいっぱいだ。
探偵として証明するため、そして師弟愛のため。未熟がゆえに解決へと繋がる。
重圧から解き放たれた時、繕ってきた探偵の姿が崩れる。少女らしさに胸を打ちます。
ひたむきで力強い可憐な女探偵。最高じゃないか。『皮膚の下の頭蓋骨』も読まねば。
オススメマラソンその⑱
桜さんから紹介してもらいました。
Posted by ブクログ
物語の始まりに、共同経営者が自ら命を絶ったことを発見する主人公。
なんという辛い幕開けなのよ、もう・・・といきなり重たい気持ちで、どんよりと読み始めたこの作品。
最初は、なんか抑揚がなくてわからんなあ、と思いながら読んでいましたが、いつしか、主人公のコーデリアがとても好きになってしまっていた。孤独に奮闘するこの人のことを応援したくなる気持ちで、どんどんページをめくっていきました。
それにしても、コーデリア・グレイだなんて、名前がいい!
反則、反則~!
わたしもこんな名前になってみたい・・・
コーデリアの探偵としての独り立ちは、そんな形で突然やってきたのですが、パートナーの死の悲しみにひたっている暇もなく、あぶなっかしいけど毅然として仕事に立ち向かう姿は痛々しくて、そう、全編を通じて心が痛みながら、この作品を読み終えたのでした。
捜査(探偵だから調査なのかな)の中で出会う人たちの、なんとも人間くさいところもいい。全員何かを隠していそうで、あやしいけど、かといって完全なワルにもなりきれそうにない人たち・・・
コーデリアのひたむきさに心が引き寄せられ、コーデリアをみんな好きになっていくところがおかしかったな。
本当は話さないで鍵をかけておくつもりでいたのに、ちょっとづつ、協力をしてくれるようになるあたりが、仕事に追われ、感情もあらわにできないコーデリアのかわりに、なんだか報われた気持ちになっていきました。
はからずも単独での仕事を引き受けることになり、行き詰まったり、不安に思う事があっても、もはや相談できる上司もない中で、孤独に仕事に立ち向かっていくことは大変なことだと思うのです。自分だっらそんなことできるか?と。だけど、これまで仕事の中で教えられるともなく伝えられていた上司のポリシーを支えに、正しいことに向かって進んでいくコーデリアはとても可憐で爽快、あっぱれだったな。
コーデリアのような「女」には、向かない職業じゃないと思ったよ!
そういえば、以前、上司が、”「紳士であれ」ということはきみにはできないだろう?”と言っていたのがとても印象的で、そういうの、コーデリアもきっとくやしかったんだろうな~。
でも、こじか色のスカートとグリーンの半袖スエーターを仕事着に選んでトランクに詰めるなんて、そんなおしゃれ、まさに紳士にはできないでしょう。おっちゃんには向かない女性探偵という職業(←当たり前だ)、ミニクーパーで疾走する彼女の活躍を、もっとシリーズものでたくさん読みたかった気もしますが、そこはかなわないからいいのだ、というような気もします。
(あと一作あるので、つぎのお楽しみに。)
読み終わって一息ついて考えてみると、これは探偵ものというより人間ドラマだったのだわ!と納得しました。探偵も警察も被害者も容疑者も証言者も、みなひとくせあって正直で、事情のあるなかで生きていて、味のある人達ばかり。そこがこの物語の魅力でした。
こじか色のスカートとグリーンのスエーターのコーディネート。しっかり真似させていただきます。
Posted by ブクログ
ハヤカワの『海外ミステリ・ハンドブック』より。お初の作者です。
探偵事務所の共同経営者・バーニイが突然自殺したことにより、探偵業を引き継ぐことになった若きコーデリアの物語。普段なら、「可憐な女探偵のひたむきな活躍」にはあまり惹かれないのですが、表紙のイラストがすてきで手に取りました。
ひとりで取り組む初めての事件として、”息子の死の真相を知りたい”という著名な科学者からの依頼を受けたコーデリア。
なにより印象的だったのは、初仕事とは思えないコーデリアの実際的な様子、その冷静さでした。
探偵としての作法はバーニイから教わったものの、ほぼ味方のいない中で調査を進める彼女。かなり危険な目にも遭うのですが、パニックに陥ることなく、また困難な状況で諦めようとした自分すら客観視して自らを鼓舞する姿には感心しました。
また、普段読むような”名探偵もの”は実績も名声もある百戦錬磨の探偵たちがよく出てきますが、今作はコーデリアが直面する謎や戸惑いがストレートに書かれているのも新鮮でした。名探偵はなかなか考えていることを教えてくれませんからねぇ……。
ところどころ、バーニイを飛び越して「かつての上司である警部」とやらが出てきて???だったのですが、あとから納得。作者のP.D.ジェイムズが作り上げたもう一人の名探偵、アダムス・ダルグリッシュのことなんだそうな。つまりこちらはスピンオフだったのですね〜。
後半のあの場面は、ダルグリッシュシリーズを追っている方ならさぞテンションが上がったのではないでしょうか?
冷静で行動力のあるコーデリアのおかげでストーリー自体はなんなく追えたものの、解説にもありましたが、おそらく作者の特徴でもある描写の細かさにはちょっと苦戦……(^^;
「彼or彼女」が誰を指しているのかわからなくなったり、一文の長さに主語と述語が迷子になったり。というか、感想を書いていて思いましたがなぜ事件を依頼したのでしょうか……?
コーデリアのその後も気になりますが、本編ともいえるダルグリッシュシリーズも読んでみたくなりました。
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