作品一覧
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3.5
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
古典
それは原点とも読み替えられるべきほど
舞台はイギリス、ロンドン
毒入りチョコレートによる殺人事件を推理する「犯罪研究会」の6人が、ひと夜ごとに犯人とその推理を披露する。
場面はほぼ固定で、舞台を見ているような感覚でお話は進む。
各メンバーの語りは、現代の犯罪捜査で実際に用いている「プロファイリング」の原型とも思えてくるもので、しかも、その欠点である「仮説から犯人像を描いたあとは、物事をそれに基づく証拠として固執し過ぎる」という点を、見事に小説に仕立て上げている。
そしてエンディング
古典的ではあるけど(事実古典である)効果抜群で、ここまで読んできたことが報われる瞬間と出会える。
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Posted by ブクログ
ずっと読んでみたかった古典の名作。
『最上階の殺人』を読んで、阿津川辰海さんの書評のおかげで「堅そうに見えて実は笑える」という印象になったアントニイ・バークリー。
犯罪研究会のメンバーが全員の前で1人ずつ推理を披露していく。
名探偵気取りで自分に酔って発するセリフや、指を突き刺して大げさなポーズで犯人を指名したり、真面目そうに見せて結構ユーモラス。
大真面目に何とも笑える結論を出してしまう人もいて、もし自分がその場にいたら絶対に笑いを堪えきれずに吹き出してしまう。
ラストもその時のみんなの顔を想像するとジワジワくる。
読んでいて三谷幸喜さん脚本の『12人の優しい日本人』を思い出した。裁