高橋泰邦のレビュー一覧

  • 海底牧場

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    捕鯨ではなく"牧鯨"。食用鯨を海で放牧して世界の食糧難解消に役立てるという発想を、70年近く前に書いた作者の先見性には驚く。訳あり主人公の人生の再生を縦軸に、海で生きる人々のドラマが感動的。
    星野之宣によるカバーイラストが秀逸。

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    2024年12月01日
  • 灰色のためらい

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    方向違い

    2月のアイソラは極寒。雪が降る空のような、灰色のためらいを抱えたロジャーの語りで終始する。警察で話したいことがあるが、なかなか、決心がつかない。どの刑事に話そうかと、いつもの87分署の面々を値踏みしている。と、言った具合に、180度方向を変え、ロジャーの目を通して、読者はいつものメンバーを観察できます。87分署シリーズ19作目

    #深い #シュール

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    2024年08月24日
  • 斧

    ネタバレ 購入済み

    安定の

    雑居ビルの地下室で管理人の高齢男性が薪割りの斧で殺害された。酸鼻極まる現場、それを取り巻く人間関係。過去に遡り、可能性は一つ一つ潰されていく。安定のサスペンスと人間愛。都会での生きづらさなど、今なお、解決できない問題がある。今回も皆、無事で何よりでした。87分署シリーズ18作目。

    #カッコいい #深い #シュール

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    2024年06月09日
  • ハートの刺青

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    甘い言葉には

    並行して2つの詐欺を扱っている。1つはマジックの延長のような話術とトリック。もうひとつは男女問題。特殊詐欺が横行している現代。巧みに携帯電話を駆使している。いつの時代も人を騙して儲けようとする人がいるのは、何故なのかと考えてしまった。

    #深い #怖い

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    2023年03月05日
  • 海底牧場

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    なんど読み返しただろうクラークの描く海洋SF。
    挫折した宇宙飛行士は牧鯨管理員として再生していく。牧鯨というからにはクジラは食料の対象として管理されるわけで、作品が発表されたベトナム戦争以前の思想と現在の思想の違いもあって興味深い。その後の問題についても先読みした議論や騒動もえがかれており、さすがクラークといまさらながらびっくりする。魚類の和名など翻訳上間違っているものもあったりするけれど、加藤画伯版の表紙はSF男子の心を離さない。
    それにしても海に行きたいぞ。

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    2019年02月23日
  • ハートの刺青

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    ネタバレ

    87分署シリーズ第四作。詐欺事件の発生と時を同じくして、ハートの刺青のある死体が川から引き上げられる。詐欺事件は引き続き起き、同じ刺青のある死体がさらに発見される。この二つの事件が交互に描かれ、87分署の刑事たちによる捜査が続く。

    詐欺事件はおとり捜査により犯人が捕まる。殺人事件は刺青師の捜査から一気に事件に動きがある。ここにスティーヴ・キャレラの妻テディが巻き込まれる。テディが犯人を尾行し、中国人刺青師が87分署に急を告げる。キャレラが妻の危機を知り現場に駆けつける。キャレラが犯人を撃ち逮捕する。三人目の被害者は保護され、テディも無事だった。

    一作ごとに季節を替え、今作は春となり一年が経

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    2016年04月03日
  • 電話魔

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    87分署シリーズ♪ストーリーがすごく斬新で面白かった(^∇^)キャレラ刑事は薄々気付いてはいたけど抜けてるよなー( ̄▽ ̄;)頼りになるかなー…。犯人も抜けてるよなー。そこまで凝っててなぜアイスを消さないのか(笑)バリバリ盗難車じゃん(爆)マイヤー刑事安定してるなー。

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    2013年04月01日
  • 海底牧場

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    こういうのもSFって言うのか!
    という目からウロコなところから始まり。

    さすがクラーク、
    これを捕鯨反対の欧米人に読ませたい!!!
    という点で非常に興奮した一冊です。

    基本的にクラークが書くストーリーは末広がりな気がする。
    未来はよりいいものである、
    と信じていたんだと思う。
    主人公も決して不幸にならない。
    ような気がする。
    クラーク本人はきっとすごくステキな人だったに違いない。

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    2011年10月02日
  • 海底牧場

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    第2次世界大戦終戦直後のイギリス。
    積み重なった戦費は戦勝国イギリスの経済を破綻に追い込み、
    大英帝国は消滅した。
    連合軍によって開放されたフランスや、敗戦国イタリア、ドイツにおいて
    食料の配給制が撤廃された後においても英国は配給制が続く有様。
    ビーフ・ステーキの代用品として鯨肉が重用されたものの、
    庶民のテーブルには鯨肉さえ上らなかったという。

    人口が爆発的に増加し、食糧の確保が困難となった近未来。
    馬に跨ったカウボーイが牧場で牛を育てたように、
    潜水艇で鯨を追い、育てることで食料問題の解決を図るのが
    本作品の基本骨子。
    著者であるアーサー・C・クラークには戦争直後の、
    長引く食料配給制時

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    2017年05月11日
  • 海底牧場

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    海を主体とする小説は少ないけど、そのすべてがいい。
    これは、22世紀の海を管理するようになった人間の話。
    思ったより話が面白かったので、そこもいい。
    こういう想像力はどこからでるんだろう。

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    2009年10月04日
  • 電話魔

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    固定電話ありきの

    脅迫電話から、やがて、銀行強盗とアイソラ全体を巻き込む大事件となる、ただ、いつものワクワク感がなく、珍しく期待外れでだった。あとがきが毎回、面白い。古い話のようだが、当時の編集さんの苦労が感じられた。シリーズ12作目。

    #タメになる #ドキドキハラハラ

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    2023年06月30日
  • 海底牧場

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    食糧(ほか様々な必要物質)の提供者として鯨が飼育されている未来の地球で、宇宙飛行士としてトラブルが起きて精神的に深い傷を負ったフランクリンが立ち直り、いろんな事件を乗り越えて生きてゆく物語。

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    2017年06月21日
  • 海底牧場

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    ネタバレ

    フロンティアを宇宙ではなく海に求めた作品。クジラを食料とすべく海を牧場として育てている。現在から見ると複雑な気分になるが、この事の是非が問われることになる。また、クジラを守るための調査過程で現れる、正体不明の巨大海洋生物の謎が加わる。挫折した元宇宙航空士の再生と、彼の同僚であり親友の死などのドラマも描かれる。このドラマ部分はとってつけたというような感じがするが、海を舞台とするハードSFの単調さを補う助けとなっている。

    もっとも興味深いところは、物語の後半で仏教の最高位の人物と主人公の元宇宙航空士とのやり取りだった。人間のためにクジラを殺し続けるか否かという問題である。未来に出会うであろう人間

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    2016年05月22日
  • 海底牧場

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    解説にある通り、これは失われてしまった”理想の未来”である。そういったものを浮かれすぎず、リアリティに徹して、描けるのがクラークの良いところだと思う。
    大規模な環境改変という考え方は、21世紀の今日受け入れられるものではないが、懐かしい未来像でもある。
    最後の音もなく宇宙船が空に昇っていくシーン。クラークの描く無限の上昇を表しているようで良いシーンだと思った。

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    2013年07月02日
  • 斧

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    87分署シリーズ♪本署の面白刑事コンビはマイアミにバカンス中と(笑)
    似たようなコンビ出てきたけど( ̄▽ ̄;)
    今回はいろんな親子が出てきたなぁ。
    息子たち、がんばれ☆

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    2013年04月14日