中村妙子の作品一覧
「中村妙子」の「黄色いアイリス」「春にして君を離れ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
平成世代の自分から見ると昭和夫婦のありふれた形のようにも見える。あくまで小さな自分のものさしで。
ジョーンは、自分の人生をものすごく都合よく解釈し、現実を直視することを避けて生きていて、弱い女性だと感じた。でも、直視しないことは弱さであると同時に、自分を守るための生存戦略でもあるなぁと思う。事実を知れば必ず成長できる人ばかりじゃないんじゃないかな。直視して壊れてしまう人もいるだろうし。
私から見たら彼女と本気でぶつかってくれる人がいないことが哀しい。それは友人でも子どもたちでもいいが、ロドニーの役割であることが理想的だ。でもロドニーは感情的な争いを避ける模範的な大人な男性だ。彼女を尊重して諦めているのか、彼女にはその方が幸せだと決めつけているのか。
農場だって本当にやりかたかったのなら、時間をかけて妻にあの手この手でプレゼンテーションすればよかったのだし、面倒な衝突を避け、自分の安定を壊したくないことと天秤にかけて安定をとったのだから妻のせいにしないでほしいところでもある。
理想的ではないにしても、ロドニーの自己犠牲もジョーンの自己欺瞞も家族という形を守って生きていくには必要だったのかもしれない。
私自身は真理を覗きにいく勇気と安定のバランスをとって、賢く強かに生きたいものです。
Posted by ブクログ
⭐️5.0
マープルもポワロも出てこないクリスティー作品。
殺人も誘拐も事件的なことはなにも起こらない。主人公が自分の人生を振り返ることで紐解かれていく様々な出来事の真実。読み終えると、背筋がぞっとする、そして唸らずにはいられない。
自己認識と他者からの目線のギャップ、見たくない現実、真実から目を背ける弱さ、そこに幸せはあるのか。読んでて辛くなるくらいに、人間の本性に迫った作品。
思えば、ミステリーの女王たるクリスティーの作品はトリックや、探偵の傑出したキャラクター性だけでなく、優れた人間観察眼があってこそであると、再認識。
年齢を重ねるごとに読み方が変わりそうな作品で、また各年代ごとに読み重ねていきたい作品。
Posted by ブクログ
いやホラーすぎる。
こんなにずっと不快な本は初めてかもしれない。
勘の悪い女...人格も終わってて最悪。
.....でも果たして自分はそうじゃないと言い切れるだろうか?
みたいな反省をしてしまうのも含めて、不快な本だった...
特に最後の展開はショックだったし、深く心に刺さった。
現実って、ドラマチックではなくて、実際はこんなもんだよなと、がっかりした。
何かを変えるには勇気が必要で、そんなに簡単ではない。プライドなんかそんなに持ってなかったとしても、なかなか勇気が出ないものだと思う。
まぁでも、流石にここまでとち狂った女はなかなかいないと思うけど。
Posted by ブクログ
おそらく、私にとって生涯忘れられない一冊になるであろうという予感がします。怖いです!
何にもとらわれず誰にも干渉されず、自由に自分の意志を貫いて生きてきた人にはまったく刺さらないかも。
でも世間体とか常識とか、人並みとか…そういった人の評価、他人の目を少なからず意識して生きてきた人、そういう環境で成長してきた人にはきっと刺さりまくる一冊です。
私は終始、心の奥底をキュッとつねられているような感覚で、ずっと苦しくゾワゾワしながら読んでいました。人生終盤にさしかかり過ちに気づいたとして、さて、どうする?そこから人は変われるのか?ラストも凄い、アガサクリスティーは凄い。