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優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバクダードからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる……女の愛の迷いを冷たく見すえ、繊細かつ流麗に描いたロマンチック・サスペンス。
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Posted by ブクログ
面白かった。 序盤からの違和感がどんどん積み重なっていって、主人公のヤバさがじわじわ伝わってくるところが静かだけどスリリングでした。 読みながら何度も主人公夫妻につっこんでて、翻弄されっぱなしでした。 ラストも含めて、主人公に対してものすごく冷たい書き方をしているのが、ミステリー作家だから容赦...続きを読むないなと思いました。 1944年の作品で戦時中にこういう作品が発表されていたということに驚く。
主人公から見える世界の移り変わり、どんどん明らかになっていく新事実がすごく面白かった。続きが気になってどんどん読み進めた。 帰路イギリスが近づくにつれだんだん元の主人公に戻っていく様子もひしひしと伝わってきた。 結末の主人公の選択は少し残念だったけど、自分探しの旅⭐︎反省して家族にも謝って許してもら...続きを読むえてハッピーエンド⭐︎というのも拍子抜けなのでこの結末が物語としては一番余韻があって好きだと思った。 以下雑メモ ・ロドリーもロドリーでまるで聖人のように描かれているけど(ジョーンから見てそうならまぁいいんですが…)ジョーンに悪者役押し付けて子供に良い顔して、自分で物事決められなかった責任も転嫁して尻に敷かれたままウジウジ日和ってる浮気男じゃんともやっとした ・レスリーとアヴァリルがかっこよかった。 ・前職のお局ババアがやたら家族と仲良し幸せアピールしてたけど実態こんな感じだったのかなと思いながら読んでいた。 と、ともに自分も家庭を持つにあたり気をつけないとなと思った。
おもしろいー!夢中で読んじゃった。最後の決断もリアル…。詩に詳しかったらもーっと楽しめたんだろうな。
自分の正しさを疑わず、回りの人間にもそれを押し付け、それにより他の人が悲しんだり怒ったりしていても、それを見ずに済ませ、簡単に忘れてしまう。 そんな人物がふとなんもない場所にポツンと取り残されてしまったとき、 初めて自分の真実と対峙する。 そして現実を受け入れ、赦しを乞う決意をするのだが。 ラス...続きを読むトで視点が反転し、もう一方からの視点が入ることに、 今作の計り知れない深みがある。 誰かが悪くて、誰かが正しいとか、そんなシンプルなもんじゃない。 いわば倦怠夫婦ものと言っていいのか、 ものすごい読後感でした。
ゆるやかな導入から、主人公の内省が深まっていくにつれて、怖くなってきてしまう。 心の奥底からジワジワと冷たい水が湧いてきて、冷たくて、いてもたってもいられない感じ… ポッドキャスト「文学ラジオ空飛び猫たち」さんで紹介されて、積読になっていたことを思い出し。よいきっかけをいただきました。 ジョーン...続きを読むの発言に対して、家族から返ってくる言葉の数々。離れてみていれば、そのすれ違い加減がみえて、痛いし怖い。しかし渦中にいると全然見えてない。見ようとしていないのか。 生きていくためには見ないことも必要なのよって言われそうだけど、それってやっぱり無理があるかもなぁ。 時代も場所も違う、同じような状況でもない。 しかしこういうこと自分にも思い当たる節がある。 あなたのためを思ってという言葉って本当にあなたのためを思っているなら、そう簡単には言えない言葉。なのに、近しい人にほどつい言ってしまいそうになる言葉。 夫のロドニーも一見理解者っぽく見えて、実は結構なかなか…夫婦、家族、人間関係は鏡に映るようなものなのでしょうか。
幸せな家庭の主婦、ジョーン。バグダッドまで娘に会いに行っていたが、帰る時になって天候不順のため足止めをくらってしまう。有能な主婦としてあくせく生きてきたジョーンは、そこで自分の人生を振り返ってみると… ジョーンがどんな人物か前情報を入れた上で買っていたんだけど、自分も子持ち主婦なので、読むのが怖く...続きを読むて積読してた。ちょっと気分が明るくなってきたところで読み始まったら、もう読むのが止められない。ジョーンには共感しないけど、自分も同じことやってんじゃないかと不安に襲われる。 そしてラストもすごい。もうさすがアガサ・クリスティー。みんな読むべき。
これほどまでに自分の家族とこれまでの人生について考えさせられた本は無かった。私は他人から見てどんな人間かしら、家族に幸せを与えられているかしら…忘れがちだからこそ、ふとした時に読み返したい。反面教師的な意味で、人生のバイブル。
娘を見舞う旅の帰りに、砂漠で足止めされた美しい主婦ジョーン。汽車を待つ間、やる事なくてヒマすぎていろいろ考え始めます… 怖すぎる話でした。 友達の言葉が引き金になって、無意識に自分が見ないようにしてきた様々な事象が次々頭に浮かんでしまう。それがパズルのピースようにカッチリはまって、今までの自分の「良...続きを読むかれ」が全否定されてしまいます。 その過程も怖いのですが一番はラスト。 「ああ〜〜〜(脱力)」ってなるけど、でもわからないでもない。 ロドニーを想うとやるせない。 そして「じゃ自分はどうなのか」と、もうずーっと怖いです。
面白いし、後からじわじわ色々考えさせられる。 読んだ後にどんな話だったかすぐに忘れてしまう作品も多いが、この本のテーマはずっと覚えているだろうと思った。 3人の子供を立派に育て、弁護士の夫に愛され、中年を過ぎてもまだ若々しく美しい容姿を保ち、自信満々の主人公「ジェーン」の一人称視点で、ほとんどの物...続きを読む語が語られる。 娘の見舞いのための一人旅の帰り道、砂漠で数日間立ち往生することになり、そこで自分の人生を顧みる時間を得たジェーンのお話。 自分は本当に夫に愛されてきたのか?、自分は夫の事も子供の事も本当は何も理解していなかったのではないか?という思考に引き釣り込まれていく。 誰もが自分を守るために、見て見ぬふりをしていることだったり、これ以上考えないようにしてしまうことがあるはず。 私も辛かった過去の時期や出来事ほど、自己防衛本能が働き、記憶から抹消されて、今はほとんど思い出せないことがある。 読んでいて、ジェーンのことを思慮に欠けて愚かだと思ってしまうが、それは自分自身の姿でもあると思った。ラストの展開まで完璧。 ミステリー小説ではないが、流石のアガサ・クリスティである。
幸せな家庭を築けたと信じる中年主婦が、旅を通じて自分を見つめ直し思考していく物語。さすがのクリスティで読みやすさ抜群、冒頭からの展開も面白く、若い頃ではなく主人公と同年代の今、読めて良かったです。人生は何が大事なのか、人生に正解はないのか、考えさせられます。
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春にして君を離れ
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アガサ・クリスティー
中村妙子
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