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幼くして両親をなくしたローラとシャーリーの姉妹。ローラは妹を深く愛し、あらゆる害悪から守ろうとした。しかしかえってそのことが、妹の一生を台無しにしていたことを知り、愕然とする……。人間の与える愛の犯し得る過ちと、その途方もない強さを描きだしたクリスティーの 愛の小説。
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Posted by ブクログ
メアリ・ウェストマコット名義の作品で一番最後にかかれた作品らしいですね。 人にとっての幸せは 他人から見て幸せかどうかでは計り知れないものですよね。 ローラは頭のいい人でした、自分を戒めて愛を抑えていたと思うのです。 愛するあまり、人に気を使いすぎるあまり何を相手がほっしているのかわからなくなること...続きを読むありますよね。 自分が勝手に思い込むこともしかり。 そう考えると愛になれていたチャールズやヘンリーはある意味幸せだったのだと思います。
私の好きなミス・マープルやポアロは登場しないが、クリスティー特有の軽快な進め方で、とても面白かった。
誰かを愛するということ、誰かに愛されるということ。二人の姉妹の人生の一部を覗き込みつつ、それぞれの愛の重みを描いたアガサ・クリスティーの名作。 アガサ・クリスティーがもともと違うペンネーム、メアリ・ウェストマコット名義で執筆した6篇のうちの一つ。 一番しっかり描かれたであろう愛はローラとシャーリー...続きを読むの姉妹愛なのだろうけれど、ローラと父母やシャーリーとヘンリーの愛についても描写があっていろんな形の愛があるよなと思いました。ただ、親子愛に関しては『春にして君を離れ』なんかでも触れた話だし、だいぶ軽めだった気もする。 愛以外の描写でいうと、ローラとボールドックの友情に心温まった。
アガサ・クリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で書いた小説はどれも面白い。人間の本質を突いている。 どの小説にも存在するのが、物語の登場人物を冷静に見て、的確なアドバイスする人物。今回はポールドック氏がその立場のようだが、ボールドック氏の発言にアガサ・クリスティーが考えることが凝縮されているよう...続きを読むに思う。
ウェストマコット名義の作品はどれも名作 どれも現実の人間性が驚くほど内側まで書かれてて、クリスティはアドラーを知っていたのではと思うほどだ。 この作品ではパウロ・コエーリョのピエドラ川を思い出した。
両親に愛されなかった姉が、 新しくできた妹を疎んじてという話ではなく、 逆に愛しすぎることにより起こった悲劇。 家族であっても人の人生に干渉しすぎることは良くはない。
アガサ・クリスティのミステリ以外の作品。 つまり普通の小説ですが、これは読み応えがある方。女性には面白いのでは。 モンゴメリのエミリーブックスを思い出しました。 ただいま再読中なので、またあとで加筆するつもり。
両親からの愛情に飢え、盲目的に妹シャーリーを愛するようになるローラ。辛く息苦しい前半から、後半唐突に訪れるラスト。 作品としての出来は唐突なラストによって落ちているとは思いますが、わたしはとても救われました。
【ノンシリーズ】 「いっそ死んだのが兄でなくローラだったら…」と両親から思われているローラ。 今度こそ両親の愛情はローラに注がれると思ったら、妹シャーリーが生まれた。すると今度は妹ばかりが愛され…。 『第1章 姉ローラ目線』 読者が姉か兄だと、下の兄弟が生まれた時の姉ローラの気持ちがよくわかると...続きを読む思う。 『第2章 妹シャーリー目線』 私は3番目なので、まさに妹シャーリーと同じ。「うん、わかるわかる。」とシャーリーに共感しながら楽しかった。 と、ここまでは『春にして君を離れ』『娘は娘』と同様に面白かった。 第3章になったら、説明もなく新しい謎の伝道者の話に突然切り替わる。 1.2章との繋がりが全くないので意味がわからず混乱する。ローラとシャーリーの話はどこへ行った? そして宗教色が急に強くなるので、頭に内容が入ってこない。今まで宗教感をこんなに出したことなかったのに、急にどうしたんだろう。 第4章で第3章との繋がりがわかるけど、最後の終わり方も今までのクリスティーとは違う違和感を感じた。 第2章まではいつも通り面白かったので、第3章から突然の方向転換に驚いた。 解説にその辺りのことが説明されてるかなと思ったら、なぜかクリスティーの容姿について終始書かれていた。 末尾の一文 「だから、本書を手にするときは、くれぐれもクリスティーの中年以後の容姿は思い浮かべないこと。これが肝要である。英国伝統の、やや面長の、しかしすこぶるつきの美人時代のアガサ・クリスティーを、思い浮かべていただきたい。」 クリスティーに失礼過ぎるし、上っ面じゃなくて作品の中身について解説できる人が解説を書いて欲しい。
愛の重さは、愛すること、愛されること、これが同じ重さになるのが理想なのか。親対子、兄弟姉妹、夫対妻、どちらかが一方的に愛するだけでは破たんし、愛されるだけでも、愛するだけでも幸せにはならない。 賢く愛くるしい兄、控え目でおとなしい妹ローラ、両親の愛は兄に傾きがち。妹はそこで葛藤する。だが兄は病気で...続きを読むあっけなく死んでしまう。そこに兄に似た妹が生まれる。また両親の愛は妹に向かう。私は妹の死を願う。が家が火事になり、とっさに妹を助け出したことで、妹への愛に目覚める。 主人公ローラは誰かに愛される事を願いながら、ずっと愛することで人生を生きてきた。親に愛されなかったと思い込んでいるローラ、妹をひたすら愛したローラ、それは不均衡な愛で幸福な結果にはならなかった。最後に愛し愛される男を配し、均衡な愛を授けた。 妹シャーリーの結婚相手、押しが強く悪気はないが不誠実な男、の描写がクリスティの最初の夫アーチボルトを念頭においてるのか。妹に次に思いを寄せる思慮深い旅行家はクリスティの再婚相手の考古学者マローワンを思わせる。 1956発表 2004.9.15発行 2019.7.25第3刷
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愛の重さ
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アガサ・クリスティー
中村妙子
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