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アンカテル卿の午餐に招かれたポアロを待っていたのは、血を流している男と、その傍らでピストルを手にしたままうつろな表情をしている女だった。それは風変わりな歓迎の芝居でもゲームでもなく、本物の殺人事件だった! 恋愛心理の奥底に踏み込みながらポアロは創造的な犯人に挑む。
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Posted by ブクログ
【ポアロ】 好きなクリスティー作品No.1が『ホロー荘の殺人』に入れ替わった。 やっぱりクリスティーの描く人間ドラマが面白くて好きだ〜。 ポアロが入る隙がないほど、登場人物だけで十分まわせちゃうくらいキャラが濃い人達。 脇役でも他の作品に出たら主役になれるんじゃない?と思うくらい、主役級のぶっ飛...続きを読むんだ人達が勢揃いしている。 あのポアロでさえ、この作品では霞んでしまうほどで出番も少ない。 攻略本によると、クリスティーは「この作品にポアロを登場させたのは失敗だった」と述べていたと書いてあった。 確かにこれはポアロシリーズじゃなくて、ノンシリーズ作品の方が合う。 『ナイル』『杉の柩』よりもっと複雑な愛のかたちが出てくる。 登場人物のそれぞれの心理描写が何とも切なくて、今まで読んできたどの登場人物よりも心に残る人達だった。 犯人が誰なのか全くわからなくて早く知りたいのに、犯人がわかったらこの好きな世界観が終わってしまう。最後の方は読みたいのに読みたくない…。クリスティーでこんなに読むのがもったいなく思ったのは初めて。 最後に犯人が言った言葉が切なすぎる…。 聞いたこともない作品だし、攻略本で4.5の作品でもこんなに心が揺さぶられる作品がまだあるなんて、まだまだ自分の好きな作品は隠れていそう。 ポアロ好きな人や推理ものが好きな人には、この作品はハマらないかも。 『ナイルに死す』のような人間ドラマが好きな人は好きだと思う。 ●ぶっ飛んだキャラの登場人物たち ※ネタバレしないように書いたつもりですが、あまり知りたくない方はご注意ください。 ◆ジョン ガーダの夫で医者。モラハラ夫のような振る舞い。 ◆ガーダ ジョンの妻。頭の回転が悪く不器用。夕食の肉を温め直すかどうかで悩んで泣いてしまう。 ◆ヘンリエッタ ガーダとは対象的で頭が良くて何でもできて、気が利く女性。芸術家。ジョンと不倫中。 ◆ヴェロニカ エゴイストで全て自分の思い通りにしないと気がすまない女優。ジョンと昔付き合っていた。 ◆ルーシー アンテカル卿の妻。ホロー荘の主。たまに頭がおかしい発言をする不思議ちゃん。 ◆ミッジ 上流階級の母親を持つが、父親が貧乏だったため生きるために必死に働く女性。 ◆エドワード 上流階級なので何でミッジが必死に働くのか理解できないおぼっちゃまくん。ルーシーのいとこ。 ◆デイヴィッド アンテカル家の人間関係が不愉快で話しかけられるのも苦手。ルーシーの親戚。 ★10
「ヘンリエッタ」死の間際のこの一言が、どんな意味をもつのか。 ヘンリエッタ、ルーシー、ガータ、ジョン、、とキャラクターが鮮烈。
ホロー荘の殺人 この作品のトリックは中々に特殊で。冷静に考えれば余り見た事がない。犯人が同様のパターンは知っているが、犯人を設けた上で進行していくポアロ達の一連のやり取りは、無駄を一切省いた整理された推理小説であり、様々な意見はあるがとても真っ直ぐなサスペンスミステリーだ。 クリスティ作品の中で...続きを読むも屈指の「悲劇」であり、ヘンリエッタを中心として物語がどんどん進化していく。クリスティ得意の恋愛がふんだんに盛り込まれ、ミステリー、サスペンス、ロマンスのバランスもよく、更には読み進める障壁がない為スラスラとページを捲る事ができる。一つのドラマとして完成度が高く印象的な作品の為、一度読めば犯人や結末を忘れない強烈な小説だ。 (僕は今作は再読になるが、十数年前に読んだ記憶が残っており、物語の概要、犯人は頭の片隅にありながらそれでも読みたい、読もうと思った作品だ) 印象深い要因の一つ目として登場人物の描写が作品の中でも際立っており、先に述べたヘンリエッタを始め、アンカテル一族それぞれの個性や執事を含めた一族に従事する人達。クリストウ一家の存在感(子供達の印象も強い)アンカテル家の人々と交友のあるミッジ。近隣の別荘に暮らす女優のヴェロニカ。全員が間違いなく作中の役割を受け持ち効果的に生きており、悲劇的な作用を形成する。 印象深い要因の二つ目としてはポアロの役割であり、かれの立ち回りや真相にたどり着いた後の対応が、僕がこの作品を「悲劇」と位置付ける理由の一つで、想像にはなるが、数年後のストーリーを思い浮かべる事もできるし、「とある人物」がどの様な想いでこの真相を受け入れるのかを考えるとやるせない気持ちになる。クリスティは比較的事件解決後は登場人物達を前向きに描く事が多いが、今回はかなり厳しい結末を用意している。 ヘンリエッタについてもポアロが感嘆するほどのの人物であり、最後の彼女の行動は正しくイメージのままだ。現代作品で同じテーマの作品があれば、彼女の様な役割をもつ人物は設定しない(こういう感覚にならない)だろうと思う。人間の愛情や信頼は難しいが、作中ではとある人物への慈愛に満ちて生き生きしており、ミステリーとしての王道的なものよりも人間模様に特化したミステリーとした方が面白く読めるだろう。 今作も僕のおすすめだ。少し違ったクリスティの作風を感じる事ができるはずだ。
一刻も早く先を読み進めたい、と思わせられた。 ルーシーの言ってることって意味あるの?ないの?とか、ガーダの無実、早く証明されて!とか、やきもきしっぱなしだった。 ヘンリエッタ、恩田陸の小説に出てきそうな、あまりクリスティー的でない(と勝手に思ってる)女性で新鮮で面白かった。 ポアロシリーズとなっては...続きを読むいるけど、ポアロ、おまけみたいなもんだったなあ。
ホロー荘の殺人 アガサクリスティー ハヤカワ文庫 たまたまDVDを見て 探偵小説に人知れず織り込んだ 人の情と愛の奥深さに魅せられ アガサクリスティー本人に惹かれ 小説自体を読んでみたくなった DVDとは筋も違い その奥深さも更に広い 原文で読みたいくらいだけれど どうやら只の推理モノでない...続きを読むので この心理描写を英語で汲み取れるとは思えない
今回の作品はポアロが脇役的で、事件よりも心理面に重点を置いたものだった。 その分登場人物は個性的で、特にルーシーの性格は浮世離れした不思議系でイラッとした… ミッジは最も現実的(現代的?)だったし、苦労してきた分幸せになってくれて嬉しかった。 違った個性の女性たちの心理描写を巧みに書き上げているのは...続きを読むさすがアガサ・クリスティ! 推理小説よりも女性たちの心理描写に傾いているから純粋にポアロの推理を期待してたら肩透かしかもしれないけど、すごく面白く読めた。
被害者の目線で、被害者が死ぬまでのことが書いてあるのがなんとも切なかった。被害者目線でかかれていたせいか、そこまでひどい人には思えなかった。 しかし、なぜみんながみんな真犯人をかばったのだろう? 面白半分というのが理由なのかな?いまいち腑に落ちなかった。しかし、ルーシーの会話など、モデルはいたのかし...続きを読むら。架空の存在であんな頭のぶっとんだ人を書いたのだとしたら、すごすぎる。 エドワードとミッジが結ばれたのは、ほっこりしたー。
終戦の翌年に発表された作品である為か、戦争を経て激変せざるを得ない人間社会とそれによって歪さを醸す人間模様が描かれていたような印象を受ける それでいて、本作の主題は愛と殺人なのだろうね 筋書きとしては不倫を疑われた男性がホロー荘に滞在しているらしき人間によって射殺されるというものだけど、その射殺...続きを読むされるまでのシーンがしっかりとページ数を掛けて描かれているが為にむしろ殺人はおまけで人間模様こそ本筋だと認識させるような作りとなっているね そもそも舞台となったホロー荘に関係者が集まるまでの前段で家主の夫人・ルーシーが当初から危惧するように何かが起こりそうな者達が集まっていたと言えるのだから、序盤から殺人に繋がる素養が有った舞台と言える。それでもあの殺人事件が衝撃的なものとして扱われるのは、殺されたジョン・クリストウがあの家において家族のような存在であり、同時に殺人犯と目されたガーダ・クリストウがその妻であったからかもしれない 一方で夫を妻が殺した、なんて光景は世俗的な大衆紙で扱われるような詰まらない題材でも有って それ故にポアロが現場に遭遇した際の「きわめてわざとらしい殺人場面」が事件の印象を複雑で正体不明なものとしていくね 当初、事件は滑稽な程に単純で作り物めいたものに思えた。だというのに探れば探る程に真相を求める者を惑わす作りとなっている そのような印象を抱けるのもホロー荘に集う人間達がどこか世俗的でないと思えるからかもしれない ミッジを別として、ホロー荘に滞在する者達はどこか前時代的。未だに貴族の時代が続いているのではないかと思えてしまう けれど、ミッジという存在が示すように、そして作品が発表された時代背景が示すように、もはやホロー荘の在り方は世に反したもの。だからか、そこに集う者達の人間性はホロー荘で暮らさぬ者には異質なものと思えてしまい、その異質さが殺人事件の真相理解を邪魔してくる 特にルーシーの態度に代表されるように、ホロー荘の住人は敷地内で殺人が起きたというのに、それを現実のものとは考えないような態度ばかり。むしろ自分達に現実を突きつけようとする警察を邪険にする態度はもはや世俗に背を向けているかのよう 他方で彼らが何を大事にしていたかといえば、一族の繋がりであり互いを愛する心だったのかも知れない ジョンはそもそも不倫の疑いを契機に殺されたわけだけど、そこには数多の愛情が絡まっている ヘンリエッタ、エドワード、ミッジ、ヴェロニカ…。誰も彼も殺人を他所に思うが儘にならない感情に翻弄されていた それはまるで世界を揺るがすような戦争が起きても人の生活は続くし、そこで人は愛を育んでいくと言わんばかりのものだったのかもしれない それだけに終盤で波乱万丈の果てに一つのカップルが誕生した事はクリスティ作品らしいなと思いつつ、人間社会の確かさを感じさせる話だとも思えたよ
これってミステリーなの…?ポアロが目立たないほどアクが強すぎるキャラと心理描写。 被害者はクズい、ルーシーは怖すぎ、ヘンリー卿影薄すぎ、共感できるのはミッジとヘンリエッタ。 殺人なくてもよさそう…。 ミステリー要素が多い「5匹の子豚」の方が好きかも。 ミステリー要素なしの「春にして君を離れ」と同じカ...続きを読むテゴリーの本。
1946年の作品。 エルキュール・ポワロシリーズでは22作目となる。 イギリスの田舎の屋敷、ホロー荘で起きた殺人事件。たまたま屋敷の近くに別荘を持っていたポワロがホロー荘に招かれていて、殺人事件の目撃者となる。殺されたのは、皆から慕われていた医者のジョンクリストゥ。ジョンを殺した現場にいたのは拳銃...続きを読むを持った彼の妻、ガーダ。ホロー荘には他にも多くの客がいた。屋敷の主人のヘンリーアンカテル卿とその妻ルーシー。ルーシーの従姉妹でジョンの愛人の陶芸家、ヘンリエッタ。彼女の幼なじみでヘンリエッタに心を寄せるエドワード。エドワードに心を寄せる同じく幼なじみのミッジ。ジョンの元恋人で女優のベロニカ。ジャンを殺したのは一体誰なのかーー さすが…最後まで誰が犯人か全然わからなかった。 今回は殺されたジョンをめぐるドロドロの恋愛関係が核になっています。個人的にはヘイスティングス君のような語り手がいる方が好きなんですが、この作品には語り手はいません。 四角関係ともいえる、男女の愛憎劇…誰もが怪しいと思える…。ジョンを含め、登場人物みんな裏表があるようでどうにも好きになれないのですが、ミッジという心が真っ直ぐで、強くたくましく生きる女性だけは応援したくなります。 この作品ではポワロが結構おとなしく、脇役に徹しています。ポワロに振り回される人たちはいません。ポワロファンには物足りないかな? ジョンは、美しく我儘なベロニカと別れ、ただ献身的に自分を崇拝し、尽くしてくれる凡庸なガーダと結婚する。しかし、やはりそのガーダとの結婚生活に物足りなさを感じ、美しく才能のあるヘンリエッタと愛人関係になるのである。 「人生の真の悲劇は、求めるものを手に入れるときである」
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ホロー荘の殺人
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アガサ・クリスティー
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