【感想・ネタバレ】春にして君を離れのレビュー

あらすじ

優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバクダードからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる……女の愛の迷いを冷たく見すえ、繊細かつ流麗に描いたロマンチック・サスペンス。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

これは悲しみではなく明らかに哀しみ。読後ずっと今も胸の奥のモヤモヤが止まってくれない。今の年齢だからこそ分かることもあるなこれは。諦めるという言葉を考えるしロドニーを怖いとも思ったが様々な登場人物に思うところが出てきてしまう。

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2026年06月21日

Posted by ブクログ

苦しかった。
私とは違う、とは思いつつ、母親として日々3人の子どもを育てている身としては身につまされる思い。
子どもを育てていかないと、生活していかないと、将来を考えないと、という思いが痛いほどわかる。
ジョーンに対して、旦那があまりにも不誠実だ。ジョーンだって独りよがりなところがあるけれど、それに対し子どもたちとコソコソ共通の敵みたいにして陰口を叩くところ、浮気不倫はもってのほか。
「病めるときも健やかなるときも」と結婚式で誓ったのに。
とある夫婦愛の物語を読んだばかりで大号泣したばかりで、寒暖差に風邪引きそうです。
自分を見つめ直すことって本当に難しいし、そのうえ自分を変えることって本当に難しい。
さすがにジョーンは反省するのかと思ったけども。

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2026年06月20日

Posted by ブクログ

原題は「absent in the spring」。
邦訳の「春にして君を離れ」の文字通り、主人公は砂漠の中で一人物思いにふけて過去の自分を見つめ直すわけだが、「一度枯れ落ちて生まれ変わる(季節である春)チャンスを失う」主人公が赤裸々と描かれて残酷に感じる。
主人公は、単なる幻想に過ぎない幸せ(春)の中で、ただ独りよがりで孤独であったのだ。
同じくシェークスピアから引用された「汝がとこしえの夏はうつろわず」にあるように、人の美しさは永遠に続くと唄うシェークスピアへの、人の本性はこれほど内省しても変わらないというアガサ・クリスティの皮肉を感じる。

夫のロドニーがクソだという人も多いが、僕は同情こそすれそのように思うことはなかった。
あとがきにもあるように、その人の育った環境や年齢、性別などで感じ方は多種多様であると思うのでぜひ読んでみてほしい。

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2026年06月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み始めから主人公ジェーンが嫌いすぎた。傲慢さとか粗っぽさとかイキりを感じて。
夫のロドニーには全く嫌悪感がなかった。優秀で、真面目に仕事をし、子どもたちのことを想い、自分の人生を捧げていて。
夫は妻に向き合っていない、逃げている、という指摘に対して、家族を養うという社会的な責任を果たしているのに何を責められることがあるんだと思ってしまった。
私自身が、自分だけのために働いている人間なので、「ロドニーは妻に対して不誠実だ」という論調に嫌な気持ちになったのかも。

最後、ジェーンが変われず今まで通りの自分でいるための言葉を吐いた時、自分の慣れた土地に帰ったからだなと思った。あのまま砂漠でロドニーに対面していたら、ジェーンは変わっていたと思う。慣れた土地は、自分を怠慢にするよね。

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2026年06月08日

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ネタバレ

翻訳文で読みづらかったけど、内容が恐ろしく、刺さったので星5。
せっかく自分の過ちに気づいたのに、結局変わることができなかったジョーン。人が心から変わることの難しさがよく分かった。自分の過ちに気づきかけても、最後には自分に甘えて気のせいだったかもってなってしまう。それが理解できてしまうのは自分も同じ経験があるから。
解説で気付かされたけど、ジョーンをそのままにしておいた、夫ロドリーにも責任がある。
周りに対して鈍感、自分の過ちに気づかないことの幸せさ。

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2026年06月03日

Posted by ブクログ

アガサ・クリスティ、こんな小説も書くのですね。
どうか、どうか、ジョージに救いを、と読みながら切に願うのは、自分が「ジョージ」だからなのだろうか…。
ずっとドキドキしながら読み進んだ。

こんな小説の書き方あるのか…という驚きと展開の面白さ、謎解きのスリルに、読み始めたら止まらなかった。

こんな自分への気づきも確かにある。自分が自分の謎を解いていくミステリー。

そして、謎解きだけで終わらないラスト。
恐るべしアガサ・クリスティ。
人間観察の鋭さに脱帽。まともに読んでないクリスティのミステリー群を読み直したいとも思う。

あー、すごい小説ってまだまだたくさんあるのですね!

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2026年06月02日

Posted by ブクログ

面白かった。

序盤からの違和感がどんどん積み重なっていって、主人公のヤバさがじわじわ伝わってくるところが静かだけどスリリングでした。

読みながら何度も主人公夫妻につっこんでて、翻弄されっぱなしでした。

ラストも含めて、主人公に対してものすごく冷たい書き方をしているのが、ミステリー作家だから容赦ないなと思いました。

1944年の作品で戦時中にこういう作品が発表されていたということに驚く。

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2026年05月24日

Posted by ブクログ

主人公から見える世界の移り変わり、どんどん明らかになっていく新事実がすごく面白かった。続きが気になってどんどん読み進めた。
帰路イギリスが近づくにつれだんだん元の主人公に戻っていく様子もひしひしと伝わってきた。
結末の主人公の選択は少し残念だったけど、自分探しの旅⭐︎反省して家族にも謝って許してもらえてハッピーエンド⭐︎というのも拍子抜けなのでこの結末が物語としては一番余韻があって好きだと思った。

以下雑メモ
・ロドリーもロドリーでまるで聖人のように描かれているけど(ジョーンから見てそうならまぁいいんですが…)ジョーンに悪者役押し付けて子供に良い顔して、自分で物事決められなかった責任も転嫁して尻に敷かれたままウジウジ日和ってる浮気男じゃんともやっとした
・レスリーとアヴァリルがかっこよかった。
・前職のお局ババアがやたら家族と仲良し幸せアピールしてたけど実態こんな感じだったのかなと思いながら読んでいた。
と、ともに自分も家庭を持つにあたり気をつけないとなと思った。

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2026年05月24日

Posted by ブクログ

おもしろいー!夢中で読んじゃった。最後の決断もリアル…。詩に詳しかったらもーっと楽しめたんだろうな。

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2026年05月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ろくに事前情報を得ていなかったので、「家族のために尽くしてきた女性だが、実は家族はそれぞれ後ろ暗いものを抱えており、それに気づいた女性が家族から離れて自由になる」……そんな物語を予想していた。
が、蓋を開けてみると、まったくの正反対。悪意なき支配で家族を縛り、しかもそれを正当だと信じて疑わない愚かな女性と、そんな彼女に反抗できず、自らの自由を勝ち取る心意気も無い情けない夫の話だった。

強い思い込みを持ち、自己満足で行動し、挙句に己の過ちや不都合なことから目を背け続けるジョーン。何となく身内を思い浮かべると同時に、自分自身にもジョーンの片鱗があったのではないか?とも考え、これまでの内省とは比べ物にならない、本物の内省が始まった。
結局、ジョーンはやっと気づけたすべてのことを知らないフリする結末を選ぶが、人間はそう簡単には変わらないのだということが示唆され、やけに現実味がある。ジョーンは反省して更生しました、めでたしめでたし、で終わらないのがまた良い。

相手を理解しようとする愛、相手を自分の理想どおりではない他者として認める愛が、ジョーンには不足していたのだと思う。
本作は、重要なのは自分自身がそれを「愛」と考えるかどうかではなく、相手がそれを「愛」として受け取るかどうかなのではないかという、当たり前のことに気づかせてくれた。全人類に一度読んでもらいたい一冊だった。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

自分の正しさを疑わず、回りの人間にもそれを押し付け、それにより他の人が悲しんだり怒ったりしていても、それを見ずに済ませ、簡単に忘れてしまう。

そんな人物がふとなんもない場所にポツンと取り残されてしまったとき、
初めて自分の真実と対峙する。
そして現実を受け入れ、赦しを乞う決意をするのだが。

ラストで視点が反転し、もう一方からの視点が入ることに、
今作の計り知れない深みがある。
誰かが悪くて、誰かが正しいとか、そんなシンプルなもんじゃない。

いわば倦怠夫婦ものと言っていいのか、
ものすごい読後感でした。

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2026年05月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

刺さりすぎた。なぜなら、私はエイヴラルの立場だから

毒親育ちじゃない人は夫に怒るを感じる人もいるって言われてるようだけど、夫に対してもっとしっかりしろなんて無理だよ
反論や意見を言う元気が失われるくらいに救いようがないんだから

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2026年05月02日

Posted by ブクログ

表紙がカッコよくて、クリスティの本の中でも1番と言っていいほど好き。最近、光文社から新訳が出たけど、表紙に惹かれてこちらを選択して読んだ。実は再読。前読んだ時は子育て真っ最中だったけど、子育てを終えて読んだ今回の方が、かなり面白く読んだ。ブランチとの会話が、かなり示唆に富んでいて、何度か読み返した。私はブランチよりジョーンに近いので、自分を振り返り背筋が凍った。ただ、矛盾するようだけど、ロドニー的な要素もあるので、栗本さんが書かれているように、それはそれで罪だよなとも思う

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2026年06月22日

Posted by ブクログ

ミステリーかと思いきやアガサクリスティーなのに誰も死なないあくまでサスペンスだった。この作品の面白さを語るのは難しいけれど、砂漠のような明るい場所でじっと自分と向き合う時間を作るのって思えば大事なことであり怖いことなのかもしれない。
主人公の人間らしい短所が見ていて切なく恐ろしい。

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2026年06月18日

Posted by ブクログ

あまり外国人作家の本は読まないのだが、続けて何回かお勧めされているのを目にし手に取る。これが思いの外良かった。

第二次大戦前、遠方に嫁いだ娘の見舞いに行ったイギリス出身の女性主人公、天候不順で砂漠の駅にーで足止めをくってしまう。1人きりで考える時間ができたことで、幸せのはずの自分の状況を見直すと言う形で話が進み、ほぼこの主人公の回想で話が進む。

心配性、良かれと思ってやっている事が他の人がどう受け止めているのか、夫との距離。現代でも共感できる悩み不安を自分の中で検証していく。ほぼ主人公の回想で進む様が興味深い。

ラス前の盛り上がりと、ようやく夫が待つ家に帰ったラストも大きな感動という訳では無いが、共感でき面白みを感じた。

本著者作品のなかでは一番好きだと思う。

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2026年06月17日

Posted by ブクログ

『春にして君を離れ』を読み終えてまず感じたのは、これはミステリーではなく、人間の自己認識を描いた物語だということだった。アガサ・クリスティーと聞くと、どうしても殺人事件や巧妙なトリックを期待してしまう。しかし本作には探偵もいなければ本格的な謎解きもない。それにもかかわらず、読み終えたあとに残る衝撃は非常に大きく、人間という存在の怖さをここまで静かに描いた作品があるのかと驚かされた。

主人公のジョーン・スカダモアは、世間から見れば理想的な人生を歩んできた女性だ。弁護士の夫を持ち、子どもにも恵まれ、自分自身も善良で常識的な人間だと信じている。物語の序盤では読者も自然とその認識を共有する。しかし旅先で足止めされ、一人きりの時間の中で過去を振り返り始めると、少しずつ違和感が積み重なっていく。夫との関係、子どもたちとの関係、友人たちとの関係。そのすべてが、ジョーンが思っていたものとは違う形で見え始める。

本作の面白さは、過去の出来事そのものが変わるわけではないことだ。同じ出来事を振り返っているだけなのに、見方が変わることで意味がまったく変わってしまう。ジョーンはずっと「相手のため」を思って行動してきたつもりだった。しかし読み進めるうちに、その善意の中には自分の価値観を押し付ける傲慢さがあったことが見えてくる。本人は愛情だと思っていた。親切だと思っていた。正しいことだと思っていた。ところが周囲から見れば、それは息苦しさや支配として受け取られていたかもしれない。そのズレが少しずつ明らかになっていく過程には、サスペンス作品にも負けない緊張感があった。

読んでいて特に印象的だったのは、ジョーンが決して悪人ではないことだ。むしろ世間にはジョーンのような人はたくさんいると思う。真面目で、善良で、家族のことを考えている。しかし人は、自分が善人だと信じているときほど、自分自身を客観視できなくなるのかもしれない。本作はそんな人間の弱さを容赦なく描いている。

そして何より衝撃だったのはラストだ。物語の途中でジョーンは、自分の人生の真実にかなり近いところまでたどり着く。読者としては、ここから彼女が変わっていくのだと思う。しかし本作はそんな単純な成長物語ではない。ジョーンは真実を理解しかけながら、最後には再び自分にとって都合の良い認識へと戻っていく。自分の過ちを認めるには、その真実はあまりにも重すぎたのだろう。

だから読後に残るのは爽快感ではない。むしろ不気味さだ。ジョーンは変われなかった。しかし読者は、ジョーンが見ようとしなかったものを見てしまった。その瞬間、この物語は他人事ではなくなる。自分もまた、気づかないうちに誰かを傷つけていないか。自分は本当に自分を理解できているのか。そんな問いが静かに残り続ける。

『春にして君を離れ』は、事件の真相を暴くミステリーではない。人間が自分自身について抱いている幻想を暴く物語だ。人は他人を誤解する以上に、自分自身を誤解して生きているのかもしれない。その事実をこれほど静かに、そして鋭く突きつけてくる作品はそう多くない。読み終えたあとも長く心に残り続ける一冊だった。

#2026年19冊目

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2026年06月08日

Posted by ブクログ

面白いし、後からじわじわ色々考えさせられる。
読んだ後にどんな話だったかすぐに忘れてしまう作品も多いが、この本のテーマはずっと覚えているだろうと思った。

3人の子供を立派に育て、弁護士の夫に愛され、中年を過ぎてもまだ若々しく美しい容姿を保ち、自信満々の主人公「ジェーン」の一人称視点で、ほとんどの物語が語られる。

娘の見舞いのための一人旅の帰り道、砂漠で数日間立ち往生することになり、そこで自分の人生を顧みる時間を得たジェーンのお話。
自分は本当に夫に愛されてきたのか?、自分は夫の事も子供の事も本当は何も理解していなかったのではないか?という思考に引き釣り込まれていく。

誰もが自分を守るために、見て見ぬふりをしていることだったり、これ以上考えないようにしてしまうことがあるはず。
私も辛かった過去の時期や出来事ほど、自己防衛本能が働き、記憶から抹消されて、今はほとんど思い出せないことがある。

読んでいて、ジェーンのことを思慮に欠けて愚かだと思ってしまうが、それは自分自身の姿でもあると思った。ラストの展開まで完璧。
ミステリー小説ではないが、流石のアガサ・クリスティである。

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2026年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「私は完璧な妻であり母」自認の主人公が、ある事情で自分の過去をつぶさに振り返り「自分は最低な妻、母、友人だった」となっていく作品。
ほぼ主人公の一人芝居であるにも関わらず内容は非常に面白いし、先が気になってどんどん読んでしまうにも関わらず、とにかく疲れる作品でした…

主人公は(おそらく意図的に)かなりの性悪女として描かれていて、自分もそんなに性格が良くないと自認している私でもさすがに彼女のことを擁護はできない。…けれど、この世界に他人への加害性が全くない人間はいないので、大なり小なりどんな人にも刺さる部分があるのではないかなと思う。私も所々「ゔ……ごめんなさい……」となりながら読んだ。
それなりの年数を生きていると「あのときあの人に酷いことをしてしまったなぁ」という人生の汚点のような出来事も、やっぱりある。当時はその加害性に気付いておらず、数年後に思い返して後悔することも。もう謝ることができないことも。私にもたくさん、ある。
自分の加害性を自覚すること。そのことに蓋をせずきちんと見つめ、適切に反省すること。忘れないこと。
こうやってすべての業を抱えながら生きていくしかないのかなと思う。

一般論として、人間は身近な家族、特に我が子に対しては自他境界が曖昧になりがちと思われるので、どんなときも相手の感情や意見に敬意を払うことを忘れてはいけないなと思った…

子供がまだ幼いうちに読むことができて本当に良かったと思える一冊でした。しかし、本当に疲れました…

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2026年05月23日

Posted by ブクログ

幸せな家庭を築けたと信じる中年主婦が、旅を通じて自分を見つめ直し思考していく物語。さすがのクリスティで読みやすさ抜群、冒頭からの展開も面白く、若い頃ではなく主人公と同年代の今、読めて良かったです。人生は何が大事なのか、人生に正解はないのか、考えさせられます。

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

「春にして君を離れ」…なんて心惹かれる美しいタイトルなんだろう、と手に取って、ストーリーにグッサグサに突き刺された。
ジョーンを愚かで滑稽だと嗤うことは簡単だけど、自分の人生も離れたところから眺めてみたらこんな風に見えるのかもしれない。
ラストの展開も、後味は悪いけれど好み。

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2026年05月06日

Posted by ブクログ

22歳の私には、ジョーンの愛もロドニーの優しさも理解することが難しかった。
いつか数年後に読み返したら、様々な感想が思いつくのかもしれない。

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

ミステリーじゃないクリスティ作品
夫婦の愛、親子関係って結局のところ
お互いの距離感が大事なのかもしれない
干渉しすぎても行けない
真実を真っ直ぐ伝えてしまっては
良い関係が崩れてしまう
相手への思いやりが愛情なんだ

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

アガサ・クリスティの著作を初めて読んだ。
何だろう、主人公のジョーンは平凡な主婦だが、彼女だけが悪いとはとても思えない。最後は、ああそっちにいってしまうんだ、と思ったが妙なリアリティある結末でもあった。

哀しいというか、やるせない。ジョーンはジョーンなりに夫や子どもたちを愛しているのに。ジョーンの現実的な決断や母親らしい役割もある意味必要なことだと思うし、やり方は間違っていたかもしれないが、糾弾する気にはとてもなれない。

自分がよかれと思ってした選択や決断も相手にとっては本当は嫌で、とっくに見限られているのでは?と読みながら自分自身にも突きつけられてくるようだった。
結局、人は他人の心の内は知ることができない、それは夫婦であっても。そういう人間の関わりの哀しさをも描いている。

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2026年05月04日

Posted by ブクログ

あまりにも……あまりにも哀しい……ハァ。読後感は良くないです。解説の「ジョーンだけの責任ではない。ロドニーにも悪いところはある」旨の記述に私自身が救われた。

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2026年05月03日

Posted by ブクログ

ジョーンは娘の看病帰りに女学校時代の古き友人と出会い、その友人の落ちぶれた姿に愕然とする。
それと同時に自分の人生は良き家族に恵まれたと優越感に浸る。
だが果たして【良き家族】だったのだろうか?
遠征途中で足止めを受けることになり、砂漠の真ん中で1人過ごす日々。
その時に自分の人生を振り返り、家族のことを考え、そして後悔する。
自分のものさしで価値観を押し付け、家族の気持ちを考えなかったこと。ハッとする。子供達が頼るのは良き母親の自分ではなく父親だったこと。

優しい夫。優しさではなく諦めたということなのかと思うとゾッとする。
違和感はいつもあった。だがこの正体に気づけないと孤独が待ち受けることとなる。

この小説を読んでいると果たして自分は大丈夫なのだろうかと不安になる。自分も楽しくなると周りが見えなくなることがある。
人を蔑ろにしてないか?
自分も人の忠告を素直に受け入れられるのか?
あぁ、1人にはなりたくないなぁ、、
でも自分を変えるって難しいよね。

でもジョーンの最後の変わらない選択はジョーンらしくて好きかも。



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2026年05月17日

A

購入済み

結末は、これで良かったのかもしれないね。
過去は変えられないし。
登場人物全員がまるで実在の人物かのように思えてくる。
それだけでも読む価値があると思いました。
若い人に読んでほしい本ですね。ピントこないかもしれないけどね。
それにしても、クリスティは人物描写が巧みだね。

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2024年11月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

めちゃ面白かった!ちょっと人怖ホラーっぽいというか、主人公が「私は家族のために尽くしてきてよき家庭に恵まれた幸せな人」って言ってるのに、回想では夫や子供を自分の思う通りにコントロールしようとして疎んじられてるのが分かるし、本人もだんだんそれに気付いていく話。

でもこれは普遍的なテーマというか、舞台となってる場所や時代を変えたとしても完全に成立する話だなと思った。
ジョンの言う、貧しくて無謀な幸福か、理性的で現実的な生活か?という二者択一は、多かれ少なかれ人生の中で迫られ得るテーマなので、あらゆる人間の中にジョンとロドニーはいる、とも思う。

ジョンが、長女が20歳も上の既婚者と駆け落ちしようとするのを止めたり、夫が心からやりたいけど実入が少ない農場経営に乗り出そうとするのを止めたり、次女が鼻持ちならない嫌味な酒飲みに夢中になったりするのを止めるのも、まあ、分からなくはないというか…。

でもその過程で、ジョンが家族を愛してると言いつつ、相手のことを何もわかっておらず、「こうあったらいいな」の像を相手に押し付け続けてコントロールしようとし、反発されると被害者ぶるところとかは怖かった。令和の毒親ものに通じるというか。


ジョンは、砂漠で一時の悟りを得て真実に気づくも、帰りにロシア人の同室の人に言われた通り、聖人ではない彼女は家に帰るなり悟ったことを気のせいということにして無かったことにする。
そして元通り、他人への見下しと自己中心の激しい人間に戻ってしまい現状を変えることはないのだった…。

あと、本筋には関係ないけど、戦間期にはロンドンからバグダードまでを繋ぐ列車が走ってたんだな…。その後の戦争でめちゃくちゃになってしまった地域が当時は平和だったのを感じてしみじみする。もし今もこの路線が現役だったら絶対に乗りたかった。イスタンブール行きに乗り換えるアレッポの駅とか、シリアの内戦で見る影もなさそう

エピローグの夫視点。「ひとりぼっちのプアーリトルジョン。どうかそのことにずっと気づきませんように」

夫の心境ってどうなんだ。真実に気づかず、有能で必要な人間だと思い込んでる妻を見て「休暇は終わりか…」とがっかりする反面、ずっとこのままでいてくれと憐れんでる。ロドニー的には、ジョンにうんざりしてるし、心から愛してるのは故人のレスリーなわけだけど、ロドニーとしても不幸な現状維持を変える気はない…。ロドニーがもっと自己主張する人てジョンに正面から反発して言い争える人ならジョンもこんな哀しい怪物にならなかったんじゃないかなと思うけど、一緒に過ごす間に何言っても無駄だからせめて自分の妄想を信じて当たり障りなくやるのが一番コストが少なくていい、って対応になってったのかな。戦間期のイギリス中流階級、離婚とかにも厳しそうだし。ロドニーに、そもそもなんでジョンと結婚したのか聞いてみたい。

全体的に、人生ってこんなもんだよなと思いつつも結構ホラーな話だった。さすがミステリーの女王アガサ・クリスティ。事件なんて起こらなくとも、どこにでもある1人の人生こそがミステリーでサスペンスとなり得るって感じだった

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2026年06月01日

Posted by ブクログ

今までに読んだことのない本だった。子育てが終わった主婦の内省。ジョーンもロドニーも嫌。読後感は決して良くない、でもリアルでおもしろかった。
家庭における関係性と、自覚する己の人物像と他者から見た人物像の乖離、人間が変わることの難しさが怖かった。自分はどうだろう、と考えて怖くなる。

「自分のことを考える他、何もすることがなかったら、自分自身についてどんな新しい発見をするかしら」

ジョーンは主婦としての役割を果たしていることに自信を持ち、夫にとっても子どもたちにとっても最良の妻・母であったこと、素晴らしい家庭を築いたと自負している。
伯父の事務所に入らず、農業をしたいと話すロドニーの意見を真っ向から捻じ伏せたことを、素晴らしいことだったと自負する。娘の友達を指定しようとする、トニーが弁護士になることは義務という。
ブランチやレスリーを見下している。

ロドニーは自分の想いを全く聞き入れてくれない妻に、心が離れていったんだろう。ロドニーは妻を受け入れて優しく接してあげてると考えているようだが、自分の思いを主張しないことは自己責任だし、妻に指摘をしないことは無責任だと思う。そして倒れたのは過労ではなく、レスリーの死で傷心したことが理由。
周りの人は過労が原因と考えており、それでジョーンは子どもたちから責められていたのはジョーンに同情した。

父親・子どもvs母親の構図。子どもにとって不愉快な言葉を言わなければならないのはたいてい母、とジョーンは考えてるが、エイヴラルが駆け落ちしようとしたときはロドニーが冷静に論理的に諭した。つまりは言うときは言っていた。夫婦で価値観や教育方針を共有できていない、それ故に生じた分断。

ジョーンは自分の真の姿を自覚し、生まれ変わろうと決意したのも束の間。結局これまで通りのジョーンで有り続けた。

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2026年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アガサクリスティーの中でもミステリーではないのですが、人として少し怖く、個人的には哀しくなるようなストーリーでした。
主人公であるジョーンの目線から語られるときは自意識の高いジョーンは完ぺきで家族のことも大切にしてこどもたちに対しても愛情深く育てあげたという自負がある。
夫にも愛されて何不自由ない生活をしている。
ただ、家族からの目線や、友人、出会ってきた人からの評価とは少しズレがある。
一人旅行の旅先で列車が止まり、何もすることがなくなってしまったジョーンは自分と向き合い始める中で、他者との考えのズレがあることや、実は自分は周りに好かれていないのでは。。?と気づき始めるが、列車が動き、無事に家に帰ることができたジョーンは元の生活に戻ると何事もなかったかのようにまた普通に生活をしている。

こういう人、いるよなあ。。
たまに「自分は悩みがないのが悩みです」という人を見るけど
そのたびに、あなたが悩んでない分、あなたのことで周りが悩んでる場合が多いよと思っていたのですが、まさにそれやなと思いながら読んでました。
さすがアガサクリスティー。人の謎までここまで緻密に描くのは本当にすごい作家さんだなと思いました。

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2026年05月20日

Posted by ブクログ

回想のシーンがとても多かったことが印象的だ。

序盤は毅然とした自信家で魅力的な女性だと思っていたジョーンだがジョーンに対する見え方は物語が進むに連れて変わっていった。

自信家であるが故に自分の考えていることが正しいと信じて疑わず夫や子供たちから選択権を奪ってしまうことが多々あった。
その結果子供たちから冷遇されるとヒステリックを起こすといったなんとも厄介な母親へと見え方が変わっていった。

子供目線でヒステリックな母親を見る作品は何度か読んだことがあったが、ヒステリックな母親目線の作品は初めてだった。
主人公に感情移入することが多いが今回はなかなか感情移入することが出来なかった。

砂漠での自分自身の言動を振り返る時間を通して自分の過ちに気づくことができ、帰宅したら謝ろうとあれほど心に決めていたのに帰宅し夫に再開した瞬間謝らずに今まで通りの態度をとったラストシーンでは人間の弱い部分を感じた。

ジョーンと同様に多くの人は自分にとって都合の悪い自分自身の真相は気付かないふりをしたくなってしまうものだろう。
そのような真相を受け止められる強さを持ちたいと思った。

作中ではロドニーが誠実なイメージであったがロドニー目線のエピローグを読むとロドニーはロドニーでジョーンよりもレスリーを愛していることをジョーンから隠してることから誠実なイメージが崩れた。

砂漠で何もない生活に苦しむといった共通点があったことから砂の女に似たようなものを感じた。

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2026年05月16日

Posted by ブクログ

これ、主人公を自分と重ねるか、自分の母親と重ね合わせるかでどう感じるかが全く変わりそうだと思った。
「毒親」という言葉にアンテナ高めな人は読んだ方がいいかもしれぬ、が、そういう環境で育った方にとってはだいぶしんどいこと請け合います。
ミステリー小説家としてのクリスティのイメージしかない人はぜひこちらも。

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2026年05月08日

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