あらすじ
優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバクダードからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる……女の愛の迷いを冷たく見すえ、繊細かつ流麗に描いたロマンチック・サスペンス。
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Posted by ブクログ
普通の主婦が旅先で人生を振り返るだけで、殺人も盗難事件も何も起きない。それでも一気に読めてしまう。そして怖い。アガサ・クリスティって凄いって感じる作品。
Posted by ブクログ
誰でもこの作品の主人公になり得ると思うと....
真実に気付くことの哀しさ、人生において自分自身を客観的に見つめ続けることの難しさを感じる作品でした。後味悪いのに嫌いになれない。むしろ好きです。大好きな作品。
Posted by ブクログ
娘を見舞う旅の帰りに、砂漠で足止めされた美しい主婦ジョーン。汽車を待つ間、やる事なくてヒマすぎていろいろ考え始めます…
怖すぎる話でした。
友達の言葉が引き金になって、無意識に自分が見ないようにしてきた様々な事象が次々頭に浮かんでしまう。それがパズルのピースようにカッチリはまって、今までの自分の「良かれ」が全否定されてしまいます。
その過程も怖いのですが一番はラスト。
「ああ〜〜〜(脱力)」ってなるけど、でもわからないでもない。
ロドニーを想うとやるせない。
そして「じゃ自分はどうなのか」と、もうずーっと怖いです。
Posted by ブクログ
地に足のついたサスペンスでこわかった。
子育て中の身には人ごとではない。自分と向き合うこと、自分が子どもたちにしたことに向き合うことは怖い。彼女と一緒にわたしも自分と向き合うことになった。
ジョーンが過去に向き合い悔い改め、変わろう!と決意するも、日常に戻れば漫然と元に戻っていくのは本当にリアル。人はそうそう変われないのだ。
ジョーンが毒妻毒母なのはもちろん否定できない。けれど、その被害者であり子どもたちの理解者であるように振る舞う夫こそおそろしい人だ。農場経営に踏み切れない勇気のなさを妻が反対したせいにする。愛情もかけず、育児もメイドまかせなのに子どもをコントロールしようとする伴侶から子どもたちを守れない。人として欠陥がある妻を優しく見つめるようでいて、向上のための気付きは与えず、崩壊していく家庭を最後まで傍観するのみ。
ロドニーは夫婦として、父親として、ジョーンとぶつかり向き合うべきではなかったか。
とても孤独な家族の物語だと思う。アガサもそうだったのかもしれない。
Posted by ブクログ
第三者視点から客観的に見たジョーンは夫や娘のことなど何も分かっていないように見えるのに、ジョーン本人は「私はいつも良い選択をしてきた」と思い込んでいる、その差に怖さを感じます。自分の思い込みではなく、相手が本当は何を求めているのか、という本質を見抜く必要性を感じました。自分を見つめ直す時間を与えられたのにもかかわらず、旅から帰った後夫に今までのように接する選択をしたジョーンは、これからも誰にも愛されることがないのだろうなと思いました。
Posted by ブクログ
クリスティの別名義の本。優雅な奥様が、もしかして私は思うほど幸せではない?という自問自答を砂漠で1人でし始めて、実際は?そして結末は?というのが最後に明かされるわけだけど、日常系心理サスペンスって感じでゾクゾクした。うまいなー
Posted by ブクログ
最後の万華鏡の例え、自分のこれからのウィンドウをどう捉えて生きていくか決めるシーン、凄い
頼むから気づいたことに正直になってこれからを生きてほしい…と最後の最後のページまで思わずにはいられなかった。
しかし、ロドリーの最後の「気がつかずにいてほしい」の一言できっとこのまま過ごすんだと確信してしまい…
それだけじゃなく、最後にヒトラーの名前が出ることによりとてつもない戦争がこの先起こること、バーバラの真実の手紙が燃やされてしまったこと…主人公がこの先自分自身と向き合って気づく時間や物や人はもうないんだと暗雲が微かに匂わされていて、終わり方に感心してしまった。良い本でした。
あのとき主人公がきちんと贖罪して改めていたら…という想像の余白をこれから何度か考えてしまいそう
Posted by ブクログ
初アガサ・クリスティ
この主人公は長年何をしてきたんだろうかと……
人の言葉や思いにずーーーーっと向き合わずにきたジョーン
そのつけがラストにきてる
自分勝手な幸福論を押し付けてきた結果、きっと誰にも幸せを願われずにいくんだろうな
子供のために主人のために
その奥にあるのは変化を恐れる自分のため
なんてプア・リトル・ジョーン
勇気を持ち合わせないプア・リトル・ジョーン
せっかくの回心のチャンスを与えられたというのに
最後のエピローグの最後の一文
一番愛している人間にそんなことを思われているとは
なんて哀れなプア・リトル・ジョーン
Posted by ブクログ
読んでいる間ずっとしんどかった。
独善的で視野が狭くて、自分が見たいものしか見ようとしない。自分が良いと信じることを、他人も良いと信じると疑わない。なので無邪気に他人に自分の思想を押し付ける。コントロールしようとする。
今の自分の人生のスタンスとは対極すぎて、自分語りを読むのがしんどすぎた。
ようやく気づいたのに、気づかないふりをしたジョーン。こういう性質の彼女と暮らし続けるロドリーと彼女を避け当然のように出て行ったエイヴリル、バーバラ、トニー。