ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
5pt
甥のレイモンドを筆頭に、前警視総監や画家など様々な職業の人々がミス・マープルの家に集った。一人の提案で各自が真相を知っている昔の事件を語り、その解決を推理しあうという〈火曜クラブ〉ができたが……田舎の老婦人ミス・マープルが、初めて驚異の推理力を披露した短篇13篇を収録。
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
1932年の作品。 ミスマープル初登場作品、表題の「火曜クラブ」を含む短編集。 ヘンリー卿が初めてミスマープルと出会い、この田舎の老嬢の慧眼に敬服するところが読みどころ。 まさに安楽椅子探偵の真骨頂! 楽しい珠玉の短編集です。 訳者のあとがきも、クリスティ作品に深い考察を加えていて、他の作品と合わ...続きを読むせて読むのが楽しくなる。 この短編集がのちの長編につながる元になっているものもたくさんあって、あとから知るのも面白い。 女優のジュリアや、お手伝いのグラディスなど。 何度も何度も読み返したい、まさに ポケットに「火曜クラブ」を。
ミス・マープルの初歩のような短編集でした。 短編集なので日常の謎が多いのかと思ったらほとんどが殺人絡みで事件も推理も本格的でした。これを短編でどんどん出しちゃうとは本当にアガサ・クリスティーは引き出しが多いんだなあ。 「迷宮入り殺人事件。」作家のレイモンド・ウェストは最近この言葉が気に入っている。...続きを読むここはイギリスの田舎町セント・ヘアリ・ミードの老婦人ミス・マープルの居間。レイモンドはミス・マープルの甥で、古風で家庭的で居心地の良い叔母さんの家で集まりを開いたのだ。その場に元スコットランドヤードの警視総監、ヘンリー・クリザリング卿(サー・ヘンリー)がいたこともあり、参加者たちが自分が遭遇して解決まで知る不思議な事件の話をして、他の参加者が謎解きをする「火曜クラブ」の集いが行われることになった。 『アスタルテの祠』語り:ペンダー博士(教区の老牧師) 森に囲まれた屋敷で週末を楽しむ若い男女。森には古い宗教の神であるアスタルテの祠がある。一行は祠の前に集うが一人の男が倒れて死ぬ。 『金塊事件』語り:レイモンド(そこそこ売れてる作家) コーンウォールの海岸に金塊を積んだまま沈んでいるという船の伝説がある。興味を持ちコーンウォールに向かったレイモンドは、宝探しのニューマンという男と知り合う。ニューマンは、ある夜怪しい男と阿知賀海岸沿いの洞穴に荷物を積み下ろししている様子を目撃したというのだが…。 『舗道の血痕』語り:ジョイス・ランプリエール(若い女性画家) コーンウォールの海辺の村にスケッチに行ったジョイスは、夫婦と、夫の知り合いらしい女の三人組を見た。だがジョイスの目には、その三人組は不吉なものを感じる。翌日、ジョイスは、ホテルの前の白い敷石の舗道に赤い血痕のようなものを見る。そして隣村の浜辺に、夫妻の妻の溺死体があがった。 『動機対機会』語り:弁護士ペサリック 資産家のクロード氏は、霊能力者に入れ込み、遺産の大半を親族ではなく彼女に遺す遺言を書いた。だが実際に彼が死に、遺言状を開くとそれは白紙に変わっていた。 遺言状を封入した場にいた霊能力者には、自分に有利な遺言状をすり替える動機がない。 遺産を横取りされる資産家の親族には、すり替える動機があるが、その場にはいなかったので機会がない。 『聖ペテロの指のあと』語り:マープル。 マープルの姪のメイベルの夫が中毒死した。その近隣では夫婦仲が良くなかったことからメイベルに夫殺しの噂がたつ。マープルは姪の名誉を守るため、真相を調べる。 …今まで読んだりドラマで見たミス・マープル物って、捜査はあくまでも警察が行い、マープルは事件のヒントになるようなことを言ったり、真相を伝え、警察が裏取りをするようなものだった。しかしここでは、夫の遺体を掘り返して死因となった毒物の再捜査を依頼するとか、関係者に事情聴取するとか、医療辞典で毒物を調べるとか、ほぼ警察。そしてこの時代、人が身元を偽ったり罪を犯すことができてしまうので、付き合いのある人たちはお互いを監視し、怪しい人物は排斥する。現在は監視カメラやSNSでの監視社会といわれるけど、この時代は近くの人の目で見張っていることが感じますね。 1年後。ヘンリー・クリザリングは、セント・メアリー・ミードのアーサー・バントリー夫妻にミス・マープルの推理力の話をする。そこでバントリー家でもミス・マープルを含めた夕食会が開かれる。 『青いゼラニウム』語り:アーサー・バントリー(晩餐会主催者) 友人ジョージ・プリチャードの妻は、常に病気を抱え、気難しく癇癪持ちで文句ばかりで通いの看護師たちも次々に変える。最近はザリダという占い師に信心しているが、彼女は「この家は邪悪で、青い花は死の記し」とかいう不吉な予言をす。そしてある日、プリチャード夫人が部屋で死んでいる。そして壁紙の赤い花の一枚の花びらが青く変色していたのだ。 『二人の老嬢』語り:ロイド医師 カナリア諸島に保養地に出かけたロイド医師は、イギリス人資産家のミス・バートンと、コンパニオンのエイミ・ディラントの老嬢二人組を見かける。海水浴中にエイミが溺死する。しかしロイド医師はどことなく違和感を覚え…。 『四人の容疑者 』語り:サー・ヘンリー ローゼン博士はある犯罪組織に潜入して潰したが、それによって報復を受け殺された。容疑者は同居していた4人に絞られたが、その中の誰なのか、どうやって外部から指令を受けたのか。 事件が未解決では犯人と疑われた無実の者が被害を被る。はっきり無罪と証明されないとずっと疑われてその後の人生も変わってしまう。だからこそ真相を明らかにしなければならない。 『クリスマスの悲劇』語り:ミス・マープル クリスマスに水治療院を訪れたマープルは、そこで見かけた夫妻を観察して、夫が妻を殺すと予見する。そして、予想通りに妻が殺されるが、夫にはアリバイがあった。 …この時代の殺人犯への求刑は絞首刑。アガサ・クリスティの探偵たちは自分が犯人を暴くということはその犯人を死刑にするということを承知して悪を許さないという気持ちを持っている。(そして無実と思った人を助けることは、その人の命を助けるということ) 穏やかな田舎のおばあちゃんミス・マープルの強い気持ちが感じられます。 『毒草』語り:ドリー・バントリー夫人(ミセス・バントリー。晩餐会主催者) ある資産家の食卓で食中毒が起こり、女の子が一人死亡する。原因は、食材に紛れ込んだジギタリスの葉だと判明する。毒殺だとしたら誰が食べるともわからないものに毒をいれるだろうか?しかし事故とも思えない。 『バンガロー事件』語り:ジェーン・ヘリア(とても美人の人気女優。しかし「頭空っぽ」ともいわれる・笑) このジェーン・ヘリアは晩餐会でも「わたくし、わかりませんわ」とか、「そういえばわたくしね」などとトンチンカンの言葉を挟むのだが、「わたくしがこんなにおばかさんでなければ…」などと自分の美貌には絶対的自身があるが他の面では控えめなのが感じが良いとも思えます。しかしミス・マープルも「ジェーン・マープル」なので、誰かが「ジェーン」と呼ぶと一瞬マープルのことか!?と思ってしまうの。なぜ同じ名前にしたんだ。 さて、そんなジェーン・ヘリアのお話。 ジェーンは地方巡業で警察の訪問を受ける。なんでも近くのバンガローに泥棒が入ったのだが、容疑者として取り調べられている青年は「女優のジェーン・へリアに脚本のことで呼ばれた」と証言したらしい。だがジェーンと顔を合わせた青年は「ジェーン・ヘリアを名乗って自分を呼び出したのはこの女性ではありません」という。 …ジェーン・ヘリアを「美人で気立てもよいが頭空っぽ」と繰り返してきた効果が出ているオチ。 『溺死』 また数カ月後。 サー・ヘンリーはバントリー夫妻の家を訪ねていた。そこへミス・マープルが、サー・ヘンリーに協力を求めに来る。 数日前にセント・メアリ・ミードで、ローズという娘の溺死体が引き揚げられた。腕に傷があったことから誰かに突き落とされたようだ。彼女は妊娠していて、父親はロンドンからやってきた建築家サンドフォードと言われる。村の大工ジョーはローズに夢中で、サンドフォードに敵愾心を持っていた。 地元の警察は、犯人をサンドフォードだと思っている。だがミス・マープルはある人物が犯人だと思っていた。だが証拠がまったくない。そこでサー・ヘンリーに証拠が挙がるか調べてほしいというのだ。 …ミス・マープルは「田舎の村にいるからこそ、人間性を観察することができる」ということで、犯人については「見れば分かる」という面がある。 そしてミス・マープルがこの事件を見過ごせなかったのは、このままでは無実の人物が死刑になるかもしれないことを防ぎたい、しかしそれは自分の告発により別の人物を死刑にするってことでもある。 ミス・マープルはそれでも正義を貫く強い気持ちがあります。
個人的にクリスティ作品の魅力といえば、 個性豊かかつ人間味のある登場人物(事件の容疑者)たち、 膨大な情報の中にミスリードと本当のヒントとを潜り込ませる巧みさ、 そしてミスリードの要素すら拾い上げ本筋とは別のストーリーに昇華させる組み立ての巧さ、 あたりが大きいのだが今回は短編集という性質上どうして...続きを読むもそれらを感じづらかったというのが正直な印象。 短いページ数で語らなければいけないので人物描写にそこまで割けず、ミスリードを入れる隙がないのでヒントが分かりやすく浮き彫りになっており、長編では毎回予想外の真相に驚かされていたのに、今回は途中でなんとなく分かってしまうことが多かった。 というのは各話で語られるミステリーの内容の話で、毎回変わる語り手の性別や性格や職業による語り口の違いの書き分けにはもはや凄みすらある。 そしてそれを逆手にとったような『バンガロー事件』の結末が特に痺れた。 各ミステリーの内容についても、真相が予想できるからといって読み応えがないなどということは全くなく、謎めいたシチュエーションの面白さはさすがといった感じ。 特に『舗道の血痕』の語り手ジョイスが見ていたであろう定点観測のような景色は読みながらまざまざと頭に思い浮かんできて、読み終わった今でも強烈に残っている。 ホームズ作品の短編集も「シチュエーションの面白さ勝負」みたいなところがあるが、あちらがおどろおどろしい見るからに奇妙なシチュエーションが多いのに比べて、クリスティはもっと日常と隣り合わせの、牧歌的な雰囲気の中に潜むちょっとした違和感というような、じわじわと感じる恐怖を得意としているように感じた。
「ミス・マープルと13の謎【新訳版】」 (創元推理文庫)のハヤカワ文庫版。ちなみにこっちの方が出版が早い。でも私は先に創元推理文庫版で読んだ、のだが気が付かなかった。 どこかで読んだことある気がするなぁって思ったんだよなぁ…笑
マープルのすごさがつまってる。ただのうわさ話好きのおばあちゃんではない、人間観察のプロというか驚くべき知性というか。ポアロも大好きだけど、それぞれ別の人間観察における知性というか。クリスティがマープルがお気に入りだったのも納得。
はっきりした証拠がない推理も結構多くて、これ確証ないけどいいの?のとは思ったけど、人間観察から推理するっていうのは面白かった! 時代の違い、台詞が長い、覚えにくい人名、脇道にそれる話題…などがちょっと読みにくかったけど、筋書きやトリックはシンプルでわかりやすい。 短編集なので、いろんな事件が楽しめ...続きを読むてよかった。
ミス・マープルの短編初登場作品。13編の作品からなるが、どれも最後にミス・マープルがあっと言わせてくれる。後年の長編に比べると、中にはやや強引な展開もあるように感じるが、楽しめる。
ミス・マープルが初めて登場する13話の短篇集。某事件の真相を悟りながらも皆の前では明かさずそっと警告してスマートに去っていく様はどう考えてもただの老婦人ではない “わたしはね、この世の中に起こることは、すべて似たりよったりだと思うんですよ”
ミスマープルは、児童書版で読んで以来だから30年ぶり?もっとか? 短編集なんだけど、短編集だからか、意外と一話一話がしっかりと描かれていて、しかも、あっさり解決されていく様子が痛快。 こんな風に迷宮入りの事件について語り合えるクラブ作れたら楽しいだろうなぁ。
目次 ・火曜クラブ ・アスタルテの祠 ・金塊事件 ・舗道の血痕 ・動機対機会 ・聖ペテロの指のあと ・青いゼラニウム ・二人の老嬢 ・四人の容疑者 ・クリスマスの悲劇 ・毒草 ・バンガロー事件 ・溺死 アンソロジーなどで何編か読んだことはあるはずのミス・マープルシリーズ。 実はきちんと読んだのは初...続きを読むめてです。 思った以上に短い作品ばかりで、推理をするというよりも人々の意見を聞いているうちに正解に流れ着いちゃった、という感じ。 長編と比べたら、必ずしも論理的ではないけれども、ミス・マープルの言葉には説得力がある。 しかし、これほどバラエティに富んだ殺人事件と同じ構造の事件が起きているのだとしたら、セント・メアリ・ミード村というのは、米花市と同じくらい怖い土地である。 流れるように読んだから、個別の感想は特になし。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
火曜クラブ
新刊情報をお知らせします。
アガサ・クリスティー
中村妙子
フォロー機能について
「クリスティー文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
そして誰もいなくなった
試し読み
動く指
カリブ海の秘密
ポケットにライ麦を〔新訳版〕
もの言えぬ証人
バートラム・ホテルにて
鏡は横にひび割れて
復讐の女神
作者のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲火曜クラブ ページトップヘ