中村妙子のレビュー一覧

  • 春にして君を離れ

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    ネタバレ

    誰でもこの作品の主人公になり得ると思うと....
    真実に気付くことの哀しさ、人生において自分自身を客観的に見つめ続けることの難しさを感じる作品でした。後味悪いのに嫌いになれない。むしろ好きです。大好きな作品。

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    2025年11月29日
  • 春にして君を離れ

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    翻訳文はちょっと読みづらい。。と思ったけど、ぐんぐん引き込まれて、今年いちばん面白かった。。。

    自分のことを人がどう思ってるか、見たくないことをわからないふりして生き続けて、自分が見たいようにしか世界を見ず、その型に当てはめるためにまわりが苦しくなって。

    面白かったなあ。

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    2025年11月20日
  • 春にして君を離れ

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    ネタバレ

    訳がやや古いせいか、単純にものを知らないということもあるが読めない漢字、意味のわからない熟語がちょこちょこある。
    ストーリーとしては何ということは無いが、有り余る時間の中で自分自身を嫌でも省み、少しずつ真実に迫られる描写がページを進ませる。
    沙漠の中でのある種のカタルシスから、本編ラストの描写までの揺れ動きも良い。現代なら、最後の一行は書かずにエピローグも割愛する作家もいそう。そこを書き切っているのも、切なくて好き。

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    2025年11月08日
  • 春にして君を離れ

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    ずっと主人公の気持ちに寄り添って読み続けてきたのに、後読感は最悪です。
    何日か引き摺りそう。
    とはいえ、とても素晴らしい小説でした。
    もしかしたら、同じ境遇の女性でないと、なかなか没入できないのかなとも感じました。

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    2025年10月25日
  • 春にして君を離れ

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    ネタバレ

    自分の母を見るかのようで、心がゾワゾワした。きっと私の母は、砂漠で一人になっても、自分を顧みることはしない。自分は良い母親だったと満足し、疑うことはないだろう。

    ロドニーの視点から見たジョーンが最後に描かれていた。諦めと失望と歪んだ優越感。栗本氏の解説にもあったが、結局似たもの同士なのだろう。子供達の視点から見たジョーンの姿も見てみたかった。

    ジョーンが最後にあの選択をした(というより、考えることを放棄した)のも、リアルだし納得。私はロドニーにはなれないので、衝突の上、絶縁した。この選択が良かったのかは分からないし、ずっと関わらないで居られるのかも分からないが、自分に嘘をついて生きるのだけ

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    2025年10月19日
  • 春にして君を離れ

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    初アガサクリスティ。長年世界で愛されるだけある。
    欺瞞に満ちたお似合いの夫婦。
    ジョーンは普通にASDで家族はカサンドラ症候群になる前に自衛しただけにすぎない。

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    2025年10月06日
  • 春にして君を離れ

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    最近色々思うことがあり、やっとこの年にして初クリスティ。もう刺さった……私も人生第一楽章の春が終わり、夏の第二楽章へ向けた間奏を走り抜ける、そのためには砂漠の地でちょっとばかりの列車の旅と思索が必要ね。

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    2025年10月04日
  • 春にして君を離れ

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    ネタバレ

    ずっと読みたくて、だから、やっと読めて嬉しい。1,2日でほとんど一息に読んでしまった。とても面白かったし、考えさせられる本だった。
    バクダットで足止めを食らったジョーン・スカダモア夫人は、自身の半生を振り返る。穴からのぞくトカゲは終いには彼女を覆い尽くし、最後はさも「イギリス人らしく」改心したかと思いきや、最後のオチはなんと…といった内容。シェイクスピアのソネットの引用、タイトルの「Absent in the Spring」。そしてエピローグで夫のロドニーがこう独りごつ、「ああ、どうか、きみがそれに気づかずにすむように。」
    まったく大した出来事も起こらず、ジョーン夫人とインド人の召使いしかいな

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    2025年09月28日
  • 春にして君を離れ

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    人間の心理描写、考え方に対する技巧がすばらしい。
    ただ内容に関しては読むのが辛かったです。
    ジョーンは現代に生きていればいわゆる毒親とよばれるものでしょう。ラストのカタルシス的な展開を期待しつつ、、、やはりといった締め方。
    救いようのない哀しさも覚えますがそれがまた人間らしい、、、。

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    2025年09月23日
  • ビッグ4

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    国際犯罪組織、ビッグ4とポアロの対決です。
    アクションシーンも登場します。
    ポアロの双子の兄弟とみなされる人物が登場しますが、本当に実在するのか怪しげです。

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    2025年08月14日
  • 火曜クラブ

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    1932年の作品。
    ミスマープル初登場作品、表題の「火曜クラブ」を含む短編集。

    ヘンリー卿が初めてミスマープルと出会い、この田舎の老嬢の慧眼に敬服するところが読みどころ。
    まさに安楽椅子探偵の真骨頂!
    楽しい珠玉の短編集です。
    訳者のあとがきも、クリスティ作品に深い考察を加えていて、他の作品と合わせて読むのが楽しくなる。
    この短編集がのちの長編につながる元になっているものもたくさんあって、あとから知るのも面白い。
    女優のジュリアや、お手伝いのグラディスなど。
    何度も何度も読み返したい、まさに
    ポケットに「火曜クラブ」を。

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    2025年02月07日
  • 火曜クラブ

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    ミス・マープルの初歩のような短編集でした。
    短編集なので日常の謎が多いのかと思ったらほとんどが殺人絡みで事件も推理も本格的でした。これを短編でどんどん出しちゃうとは本当にアガサ・クリスティーは引き出しが多いんだなあ。

    「迷宮入り殺人事件。」作家のレイモンド・ウェストは最近この言葉が気に入っている。ここはイギリスの田舎町セント・ヘアリ・ミードの老婦人ミス・マープルの居間。レイモンドはミス・マープルの甥で、古風で家庭的で居心地の良い叔母さんの家で集まりを開いたのだ。その場に元スコットランドヤードの警視総監、ヘンリー・クリザリング卿(サー・ヘンリー)がいたこともあり、参加者たちが自分が遭遇して解決

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    2024年11月22日
  • 火曜クラブ

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    ネタバレ

    「狭い村も広い世界もさして違わない」「人間なんてみんな、似たりよったりですからね」

    たまにふと読みたくなる。人間性が、事件を解くカギ。

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    2024年09月17日
  • ビッグ4

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    ポアロシリーズの中ですごく好きな作品!
    普段と違い緊張感のあるシーンや壮大なシーンが多く、常にヒヤヒヤする。

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    2024年07月08日
  • 火曜クラブ

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    ネタバレ

    ミス・マープルの連作短編集。

    ミス・マープルを囲んで繰り広げられる推理合戦13編。
    各自が真相を知っている"迷宮入り事件"を語り、参加者一同が真相を推理し合うもの。
    参加者の年齢も職業もバラバラなので、どの事件も変化に富んで面白い。私も一緒に解いてみたけれど13の事件全て惨敗だった。

    特に面白かったのは『動機対機会』『二人の老嬢』『四人の容疑者』『溺死』

    全ての事件の真相を次々と見事に暴くミス・マープル。自身の住むセント・メアリ・ミード村からほとんど出たこともない彼女はどうしてこんなに簡単に事件の真相を探り当てることができるのか。
    「この世の中に起こることは、すべて似

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    2024年06月30日
  • 未完の肖像

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    ネタバレ

    シーリアという女性の半生が描かれている。
    優しい両親や、前時代的だがよき理解者である祖母に愛され、シーリアは満ち足りた幼少期を送る。父の死で一家は傾くものの、美しく成長したシーリアには数多の男たちが言い寄ってくる。そんな中でシーリアは、のんびりして包容力のあるピーターの求婚を受ける。シーリアには慎重に結婚相手を決めてほしいピーターは、外地勤務の終わる2年後まで結婚を待つように言って旅立つが、その間にダーモットが現れる。結局シーリアは、ピーターとの婚約を破棄してダーモットを選ぶことに。
    優しくて魅力的なダーモットとの間に娘も生まれ、シーリアは幸せだった。だが、幸福に思われた結婚生活にも次第に翳り

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    2024年06月18日
  • アクナーテン

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    アクナーテン
     どんな作品でもそうだが取りかかる順番はとても大事で、相乗効果で面白さが増す事がよくある。今作、「アクナーテン」を読む前に「ファラオの密室」(2024年)という作品を読んでいた為、世界観が踏襲され、まるで続編を読んでいるかの様な感覚になった。
     「ファラオの密室」では神官とこの時代に生きる市民や奴隷、神々を中心に物語が描かれ、「アクナーテン」ではこの時代のファラオ、王族達を中心に物語が進められる。
     今作に登場するファラオ、アクナーテン(おそらくアクエンアテンは読み方の違い)は愛と平和に憧憬する王なのだが、歴史上は余り評価されていない。彼が憧れる世界は理想郷であり、人間の悪い部分

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    2024年03月02日
  • ビッグ4

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    もともと短編だったものを、長編にする為少し書き変えて作品にしたらしく、文章に違和感があるとのことだっんですが、アクション要素が多くハラハラドキドキでとても楽しめました!
    落ち着いた展開が多いポアロシリーズなので、こうゆう作品があってもいいのかなと思います。(まだ数冊しか読んでいませんが。)

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    2023年11月09日
  • 娘は娘

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    ネタバレ

    依存と書いてあったが、共依存というものなのだろうか。
    麻薬依存を断つことができたところで、母親への依存も断ち切れた。
    母娘の依存を断ち切る過程がさらっと書かれているのが、物足りなく感じた。

    再読したい。

    春にして君を離れが気に入ったので、こちらも読んでみた。
    今回は意外にハッピーエンド。
    という事は、春にしてもハッピーエンドなのかもしれない。
    NHKBS番組の作家達の感想を見てからだったので、人は簡単に変われないと勝手に私がラストを決めつけてしまっていたのかも。

    殺人はおきなくても、普通にその辺にいる人達だけで充分怖い。

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    2023年08月09日
  • ブラック・コーヒー〔小説版〕

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    やっぱりミステリーものはおもしろい。
    ナイルの映画も(配信でだけど)早く観たいな。

    わたしはこの文庫本の装丁がお気に入り。
    今にも良いコーヒーの香りが漂いだしてきそう。
    わたしはコーヒーが大好きだから、コーヒーで死にたくはないけれど笑

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    2022年05月11日