中村妙子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
いわゆるクリスティーの「国際謀略モノ」。
ドラマ版で『愛国殺人』などを観たのでなんとなく敬遠していたのですが、ポアロ未読作品もいよいよ10作ほどとなり、ここまできたら読破するぞ!と手を付け始めた次第です。
でも、これがなかなか「劇場版 名探偵ポアロ」てな雰囲気で楽しめましたね〜(´∀`)
表舞台には決して出ないけれど、驚異の頭脳を持つ中国人・アメリカの大富豪・フランスの天才女科学者・そして謎の殺し屋……それらで構成される「ビッグ4」。
その支配は世界中におよび、少しでも疑いを持った人々は皆消されてしまうという……。いってしまえば荒唐無稽な展開なのですが、まさにビッグキャストでお届けする -
Posted by ブクログ
ネタバレ古代エジプトに愛と平和と美を追求した王がいた。
アクナーテンはそれまでのエジプトの神アメン信仰を廃止して、太陽神アテンを唯一神とする。争いを否定し、美を尊んだ。エジプトは、世界は、愛と平和に満ちるはずだった——。
ちょうど大河ドラマ『べらぼう』を見ているせいか、人は正しく生きたいとは思わないのだと。それまで心を寄せていた様々な神たちを取り上げられることを民衆は喜ばない。力で治めていた場所にいきなり真理を説いても従うわけがない。窮地に援軍を送らずに愛を説く王なんて、軍からしたら見捨てられたと思うだけだ。
毒を用意した人、実際に飲ませた人、決別を伝えた人。アクナーテンの周囲が皆それぞれに複雑 -
Posted by ブクログ
評価がその他の小説より低めなのも理解できる。ミステリという感覚はなく、どちらかといえばスパイアクションの要素が強い。ポアロが世界規模の陰謀と対峙するという設定は派手ではあるが、いつもの「密室」「アリバイ崩し」といった本格推理を期待すると肩透かしを食らうかもしれない。
●展開
世界を裏で操る巨大組織「ビッグ4」という存在感は抜群で、少年漫画的なわくわくがある。ポアロが次々と罠をかいくぐり、知略で強大な敵に挑んでいく姿は、いつもと違う魅力を放っている。
物語は緩やかに進行し、事件の解決よりも登場人物たちの交流や心情の変化が丁寧に描かれている。推理のスピード感や謎解きの鮮やかさは控えめだが、 -
-