中村妙子のレビュー一覧

  • 春にして君を離れ

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    ネタバレ

    翻訳文で読みづらかったけど、内容が恐ろしく、刺さったので星5。
    せっかく自分の過ちに気づいたのに、結局変わることができなかったジョーン。人が心から変わることの難しさがよく分かった。自分の過ちに気づきかけても、最後には自分に甘えて気のせいだったかもってなってしまう。それが理解できてしまうのは自分も同じ経験があるから。
    解説で気付かされたけど、ジョーンをそのままにしておいた、夫ロドリーにも責任がある。
    周りに対して鈍感、自分の過ちに気づかないことの幸せさ。

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    2026年06月03日
  • 春にして君を離れ

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    アガサ・クリスティ、こんな小説も書くのですね。
    どうか、どうか、ジョージに救いを、と読みながら切に願うのは、自分が「ジョージ」だからなのだろうか…。
    ずっとドキドキしながら読み進んだ。

    こんな小説の書き方あるのか…という驚きと展開の面白さ、謎解きのスリルに、読み始めたら止まらなかった。

    こんな自分への気づきも確かにある。自分が自分の謎を解いていくミステリー。

    そして、謎解きだけで終わらないラスト。
    恐るべしアガサ・クリスティ。
    人間観察の鋭さに脱帽。まともに読んでないクリスティのミステリー群を読み直したいとも思う。

    あー、すごい小説ってまだまだたくさんあるのですね!

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    2026年06月02日
  • 未完の肖像

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    メアリ・ウェストマコット名義で出版された作品。
    メアリ・ウェストマコット名義で書かれた作品はクリスティの内面を反映しているように思う

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    2026年06月02日
  • 愛の旋律

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    クリスティが別名義メアリ・ウェストマコットの名前で発表した最初の長編作品
    ミステリ小説ではないので注意
    邦題の愛の旋律も良いが、原題のGiant’s Bread(巨人の糧)の方が作品を表していれる
    個人的に印象に残った登場人物はネル(エリナー)・ヴェリカーだ
    他の女性陣のジョーやジェーンが新時代の20世紀的な女性だとすると、彼女は19世紀的な女性なんだと思う


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    2026年05月31日
  • 春にして君を離れ

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    面白かった。

    序盤からの違和感がどんどん積み重なっていって、主人公のヤバさがじわじわ伝わってくるところが静かだけどスリリングでした。

    読みながら何度も主人公夫妻につっこんでて、翻弄されっぱなしでした。

    ラストも含めて、主人公に対してものすごく冷たい書き方をしているのが、ミステリー作家だから容赦ないなと思いました。

    1944年の作品で戦時中にこういう作品が発表されていたということに驚く。

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    2026年05月24日
  • 春にして君を離れ

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    主人公から見える世界の移り変わり、どんどん明らかになっていく新事実がすごく面白かった。続きが気になってどんどん読み進めた。
    帰路イギリスが近づくにつれだんだん元の主人公に戻っていく様子もひしひしと伝わってきた。
    結末の主人公の選択は少し残念だったけど、自分探しの旅⭐︎反省して家族にも謝って許してもらえてハッピーエンド⭐︎というのも拍子抜けなのでこの結末が物語としては一番余韻があって好きだと思った。

    以下雑メモ
    ・ロドリーもロドリーでまるで聖人のように描かれているけど(ジョーンから見てそうならまぁいいんですが…)ジョーンに悪者役押し付けて子供に良い顔して、自分で物事決められなかった責任も転嫁し

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    2026年05月24日
  • 春にして君を離れ

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    おもしろいー!夢中で読んじゃった。最後の決断もリアル…。詩に詳しかったらもーっと楽しめたんだろうな。

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    2026年05月12日
  • ブラック・コーヒー〔小説版〕

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    舞台をきっかけで知った作品。小説版から読んだけれど、戯曲が先なのね。読みながら舞台のシーンを思い出し、と思ったら舞台では出てこなかった場面や情報も含まれていて、さらに奥行きが広がった印象。
    果たして戯曲はどうなのか、これから読みます。

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    2026年05月11日
  • 春にして君を離れ

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    ネタバレ

    ろくに事前情報を得ていなかったので、「家族のために尽くしてきた女性だが、実は家族はそれぞれ後ろ暗いものを抱えており、それに気づいた女性が家族から離れて自由になる」……そんな物語を予想していた。
    が、蓋を開けてみると、まったくの正反対。悪意なき支配で家族を縛り、しかもそれを正当だと信じて疑わない愚かな女性と、そんな彼女に反抗できず、自らの自由を勝ち取る心意気も無い情けない夫の話だった。

    強い思い込みを持ち、自己満足で行動し、挙句に己の過ちや不都合なことから目を背け続けるジョーン。何となく身内を思い浮かべると同時に、自分自身にもジョーンの片鱗があったのではないか?とも考え、これまでの内省とは比べ

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    2026年05月10日
  • 春にして君を離れ

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    自分の正しさを疑わず、回りの人間にもそれを押し付け、それにより他の人が悲しんだり怒ったりしていても、それを見ずに済ませ、簡単に忘れてしまう。

    そんな人物がふとなんもない場所にポツンと取り残されてしまったとき、
    初めて自分の真実と対峙する。
    そして現実を受け入れ、赦しを乞う決意をするのだが。

    ラストで視点が反転し、もう一方からの視点が入ることに、
    今作の計り知れない深みがある。
    誰かが悪くて、誰かが正しいとか、そんなシンプルなもんじゃない。

    いわば倦怠夫婦ものと言っていいのか、
    ものすごい読後感でした。

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    2026年05月08日
  • 春にして君を離れ

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    ネタバレ

    刺さりすぎた。なぜなら、私はエイヴラルの立場だから

    毒親育ちじゃない人は夫に怒るを感じる人もいるって言われてるようだけど、夫に対してもっとしっかりしろなんて無理だよ
    反論や意見を言う元気が失われるくらいに救いようがないんだから

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    2026年05月02日
  • 春にして君を離れ

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    ゆるやかな導入から、主人公の内省が深まっていくにつれて、怖くなってきてしまう。
    心の奥底からジワジワと冷たい水が湧いてきて、冷たくて、いてもたってもいられない感じ…

    ポッドキャスト「文学ラジオ空飛び猫たち」さんで紹介されて、積読になっていたことを思い出し。よいきっかけをいただきました。

    ジョーンの発言に対して、家族から返ってくる言葉の数々。離れてみていれば、そのすれ違い加減がみえて、痛いし怖い。しかし渦中にいると全然見えてない。見ようとしていないのか。
    生きていくためには見ないことも必要なのよって言われそうだけど、それってやっぱり無理があるかもなぁ。

    時代も場所も違う、同じような状況でも

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    2026年05月02日
  • 春にして君を離れ

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    ネタバレ

    【ジョーンの性格】
    ・押し付けがましい
    ・見栄っ張り
    ・プライドが高い
    ・物事を深く考えない
    ・一度決めたら譲らない→頑固というか柔軟性なし
    ・自己愛が強い
    ・自己憐憫に浸りがち
    ・俯瞰して物事を見られない
    ・下ネタや恋愛ネタ大嫌い
    ・不良や身分の低い人大嫌い
    ↑この辺は時代性も鑑みないといけないが

    ほとんどがジョーンのひとり語りだけど、珍しく出てくる第三者が、インド人の給仕、ブランチ・ハガード、サーシャ公爵夫人。
    彼らとジョーンの会話から、ジョーンの高慢さが女性かが匂い立つ。
    (ブランチのようでなくってよかった、神様ありがとう)とお祈りしてしまう傲慢さ。
    サーシャ夫人とは、会話を楽しむより

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    2026年04月29日
  • 春にして君を離れ

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    ネタバレ

    アガサ・クリスティといえば『ミステリーの女王』として有名だが、この小説のジャンルは “Introspective novel” として分類されるらしい。直訳すると「内省的な小説」……意味はわかるが、絶妙にしっくりこない。とにかく自己の内面や感情、行動に焦点を当てた小説であり、アガサ・クリスティはこの作品を執筆するにあたり『ミステリーの女王』という先入観なしに正当な評価を得るため、あえて別名義で発表したという。

    物語のほとんどは病気の娘を見舞った帰りに列車の不通に遭い、砂漠のど真ん中にあるゲストハウスで数日間を一人過ごさなければならなくなった主人公・ジョーンの徹底した内省(事実上の一人語り)に

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    2026年04月26日
  • 春にして君を離れ

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    ネタバレ

    怖すぎた。独りよがりの自分の世界に閉じこもって、周囲の気持ちを汲まず、自分の理想通りに生きるとこうなるのか、と。終盤で自分の過ちに気づいて、夫に謝ろうとしたのに、結局自分の理想の世界を選んだのは恐怖だった。でも正直、自分もこうなりそうと思った節がある。わがままで傲慢なところを貫くと、家族を苦しめてしまい、最終的には独りぼっちになるということを、胸に留めて生きていきたい。折に触れて読むことになるのかも、というか忘れた頃に読んだ方がいいのかも、、、長年愛され続けてるだけある作品。

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    2026年04月25日
  • 春にして君を離れ

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    ネタバレ

    クソ刺さった。

    刺さり過ぎて二度と読みたくないと思う一方で、人生に迷った時にまた読みたいとも思う。

    ジョーンは最低なやつだが、ロドニーも、子どもたちも、結局同じなんだなと思った途端に、この作品の怖さを理解した。

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    2026年04月25日
  • 春にして君を離れ

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    幸せな家庭の主婦、ジョーン。バグダッドまで娘に会いに行っていたが、帰る時になって天候不順のため足止めをくらってしまう。有能な主婦としてあくせく生きてきたジョーンは、そこで自分の人生を振り返ってみると…

    ジョーンがどんな人物か前情報を入れた上で買っていたんだけど、自分も子持ち主婦なので、読むのが怖くて積読してた。ちょっと気分が明るくなってきたところで読み始まったら、もう読むのが止められない。ジョーンには共感しないけど、自分も同じことやってんじゃないかと不安に襲われる。

    そしてラストもすごい。もうさすがアガサ・クリスティー。みんな読むべき。

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    2026年04月21日
  • ビッグ4

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    今作はクリスティ作品の中では評価が低い
    要因は幾つか考えられるが、
    個人的には「アクロイド殺し」の次の長編なので期待値が高すぎたのでは?と考える
    前作「アクロイド殺し」出版後から今作が出版された1927年までにアガサ・クリスティにとって心労が重なる出来事があったのも要因の一つだろう
    最初の夫アーチボルト・クリスティ大佐の不倫と離婚問題、その後の失踪からしても今作を書いた当時アガサは一種のスランプ状態だったのではないか?
    そんな彼女に義兄キャンベル・クリスティが「短編をまとめて出版してみれば?」というアドバイスをして今作は書かれた。
    後年アガサが述べているが、ポアロは短編よりも長編向きた。
    そし

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    2026年03月04日
  • 愛の旋律

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    読み終わった後の感慨がすごくて戸惑っている。
    何箇所か読み直したりしている。

    原題は GIANT’S BREAD (巨人の糧)、邦題は 愛の旋律。読んだ感想としては、巨人の糧のほうがしっくりくる。愛の旋律が想像させる、優しい愛の物語ではない。

    主人公ヴァーノンにまつわる2人の女性が出てくるが、私はジェーンというキャクターが本当に好きになってしまっている!しっかり自分の人生を生きてきた、1人でも生きていける強い女性。依存的ではないし、愛を与えて、尽きない。
    もう一方のネルは、美人さんな上にネルなりに頑張っていて素敵。でもジェーンとは質が違う。ヴァーノンが救うのは最後にはネルで。でもそのために

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    2026年01月15日
  • 娘は娘

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    ネタバレ

    なぜかノン・シリーズばかり読み進めてしまう。母娘の積年の愛憎劇だけど結末は自立というのか、共依存が解消されて希望のある最後でよかった。作中貫かれていた使用人のイーディスの愛がありがたかった。

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    2025年12月27日