中村妙子のレビュー一覧

  • 春にして君を離れ

    Posted by ブクログ

    実ある心の婚姻に、許すまじ、邪魔だては。
    世は移り、人は変われど、まことの恋は
    摘まれて朽つる花のごとく
    はかなきものにあらざれば。
    そはさながら天の一角に
    嵐を下に見て、巌としてゆるがざる、
    かの不動の星、荒波に揉まるる小舟の
    変わりなき道しるべ、
    いと高く輝きて、限りなきものを内に秘む。
    まことの恋、そは時の道化にあらず
    よし、あえかな唇、ばらのかんばせは、
    時の利鎌の一振りにうつろうとも
    恋はかりそめならずして
    世のきわみまで恋うるなり。
    変わらぬ恋は世になしと証しさるれば
    わがすべての詩はむなしく
    およそ人のすべての愛もまたむなし。
    ──ウィリアム・シェイクスピア「ソネット116」

    0
    2026年02月21日
  • 春にして君を離れ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ミステリーではないアガサクリスティー

    一人の女性ジョーンが妻として母として人一倍の自信と誇りを持って生きてきた。
    ただ実際は周りが何も見えていなかった
    怖いことだと思う。自分に置き換えたらどうだろう。それに気づいた時180度変えた考え方ができるだろうか。それまでの人生を否定できるだろうか。

    多角的な視野で見ることは難しい。自信があることは素晴らしい。
    ロドニーはなんて大きい人なんだろう。ただ妻に心のうちも打ち明けられない人生は哀しいとしか言えない

    子どもたちは離れていきそれぞれ新たな人生を歩み始める。今でいうところの毒親を離れてやっと自分基準の幸せを求めて。

    0
    2026年02月18日
  • 春にして君を離れ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    久しぶりに一気読み(2日には分かれたけど)した本。

    子育てしている身としてはジョーンを見ているとヒヤヒヤしてしまう。表面的に理解した気にならず、相手に向き合って理解し合える親子関係、夫婦関係を築きたいとら思った。

    最後、ロドニーが「ジョーンはこれからもひとりぼっち。それを君が気づきませんように」みたいな言葉が恐ろしい。ロドニーも向き合いなよと思ってしまうが、仕事を反対されたときから心が折れてしまったのかな。

    知らぬ間に愛想を尽かされることがないよう、ジョーンを反面教師にしたい、、、、

    0
    2026年02月09日
  • 愛の旋律

    Posted by ブクログ

    読み終わった後の感慨がすごくて戸惑っている。
    何箇所か読み直したりしている。

    原題は GIANT’S BREAD (巨人の糧)、邦題は 愛の旋律。読んだ感想としては、巨人の糧のほうがしっくりくる。愛の旋律が想像させる、優しい愛の物語ではない。

    主人公ヴァーノンにまつわる2人の女性が出てくるが、私はジェーンというキャクターが本当に好きになってしまっている!しっかり自分の人生を生きてきた、1人でも生きていける強い女性。依存的ではないし、愛を与えて、尽きない。
    もう一方のネルは、美人さんな上にネルなりに頑張っていて素敵。でもジェーンとは質が違う。ヴァーノンが救うのは最後にはネルで。でもそのために

    0
    2026年01月15日
  • 春にして君を離れ

    Posted by ブクログ


    ジョーンの自己中心性、奢り、焦り、認めたくない気持ち、赦しをこう気持ち、変えられない自分など、文章からとてもリアルに伝わってくるようだった。外から見ると、何と人は哀しい生き物かと思うが、誰もがもつ心理だし、大なり小なり人生の間で出しているのだろう。聖人君子のようなロドニーにもまた人間くささが見えて、エピローグもよかった。

    0
    2026年01月06日
  • 春にして君を離れ

    Posted by ブクログ

    流石のクオリティ

    3人称で、1人称ぽく書くのか肝だなと。
    女の登場人物の書き分けが良い。
    男の作者だとここまでいかない気がする。

    栗本薫のあとがきが、また秀逸。

    最後の方は主人公がかわいそうになってきて、これだけ一人になって内省できるって、実は繊細なんじゃないのとか、旦那の方もなんだかな
    とか思ったのも全て作者があえて仕組んでるんだなと思うと、やっぱりアガサクリスティー凄まじき

    しっかりエンタメで、かつ深い理想的な小説

    0
    2025年12月31日
  • 春にして君を離れ

    Posted by ブクログ

    国も違う、時代も違う今読んでも共感できる。そんな不思議な本です。
    結局人間の本質は時代や国をも超えて同じような所に行き着くんだろうなと感じました。

    0
    2025年12月28日
  • 春にして君を離れ

    Posted by ブクログ

    旅行カバンと女性の座っている姿が素敵な表紙です。読んだ後に考えさせられる、素晴らしい内容でした。

    春にして君を離れ
    absent in the spring

    英語の題名も、日本語訳の題名も秀逸です。「君」は誰なのか、「absent」の意味も考えさせられます。

    「君」はジョーン側から見るとロドニー、逆から見るとジョーン。物理的に旅行したから「離れた」って意味合いもあるけど、「心が離れている」意味もある。

    本の流れとして、ジョーンは自分の意見が間違っていない、周りを良い方向に直してあげていると思っているが、周りからは融通のきかない、わがままなお母さんと捉えられている。しかし、別の面から見た

    0
    2025年12月28日
  • 娘は娘

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    なぜかノン・シリーズばかり読み進めてしまう。母娘の積年の愛憎劇だけど結末は自立というのか、共依存が解消されて希望のある最後でよかった。作中貫かれていた使用人のイーディスの愛がありがたかった。

    0
    2025年12月27日
  • 春にして君を離れ

    Posted by ブクログ

    人間の心理を描いたとてつもない作品。

    毒親、ともよべる、自己中心的な母親ジョーン。
    家族のことを思っているようで、実は自分の思い通りにすること、それが彼らにとってよいことだという一方的な決めつけを押し付けることしかせず、そのことに自覚もない。
    皆にうとましがられていることにも気づかず、自分1人の幻想の中で孤独に生きている。
    その真実に、一番気づきなくないのは、本人自身だ。

    一人きりで時間がたっぷりあるとき、
    ジョーンはようやく、自分自身の真の姿に出会うことになる。
    それは、気持ちいいことではない。
    不安で、不穏で、懺悔がまちうけているような、天変地異のような。
    そのシーンの描写は圧倒的だ。

    0
    2025年12月23日
  • 春にして君を離れ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    普通の主婦が旅先で人生を振り返るだけで、殺人も盗難事件も何も起きない。それでも一気に読めてしまう。そして怖い。アガサ・クリスティって凄いって感じる作品。

    0
    2025年12月21日
  • 黄色いアイリス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    レガッタ・デーの事件
    バグダッドの大櫃の謎
    あなたの庭はどんな庭?
    ポリェンサ海岸の事件
    黄色いアイリス
    ミス・マープルの思い出話
    仄暗い鏡の中に
    船上の怪事件
    二度目のゴング
    以上を収録した短編集、
    パーカー・パイン物は初めて読んだ…。

    0
    2025年12月15日
  • 春にして君を離れ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    誰でもこの作品の主人公になり得ると思うと....
    真実に気付くことの哀しさ、人生において自分自身を客観的に見つめ続けることの難しさを感じる作品でした。後味悪いのに嫌いになれない。むしろ好きです。大好きな作品。

    0
    2025年11月29日
  • 春にして君を離れ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    娘を見舞う旅の帰りに、砂漠で足止めされた美しい主婦ジョーン。汽車を待つ間、やる事なくてヒマすぎていろいろ考え始めます…
    怖すぎる話でした。
    友達の言葉が引き金になって、無意識に自分が見ないようにしてきた様々な事象が次々頭に浮かんでしまう。それがパズルのピースようにカッチリはまって、今までの自分の「良かれ」が全否定されてしまいます。
    その過程も怖いのですが一番はラスト。
    「ああ〜〜〜(脱力)」ってなるけど、でもわからないでもない。
    ロドニーを想うとやるせない。
    そして「じゃ自分はどうなのか」と、もうずーっと怖いです。

    0
    2025年12月31日
  • ビッグ4

    Posted by ブクログ

    国際犯罪組織、ビッグ4とポアロの対決です。
    アクションシーンも登場します。
    ポアロの双子の兄弟とみなされる人物が登場しますが、本当に実在するのか怪しげです。

    0
    2025年08月14日
  • 火曜クラブ

    Posted by ブクログ

    1932年の作品。
    ミスマープル初登場作品、表題の「火曜クラブ」を含む短編集。

    ヘンリー卿が初めてミスマープルと出会い、この田舎の老嬢の慧眼に敬服するところが読みどころ。
    まさに安楽椅子探偵の真骨頂!
    楽しい珠玉の短編集です。
    訳者のあとがきも、クリスティ作品に深い考察を加えていて、他の作品と合わせて読むのが楽しくなる。
    この短編集がのちの長編につながる元になっているものもたくさんあって、あとから知るのも面白い。
    女優のジュリアや、お手伝いのグラディスなど。
    何度も何度も読み返したい、まさに
    ポケットに「火曜クラブ」を。

    0
    2025年02月07日
  • 火曜クラブ

    Posted by ブクログ

    ミス・マープルの初歩のような短編集でした。
    短編集なので日常の謎が多いのかと思ったらほとんどが殺人絡みで事件も推理も本格的でした。これを短編でどんどん出しちゃうとは本当にアガサ・クリスティーは引き出しが多いんだなあ。

    「迷宮入り殺人事件。」作家のレイモンド・ウェストは最近この言葉が気に入っている。ここはイギリスの田舎町セント・ヘアリ・ミードの老婦人ミス・マープルの居間。レイモンドはミス・マープルの甥で、古風で家庭的で居心地の良い叔母さんの家で集まりを開いたのだ。その場に元スコットランドヤードの警視総監、ヘンリー・クリザリング卿(サー・ヘンリー)がいたこともあり、参加者たちが自分が遭遇して解決

    0
    2024年11月22日
  • 火曜クラブ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「狭い村も広い世界もさして違わない」「人間なんてみんな、似たりよったりですからね」

    たまにふと読みたくなる。人間性が、事件を解くカギ。

    0
    2024年09月17日
  • ビッグ4

    Posted by ブクログ

    ポアロシリーズの中ですごく好きな作品!
    普段と違い緊張感のあるシーンや壮大なシーンが多く、常にヒヤヒヤする。

    0
    2024年07月08日
  • 火曜クラブ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ミス・マープルの連作短編集。

    ミス・マープルを囲んで繰り広げられる推理合戦13編。
    各自が真相を知っている"迷宮入り事件"を語り、参加者一同が真相を推理し合うもの。
    参加者の年齢も職業もバラバラなので、どの事件も変化に富んで面白い。私も一緒に解いてみたけれど13の事件全て惨敗だった。

    特に面白かったのは『動機対機会』『二人の老嬢』『四人の容疑者』『溺死』

    全ての事件の真相を次々と見事に暴くミス・マープル。自身の住むセント・メアリ・ミード村からほとんど出たこともない彼女はどうしてこんなに簡単に事件の真相を探り当てることができるのか。
    「この世の中に起こることは、すべて似

    0
    2024年06月30日