中村妙子のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
【ノンシリーズ】
「いっそ死んだのが兄でなくローラだったら…」と両親から思われているローラ。
今度こそ両親の愛情はローラに注がれると思ったら、妹シャーリーが生まれた。すると今度は妹ばかりが愛され…。
『第1章 姉ローラ目線』
読者が姉か兄だと、下の兄弟が生まれた時の姉ローラの気持ちがよくわかると思う。
『第2章 妹シャーリー目線』
私は3番目なので、まさに妹シャーリーと同じ。「うん、わかるわかる。」とシャーリーに共感しながら楽しかった。
と、ここまでは『春にして君を離れ』『娘は娘』と同様に面白かった。
第3章になったら、説明もなく新しい謎の伝道者の話に突然切り替わる。
1.2章との繋 -
Posted by ブクログ
ネタバレアラビアンナイトな世界でヴィクトリアの大冒険!
失業した日に偶然出会ったエドワードを追ってバグダッドに来たヴィクトリア。どうやらエドワードが働く組織には怪しいところがあるらしいのだが。息をするように自然に嘘をつけるヴィクトリアは、その特技を活かしてスパイ活動に協力するが、危険は彼女にも迫って——。
異国情緒がワクワクをグレードアップさせているスパイ小説。難しく考えずにヴィクトリアの一挙一動にドキドキしていればあっという間に読んでしまう。砂埃や発掘調査などの中東の雰囲気が雑多でエネルギッシュな舞台を盛り上げている。
エドワードが実は黒幕。何も知らずに親切心と正義感で飛び込んできたリチャード -
Posted by ブクログ
【マープル短編】
ポアロの短編より面白かった。
「前置き→事件の話披露→マープルの推理」の展開で13話まである。
推理が好きな人は短くてたくさん推理ができるので楽しめると思う。
短編だとやっぱり人間ドラマが感じられないので、私は楽しむのが難しかった。
中でも『二人の老嬢』が1番面白かった。
Audibleにて。
★2.5
悲しいことに、これでAudibleにあるクリスティー作品は全部聴き終わってしまった…(;O;)
今まではAudibleと紙の本を2冊同時進行で読んでいたので、家でも移動中でもいつでもクリスティー作品を楽しむことができた。
紙の本ではまだまだクリスティーを読むけど、Aud -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公のヴィクトリアは、「トミーとタペンス」のタペンスのような、クリスティ作品でよく登場するアクティブな女性。
冒険心に富み、行動力があって非常に勇敢。タイピストとして雇われていたが、雇い主のモノマネで同僚を笑わせているところを本人に見られて仕事をクビになる。これからどうしようかと路頭に迷っていたところで出会った青年に一目惚れし、彼を追ってバグダッドへと飛ぶことを決意。しかし運賃すら払うお金がないので、経歴を詐称して裕福な夫人の付人として飛行機に乗り込む。
一目惚れした青年に再び会うという目的のためだけに、諜報員として活動したり学者のふりをして発掘現場に潜り込んだりととにかく行動力に溢れてい -
Posted by ブクログ
ネタバレ攻略本で0.5点(ポアロシリーズの中で最低点)の本書。
実家の本棚にもあるので読んだことはあるはず。
例によって内容は全く覚えていないけど、いやさすがに0.5点てことはないはず、と読み進めると。。。
冒頭のヘイスティングスが南米から帰還する場面こそ、「ヘイスティングス、おかえりー!!」と思ったけれど、そこから始まるこれまでのポワロものから急に路線変更したかのような国際諜報ものと化す展開に戸惑いを覚える。
え、なんで世界を暗躍する犯罪組織に急に目をつけられる!?
そりゃ世界的に名声を馳せる優秀な探偵ではあるだろうけど、何かしらの因縁があるわけでもなし、唐突感が否めない。
その上、一章々々であっ -
Posted by ブクログ
ノンシリーズ(メアリ・ウェストマコット編)。
想像力が豊かで内気なシーリアは、優しい母親・ミリアムや、周囲の人々に温かく見守られて不自由のない少女時代を過ごします。
やがて、美しく成長したシーリアは、穏やかで堅実なピーターと婚約していたのにも関わらず、突如現れたダーモットから猛アプローチを受けるうちに、彼に惹かれていき・・。
本書はメアリ・ウェストマコット名義で描かれたロマンス小説(ミステリでない方のクリスティー)シリーズの一つで、クリスティーの自伝的な内容といわれているようですね。
冒頭では、とある肖像画家が、今にも自殺してしまいそうな女性(シーリア)と知り合い、その彼女から聞いた半生を -
Posted by ブクログ
スーシェ版ポワロさんの次の回が「黄色いアイリス」なので先に原作を読んでみました。ドラマもどんどん見たいのになかなか進みません(^^;
9話収録のうち、先にドラマで観ていたのは3編。いずれも、脚本家の脚色のうまさが光る作品になっていましたね。
そして本書を手に取るきっかけとなった「黄色いアイリス」も、映像映えしそうな内容。どんな演出になっているのか、楽しみです。
短編はさくっと読めていいのですが、いかんせん長編よりも人物を覚えるのに苦労します。覚えた頃にはお話が終わってしまう……。
中でも気になったのはパーカー・パイン。調べたところ、このお話に登場したマギー・セイヤーズは悪女を演じること -
-
Posted by ブクログ
短編集。
ポアロもの5編、パーカー・パインもの2編、マープルもの1編、ノンシリーズの幻想小説1編が収録されております。
まさに“クリスティー・バラエティーパック”といった感じで、様々な毛色の話を楽しめる本書。
個人的に好きだったのは、パーカー・パインもの「ポリェンサ海岸の事件」。
タイトルに“事件”とありますが、実際は事件はなくて、パイン氏お得意のドッキリばりの仕込みによる“お悩み解決”のお話です。
“パーカー・パイン劇団”所属女優(?)のマドレーヌ・ド・サラの登場も嬉しいですね。
そして、異色の幻想譚「仄暗い鏡の中に」も、鏡に映った“ある光景”をきっかけにした、“世にも奇妙な物語”っぽい展 -