中村妙子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ポアロもの5作、パーカー・パインもの2作、マープルもの1作、
その他1作品が収録された短編集。
どれも面白くて、読み始めるとラストまで一気に読んでしまう感じだった。
(これが短編集の良いところ)
「バグダッドの大櫃の謎」は一度読んだ事があるような話だと
思っていたら、「クリスマス・プディングの冒険」に
収録されている「スペイン櫃の秘密」に大変よく似ていた。
どちらかの作品がもう片方の作品の焼き直しなのだろうか。
マープル作品も嫌いではないけれど、
回りくどいおしゃべりが時に・・・。
「早く本題へ行って下さい!」
「・・・で、あなたの性格はわかりましたが、
結局あなたの言いたかったことはな -
Posted by ブクログ
ネタバレクリスティーの話は必ずといっていいほど最初は面白くない。なぜならば言い回しがとてもまどろっこしかったりするし。でもストーリーが進むにつれて、次の展開がすごく気になってしまい知らず知らずのうちにそのストーリーにのめりこんでしまう。
そんなミステリー作家だと私は思っている。
しかしこの「アクナーテン」についてはミステリー小説ではなくロマンス小説だ。なのにどんどん引き込まれていってしまった。さすがクリスティーだな~って思った
この話ではストーリーの主となるものが宗教で、「多神教世界」からアテン神という太陽神のみを崇拝する。「一神教世界」を創りだしてしまったしまったがためにおきてしまった悲劇。
当 -
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「愛の旋律」……訳名つけた人、出てこい!!といいたくなりそうな題名ですね。
ミステリーじゃないクリスティです。もともと、アガサ・クリスティ名義ではなくて、メアリ・ウェストマコット名義で書いた作品だそうです。
展開は、ベタベタです。
2人の女性の間で揺れ動く、天才音楽家……みたいな。それを幼なじみたちを交えて、少年時代から書いていく。そしてもちろん(笑)、記憶喪失もあります。
もう、ここまでやるかというぐらいベタな展開なのですが、「マリンブルーの風に抱かれて」の時にも書いたのですが、クリスティや、矢沢 あいみたいな、話作りがうまい人がやると、すごい迫力になります。
若干、迫力過多な気もする -
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Posted by ブクログ
【ノンシリーズ短編】
クリスティの短編はどうも苦手で、これまでほとんど読んでこなかった。
『厭な物語』に収録されていた『崖っぷち』が面白かったので、この短編集なら楽しめるかもと思ったけど、やっぱり短編のクリスティは物足りない。
短編ならハイスミスのほうが断然好み。
『愛犬の死』
「ああ、あたし、あんたがかわいくてたまらない!」
自分も犬が大好きなので、クリスティの愛犬へのあふれる愛情に共感しまくりだった。
犬のテリーもご主人が大好きなあまりに……という切なさも残る。
この作品でクリスティ70冊目。
好きな作品から読んでいったせいで、ここから先はどうやら超・苦手ゾーンに突入しそうな予感。
好 -
Posted by ブクログ
和訳されている文章だからか、個人的には読みづらい、すんなりと受け入れづらかった。
名前の表記では、男性はファーストネームで、女性は同じファーストネームなのにラストネーム表記だったり。
誰が何を話しているのかパッと理解できないところがあったのは、私の理解力不足かもしれません。
内容としては、大きな起承転結やミステリーがあるわけではない。
ただ考えさせられる、そして10年後にまた読んでどう自分が受け取るのか、変化があるのかを感じたい一冊。
主人公の思想に共感が全くできず、
こういう人がいるよね、自分の親と重ねる部分があるよね、と主人公の嫌な部分を誰かに重ねて読んでいくことになってしまい、辛かっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めてアガサ・クリスティーを読んだ。
ジョーンの傲慢たるや。他人のため、と言って自分が気持ちいいだけの都合を強いてくる人ほど厄介なものはない。解説には、ジョーンに掛け合ってこなかった家族についても責任があると書かれていて、それはそう思いつつも、結局ジョーンが全く耳を貸さなかったから、全員諦めて、ジョーンは変わらないままだったんだろうなと思う。ギルビー、ブランチ、サーシャからも示唆されているのに気付かず。そんな自分の考えを転換できるチャンスを一度は手にしたものの、間際で破り捨ててしまった勇気のないジョーン。本当に気の毒でかわいそう。