中村妙子のレビュー一覧

  • 愛の重さ

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    不幸だから、どうだっていうんだね?たいていの人間は不幸だよ、しょっちゅうとはいわないまでも、ちょいちょいね。何にでも辛抱が肝腎さ。人間、不幸にも耐えていかなくちゃいけない。この世の中を渡っていくには、勇気がいる。勇気と朗らかな心がね。

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    2025年07月25日
  • ビッグ4

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    ポアロもの。珍しく推理小説というよりも国際ミステリーといえる冒険活劇。アルセーヌルパンものを彷彿とさせる面白さでした。

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    2025年07月09日
  • 火曜クラブ

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    ミス・マープルが初めて登場する13話の短篇集。某事件の真相を悟りながらも皆の前では明かさずそっと警告してスマートに去っていく様はどう考えてもただの老婦人ではない
    “わたしはね、この世の中に起こることは、すべて似たりよったりだと思うんですよ”

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    2025年07月01日
  • マン島の黄金

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    ネタバレ

    アガサ・クリスティの短編集。
    夢の家
    崖っぷち
    クリスマスの冒険
    孤独な神さま
    マン島の黄金
    壁の中
    バグダッドの大櫃の謎
    光が消えぬかぎり
    クィン氏のティー・セット
    白木蓮の花
    愛犬の死

    「夢の家」
    ミステリーというよりサスペンス。人が狂っていく様が静かに描写されていて普通に怖い。

    「名演技」
    過去を知るならず者に脅されると気づいた女優、一世一代の名演技。彼女の代役も死体役とはいえ、なかなかの名優ではなかろうか。

    「崖っぷち」
    一線を踏み越えたのはまさかのクレアだった…!?ヴィヴィアンだと思ったのに。いや、ヴィヴィアンも楽しげに崖を飛んだ時点で一線を踏み越えてはいるのか。

    「クリスマ

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    2025年06月10日
  • 春にして君を離れ

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    ネタバレ

     アガサ・クリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で発表した『春にして君を離れ(Absent in the Spring)』は、彼女の作家人生のなかでも特に内省的で、個人的色彩の濃い作品である。1944年の刊行当時、クリスティーは第二次世界大戦下という不安定な時代の只中にあり、50歳を超えて人生の折り返し地点を迎えていた。当時クリスティーはすでに「ミステリの女王」としての地位を確立していたが、その一方で、プライベートでは二度目の結婚生活を送りながら、自身の女性としての在り方や人間関係について内省的な時間を過ごしていた。
     物語は、旅の途中で孤立を強いられた中年女性ジョーンが、ふとした空白の時

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    2025年06月04日
  • 火曜クラブ

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    ミスマープルは、児童書版で読んで以来だから30年ぶり?もっとか?
    短編集なんだけど、短編集だからか、意外と一話一話がしっかりと描かれていて、しかも、あっさり解決されていく様子が痛快。
    こんな風に迷宮入りの事件について語り合えるクラブ作れたら楽しいだろうなぁ。

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    2025年05月23日
  • ビッグ4

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    ストーリー進行はいつもと少し違うなという印象。
    アガサの物事への見方、考え方がいつもよりも表現されてない印象もあった。
    それでも、こうなるのでは?と思いつつ読み進めてやはり騙されたりして。笑
    読者を騙す天才、今作も面白かったです。

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    2025年03月28日
  • ビッグ4

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    ヘイスティングの視点から物語が始まりましたが、ポアロを助けようとして敵の懐に潜り込んだり、ポアロの自惚れの強いセリフを聞いてイライラしたり、とても人間味があふれていました。

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    2025年01月07日
  • 春にして君を離れ

    A

    購入済み

    結末は、これで良かったのかもしれないね。
    過去は変えられないし。
    登場人物全員がまるで実在の人物かのように思えてくる。
    それだけでも読む価値があると思いました。
    若い人に読んでほしい本ですね。ピントこないかもしれないけどね。
    それにしても、クリスティは人物描写が巧みだね。

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    2024年11月20日
  • 春にして君を離れ

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     第二次世界大戦前夜のヨーロッパ。「善良」で折目正しい人生を送ってきたイギリス夫人が、乗り継ぎの悪さで足止めを受けている間に、知らず知らず、回想する自分と家族の人生。
     家族に「正しさ」を押し付けており、それが客観的には間違っていないかもしれないが、家族の心と人生を歪めていく。しかも、自分も家族も、互いに相手に向き合わず、目を背けて、上辺は平和に生きている。
     自分に正直に生きる人々と、自分を偽って生きる主人公たちとの対比も、極端過ぎるほど鮮やかで、どっちが幸せなのかわからない。

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    2025年12月07日
  • ビッグ4

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    ポアロの冒険劇と言った感じで、他の話と雰囲気は違うがヘイスティングスとの友情やほんの少し垣間見えるポアロの恋や家族の話があって面白かった。
    語り部ヘイスティングスの思った以上の活躍と名探偵の行方についてハラハラさせられた。

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    2024年10月26日
  • ビッグ4

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    ドラマとぜーんぜん違う!!!!
    スケールがどんどん大きくなっていくのアガサ!待って!待って!となったけど、のめり込んでいくのさすがの手腕。
    ヘイスティングスはめちゃくちゃ気絶する。

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    2024年10月20日
  • 娘は娘

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    ネタバレ

    クリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で書いた一冊。この作品群はとにかく登場人物の内面が他作品以上に深く描かれているのが特徴。
    夫に先立たれたアンは、娘のセアラに無償の愛を注いでいた。あるとき、セアラが三週間のスイス旅行に出掛けている間にアンは自分と同じく配偶者に先立たれた悲しみを背負って生きるリチャードと出会い、たちまち恋に落ちる。しかしスイスから帰ってきたセアラはリチャードを毛嫌いし、二人の結婚を認めようとしない。リチャードはリチャードで、そんな態度を取る近い将来継娘になるはずのセアラを拒絶する。
    母親には女性としての幸せを求めることは許されないのかと苦悩するアン、突然現れた継父に「お

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    2024年11月06日
  • 火曜クラブ

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    目次
    ・火曜クラブ
    ・アスタルテの祠
    ・金塊事件
    ・舗道の血痕
    ・動機対機会
    ・聖ペテロの指のあと
    ・青いゼラニウム
    ・二人の老嬢
    ・四人の容疑者
    ・クリスマスの悲劇
    ・毒草
    ・バンガロー事件
    ・溺死

    アンソロジーなどで何編か読んだことはあるはずのミス・マープルシリーズ。
    実はきちんと読んだのは初めてです。
    思った以上に短い作品ばかりで、推理をするというよりも人々の意見を聞いているうちに正解に流れ着いちゃった、という感じ。
    長編と比べたら、必ずしも論理的ではないけれども、ミス・マープルの言葉には説得力がある。

    しかし、これほどバラエティに富んだ殺人事件と同じ構造の事件が起きているのだとした

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    2024年08月02日
  • 愛の重さ

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    ネタバレ

    主に三人の人物を中心として物語は進展していく。
    ①ローラ
    両親の愛を一身に受ける兄。その兄が死ぬと、悲しみの中にありながらローラは密かに両親の愛が自分に向くのではと期待する。しかし今度は、生まれたばかりの妹シャーリーが愛を独占することに。ローラはシャーリーの死を願うようになるが、ある時火事からシャーリーを守ったことをきっかけに、ローラはそれまでとは打って変わってシャーリーを心から愛するようになる。それは独占欲とも執着ともとれるものだった。成長したシャーリーと恋仲になったヘンリーのことをよく思わないローラは、二人の結婚に反対する。
    ②シャーリー
    ローラを説得してヘンリーと結婚するものの、定職につ

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    2024年07月27日
  • 娘は娘

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    【ノンシリーズ】
    シングルマザーのアンは人生の全てを注いで一人娘を育てきた。しかしアンの再婚問題を機に母と娘の関係が変わってくる…。

    「母親の目線」で読むか、「娘の目線」で読むかによって思う事も変わってくる。
    自分も娘がいる母親だし、かつては娘だった時代もあるので、両方の気持ちがよくわかるので面白い。

    再婚を決めた男性のことをどう思うか?
    娘が好きな男性を親として許せるかどうか?
    この2点は読者それぞれの価値観によって違うと思う。

    古い友達と長年仕えるメイド、この2人の頼れる老女が精神安定剤みたいで安心する。

    クリスティー自身もこの作品と同じように、娘がいて14歳も年下の男性と再婚して

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    2024年07月27日
  • 火曜クラブ

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    本作は、ミス・マープル初登場のタイトル作を含む13の短篇集。これらは、1927年から雑誌連載していた6篇に、他の短篇を追加して1932年に発刊されたもの。作品の初出としては、1930年発刊の長篇『牧師館の殺人』より先になります。

    そんな事情もあってか、前半6篇より追加された後半は尻上がりに面白くなって行きます。犯人当ても前半の『アスタルテの祠』『金塊事件』『動機対機会』は、犯人を当てることができましたが、後半は惨敗。マープルというキャラを、著者が次第にものにしていってる感じがしました。
    最初はただの田舎のおばさんだったミス・マープルが、人生経験から推理して発言し、次第に周りの人達の信頼を得て

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    2024年07月10日
  • 暗い抱擁

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    ネタバレ

    お世辞にも見た目が良いとは言えないが、天性の人たらしで自分の魅力をアピールする能力に長けたゲイブリエル。障害のために日頃腫れ物のように扱われるヒューに対しても一切気を遣わないゲイブリエルのあけすけなところに、ヒューはある種の感銘を受ける。人当たりのいいゲイブリエルがヒューの前でだけ仮面を脱ぎ、虚勢の下に隠された劣等感や弱みを曝け出す。ヒューの立場から彼を見るからこそ、読み手もゲイブリエルのコンプレックスと裏腹の虚勢を垣間見て彼の人間くささを感じ取ることができる。
    ゲイブリエルとイザベラのどこまでも暗い逃避行。取り澄ました(とゲイブリエルが思い込んでいる)イザベラにどうしようもない劣等感を刺激さ

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    2024年07月04日
  • 娘は娘

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    ネタバレ

    これはまた、『春にして君を離れ』とは違う意味で痛い本でした。
    何事もなければ胸を張って言えるのですよ、「自分のことより子どもが大事」。
    でも、つかず離れずを装っていながら、実は互いに相手の存在に頼っていた母と娘のどちらかが、違う世界に踏み出そうとしたとき、自分のもとに引き留めようとしたくなるのは自然な流れ。
    だけどお互いに自覚がないから、自分のためではなく娘(母)のために、何かをしてあげている気になっている。
    寂しさや絶望をその瞳に浮かべている相手のことなんて、見もしない。

    ”家の整頓、使い走り、(中略)そうしたこまごまとした用事をアンは当然のことのように忠実に果たした。娘は両親に仕えるため

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    2024年05月28日
  • ビッグ4

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    展開早くて面白くて1日で読んでしまった!他のポアロシリーズとは違うテイスト。ポアロがお金も時間もプライドもかけて挑んでるのが新鮮だった。
    ヘイスティングズと再会して、ポアロ凄く嬉しそうだった笑(私も嬉しい)ヘイスティングズ、例の彼女と結婚してたー!

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    2024年05月23日