中村妙子のレビュー一覧
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おそらくは世界で一番有名なミステリ作家、アガサ・クリスティ。彼女のノン・ミステリ作品で、しかも彼女の書いた物語の中で1、2を争う傑作であるという下馬評はずっと前から知っていた。ずっと手に取らなかったのは、クリスティのミステリ以外の部分、ちょっと気取ったような繊細な心理的なやりとりの部分が面倒だったからだ。ただ、最近クリスティのミステリを読むと、そういう部分が少しおもしろく感じられて(大人になったのかもしれない)、よし!とおもむろに手に取ったのである。
最初は少し退屈だった。何よりも主人公の語り口調というかキャラクターが妙に鼻について、「ああ、嫌いな方のクリスティだな」と思った。が、読み進 -
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何もかもに恵まれ、妻として母として人間として素晴らしい人生を送ってきた…と自分では思っている主人公のジョーン・スカダモア。
第二次世界大戦前のイギリスで何不自由なく暮らしていたが、家族に多少の不満は持っていた。
バグダッドで暮らす末娘家族を助けるために出かけた帰り、鉄道の不通で数日間一人の時間を過ごす。
いつも忙しく生活を送っていた彼女が自分や家族を顧みた時、ある事に気付かされる。
自分の至らなさに気付き、帰宅してすぐに夫に謝ろうとしたものの、帰宅した時にはその思いは消えていた。
何もかも自分が正しく、周りの人を正さなければ、と思うタイプの人ジョーン。
なぜ周りの人はそれを指摘しないのだろう? -
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ネタバレアガサ・クリスティの短編集。
夢の家
崖っぷち
クリスマスの冒険
孤独な神さま
マン島の黄金
壁の中
バグダッドの大櫃の謎
光が消えぬかぎり
クィン氏のティー・セット
白木蓮の花
愛犬の死
「夢の家」
ミステリーというよりサスペンス。人が狂っていく様が静かに描写されていて普通に怖い。
「名演技」
過去を知るならず者に脅されると気づいた女優、一世一代の名演技。彼女の代役も死体役とはいえ、なかなかの名優ではなかろうか。
「崖っぷち」
一線を踏み越えたのはまさかのクレアだった…!?ヴィヴィアンだと思ったのに。いや、ヴィヴィアンも楽しげに崖を飛んだ時点で一線を踏み越えてはいるのか。
「クリスマ -
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ネタバレアガサ・クリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で発表した『春にして君を離れ(Absent in the Spring)』は、彼女の作家人生のなかでも特に内省的で、個人的色彩の濃い作品である。1944年の刊行当時、クリスティーは第二次世界大戦下という不安定な時代の只中にあり、50歳を超えて人生の折り返し地点を迎えていた。当時クリスティーはすでに「ミステリの女王」としての地位を確立していたが、その一方で、プライベートでは二度目の結婚生活を送りながら、自身の女性としての在り方や人間関係について内省的な時間を過ごしていた。
物語は、旅の途中で孤立を強いられた中年女性ジョーンが、ふとした空白の時 -
購入済み
結末は、これで良かったのかもしれないね。
過去は変えられないし。
登場人物全員がまるで実在の人物かのように思えてくる。
それだけでも読む価値があると思いました。
若い人に読んでほしい本ですね。ピントこないかもしれないけどね。
それにしても、クリスティは人物描写が巧みだね。 -
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ネタバレクリスティーがメアリ・ウェストマコット名義で書いた一冊。この作品群はとにかく登場人物の内面が他作品以上に深く描かれているのが特徴。
夫に先立たれたアンは、娘のセアラに無償の愛を注いでいた。あるとき、セアラが三週間のスイス旅行に出掛けている間にアンは自分と同じく配偶者に先立たれた悲しみを背負って生きるリチャードと出会い、たちまち恋に落ちる。しかしスイスから帰ってきたセアラはリチャードを毛嫌いし、二人の結婚を認めようとしない。リチャードはリチャードで、そんな態度を取る近い将来継娘になるはずのセアラを拒絶する。
母親には女性としての幸せを求めることは許されないのかと苦悩するアン、突然現れた継父に「お -
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目次
・火曜クラブ
・アスタルテの祠
・金塊事件
・舗道の血痕
・動機対機会
・聖ペテロの指のあと
・青いゼラニウム
・二人の老嬢
・四人の容疑者
・クリスマスの悲劇
・毒草
・バンガロー事件
・溺死
アンソロジーなどで何編か読んだことはあるはずのミス・マープルシリーズ。
実はきちんと読んだのは初めてです。
思った以上に短い作品ばかりで、推理をするというよりも人々の意見を聞いているうちに正解に流れ着いちゃった、という感じ。
長編と比べたら、必ずしも論理的ではないけれども、ミス・マープルの言葉には説得力がある。
しかし、これほどバラエティに富んだ殺人事件と同じ構造の事件が起きているのだとした