中村妙子のレビュー一覧

  • 火曜クラブ

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    『鏡は横にひび割れて』が面白かったので、ミス・マープルものを再読。audibleで聴き始め、途中からさくさく読みたくなって手元の本を読むことに。
    弁護士?牧師?辺りの人は全然印象に残らないんだけども、元警視総監がミス・マープルを高く評価して友人の家で夕食に招待するよう勧めたのがなんかいいなと思ったり、その家の奥さんの話が面白かったりしたのは覚えていたし、読み返しても面白かった。女優のまだ起こっていない事件の話と溺死の話がミス・マープルらしさ全開という感じでいい。

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    2026年06月10日
  • 春にして君を離れ

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    『春にして君を離れ』を読み終えてまず感じたのは、これはミステリーではなく、人間の自己認識を描いた物語だということだった。アガサ・クリスティーと聞くと、どうしても殺人事件や巧妙なトリックを期待してしまう。しかし本作には探偵もいなければ本格的な謎解きもない。それにもかかわらず、読み終えたあとに残る衝撃は非常に大きく、人間という存在の怖さをここまで静かに描いた作品があるのかと驚かされた。

    主人公のジョーン・スカダモアは、世間から見れば理想的な人生を歩んできた女性だ。弁護士の夫を持ち、子どもにも恵まれ、自分自身も善良で常識的な人間だと信じている。物語の序盤では読者も自然とその認識を共有する。しかし旅

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    2026年06月08日
  • 春にして君を離れ

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    面白いし、後からじわじわ色々考えさせられる。
    読んだ後にどんな話だったかすぐに忘れてしまう作品も多いが、この本のテーマはずっと覚えているだろうと思った。

    3人の子供を立派に育て、弁護士の夫に愛され、中年を過ぎてもまだ若々しく美しい容姿を保ち、自信満々の主人公「ジェーン」の一人称視点で、ほとんどの物語が語られる。

    娘の見舞いのための一人旅の帰り道、砂漠で数日間立ち往生することになり、そこで自分の人生を顧みる時間を得たジェーンのお話。
    自分は本当に夫に愛されてきたのか?、自分は夫の事も子供の事も本当は何も理解していなかったのではないか?という思考に引き釣り込まれていく。

    誰もが自分を守るため

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    2026年05月25日
  • 春にして君を離れ

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    ネタバレ

    「私は完璧な妻であり母」自認の主人公が、ある事情で自分の過去をつぶさに振り返り「自分は最低な妻、母、友人だった」となっていく作品。
    ほぼ主人公の一人芝居であるにも関わらず内容は非常に面白いし、先が気になってどんどん読んでしまうにも関わらず、とにかく疲れる作品でした…

    主人公は(おそらく意図的に)かなりの性悪女として描かれていて、自分もそんなに性格が良くないと自認している私でもさすがに彼女のことを擁護はできない。…けれど、この世界に他人への加害性が全くない人間はいないので、大なり小なりどんな人にも刺さる部分があるのではないかなと思う。私も所々「ゔ……ごめんなさい……」となりながら読んだ。
    それ

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    2026年05月23日
  • 春にして君を離れ

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    幸せな家庭を築けたと信じる中年主婦が、旅を通じて自分を見つめ直し思考していく物語。さすがのクリスティで読みやすさ抜群、冒頭からの展開も面白く、若い頃ではなく主人公と同年代の今、読めて良かったです。人生は何が大事なのか、人生に正解はないのか、考えさせられます。

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    2026年05月10日
  • ビッグ4

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    ネタバレ

    今までで一番の強敵、ビッグ4を前にあのポアロが何度も出し抜かれる場面が続きヒヤヒヤした。しかし最終的にその頭脳でビッグ4を欺き見事彼らに打ち勝った時の爽快感が凄かった。
    映画版のポアロで、ポアロの口ひげの下の傷が意味ありげに映し出されるシーンがあって、その時は過去に何かあったのかな?と思っていたのだが今作でビッグ4との戦いの結果の勲章のような傷だと知れて良かった。
    映画を見た時よりポアロに詳しくなったのでまた見返して、ファンサービスのシーンを楽しみたいなと思った。

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    2026年04月19日
  • 火曜クラブ

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    ネタバレ

    13編の短編集

    各々が、真相を知る事件について語り、話を聞いた人たちで推理をし、真相を当てる火曜クラブ。

    参加者は、警視総監や弁護士、牧師に医師に作家に画家と、人の行動や心理に詳しい職業。
    それでもみんなが真相の解明に苦戦する中、ミス・マープルは淑女らしく慎み深く全てを明らかにしていく。
    編み物の目を数えながら、セント・メアリ・ミードの誰かを思い出しながら。

    マープルの鋭い目の付け所と、鮮やかな解決が爽快なのと、マープルの甥のレイモンドへの温かくも甥っ子には少し耳が痛い指摘がなんとも微笑ましい。

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    2026年04月06日
  • 火曜クラブ

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    少し駆け足で読んでしまった感は否めないですが、どれもおもしろくとても印象的でした。
    個人的には『バンガロー事件』と『溺死』こそマープルなんじゃないかなぁと勝手に納得してしまったかもしれません。
    ただただあの観察力と洞察力…もとい思考が欲しいと思っちゃいます。

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    2026年03月29日
  • ビッグ4

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    クリスティー文庫を1から読む企画の第4巻め。

    国際犯罪組織ビッグ4とポアロの対決。
    これまでとは違う雰囲気のハラハラ展開で楽しめた。
    たくさん出てくる登場人物といろいろな場面展開が、最初は意外な感じがしたけれど、今観ている「ダウントンアビー」の時代と重なって映像が浮かんできたり、作中に出てくる「日本の大地震」は昔聞いた父が体験した地震(年代的におそらく)かもとわかったり、違う部分でも楽しめた。

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    2026年02月13日
  • 未完の肖像

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    素晴らしかった!
    クリスティのウエスト・マコット名義で書いた本を読んでいる。これもまた恋愛、家族について考えさせられる。

    死を選びそうな女性(主人公)が、出会った人にこれまでの人生を夜通し話すというスタイルで、幼少期の話から始まる。そこは正直読んでいて少しダルい感じもしてしまうのだが、主人公が内気な妄想好きの少女だった、ということがわかる。少女が大人になって、恋愛話が出てくると、一気に面白くなってくる!いろんな人から救愛されるのだけど、ちょっとでも違和感を感じると、彼女は流されず、断る。きちんと自分の好きな人を結婚相手として選ぶことができた。はずなのだが、ずっと続くと思われた結婚関係が、相手

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    2026年02月01日
  • ビッグ4

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    ネタバレ

    まだあまり多くは読めていないけれど、他のポアロ作品とは少し毛色が違う気がしました。やっぱりヘイスティングズが語り手の方が面白いなと、「アクロイド殺し」を読んだ後だからか、そう感じました。安心して読める。

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    2026年01月07日
  • ビッグ4

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    個人的には面白かった。最初の方は騙された。
    ミステリー要素というかアクション寄りだがストーリーとしては面白かった

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    2026年01月01日
  • 暗い抱擁

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    ネタバレ

    その人生を幸福と呼ぶか。

    ヒュー・ノリーズの元にゲイブリエルが死にそうだと報せが来る。ノリーズはゲイブリエルを憎んでいた。イザベラを死なせたゲイブリエルを。ノリーズの語るゲイブリエルの物語。

    一気に読ませる。メアリ・ウェストマコット名義の作品なのでいわゆるミステリではない。しかし最後に明かされる真相に向かって進み、最後の打撃に痺れるという点では実によくできたミステリ的。

    軽薄で自己宣伝的な醜男ゲイブリエル。彼の根底に流れる高貴なものへの歪んだ感情。生まれながらに貴族というのが日本には(一応)ないので、ここら辺の大英帝国的な価値観を完璧に理解はできないけど、なんとなく感覚的にはわかる。自分

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    2025年12月23日
  • 火曜クラブ

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    個人的にクリスティ作品の魅力といえば、
    個性豊かかつ人間味のある登場人物(事件の容疑者)たち、
    膨大な情報の中にミスリードと本当のヒントとを潜り込ませる巧みさ、
    そしてミスリードの要素すら拾い上げ本筋とは別のストーリーに昇華させる組み立ての巧さ、
    あたりが大きいのだが今回は短編集という性質上どうしてもそれらを感じづらかったというのが正直な印象。
    短いページ数で語らなければいけないので人物描写にそこまで割けず、ミスリードを入れる隙がないのでヒントが分かりやすく浮き彫りになっており、長編では毎回予想外の真相に驚かされていたのに、今回は途中でなんとなく分かってしまうことが多かった。

    というのは各話

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    2025年12月02日
  • 未完の肖像

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    外に出たい、未知の世界に触れたい、でも妻であり母である女性にとってそれは抑え続けるべき欲望。そして母と娘の微妙な関係。アガサ・クリスティのさすがのストーリーテリング。

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    2025年11月26日
  • 火曜クラブ

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    「ミス・マープルと13の謎【新訳版】」 (創元推理文庫)のハヤカワ文庫版。ちなみにこっちの方が出版が早い。でも私は先に創元推理文庫版で読んだ、のだが気が付かなかった。
    どこかで読んだことある気がするなぁって思ったんだよなぁ…笑

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    2025年11月11日
  • 火曜クラブ

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    マープルのすごさがつまってる。ただのうわさ話好きのおばあちゃんではない、人間観察のプロというか驚くべき知性というか。ポアロも大好きだけど、それぞれ別の人間観察における知性というか。クリスティがマープルがお気に入りだったのも納得。

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    2025年09月27日
  • 火曜クラブ

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    はっきりした証拠がない推理も結構多くて、これ確証ないけどいいの?のとは思ったけど、人間観察から推理するっていうのは面白かった!

    時代の違い、台詞が長い、覚えにくい人名、脇道にそれる話題…などがちょっと読みにくかったけど、筋書きやトリックはシンプルでわかりやすい。
    短編集なので、いろんな事件が楽しめてよかった。

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    2025年09月11日
  • 火曜クラブ

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    ミス・マープルの短編初登場作品。13編の作品からなるが、どれも最後にミス・マープルがあっと言わせてくれる。後年の長編に比べると、中にはやや強引な展開もあるように感じるが、楽しめる。

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    2025年08月14日
  • 春にして君を離れ

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    ジョーンは娘の看病帰りに女学校時代の古き友人と出会い、その友人の落ちぶれた姿に愕然とする。
    それと同時に自分の人生は良き家族に恵まれたと優越感に浸る。
    だが果たして【良き家族】だったのだろうか?
    遠征途中で足止めを受けることになり、砂漠の真ん中で1人過ごす日々。
    その時に自分の人生を振り返り、家族のことを考え、そして後悔する。
    自分のものさしで価値観を押し付け、家族の気持ちを考えなかったこと。ハッとする。子供達が頼るのは良き母親の自分ではなく父親だったこと。

    優しい夫。優しさではなく諦めたということなのかと思うとゾッとする。
    違和感はいつもあった。だがこの正体に気づけないと孤独が待ち受けるこ

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    2026年05月17日