中村妙子のレビュー一覧
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アガサ・クリスティの著作を初めて読んだ。
何だろう、主人公のジョーンは平凡な主婦だが、彼女だけが悪いとはとても思えない。最後は、ああそっちにいってしまうんだ、と思ったが妙なリアリティある結末でもあった。
哀しいというか、やるせない。ジョーンはジョーンなりに夫や子どもたちを愛しているのに。ジョーンの現実的な決断や母親らしい役割もある意味必要なことだと思うし、やり方は間違っていたかもしれないが、糾弾する気にはとてもなれない。
自分がよかれと思ってした選択や決断も相手にとっては本当は嫌で、とっくに見限られているのでは?と読みながら自分自身にも突きつけられてくるようだった。
結局、人は他人の心の内 -
Posted by ブクログ
素晴らしかった!
クリスティのウエスト・マコット名義で書いた本を読んでいる。これもまた恋愛、家族について考えさせられる。
死を選びそうな女性(主人公)が、出会った人にこれまでの人生を夜通し話すというスタイルで、幼少期の話から始まる。そこは正直読んでいて少しダルい感じもしてしまうのだが、主人公が内気な妄想好きの少女だった、ということがわかる。少女が大人になって、恋愛話が出てくると、一気に面白くなってくる!いろんな人から救愛されるのだけど、ちょっとでも違和感を感じると、彼女は流されず、断る。きちんと自分の好きな人を結婚相手として選ぶことができた。はずなのだが、ずっと続くと思われた結婚関係が、相手 -
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ネタバレその人生を幸福と呼ぶか。
ヒュー・ノリーズの元にゲイブリエルが死にそうだと報せが来る。ノリーズはゲイブリエルを憎んでいた。イザベラを死なせたゲイブリエルを。ノリーズの語るゲイブリエルの物語。
一気に読ませる。メアリ・ウェストマコット名義の作品なのでいわゆるミステリではない。しかし最後に明かされる真相に向かって進み、最後の打撃に痺れるという点では実によくできたミステリ的。
軽薄で自己宣伝的な醜男ゲイブリエル。彼の根底に流れる高貴なものへの歪んだ感情。生まれながらに貴族というのが日本には(一応)ないので、ここら辺の大英帝国的な価値観を完璧に理解はできないけど、なんとなく感覚的にはわかる。自分 -
Posted by ブクログ
個人的にクリスティ作品の魅力といえば、
個性豊かかつ人間味のある登場人物(事件の容疑者)たち、
膨大な情報の中にミスリードと本当のヒントとを潜り込ませる巧みさ、
そしてミスリードの要素すら拾い上げ本筋とは別のストーリーに昇華させる組み立ての巧さ、
あたりが大きいのだが今回は短編集という性質上どうしてもそれらを感じづらかったというのが正直な印象。
短いページ数で語らなければいけないので人物描写にそこまで割けず、ミスリードを入れる隙がないのでヒントが分かりやすく浮き彫りになっており、長編では毎回予想外の真相に驚かされていたのに、今回は途中でなんとなく分かってしまうことが多かった。
というのは各話