中村妙子のレビュー一覧
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<あらすじ>
イギリスに住むジョーン。末娘が体調を壊したというので、嫁ぎ先のバグダッドへ。そこから帰る道中のジョーンの一人語り。思いがけず、帰る汽車が遅れ立ち止まりをくらう。そこであらゆることに思い沈むお話。なあなあな夫婦関係。家族関係の行く果ては……。
<ゾッとしたところ>
p309から始まる娘バーバラから父ロドニーへの手紙
このような会話が今までも家族間でなされていたのかと思うと、ゾッとする
<ジョーンの自己発見までの過程>
p22 ブランチの墜落ぶりこそ、まさに第一級の悲劇だ。
p57 わたしがあのとき賢く、上手に事をおさめたから、いいようなものの……
p71 「まさか、バーバラに -
Posted by ブクログ
10年くらい積んでいて、しかもダブって買っていて2冊も持っていたこの本。
何度も冒頭で挫折していたのだが、今回読み始めたら驚くほどサクサク読めた。たぶん自分の年齢が主人公に近づいてきたからで、気づかぬうちに自分も己の人生に迷ったり悩んだり怖がったりするようになったからかもしれない。
ジョーンの言動に苛立ちながら読んでいたけど、知らず知らずのうちに自分でもやっちゃってるかもな…と心配になった。
あと、ロドニーは良い人だけどこの人も結構ずるい人間だよなと思った。
お互いに嫌なことに目をつぶって老いていくのは昔も今も変わらないところか…。
人間って愚かで儚いなぁ。 -
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素晴らしかった!
クリスティのウエスト・マコット名義で書いた本を読んでいる。これもまた恋愛、家族について考えさせられる。
死を選びそうな女性(主人公)が、出会った人にこれまでの人生を夜通し話すというスタイルで、幼少期の話から始まる。そこは正直読んでいて少しダルい感じもしてしまうのだが、主人公が内気な妄想好きの少女だった、ということがわかる。少女が大人になって、恋愛話が出てくると、一気に面白くなってくる!いろんな人から救愛されるのだけど、ちょっとでも違和感を感じると、彼女は流されず、断る。きちんと自分の好きな人を結婚相手として選ぶことができた。はずなのだが、ずっと続くと思われた結婚関係が、相手 -
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ネタバレその人生を幸福と呼ぶか。
ヒュー・ノリーズの元にゲイブリエルが死にそうだと報せが来る。ノリーズはゲイブリエルを憎んでいた。イザベラを死なせたゲイブリエルを。ノリーズの語るゲイブリエルの物語。
一気に読ませる。メアリ・ウェストマコット名義の作品なのでいわゆるミステリではない。しかし最後に明かされる真相に向かって進み、最後の打撃に痺れるという点では実によくできたミステリ的。
軽薄で自己宣伝的な醜男ゲイブリエル。彼の根底に流れる高貴なものへの歪んだ感情。生まれながらに貴族というのが日本には(一応)ないので、ここら辺の大英帝国的な価値観を完璧に理解はできないけど、なんとなく感覚的にはわかる。自分 -
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個人的にクリスティ作品の魅力といえば、
個性豊かかつ人間味のある登場人物(事件の容疑者)たち、
膨大な情報の中にミスリードと本当のヒントとを潜り込ませる巧みさ、
そしてミスリードの要素すら拾い上げ本筋とは別のストーリーに昇華させる組み立ての巧さ、
あたりが大きいのだが今回は短編集という性質上どうしてもそれらを感じづらかったというのが正直な印象。
短いページ数で語らなければいけないので人物描写にそこまで割けず、ミスリードを入れる隙がないのでヒントが分かりやすく浮き彫りになっており、長編では毎回予想外の真相に驚かされていたのに、今回は途中でなんとなく分かってしまうことが多かった。
というのは各話 -
Posted by ブクログ
ジョーンは娘の看病帰りに女学校時代の古き友人と出会い、その友人の落ちぶれた姿に愕然とする。
それと同時に自分の人生は良き家族に恵まれたと優越感に浸る。
だが果たして【良き家族】だったのだろうか?
遠征途中で足止めを受けることになり、砂漠の真ん中で1人過ごす日々。
その時に自分の人生を振り返り、家族のことを考え、そして後悔する。
自分のものさしで価値観を押し付け、家族の気持ちを考えなかったこと。ハッとする。子供達が頼るのは良き母親の自分ではなく父親だったこと。
優しい夫。優しさではなく諦めたということなのかと思うとゾッとする。
違和感はいつもあった。だがこの正体に気づけないと孤独が待ち受けるこ