中村妙子のレビュー一覧

  • 暗い抱擁
    いやー、すごい。今更だがすごい。さすがクリスティー、さすが女王、と言うしかない。

    まず人物の造型がもう。。。テレサ、カッコいい。287ページからのレディー・セント・ルー、カッコいい。ヒューっと口笛を吹きたくなる。

    深みある警句の数々、過不足なく拾いあげられた人生の断片から立ちのぼってくる”愛とは...続きを読む
  • マン島の黄金
    大好きなクリスティの短編集、さらっと読み進めてしまうにはもったいなく感じ、ひとつひとつ大事に読みました。「崖っぷち」「名演技」の話しのテンポやキレの良さには感服。また、クリスティのロマンスをこの本で初めて読んだんですが「孤独な神さま」のような内容は‎オドレイ・トトゥにでも演じて映画としても観てみたい...続きを読む
  • 火曜クラブ
    セン・メアリ・ミードに住んでいるおばあさんのミス・マープル。このおばあさんが、事件の現場を見ずに、人が話をするのを聞いて事件を解決する。13の事件について見事な推理というか、あたかも見てきたかのように真相を暴いていく。彼女の手腕は見事としか言いようがなく、謎が解けた時にはものすごい爽快感がある。靄に...続きを読む
  • 火曜クラブ
    マープルさんが出てくる2作目の作品らしい。
    マープルさんの推理力に
    周りの人たちがびっくりする様子がとても面白い!
    この人バカにすんなよ!?
    すげーんだぞ!って思いながら読んでたらやっぱり最後には凄さを見せつけてくれるのでなんか
    ほれみろって思いました。

    最後の話が一番面白かったです!
    個人的には...続きを読む
  • 愛の旋律
    アガサ・クリスティが別名義で発表した、ミステリではない小説。
    クリスティの人生に波乱が起きた後に書かれた長編で、ドラマチックで面白い。
    渾身の出来に、さまざまな思いが浮かびます。

    原題は「巨人の糧」で、天才はすべてを捧げつくすといった意味合いが主で、さらに二重の意味も‥
    オペラ劇場で画期的な新作「...続きを読む
  • ブラック・コーヒー〔小説版〕
    ポワロシリーズ。戯曲として作られたものの小説版である。舞台は科学者の屋敷読書室のみで、ポワロがヘイスティングズと一緒に解決していく話だ。ジャップ警部も出てくる馴染みのキャストで楽しんだ。毎度ながら、最後まで犯人が推測出来ないストーリーで満足度あり。
  • 愛の重さ
    メアリ・ウェストマコット名義の作品で一番最後にかかれた作品らしいですね。
    人にとっての幸せは
    他人から見て幸せかどうかでは計り知れないものですよね。
    ローラは頭のいい人でした、自分を戒めて愛を抑えていたと思うのです。
    愛するあまり、人に気を使いすぎるあまり何を相手がほっしているのかわからなくなること...続きを読む
  • 娘は娘
    ローラが!ローラが!かっこいいっ!!
    んー、なんとも言えないこの家族関係。
    ぼくも、自分の親子関係と照らし合わせて読んでいました。
    この親子がしていることを普段何気なくしている人っていますよね、ぼくはわざとすることがありますが。
  • 未完の肖像
    メアリ・ウェストマコット名で書かれた小説は、どれも面白い。
    アガサクリスティの本を数十冊読んだ後で、同じ作者だということを知っていて読んでいるからかもしれない。
    特に、アガサクリスティの自叙伝を読み、アガサクリスティの一生を知ってから、メアリウェストマコット作の作品を読むと、どれもアガサクリステ...続きを読む
  • 娘は娘
    アガサクリスティの3つの面がみごとに3人の女性として描かれているように思われる。

    まず、未亡人の母親。
    再婚をめぐる心の葛藤。
    死別ではない、アガサクリスティからは、一番遠い性格のように見受けられる。

    未亡人の母親の娘。
    わがままだけど、反面大人びた考えの持ち主。
    最後は、幸せを選択...続きを読む
  • バグダッドの秘密
    アガサクリスティの楽しみ方は
    1 イギリス文化に馴染む。紅茶、朝食、昼食、夕食など。
      鉄道の利用、新聞の読み方、新聞への広告の出し方など。

    2 中近東、南アフリカ、オーストラリア、アメリカなど旧植民地の文化に馴染む。
      アガサクリスティ自体が行ったことがある地方の描写は、すごく立体的...続きを読む
  • 愛の重さ
    愛を一手に独占する赤ん坊の妹に対して、死んじゃわないかと思った姉。
    それでも、火事のときに、夢中で助け出そうとした人間性。

    人間の性格はなかなか直せないが、
    愛されることによって変わるかもしれないという望みは残った。

    愛するときの重さと、愛されるときの重さの、性格が違うことが分った。
    ...続きを読む
  • 愛の旋律
    アガサクリスティではなく、メアリウェストマコット名の作品。

    英語の題名はGiant's Bread「巨人の糧」。

    幼馴染と男女の友情、従姉妹兄弟と叔母・叔父。
    母親と父親。戦争と平和。
    イギリスとドイツ。ユダヤ人とロシア。
    音楽と美術。ピアノとオペラ。
    相対する様々な関係が織り成す物...続きを読む
  • 暗い抱擁
    探偵ものでないので、なぜだろうと思いながら読み終わって、
    解説を読んでわかりました。「アガサクリスティ」の作品でないことを。

    「メアリ・ウェストマコット」の第4作とのこと。
    The Rose and the yaw tree.
    というのが原作名とのこと。
    内容からすると、こちらの方がピン...続きを読む
  • マン島の黄金
    「愛の旋律」の解説で、もとい、訳者の「アガサクリスティとウェストマコット」という訳者あとがきで、本書の「壁のなか」が、愛の旋律の登場人物と対比して考えることができるとの示唆があった。

    アラン、その妻イザベルとジェーンが、
    愛の旋律のヴァーノン、ジェーン、ネル、との関係との比較だ。

    愛の旋律...続きを読む
  • アクナーテン
    解説にもあるが、アガサクリスティのエジプト好きの成果だと思う。
    他の作品ほど、人の間の心理の妙については、表現されていないようだが、
    アガサクリスティの人間に対する考え方は表現しているだろう。

    エジプト史は詳しくないので、どこまでが史実で、どこからが創作かは分からない。
    王政、宗教、戦争な...続きを読む
  • 黄色いアイリス
    アガサクリスティの短編集は、マープル、ポアロがときどき出てくる。
    できれば、マープル、ポアロが出てくる短編は、それぞれにまとめてもらえると嬉しい。

    どうして、こういった構成でまとめられているのかが分かりにくかった。

    長編でも、最後がなんとなく足早だと感じる作品があるが、
    短編だと、より足...続きを読む
  • ブラック・コーヒー〔小説版〕
    小説版ってどういう意味かわからずに購入してしまいました。
    ブラックコーヒーは、最初は戯曲としてかかれたということを知りました。
    表紙に著者の名前を掲載しないのは、ひどいと思いました。

    本の中には、チャールズオズボーン小説化と書かれているので、
    表紙にも掲示すべきだと思います。

    そんな不...続きを読む
  • 愛の旋律
    ちょいと前に読み終わっていたけれど、その衝撃はいまだ冷めやらず。
    天才とは恐ろしいものだ。
    才能はその人自身だけでなく、周りも食い尽くさずにはいられない。
    なにもかも全てが才能の奴隷や生贄になってしまう。
    しかし、そんな物語を戦慄する思いで読みつつ、どうしようもなく惹きつけられた結果、ボリュームがあ...続きを読む
  • アクナーテン
    小説ではなく戯曲です。
    アメンヘテプ三世との共同統治から
    軍人ホルエムヘブとの出会い、ネフェルティティとの愛、
    新しい都の建築、宗教改革、国の衰退、
    神官たちの悪巧みと画策と王の死、そして
    ツタンカーメンが王位につくだろうというところまでを
    ドラマチックに描いている。
    アクエンアテンの死については諸...続きを読む