中村妙子のレビュー一覧
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購入済み
壮大なスケール
ポアロ作品で最もスピード感、躍動感があり印象的な作品です!じっくり人間心理を読み解くというより、アクション映画を見ているような感覚。
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Posted by ブクログ
アガサ・クリスティが別名義で発表した、ミステリではない小説。
クリスティの人生に波乱が起きた後に書かれた長編で、ドラマチックで面白い。
渾身の出来に、さまざまな思いが浮かびます。
原題は「巨人の糧」で、天才はすべてを捧げつくすといった意味合いが主で、さらに二重の意味も‥
オペラ劇場で画期的な新作「巨人」が公演され、評判となるプロローグ。
さかのぼって、作曲家ヴァーノン・デイアの子供時代から。
幼いヴァーノンは内気で、空想の友達と遊んでいた。
みごとな邸宅でナースと女中達に囲まれ、裕福に育ったのだが。
実は父は邸宅を維持するために結婚し、母は留守がちな父をなじり、喧嘩が絶えない。
生命力豊か -
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Posted by ブクログ
ネタバレメアリ・ウェストマコット名で書かれた小説は、どれも面白い。
アガサクリスティの本を数十冊読んだ後で、同じ作者だということを知っていて読んでいるからかもしれない。
特に、アガサクリスティの自叙伝を読み、アガサクリスティの一生を知ってから、メアリウェストマコット作の作品を読むと、どれもアガサクリスティが登場しているように読める。
マープルものの「ミスマープル」、ポアロものの「アリアドニ・オリヴァ」、トミー&タペンスの「タペンス」など、アガサクリスティの分身は多い。
アガサクリスティの分身を見つけることが、アガサクリスティの作品の楽しみ方の一つになっているかもしれない。
アメリカ出身の -
Posted by ブクログ
ネタバレアガサクリスティの楽しみ方は
1 イギリス文化に馴染む。紅茶、朝食、昼食、夕食など。
鉄道の利用、新聞の読み方、新聞への広告の出し方など。
2 中近東、南アフリカ、オーストラリア、アメリカなど旧植民地の文化に馴染む。
アガサクリスティ自体が行ったことがある地方の描写は、すごく立体的。
3 犯人探し
4 女性のものの見方と男性のものの見方の違い
5 考古学、遺跡発掘作業など。
6 音楽、オペラなどの芸術活動。
7 作家、小説、詩、マザーグースなど。
3以外は、アガサクリスティの経験に基づく内容なので、とても勉強になります。
本書は、1,2,4,5,7 -
Posted by ブクログ
ネタバレアガサクリスティの3つの面がみごとに3人の女性として描かれているように思われる。
まず、未亡人の母親。
再婚をめぐる心の葛藤。
死別ではない、アガサクリスティからは、一番遠い性格のように見受けられる。
未亡人の母親の娘。
わがままだけど、反面大人びた考えの持ち主。
最後は、幸せを選択できるところは、一番アガサクリスティに似ているかもしれない。
未亡人の母親の友人。
著名人で、仕事上はアガサクリスティに一番近い役回り。
考え方、発言も、公式のアガサクリスティの言いたいことを代弁している。
それでも、未亡人の母親の性格の中に、ひょっとしたらアガサクリスティらしさが
織 -
Posted by ブクログ
ネタバレ愛を一手に独占する赤ん坊の妹に対して、死んじゃわないかと思った姉。
それでも、火事のときに、夢中で助け出そうとした人間性。
人間の性格はなかなか直せないが、
愛されることによって変わるかもしれないという望みは残った。
愛するときの重さと、愛されるときの重さの、性格が違うことが分った。
どちらか一方では、手抜かりなのだということを感じた。
ps.
解説において、ハンセン病に対する時代的な認識の限界について断りがある。
原作を書き換えると、時代的な認識の限界が分からなくなるので必ずしも書き換えは必要はないが、最低限、解説では言及がある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小説版ってどういう意味かわからずに購入してしまいました。
ブラックコーヒーは、最初は戯曲としてかかれたということを知りました。
表紙に著者の名前を掲載しないのは、ひどいと思いました。
本の中には、チャールズオズボーン小説化と書かれているので、
表紙にも掲示すべきだと思います。
そんな不満を持って読んでいたので、表現の細かいところに気が回らず、
読み終わったあとも、内容がピンと来ていません。
戯曲版を先に読んでから、本書を読み直してみます。
ps.
2010年、イオンシネマに持って行って、紛失してしまいました。拾われた方はお届けいただけると幸いです。