中村妙子のレビュー一覧
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ネタバレシーリアという女性の半生が描かれている。
優しい両親や、前時代的だがよき理解者である祖母に愛され、シーリアは満ち足りた幼少期を送る。父の死で一家は傾くものの、美しく成長したシーリアには数多の男たちが言い寄ってくる。そんな中でシーリアは、のんびりして包容力のあるピーターの求婚を受ける。シーリアには慎重に結婚相手を決めてほしいピーターは、外地勤務の終わる2年後まで結婚を待つように言って旅立つが、その間にダーモットが現れる。結局シーリアは、ピーターとの婚約を破棄してダーモットを選ぶことに。
優しくて魅力的なダーモットとの間に娘も生まれ、シーリアは幸せだった。だが、幸福に思われた結婚生活にも次第に翳り -
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アクナーテン
どんな作品でもそうだが取りかかる順番はとても大事で、相乗効果で面白さが増す事がよくある。今作、「アクナーテン」を読む前に「ファラオの密室」(2024年)という作品を読んでいた為、世界観が踏襲され、まるで続編を読んでいるかの様な感覚になった。
「ファラオの密室」では神官とこの時代に生きる市民や奴隷、神々を中心に物語が描かれ、「アクナーテン」ではこの時代のファラオ、王族達を中心に物語が進められる。
今作に登場するファラオ、アクナーテン(おそらくアクエンアテンは読み方の違い)は愛と平和に憧憬する王なのだが、歴史上は余り評価されていない。彼が憧れる世界は理想郷であり、人間の悪い部分 -
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購入済み
壮大なスケール
ポアロ作品で最もスピード感、躍動感があり印象的な作品です!じっくり人間心理を読み解くというより、アクション映画を見ているような感覚。
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アガサ・クリスティが別名義で発表した、ミステリではない小説。
クリスティの人生に波乱が起きた後に書かれた長編で、ドラマチックで面白い。
渾身の出来に、さまざまな思いが浮かびます。
原題は「巨人の糧」で、天才はすべてを捧げつくすといった意味合いが主で、さらに二重の意味も‥
オペラ劇場で画期的な新作「巨人」が公演され、評判となるプロローグ。
さかのぼって、作曲家ヴァーノン・デイアの子供時代から。
幼いヴァーノンは内気で、空想の友達と遊んでいた。
みごとな邸宅でナースと女中達に囲まれ、裕福に育ったのだが。
実は父は邸宅を維持するために結婚し、母は留守がちな父をなじり、喧嘩が絶えない。
生命力豊か -
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ネタバレメアリ・ウェストマコット名で書かれた小説は、どれも面白い。
アガサクリスティの本を数十冊読んだ後で、同じ作者だということを知っていて読んでいるからかもしれない。
特に、アガサクリスティの自叙伝を読み、アガサクリスティの一生を知ってから、メアリウェストマコット作の作品を読むと、どれもアガサクリスティが登場しているように読める。
マープルものの「ミスマープル」、ポアロものの「アリアドニ・オリヴァ」、トミー&タペンスの「タペンス」など、アガサクリスティの分身は多い。
アガサクリスティの分身を見つけることが、アガサクリスティの作品の楽しみ方の一つになっているかもしれない。
アメリカ出身の -
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ネタバレアガサクリスティの楽しみ方は
1 イギリス文化に馴染む。紅茶、朝食、昼食、夕食など。
鉄道の利用、新聞の読み方、新聞への広告の出し方など。
2 中近東、南アフリカ、オーストラリア、アメリカなど旧植民地の文化に馴染む。
アガサクリスティ自体が行ったことがある地方の描写は、すごく立体的。
3 犯人探し
4 女性のものの見方と男性のものの見方の違い
5 考古学、遺跡発掘作業など。
6 音楽、オペラなどの芸術活動。
7 作家、小説、詩、マザーグースなど。
3以外は、アガサクリスティの経験に基づく内容なので、とても勉強になります。
本書は、1,2,4,5,7 -
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ネタバレアガサクリスティの3つの面がみごとに3人の女性として描かれているように思われる。
まず、未亡人の母親。
再婚をめぐる心の葛藤。
死別ではない、アガサクリスティからは、一番遠い性格のように見受けられる。
未亡人の母親の娘。
わがままだけど、反面大人びた考えの持ち主。
最後は、幸せを選択できるところは、一番アガサクリスティに似ているかもしれない。
未亡人の母親の友人。
著名人で、仕事上はアガサクリスティに一番近い役回り。
考え方、発言も、公式のアガサクリスティの言いたいことを代弁している。
それでも、未亡人の母親の性格の中に、ひょっとしたらアガサクリスティらしさが
織 -
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ネタバレ愛を一手に独占する赤ん坊の妹に対して、死んじゃわないかと思った姉。
それでも、火事のときに、夢中で助け出そうとした人間性。
人間の性格はなかなか直せないが、
愛されることによって変わるかもしれないという望みは残った。
愛するときの重さと、愛されるときの重さの、性格が違うことが分った。
どちらか一方では、手抜かりなのだということを感じた。
ps.
解説において、ハンセン病に対する時代的な認識の限界について断りがある。
原作を書き換えると、時代的な認識の限界が分からなくなるので必ずしも書き換えは必要はないが、最低限、解説では言及がある。