中村妙子のレビュー一覧
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新聞や雑誌等、様々な媒体に掲載されたきり埋もれていたクリスティーの作品を拾い集めてきた、短編集12話が収録されています。
内容もバラエティに富んでいて、マン島(グレートブリテン島とアイルランド島の間に浮かぶ小さな島)の観光PRの為に書かれた表題作の「マン島の黄金」のような宝探し系の話もあれば、ポアロもの2編「クリスマスの冒険」「バグダッドの大櫃の謎」や、“謎のクィン氏”のクィン&サタースウェイトが登場する「クイン氏のティー・セット」などなど、まさに“拾遺集”というか、“お徳用詰め合わせ”といった感じです。
個人的なお気に入りは、痛快ドッキリもの「名演技」、ほっこりロマンス「孤独な神さま」が好き -
Posted by ブクログ
読者の引き込み方がクリスティーらしいなぁ。小説の最後に、「それは結末じゃない、始まりだ」と言ったのは、私はポジディブな意味にとらえたけど、真意はどうなんだろう。
イザベラみたいに今だけを考えて、自分の輝きをずっと持っていられる人って特別だな。ゲイブリル、クセ強いなぁ。テレサは何事にも理解がある人って感じで描かれているけど、そんな人、本当にいるんだろうか。
幸せになることだけが人生の意義ではない、っていうのには共感する。世間的にみた不幸が、ある人にとっては一種の幸せでありうる。幸福が人生の意義であるとは限らないし。
不幸に生きながらえる人っているよなぁ。悪いわけではないし、無理に変え -
購入済み
ミステリーではない
面白かったです。
ポワロとビッグ4が対決する冒険小説です。
謎解きや犯人探しの要素はあまりないので
素直にストーリーを読み進めるのが良さそうです。 -
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愛の重さは、愛すること、愛されること、これが同じ重さになるのが理想なのか。親対子、兄弟姉妹、夫対妻、どちらかが一方的に愛するだけでは破たんし、愛されるだけでも、愛するだけでも幸せにはならない。
賢く愛くるしい兄、控え目でおとなしい妹ローラ、両親の愛は兄に傾きがち。妹はそこで葛藤する。だが兄は病気であっけなく死んでしまう。そこに兄に似た妹が生まれる。また両親の愛は妹に向かう。私は妹の死を願う。が家が火事になり、とっさに妹を助け出したことで、妹への愛に目覚める。
主人公ローラは誰かに愛される事を願いながら、ずっと愛することで人生を生きてきた。親に愛されなかったと思い込んでいるローラ、妹をひたす -
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若くして夫を亡くし育てた一人娘も19歳になった。そこに再婚してもいいかと思う男性が現れた。ところが娘と男性はそりが合わない。娘は全力で男性を排除しようとする。男性には娘と自分とどちらを択るのか?と選択を迫られ、娘を選ぶ。まるで一人息子を争う嫁姑のような会話が展開される。
また女性が間にはさまり対立が異性という点では婿取り娘対実母と婿。これも間にはさまる娘は大変。自分がこの立場なので、対立相手は娘ではなく実母だが、この小説の未亡人アンが娘と愛する男との間にはさまり神経が摩耗する会話が実にリアルに響いてきて、読むのがつらくなるほどだ。
娘は母親が相手の男性を好きな事に気づかないし気づいてやる余 -
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★★★2019年1月レビュー★★★
『ブラックコーヒー』というタイトルに惹かれて読んでみた。ポワロシリーズのミステリー。1934年の英国が舞台。新たな兵器の化学式を発明した科学者サー・クロード・エイモリー。彼の開発した化学式を巡って起こる殺人事件を名探偵ポワロが解き明かしていく。
ロンドン郊外のエイモリー家の屋敷。被疑者は彼の家族と、訪問中のイタリア人医師。
「ああ犯人はあの人ね」
というオチ。展開のテンポはよく、すらすら読めた。
エルキュール・ポワロの人物が分かる紹介を少しだけ。
*ポワロは几帳面で、何事も整理整頓されていないと気が済まない。「左右対称、均整調和こそ、すべてなんですが -
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ミステリ―と言えないような作品も含まれている短編集。メダウォーによる「まえがき」や「あとがき」も、作品を理解するうえで参考になる。個人的には、風刺の利いた「孤独な神さま」が最も印象に残った。
「夢の家」
「白亜の美しい家」と「美しい女性」。「家」と「人間」の持つ類似点が示唆されている。外見と内面は違うこと、その違いは中に入る人、その人の気持ちの持ち方や病気に影響されることなど。内面をのぞくことの恐ろしさを感じさせる作品。
「名演技」
大女優の過去に気づいた男がそれをネタに揺すろうとする話。女優の持ち前の演技力が功を奏する。
「崖っぷち」
好きだった男性ジェラルドの妻が浮気をしていることを -
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ポワロ作品。
クリスティー原作の戯曲を、クリスティー研究家のオズボーンが小説化したもの
【あらすじ】
強力な爆弾を生み出すことのできる化学式を、開発した化学者の邸宅からロンドンまで運ぶ依頼を受けたポワロ。しかし、邸宅では化学式の盗難騒ぎが起こり、ポワロが邸宅に駆けつける寸前に化学者が殺されてしまう。
【感想】
戯曲が元ネタということもあって、冒頭から登場人物の怪しげな態度や行動が目立って記述されている。また、小説の大部分が読書室での出来事を書いているので、舞台の上だったらどう表現されるのか、想像しながら読み進むのも面白いかも。
小説自体は人物描写と会話のやり取りがメインになっており、読みや -
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クリスティの死後、新聞や雑誌等に掲載されたきりの作品群を発掘した短編集。
表題の「マン島の黄金」含む12編を収録。
「夢の家」 (1926、サヴリン・マガジン)
夢に出てきた白亜の家は、窓から狂気が覗いてた。
人生に倦んだ男が恋した女には狂気が宿っていた。
男は女を追いかけて、女が男を追ったのか。
男が跨いだ敷居の先は、狂気か幸せか。
江戸川乱歩の世界観にも似た心理サスペンス。
「名演技」 (1923、ノヴェル・マガジン)
叩き上げの大女優が打つ 一世一代の大芝居。
根性 根性 ど根性。なめた真似したチンピラが大火傷。
胸のすく大逆転トリック。ウィットの効いた大団円。
「崖っ -
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・レガッタ・デーの事件
知人のボートでレガッタ観戦に出掛けたセレブ一行。
余興で始めたダイヤ隠しだが、全員の目の前で本当に無くなってしまった。
そこに登場した類型的推理の名探偵パーカー・パイン氏。雲隠れしたダイヤの行方は?
・バクダッドの大櫃の謎
犯人は友人を殺し大櫃に隠した。その櫃の前で犯人は被害者の妻とダンスを踊っていた。
スキャンダラスな事件の解明に乗り出したポワロは、芸術的完全犯罪に興奮する。
全ての原因は、若く美しい女性の子供らしい天真爛漫さだったのか。
・あなたの庭はどんな庭
ある富裕な老女がポワロに内偵を依頼して5日後に急死した。
遺産の多くは老女の付き添いの若い外国人女性に